Formula Nippon

FN:第9戦鈴鹿決勝 小暮が3連続ポール・トゥ・ウィン!トレルイエリタイヤにより2007王座は小暮の手に!カナーンは7位でフィニッシュ。

11月18日、鈴鹿サーキットで行われた2007年全日本選手権フォーミュラニッポン最終戦の決勝は、#32小暮卓史(PIAA NAKAJIMA)が3戦連続のポール・トゥ・ウィンを達成。
ランキングトップだった#1ブノワ・トレルイエ(mobilecast Team IMPUL)がリタイヤに終わったため、 逆転で2007年シリーズチャンピオンを獲得した。
また、今回スポット参戦したインディカードライバー、トニー・カナーンは18番手スタートながら着実に順位を上げ、7位でフィニッシュした。

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サポートイベントのFCJでクラッシュにより赤旗中断があったため、 決勝レースは当初予定より20分遅れでフォーメーションが開始された。
時折小雨が降り、レース展開への影響が心配されたが、最後までスリックタイヤでの走行に支障が出るほどではなかった。

ポールシッターの小暮は無難にスタートを決め、トップで1コーナーを制したが、 その後方では4番手スタートのトレルイエがジャンプアップを果たし、2位に浮上してきた。
3番手は小暮のチームメイト、ロイック・デュバルだ。

小暮は徐々にトレルイエを引き離しにかかり、10周目でその差を3秒とするが、 このままの順位でレースを終えればトレルイエが2ポイント差でタイトルを手にしてしまう。
ここから2007年のシリーズタイトルの行方はトレルイエとデュバルによる2位争いの結果次第という展開となった。

1秒以内の差を保って懸命にトレルイエを追い上げるデュバル。
両者は一進一退の攻防を繰り返しながら25周終わりで同時にピットイン。
作業時間ではトレルイエ30秒7、デュバル30秒4と、PIAAナカジマがコンマ3秒上回ったが、 トレルイエはぎりぎりのタイミングでデュバルの鼻先を押さえ込んでコースに復帰した。

この2位争いを尻目に、20周終了時点でトレルイエとの差を5秒5まで広げた小暮は28周終わりでピットイン。 32.4秒の作業時間で悠々トップをキープしたままピットアウト。この時点でトレルイエは未だ130Rを立ち上がったばかり。という状態。
この時点でレースの勝敗はほぼ決した。
あとはタイトル争いがどう決着するか、にレースの興味は絞られた。

ルーティンストップを終えてもトレルイエとデュバルの戦いは続く。
30周目にトレルイエが1分44秒台にペースを上げると、デュバルも31周目に44秒905をたたき出してトレルイエのテールに張り付く。
ヘアピンで、シケインで、1コーナーで、積極的に仕掛けていくデュバル。一歩も引かないトレルイエ。

しかし二人のバトルは33周目にあっけない幕切れを迎える。
スプーンの立ち上がりからスリップに入り、130Rでインに飛び込んだデュバルと、 それまでどおりにレコードラインにクルマを進めたトレルイエが激しく接触。 両者はアウト側のグラベルに飛び出してタイヤウォールに激突したのだ。
幸い両ドライバーとも無傷でクルマを降りたが、これで二人のレースは終わってしまい、トレルイエのタイトル防衛の可能性もほぼ費えた。

一方、トップをひた走る小暮は同じ33周目に1分44秒595を記録。 皮肉なことにこのタイムがこのレースのファステストラップとなった。
2位に繰り上がった#19本山哲とはすでに15秒以上のマージンがある。

小暮は全く危なげない走りで残り18周を走りきり、最終的に2位に20秒362の大差をつけて今季4勝目を挙げ、 第7戦菅生から3戦連続のポール・トゥ・ウィンを達成した。
これで10ポイントを獲得してトータル51ポイント、リタイヤしたトレルイエを6ポイント上回り、 初めてのフォーミュラニッポン王座を獲得した。

3位には#36アンドレ・ロッテラーが入り、 小暮と同ポイントでこのレースに臨んだ#2松田次生は序盤に金石年弘との接触などがありながらもしぶとく51周を走り切り、 5位でフィニッシュ。ランキング3位は変わらないものの、2位トレルイエと同ポイントで2007シーズンを締めくくり、モバイルキャスト・ チーム・インパルにチームタイトルをもたらした。

また、今回スポット参戦した#27トニー・カナーンは、18番手スタートながら終始安定したペースで着実に順位を上げ、 7位で初めてのフォーミュラニッポンをフィニッシュした。
彼は残念ながらJAFの規定により選手権ポイントの対象にはならないが、慣れないクルマ、初めてのサーキットでの11ポジションアップは、 インディカーのトップドライバーの名に恥じないものといえよう。

フォーミュラニッポンはこれでオフシーズンに入るが、明後日20日にはドライバーオーディションが予定されており、 カナーンと同じインディカーシリーズから松浦孝亮、ヨーロッパのGP2からは平手晃平が、 全日本F3の上位ランカーとともに参加することとなっている。
また、2008シーズンには新たにパドルシフトの採用や、ノックアウト方式の予選、1イベント2レースの開催など、 新鮮な話題には事欠かない。

フォーミュラニッポンの2008シーズンは4月6日、富士スピードウェイで開幕する。

【後記】

 この記事が投稿されて以降、決勝後の公式車両検査にて、小暮卓史選手は失格となっています。詳しくは以下の記事をご覧ください。

Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum



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