2010.02.19
2010年Hondaモータースポーツ活動の概要
Hondaは、チャレンジングスピリットの象徴であるモータースポーツ活動に対し、創業当時から世界の頂点を目指して様々なレースカテゴリーに挑戦してきました。昨年は、ロードレース世界選手権(WGP)のマン島T.T.レースへの初出場から50年の節目を迎えました。Hondaは、これまでに培ったノウハウとチャレンジングスピリットを持って、それぞれのカテゴリーでより多くのお客様の期待に応え、喜んでいただけるモータースポーツ活動を展開し、そこから生まれる夢と感動をお客様と共有して参ります。
1.モータースポーツ参戦体制
○二輪のモータースポーツ活動
ロードレース世界選手権シリーズ(WGP)の最高峰MotoGPクラスは、ワークスチームである「レプソル・ホンダ・チーム」のダニ・ペドロサとアンドレア・ドヴィツィオーゾに加え、サテライトチームからは3チーム4名のライダーが参戦します。投入するマシンの"RC212V"は、熟成を重ねより一層戦闘力を高めたモデルを開発。チーム体制とマシンの双方を強化し、ライダー、コンストラクター、チームタイトルの3冠獲得に挑戦いたします。
また、WGPには今シーズンからMoto2クラスが新設されます。Hondaはこのカテゴリーにおいて、唯一のオフィシャルエンジンサプライヤーとして参画いたします。エンジンは、市販スーパースポーツ車"CBR600RR"の直列4気筒エンジンをベースに、Moto2専用に開発したエンジンを全チームに供給します。
トライアル世界選手権シリーズ(WCT)には、「レプソル・モンテッサ・ホンダ」が参戦。圧倒的な強さを発揮するトニー・ボウとベテラン日本人ライダーの藤波貴久の2名体制で、昨シーズンに引き続き、ライダーズタイトルとマニュファクチャラーズタイトルの2冠を狙います。
その他、鈴鹿8時間耐久ロードレース、全日本選手権の各カテゴリー、そして海外の選手権など幅広いレース活動を展開し、それぞれ頂点を目指し戦って参ります。
○四輪のモータースポーツ活動
北米地域において、2003年より参戦し、2006年より唯一のエンジンサプライヤーとなったIRL インディカー・シリーズにおいて、今年も100%エタノール燃料のHondaV8エンジン"HI10R"を全チームに供給します。IRLに参戦する日本人ドライバーとしては、武藤英紀が「ニューマン・ハース・ラニガン・レーシング」に移籍し、またF1で活躍した佐藤琢磨が今シーズンより「ケーブイ・レーシング・テクノロジー」から参戦します。
国内では、SUPER GTシリーズにおいて、新型車"HSV-010 GT"を投入し、5チーム5台体制で参戦します。「Honda GTプロジェクト」として、(株)本田技術研究所が主体となってマシンを開発し、(株)M-TECと(株)童夢の協力のもと、新型車参戦初年でのタイトル獲得を目指します。
昨シーズン、ドライバーとチームのダブルタイトルを獲得したフォーミュラ・ニッポンでは、3.4L V8エンジン"HR10E"を、3チーム5台に供給します。
また、国内外の頂点レースで表彰台を競えるドライバーの育成を目的に、「Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)」として、若手選手の輩出に積極的に取り組みます。「鈴鹿サーキットレーシングスクール カート(SRS-K)」「鈴鹿サーキットレーシングスクール フォーミュラ(SRS-F)」のレーシングスクールや、「フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)」「全日本F3選手権」「フォーミュラ・ニッポン」を通して、活動して参ります。
2.モータースポーツの普及
(株)モビリティランドは、今後もレースの開催や「見て、遊んで、体感する」場と機会の創出に積極的に取り組み、日本のモータースポーツ文化のさらなる発展に寄与して参ります。
ツインリンクもてぎでは「ロードレース世界選手権シリーズ第2戦 日本グランプリ」「トライアル世界選手権シリーズ第3戦 日本グランプリ」を開催。また、鈴鹿サーキットでは「2010 F1世界選手権シリーズ第16戦 日本グランプリ」を開催。二輪、四輪それぞれの最高峰レースをはじめ、国内外の様々なモータースポーツを観戦し、体感いただく機会を提供して参ります。
また、Honda車オーナーに向け、「観て」「参加して」「楽しむ」ことを目的とした、「Enjoy Honda」を引き続き開催いたします。鈴鹿サーキットでは、4月17日(土)〜18日(日)に「鈴鹿2&4レース」と併催で、ツインリンクもてぎでは8月7日(土)〜8日(日)に「フォーミュラ・ニッポン第4戦」との併催で、開催する予定です。
