午前中の最後のサポートレースである、シビックレースがスタートした頃から降 り始めたレースは、このレースを赤旗中断の上再スタートに追い込むほど強い雨 だった。 この雨はF3000のスタートの時刻になっても全く降りやむ様子はなく、直前 のウォームアップ走行では、#19星野 一義を含めた4名をスピン、コースアウト へと追い込んだ。 雨はスタート時刻にはさらに大粒で激しく降り始め、まるで去年の鈴鹿GPを思 わせる様相を呈してきたが、フォーメーションラップはそのまま進んだ。 全車グリッドに付いたのを確認し、グリーンシグナルは点灯した。 ポールポジションの#24服部 尚貴は一瞬出遅れたかにみえたが、ヘビー ウェットのコンディションに助けられた形でそのまま1コーナーを制した。 その後ろで素晴らしいロケットスタートを決めたのが#8中野 信治だ。彼は5 番グリッドの位置から勢いよく加速し、あっという間に2位のポジションを手に入 れて1コーナーを駆け抜けた。 この後に続いたのが#20アンドリュー・ギルバート・スコットと#7影山 正彦 だった。影山は7番手グリッドからのジャンプアップで一気に3位の座をを手に入 れようと試みたが、AGスコットがインを厳しくガードしたために、危険なほど接 近したままにそのまま並走する形でコーナーをクリアしていった。 その後スコットは影山と中野を抜き去り、1周目が終了する時には2位のポジ ションに戻っていた。しかし、先頭の服部は抜きんでて早く、早くもリードを取ろ うとしているかのようだった。 #64高木 虎之介は1周目が終了する前に雨に救われた形でコースアウトしてし まっている。 1周目が終了した時点の順位は、#24服部 尚貴、#20アンドリュー・ギルバート ・スコット、#8中野 信治、#7影山 正彦、#19星野 一義、#11トム・クリステ ンセンの順であった。 ここで大きなアクシデントが発生した。ストレートを全開で走る#65黒沢 琢弥 がアウト側に突然コースアウト。そのままコンクリートウォールに激突し、マシン が大破してしまったのだ。ドライバーはすぐさま救出されたが、意識がはっきりし ていないのか立ち上がることができない様子だ。 同時に1コーナーでは#10飯田 章がブレーキングで姿勢を乱してアウト側にク ラッシュ。リアエンドを大破してストップ。 また、チームメイトの#9マウロ・マルティニも1コーナーでまっすぐ行ってし まい、グラベルベッドの餌食となってしまった。 相次ぐアクシデントにオフィシャルはすぐさま赤旗を提示し、レースは1周目を 終わったところで中断となった。 黒沢は胸部打撲をしているものの、たいした怪我はないようだったが、救急車で 医務室での診断をうけた後でそのまま病院に送られた。 車両はグリッド上に待機となったが、結局強い雨が降りやまないという判断から か、ピットに移動され、雨が止むのを待った。 雨が小止みになってきた午後3時10分には再度ウォームアップ走行が開始され、 次々とコース上にマシンが飛び出していったが、また雨が激しく降り始め、結局15 分間の予定だったウォームアップ走行も9分間で赤旗中断となり、レースは中止と いう決定を見ることになった。 服部の開幕2連勝に期待がかかっていただけに、残念な結果であった。 /*** FMOTOR4 SUB-SYSOP 山川 順治/PEE00630(RIJ) ***/