F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第6,13,14戦もてぎ 第6戦で川合孝汰が初優勝、平木湧也も3位で揃って表彰台へ! 第14戦では平木湧也が2勝目を上げてランキング6位、玲次も入賞果たす (Le Beausset)

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 ル・ボーセ モータースポーツが挑むカテゴリーのひとつ、FIA-F4選手権シリーズの最終大会が11月11日(金)、12日(土)、13日(日)にツインリンクもてぎ(栃木県)で開催された。ドライバー育成を最大の主旨として、大いに盛り上がりを見せたシリーズに、川合孝汰、平木玲次、平木湧也の3人で挑んでいた。

 前回の鈴鹿大会から、インターバルは実に2か月半。8月の富士大会と同様に、オートポリス大会の代替レースとなる第6戦が組み込まれ、今季2度目の3レース開催となった。それはすなわち大量得点も可能ということでもあり、3人のドライバーたちに期待されたのはシリーズランキングの大躍進。特に湧也にはチャンピオン獲得の権利も残されていた。

予選 11月11日(金)天候/雨 コース状況/ウエット

 今大会はメインレースのスーパーGTも、オートポリス大会の代替レースを土曜日に開催することもあり、予選は土曜日ではなく、金曜日の午後に行われることになった。特別専有走行も水曜日から実施され、もちろん、川合と湧也、玲次もこの日から走行を開始。

 川合は昨年のスーパーFJチャンピオンとして、また湧也は昨年のFIA-F4で、もてぎでのレース経験を持つものの、玲次は鈴鹿でのスーパーFJしかレース経験がないため、実は今大会がもてぎでの初レースとなる。木曜日までは肌寒くはあったが、終始ドライコンディションが保たれたため、それぞれしっかり周回を重ね、確かな手応えを感じていた。

 しかし、金曜日になると天候は一転。早朝の専有走行1回目は、強い雨に見舞われてしまう。しかも2回の赤旗中断があって、3人ともチェック走行しかできずに終わる。2回目は雨もやんでいたが、まだ路面は濡れたまま。それも赤旗中断がなかったこともあり、しっかりウェットコンディションでのマイレージを稼ぎ、予選に備えることとなった。

 その予選を前にして、また雨が降り始めてしまう。3人の中で、最初にタイムを出してきたのが湧也ながら、次の周の1コーナーでオーバーラン。その間に川合と玲次のタイムが上回る。そのままタイムを縮めていくことが期待されたが、8分間経過後のヘアピンでコースアウト車両があり、赤旗が出されてしまう。最も不運だったのは川合で、その直前までセクター自己ベストを刻み続けていたからだ。

 残り15分間で計測は開始されるが、ベストタイムは変わらず、川合は第6戦で11番手、第13戦で8番手、玲次は16番手と13番手、湧也は19番手と14番手となり、それぞれのポジションから土曜日の2レースに挑むこととなった。

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決勝第6戦 11月12日(土)天候/曇り コース状況/セミウエット

 土曜日のもてぎは予報通り天気には恵まれた一方で、第6戦決勝は早朝に行われたこともあり、路面はまだ濡れたまま。それぞれタイヤ選択に悩む中、フロントローに並んだ上位陣はウェットタイヤを装着して不動のまま。これに対して、川合と玲次、湧也はコースインの段階からドライタイヤを選択する。

 ウェットタイヤを装着した車両がオープニングラップのうちに逃げるも、3周もするとドライタイヤを装着した車両のラップタイムが上回るようになり、その時の最上位は誰あろう川合。その時点で7秒ほどあった差はあっという間に詰まり、5周目のヘアピンで2番手に上がり、6周目の4コーナーで川合は難なくトップに浮上。そのままリードを広げた川合は終盤になると、後続にペースを合わせる余裕さえ見せて独走で初優勝を飾る。

 そして、湧也も順位を上げ続け、8周目には5番手に浮上。その後も3台で激しいバトルを繰り広げ、10周目には相次いで2台の前に出て3番手に躍り出る。この結果、初優勝を飾った第10戦以来の表彰台に、川合とともに立つこととなった。

 一方、玲次は対照的な展開に。オープニングラップのビクトリーコーナー前で接触があり、31番手にまで後退。マシンにはダメージがなかったことから、その後は激しく追い上げて9位でゴールしたものの、接触にペナルティの判定がされてしまい30秒加算で21位となった。

第13戦決勝 11月12日(土)天候/曇り コース状況/ドライ

 午後から行われた第13戦決勝は、路面は完全に乾いて、初めてドライタイヤを全車が装着する戦いとなった。3人はそれぞれ無難にスタートを切るも、オープニングラップのヘアピンで前方にアクシデントが発生。コース中央で止まった車両を、川合と玲次はギリギリでかわすが、湧也は行き場をなくしてダートから回避せざるを得ず、22番手まで後退する。

