Formula Nippon | JAF Grand Prix

FN:特別戦富士スプリントカップ第2レース決勝 山本尚貴選手、井出有治選手が2-3位表彰台を獲得 (HONDA)

fn101114003L.jpg  11月14日(日)、静岡県駿東郡小山町の富士スピードウェイにおいて、JAFグランプリ富士スプリントカップの決勝レース(2)が行われた。

 昨日の決勝レース(1)に続き、フォーミュラ・ニッポンの2010シーズンを戦った15名のドライバーが、100kmのスプリントレースを行い、ウイナーにJAFグランプリの栄冠が贈られることになる。決勝レース(1)と同様に、タイヤ交換義務もないためにシリーズ戦よりも激しいバトルが期待され、ドライバーの力量が問われるレースとなる。

 スターティンググリッドは、12日(金)に開催された公式予選でのラップタイム順で決定している。昨日のフォーミュラ・ニッポン決勝レース(1)で 3位、SUPER GT決勝レース(1)で2位と大活躍を見せた#10 塚越広大選手(HFDP RACING)が3番手、#2 伊沢拓也選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が4番手、#31 山本尚貴選手(NAKAJIMA RACING)が6番手、#16 井出有治選手(MOTUL TEAM無限)が8番手、#32 小暮卓史選手(NAKAJIMA RACING)が9番手。燃料系のトラブルによりタイムアタックができなかった#1 ロイック・デュバル選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が12番手からスタートを迎える。

 決勝レース(2)は曇り空のもと、昨日に続きドライコンディションでの戦いとなった。航空自衛隊の戦闘機によるデモフライトが行われたあと、12時45分にフォーメーションラップが開始され、全15台のマシンがグリッドから一斉にスタートした。

 スタートでは、井出選手と山本選手、伊沢選手が絶妙の飛び出しを見せて、2-3-4位のポジションを形成する。3番手スタートの塚越選手は5位に後退。12番手スタートのデュバル選手は、好スタートからオープニングラップ中にもポジションを1つ上げて7位に浮上し、小暮選手は11位を走行する。

 2周目に山本選手が2位に浮上、3周目には1分26秒495のファステストラップを更新してトップを追う。5周を終えて、トップと山本選手の差は3秒576の開きがある。

 7周目に、デュバル選手が6位に浮上し、Hondaエンジン搭載マシンが2-3-4-5-6位を形成する展開となる。9周目には小暮選手も9位までばん回する。

 2位の山本選手は、その後も1分26秒台を立て続けに記録をするが、トップを走行するマシンとの4秒弱のギャップはなかなか縮まらない。その約9秒後方に3位の井出選手、伊沢選手、5位に浮上したデュバル選手、塚越選手と続く。

 15周目に入ると、デュバル選手が伊沢選手に追いつき、チームメート同士の激しい4位争いが始まる。デュバル選手が何度も並びかけるが、伊沢選手もブロックをしてポジションを守り続ける。

 残り3周に入り、山本選手は1分26秒台のペースを保つものの、トップとの差は6秒弱まで広がってしまう。しかし、山本選手は最後までペースを緩めずに2位のチェッカーフラッグを受けた。続く3位には前日に続いて好スタートを結果に結びつけた井出選手が入り、山本選手と井出選手が2-3位表彰台を獲得した。伊沢選手はラストラップに自己ベストタイムを記録して4位を守り、5位にデュバル選手、7位に塚越選手が入った。小暮選手は他車との接触によるドライブスルー・ペナルティの裁定を受けたために13位に後退してレースを終えている。

 レース後の表彰式では、決勝(2)とともにJAFグランプリタイトルを争う2日間総合の結果発表も行われ、井出選手と山本選手が総合2-3位で表彰された。

コメント
坂井典次(Tenji Sakai)|「HR10E」開発責任者
 「今日のレースは若手とベテランの2人がきっちりとまとめてくれました。山本選手は6番グリッドから、うまくスタートを決めてくれました。レース中、前も後ろも注意しながら、タイヤの摩耗状況もうまく管理し、終始安定したペースで走れていました。今シーズン一年ですごく成長したと思います。井出選手は、またもロケットスタートが決まりました。昨日の4位は、本人としては少し足りない部分があったようですが、今日は路面状況に適応できて思い通りの走りを見せてくれました。今までのフラストレーションを発散できたのではないでしょうか。今シーズンは、7戦ありましたが、エンジンを3回バージョンアップしました。最終戦の鈴鹿でも、Q3に進出したクルマ8台のうち、5台がHondaエンジンという結果が示すとおり、ライバルたちに全体的な速さは負けていません。来年も引き続き『勝つためにできることはやる』という姿勢で、開発していきます。一年間応援ありがとうございました」
山本尚貴選手(2位/総合3位 #31 NAKAJIMA RACING)
 「シーズン後半からスタートには自信があったので、うまく決まってよかったです。フォーミュラ・ニッポンのマシンはタイヤが温まると差がつきにくく、温まる前に前を走っているライバルを攻略できるかがカギなので、前半のうちにプッシュする作戦でした。そこで、差を詰められるようにペースを上げて走りましたが、追いつくことができませんでした。今まで、トップの選手と走行することがありませんでしたが、今日は間近で体感でき、ペース配分など勉強になりました。今シーズンは、予選でトップ3に入る、表彰台に上るという2つの目標がありました。最終戦の鈴鹿で予選トップ3に入り、残りの目標を今日のレースで達成できたので、非常に価値のあるシーズンとなりました。いいチーム、マシン、スポンサーと一緒に仕事ができて非常に充実した一年でした。表彰台に上れたことで、心に少し余裕ができました。これからシーズンオフになりますが、学んだことを振り返りながら、成長していきたいです。ご声援ありがとうございました」
井出有治選手(3位/総合2位 #16 MOTUL TEAM無限)
 「今日は絶対に抜かれないという気持ちで走りました。スタートがうまく決まり、5~6周を終えたところで表彰台に上がれそうだと感じました。前半からプッシュし、途中、タイヤのグリップやマシンのバランスが変化しましたが、ぶつからないで走りきることを考えました。今シーズン最後のレースで表彰台に上がれてよかったですが、本当に喜べるのは、表彰台の真ん中に立ってからだと思います。優勝したかったです。シーズン序盤は、なかなかいいレースができませんでしたが、尻上がりに順位を上げることができました。成績の悪いときも応援してくださったファンのみなさま、本当に力になりました。今シーズン、ありがとうございました」
Text & Photo: HONDA


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