関口雄飛(中央)が第8戦、第9戦と連勝。
第8戦はTDPドライバーの蒲生尚弥(左)が2位表彰台を獲得
全日本F3選手権の第4大会(第8戦、第9戦)が8月6日(土)と7日(日)の両日、栃木県のツインリンクもてぎで開催された。
全7大会、16戦で戦われる今季の同シリーズも今大会でシーズンの折り返しとなるが、これまでの7戦で、Cクラス、Nクラス共に4名のウィナーが生まれる混戦模様。若きドライバーによる熱戦が各大会で繰り広げられている。
6日(土)は朝から好天に恵まれ、暑さの中で10時55分から10分間のインターバルを置いて10分間ずつの予選セッションが行われた。
Cクラスは第8戦、第9戦共に、唯一1分46秒台に入れた関口雄飛(B-MAX ENGINEERING)が、2位以下に大差をつけてポールポジションを獲得。関口は第5戦から5戦連続のポールポジションとなった。2番手以下は、両レース共に山内英輝(HANASHIMA RACING)が3番手、リチャード・ブラッドレー(PETRONAS TEAM TOM'S)が4番手、TDPドライバーの蒲生尚弥(PETRONAS TEAM TOM'S)が5番手と、Cクラスは全く同じ順位となった。
Nクラスでは、第8戦、第9戦共に千代勝正(NDDP RACING)がポールポジション。TDPドライバーの中山雄一(TOM'S SPIRIT)は、第8戦予選でコースイン直後にエンジントラブルに見舞われタイムアタックできず。第9戦は修復してタイムアタックには入ったものの、別のメカニカルトラブルでコースオフ。クラス6番手からのスタートとなった。
予選に続き、午後3時15分から予定されていた第8戦決勝レース(14周)は、レース開始直前になって急に空模様が悪化し、雨が路面を濡らし始めた。予定よりも5分遅れの午後3時20分にスタートが切られた時には、雷を伴う雨は土砂降りに。
Cクラスは全車がグリッド上でレインタイヤへと交換。Nクラスの何台かは、フォーメーションラップ後にピットインし、タイヤをレインへと交換して始まった序盤戦は、ポールポジションの関口に3番手から一つポジションを上げた山内が続く展開となった。しかし、雨はどんどん強さを増し、山内が2周目の最終コーナーでスピン。翌周の最終コーナーでは首位を行く関口もスピン。その後もスピンする車両が続出し、レースは赤旗中断となった。
1時間ほどの中断の後、雨は止んだが路面はウェットのため、セーフティカーの先導でレースが再開。6周目に再スタートが切られた。
関口はこの再スタートも決め、首位をキープ。これを中断前に2位まで浮上していた蒲生が追う形となった。蒲生は関口と同等のペースで追い上げたが、終盤はタイヤの摩耗が厳しくなり、そのままの順位でチェッカー。関口が今季3勝目を挙げた。蒲生が2位。ブラッドレーは最後まで3位を争ったが及ばず4位。山内が5位となった。
Nクラスでは、フォーメーションラップ後にピットでタイヤを交換したために順位を落としたポールポジションの千代が、レース再開後に首位を奪還するとそのまま独走で勝利。2位には激しいバトルを制した中山が入った。
7日(日)は雨で荒れた前日とは一転、晴天に恵まれ、午前10時45分に第9戦決勝レース(20周)がスタート。ポールポジションの関口はスタートで若干出遅れ、並びかけられるものの首位の座は譲らず、その後は独走状態で後続との差を広げていった。
3番手スタートの山内もポジションアップを狙うが、逆転には至らず。その後方では、5番手スタートの蒲生がチームメイトのブラッドレーをパスし4位に浮上。
その後は15周目にブラッドレーがスピンを喫し、リタイアとなったが、上位勢の順位は変わらずチェッカー。関口は第8戦に続き、2戦連続でのポール・トゥ・ウィン。両レースでファステストラップも獲得し、もてぎを完全制覇。フルマークの24点を追加し、ランキングでも2位に浮上した。
Nクラスではポールポジションから首位を走行していた千代を、2番手スタートのギャリー・トンプソン(SGC by KCMG)が2周目にパスし、首位浮上。そのまま逃げ切り、全日本F3参戦2年目にして嬉しい初優勝を挙げた。
トラブルのために6番手スタートを強いられた中山は、序盤から次々に前走車をパス。3周目に3位に浮上し、更に上位を狙った。2位を走行していた千代が7周目にコースオフを喫したため、中山は2位に浮上。その後は首位のトンプソンを追ったが届かず、2戦連続の2位フィニッシュ。ランキングでも、首位の野尻が今大会3位/6位に終わったためその差を詰めることとなり、野尻に7ポイント差の同点で千代と中山が並んだ。
Text & Photo: TOYOTA