--ダニエルソン幻のポール! ポイントリーダーアピチェラ&童夢、最高の位置から初のチャンプ奪取へ-- 秋晴れの富士スピードウェイ。時折吹く風が心地よい絶好の行楽…いや、レース日 和。レギュラーメンバーに、出戻りの#21和田Q、ニューフェイスの日本人3人#10 山田、#12田嶋、#55飯田、そしてF1GP出場のM.サロの代打として急遽出場が 決まった#17ディーンを加え21台が予選に登場。久々に賑やかなグリッド争奪戦とな った。 午前中行われた1回目の予選。前半はルーキー、若手が凌ぎを削ったが、動きが本 格化したのは残り20分を切ってから。ここから上位を争う選手が続々コースイン。 まず口火を切ったのは今季の低迷を残り2戦で振り切り来シーズンに繋げたい#1星 野(1'16"8)。ところが、このタイムはチャンピオン奪取に可能性を残す#20スコッ ト即座に逆転される(16"7)。同じくここで負けるとチャンプの可能性を失う#25チ ーバーも僅かに#1星野を上回るタイムをマークし2位へ浮上。 残り10分となったところで、ポイントリーダー#8アピチェラがコースへ。16"6を 記録しあっさりトップを奪うが、同時にコースインしていた#18ダニエルソンがこれ をまた逆転(16"3)。唯一のジャドエンジン、そして少数派ヨコハマタイヤの#18ダ ニエルソンは今回絶好調。最後に#25チーバーが起死回生のアタックで16"2を叩き出 し1回目の予選は終了。 午後2時から始まった2回目の予選。あまりの好天に路面温度の上昇が危惧された が、この季節の日差しはこの時刻になるとかなり西に傾く。これに風も手伝って路面 温度の上昇は抑えられ条件は整った。 ところが、開始早々ルーキー#10山田がヘアピンのグラベルに捕まり、#5クロス ノフもダンロップコーナーでストップ。これにより赤旗が提示され予選は中断となっ てしまう。そして再開。コース上は混み合っていたが#9マルティニ、#16影山らが 16秒台をマーク。最後のアタック合戦がはじまったかに見えた。が、ここで#7国光 が最終コーナーでクラッシュ。幸い国光選手に怪我はなかったが、マシンはフロント タイヤがちぎれるなどのダメージを負った。このアクシデントで予選は10分を残して 再度中断。上位陣は実質の予選となる最後の10分へ賭けることになる。 午後3時に再開された10分の予選に全精力を注ぎ込むため、各マシンは次々とコー スイン。が、ここで#17ディーンがサントリーコーナーのグラベルへ。これでこの区 間は追越し禁止の黄旗が提示。これがあろうことかチームメイトの偉業をフイにする ことになる。 トップ交代劇が始まったのは残り5分となってから。#20スコットが16"2をマーク。 これを見るやここまでトップだった#25チーバーがコースに飛びだす。#24服部も 16"4で3位に浮上するがそれも束の間。#18ダニエルソンが始めて16秒を切る15"970 でトップ、#8アピチェラも16"0で食い下がるが、#18ダニエルソンは駄目押しの15" 819 で応酬。#9マルティニ、#25チーバーもタイムアップし、上位は外国人ドライ バーが独占。最後の最後に#8アピチェラも逆転を狙ったが僅かに届かず(15"893)、 ダークホース的存在のダニエルソンが初ポールポジション。 これは吉田監督率いるアド・レーシング、今年から投入されたケン・マツウラチュ ーンのジャドエンジンにとっても初の快挙。ヨコハマタイヤにとっても?年振り、か つての「富士に強いヨコハマ」復活と、このままの結果であれば関係者は諸手を挙げ て喜べる結果だった。 ところが、予選終了後ダニエルソンはサントリーコーナーでの黄旗無視(追越し禁 止違反)によりベストタイム抹消の裁定が下る。幸いダニエルソンのセカンドタイム は#アピチェラのタイムに次ぐものだったため、2位のグリッドは得ることができた が、堂々と並ぶはずだった「初」の文字はこれで無情にも消えた。 チャンピオンを争う3人は、アピチェラ(PP)、チーバー(4位)、スコット (5位)というグリッドからのスタートとなるが、PPから5位までのタイム差は僅 か0.3秒。決勝はスタート直後の1コーナーが運命の別れ道となる(はず)。 FMOTOR4F SYSOP 北島滋穂(SDI00685)