また引き続き、「ホンダ エキサイティングカップ ワンメイクレース〜シビックシリーズ〜」を開催するなど、お客様が参加して楽しんでいただく様々なイベントを各地域で開催をする予定です。
■モビリティランドが開催する主な国際レース
カテゴリー | 開催日程 | 大会名 | 開催会場 |
WGP | 4月23日(金)〜25日(日) | 2010 FIMロードレース世界選手権シリーズ | ツインリンクもてぎ |
第2戦 日本グランプリ | (栃木県) | ||
WCT | 6月5日(土)〜6日(日) | 2010 FIMトライアル世界選手権シリーズ | ツインリンクもてぎ |
第3戦 日本グランプリ | (栃木県) | ||
EWC | 7月22日(木)〜25日(日) | FIM世界耐久選手権シリーズ | 鈴鹿サーキット |
第3戦 鈴鹿8時間耐久ロードレース | (三重県) | ||
IRL | 9月17日(金)〜19日(日) | 2010 IRL インディカー・シリーズ | ツインリンクもてぎ |
第16戦 インディジャパン300マイル | (栃木県) | ||
F1 | 10月8日(金)〜10日(日) | 2010 F1世界選手権シリーズ | 鈴鹿サーキット |
第16戦 日本グランプリ | (三重県 |
《四輪参戦体制概要》
◆IRL インディカー・シリーズ
アメリカン・ホンダ・モーターの子会社であるホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)が、IRL インディカー・シリーズ唯一のエンジンサプライヤーとして、3.5L V8エンジン"HI10R"を全チームに供給します。
IRLに参戦する日本人ドライバーは、3年目を迎えた武藤英紀が本年は「ニューマン・ハース・ラニガン・レーシング」から、さらにF1で活躍した佐藤琢磨が「ケーブイ・レーシング・テクノロジー」からIRL インディカー・シリーズに初挑戦します。
チーム名 | ナンバー | ドライバー | 年齢 | 国籍 | 2009年の戦績 |
ニューマン・ハース・ラニガン・レーシング | − | 武藤 英紀 | 27 | 日本・東京都 | IRL 11位 |
(Newman/Haas/Lanigan Racing) | (Hideki Mutoh) | ||||
ケーブイ・レーシング・テクノロジー | − | 佐藤 琢磨 | 33 | 日本・東京都 | − |
(KV Racing Technology) | (Takuma Sato) |
◆SUPER GT
これまで13年間※12にわたりに参戦してきたNSX-GTに代わり、新型車"HSV-010 GT"を投入し、5チーム5台体制でGT500クラスに参戦します。また今シーズンからは、「Honda GTプロジェクト」として、(株)M-TECと(株)童夢の協力のもと、(株)本田技術研究所が主体となってマシンを開発し、チームとドライバーのダブルタイトル獲得を目指します。
※12 SUPER GTの前身である全日本GT選手権を含む
チーム名 | ナンバー | ドライバー | 年齢 | 国籍 | 2009年の戦績 |
オートバックス・レーシング・チーム・アグリ | 8 | ラルフ・ファーマン | 34 | イギリス | GT500 2位 |
(AUTOBACS RACING TEAM AGURI) | (Ralph Firman) | ||||
井出 有治 | 35 | 日本・埼玉県 | GT500 13位 | ||
(Yuji Ide) | |||||
ケーヒン リアル レーシング | 17 | 金石 年弘 | 31 | 日本・大阪府 | GT500 5位 |
(KEIHIN REAL RACING) | (Toshihiro Kaneishi) | ||||
塚越 広大 | 23 | 日本・栃木県 | GT500 5位 | ||
(Kodai Tsukakoshi) | |||||
ウイダー ホンダ レーシング | 18 | 小暮 卓史 | 29 | 日本・群馬県 | GT500 6位 |
(weider Honda Racing) | (Takashi Kogure) | ||||
ロイック・デュバル | 27 | フランス | GT500 16位 | ||
(Loic Duval) | |||||
エプソン・ナカジマ・レーシング | 32 | 道上 龍 | 36 | 日本・奈良県 | GT500 6位 |
(EPSON NAKAJIMA RACING) | (Ryo Michigami) | ||||
中山 友貴 | 22 | 日本・石川県 | GT500 16位 | ||