 川合は玲次を引き連れる格好で、しばらくは周回を重ねて入賞圏内に徐々に近づいていき、7周目には10番手に。そして、最終ラップにもひとつ順位を上げて、9位でフィニッシュ。

 川合と離れてからの玲次は、そのままの順位を保って12位。追い上げた湧也ではあったものの18位でフィニッシュとなった。

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第14戦決勝 11月13日(日)天候/晴れ コース状況/ドライ

 今季最後の戦いは、湧也が2番手、川合が4番手、そして玲次も9番手と全員シングルからのスタートとなった。

 スタートを決めて湧也が1コーナーでトップに立つが、3コーナーでポールシッターの逆転を許す。だが、5コーナーでの相手のミスを見逃さなかった、湧也は再逆転に成功。その直後にまたもアクシデントがあり、1周だけだがセーフティカー(SC)がコースに入る。リスタートも完璧に決めた湧也は、2台を背後に連ねて、激しくトップを競い合う。もはやワンミスも許されぬ厳しい状況を、最後まで耐え抜いた湧也が2勝目をマーク。

 一方、スタート直後の混乱もうまくかいくぐった玲次は、1周目のうちに2ポジションアップ。SCが入って後続との差を詰められてしまうも、しっかりと順位を守り続けていたが、9位でのフィニッシュ。

 そして川合は3コーナーでの接触を回避しようとダートに出たところで、コースアウトした車両に撃墜され、無念のリタイアを喫することとなった。

 これでシリーズは14戦すべてのスケジュールを終了。湧也がランキング6位、孝汰が11位、そして玲次が19位を獲得した。

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チーム監督 坪松唯夫(Tadao Tsubomatsu)COMMENT
 最終戦の茂木はホームコースと言うこともあり、十分に走り込んでレースウィークに入った。コースの特性上、戦えるクルマにはブレーキング区間での安定性が求められるが、ベストと言うセッティングが決まらず、3レースを通しながら問題を改善していった。このコースで育った孝汰は、難しいコンディションでも落ち着いて周回を重ね、この一年間での成長を優勝と言う結果で証明した。玲次は、結果こそ残せなかったが、随所に速さをみせてくれたことが収穫であり、本人の自信に繋がったと思う。湧也は、自身の持つマインドと勝負所を的確に捉えたレース運びでクルマのポテンシャルを最大限に引き出すことが出来た。最終戦での2勝はドライバーとチームにとって素晴らしいものになった。
Driver 川合孝汰(Kohta Kawaai)COMMENT
 まず予選ですが、ウェットでは上り調子で本番に合わせられたはずなので、ちょっと残念でした。レース1に関してはタイヤ選択が正解で、スリック勢の中で単独で走っていたというのもあるんですが、タイムもそんなに悪くなくて、いつも以上に落ち着いてレースできたから、勝てたんじゃないかと思います。レース3ではスタート直後に接触を避けようと、僕の翼端板と向こうのホールが当たっているんですが、スピンをせずにダートに出て戻ってきたところに、後ろの車に突っ込まれて、リタイアという形でした。最終戦なのでちょっと後味は悪いですが、今年ひとつ優勝できたというのは大きいですし、嬉しいです。これを来年につなげられるようにしたいです。
Driver 平木玲次(Reiji Hiraki)COMMENT
 予選は雨でうまく攻めきれず、シングルにも入れなかったんですけど、まずレース1では僕ら3人ともクルマがすごく決まっていて、スタートからペースも良かったのに、1周目の最終コーナーで接触してしまって。そこからもいいペースで追い上げられたんですが、その接触がペナルティと判定されたのは残念です。レース3は、スタートで混乱があって、そこはうまく切り抜けられたんですが、SCが入ったことで後ろとの間隔も縮まり、後半に抜かれてしまって9位で終わってしまいました。週末通して、速さは足りませんでした。レースになれば上がっていけるんですが、まだトップ争いができるほどのスピードはないというのが現状なので、しっかり反省点を見つめていきたいと思います。
Driver 平木湧也(Yuya Hiraki)COMMENT
 雨の予選で僕は今ひとつアジャストしきれず、1周目がベストという悔しい結果になってしまい、最初のレースは後方スタートになったんです。しかも難しいコンディションではあったんですが、僕らはチームの戦略として最初からスリック で出て行ったのが大きかったと思います。クルマのバランスも良かったので3位まで上げられました。唯一悔しかったのは2レース目で、ヘアピンで接触が前にあって避けきれず、もうグラベルに出るしかないという状況で…。最後のレースは2番手スタートという、ものすごくいい状況でしたから、序盤に仕掛けようと思っていました。去年、なかなか優勝できないシーズンを送っていて、今年はチャンピオンを獲るぞ、って強い気持ちで新たに始めましたが、なかなか結果につなげられなかったのを、最後に優勝で締めくくれたのは、僕だけじゃないチームの力だと思います。
Le Beausset Motorsports


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