(Yuhki Nakayama) | |||||
チームクニミツ | 100 | 伊沢 拓也 | 25 | 日本・東京都 | GT500 2位 |
(Team Kunimitsu) | (Takuya Izawa) | ||||
山本 尚貴 | 21 | 日本・栃木県 | F3 Nクラス | ||
(Naoki Yamamoto) | チャンピオン |
◆フォーミュラ・ニッポン
(株)日本レースプロモーションを通じ、昨年度ドライバーとチームタイトルの獲得に貢献した、3.4L V8エンジンの今年型"HR10E"を3チーム5台に供給します。
チーム名 | ナンバー | ドライバー | 年齢 | 国籍 | 2009年の戦績 |
ドコモ チーム ダンディライアン レーシング | 1 | ロイック・デュバル | 27 | フランス | FN チャンピオン |
(DOCOMO TEAM DANDELION RACING) | (Loic Duval) | ||||
2 | 伊沢 拓也 | 25 | 日本・東京都 | FN 8位 | |
(Takuya Izawa) | |||||
エイチ エフ ディー ピー レーシング | 10 | 塚越 広大 | 23 | 日本・栃木県 | FN 7位 |
(HFDP RACING) | (Kodai Tsukakoshi) | ||||
ナカジマ レーシング | 31 | 山本 尚貴 | 21 | 日本・栃木県 | F3 Nクラス |
(NAKAJIMA RACING) | (Naoki Yamamoto) | チャンピオン | |||
32 | 小暮 卓史 | 29 | 日本・群馬県 | FN 4位 | |
(Takashi Kogure) |
●カーナンバーについては、暫定のため変更になる場合があります
◆全日本F3選手権
全日本F3選手権 C(チャンピオン)クラスに、「トダ レーシング」がHondaエンジンをベースとした"MF204C"を搭載し参戦します。
カテゴリー | チーム名 | ドライバー | 年齢 | 出身地 | 2009年の戦績 |
フォーミュラ・ | エイチ エフ ディー ピー レーシング | 塚越 広大 | 23 | 栃木県 | FN 7位 |
ニッポン | (HFDP RACING) | (Kodai Tsukakoshi) | |||
全日本F3 | エイチ エフ ディー ピー レーシング | 小林 崇志 | 22 | 広島県 | F3 Nクラス 4位 |
Nクラス | (HFDP RACING) | (Takashi Kobayashi) | |||
三浦 和樹 | 21 | 岩手県 | FCJ チャンピオン | ||
(Kazuki Miura) | |||||
英国F3 | ライコネン ロバートソン レーシング | 中嶋 大祐 | 21 | 愛知県 | 英国F3 7位 |
(Raikkonen Robertson Racing) | (Daisuke Nakajima) |
◆人材の育成:フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト
国内外で活躍する有能な若手ドライバーの発掘・育成を目的に、人材育成プログラム「Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)」を展開しています。今シーズンは、フォーミュラ・ニッポンに参戦する1名と、全日本F3選手権 N(ナショナル)クラスに参戦する2名、そしてBritish F3 International(英国F3)に参戦する1名のドライバーをそれぞれサポートしています。
2009年、全日本F3 Nクラスチャンピオンを獲得した山本尚貴は、SUPER GTおよびフォーミュラ・ニッポンに、フォーミュラチャレンジ・ジャパンのチャンピオンを獲得した三浦和樹は、全日本F3 Nクラスにそれぞれステップアップして参戦します。
また、「世界で活躍する有能な若手ドライバーの発掘と育成」を目的に、自動車メーカー3社※13が協力して設立した、ジュニア・フォーミュラレース「フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)」に引き続き協力していくとともに、スカラシップとして4名のドライバーの参戦をサポートします。
※13 FCJは2006年より、Honda、Toyota、Nissanの自動車メーカー3社が協力して創設した新しいジュニア・フォーミュラカーレース。その理念は「世界で活躍する有能な若手ドライバーの発掘と育成」および「日本のモータースポーツの裾野を広げ将来を支える人材の育成」という点に置かれています