Formula Nippon

FN:第4戦もてぎ 塚越広大選手が4位、伊沢拓也選手が6位入賞、スポット参戦の武藤英紀選手は10位完走を果たす (HONDA)

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 8月7日(日)、栃木県・ツインリンクもてぎにおいて、2011年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第4戦の決勝レースが開催されました。

 3月11日に発生した東日本大震災により、コースの一部が損傷したツインリンクもてぎでは、6月15日までにロードコースの補修作業を完了。7月2~3日には初のビッグイベントとなる全日本ロードレース選手権を開催したほか、7月9~10日には4輪耐久レースの"Joy耐"を開催し、今回のフォーミュラ・ニッポン第4戦に向けて万全の受け入れ態勢を整えました。

 第4戦でも前回の富士大会に続いて決勝レース中に2回のピットストップとタイヤ交換が義務づけられました。ただし、レース距離は前回の200kmよりも長い250kmとなるほか、ツインリンクもてぎと富士スピードウェイではコースの性格が大きく異なります。さらに、コースの補修作業にともなって大幅に再舗装された路面の状況もチームにとっては不確定要素となるため、今回も予断を許さない熱戦となることが期待されました。

 また、昨年までインディカー・シリーズに挑戦し、今シーズンは#10 小林崇志選手とともにSUPER GTに参戦している#11 武藤英紀選手が、小林選手と同じHP REAL RACINGよりスポット参戦することも、本大会の話題の1つとなりました。

 週末のスケジュールは、土曜日の午前中に1時間のフリー走行1回目を行ったあと、午後にはF1と同じノックダウン方式による公式予選を実施。日曜日は午前中に30分間のフリー走行2回目を行い、14時30分に決勝レースがスタートするスケジュールとなりました。

 ここ数年来の猛暑に比べればいくぶんしのぎやすいものの、8月初旬の栃木県地方の最高気温は30℃前後の夏日、真夏日が続いています。8月6日(土)も曇り空ながら蒸し暑い一日となり、公式予選が始まる13時50分には気温34℃、路面温度44℃を記録しました。

 出場17台から13台に絞られる公式予選の第1セッションでは、地元栃木県出身の#41 塚越広大選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が気迫のこもったドライビングで1分35秒921のトップタイムをマーク。さらに#32 小暮卓史選手(NAKAJIMA RACING)は1分36秒298で4番手、#40 伊沢拓也選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は1分36秒487で8番手、小林選手は1分36秒507で9番手、#16 山本尚貴選手(TEAM 無限)は1分36秒650で10番手、#31 中嶋大祐選手(NAKAJIMA RACING)は1分36秒765で11番手となり、以上6名が第2セッション進出を決めました。

 一方、武藤選手は1分37秒049で15番手となり、この時点で15番グリッドから決勝に挑むことが確定しました。

 公式予選の第2セッションでも引き続き塚越選手が奮闘し、1分36秒178で4番手につけます。5番手は1分36秒427を記録した山本選手。伊沢選手は1分36秒536をマークして8番手につけ、以上3選手が第3セッション進出を果たしました。一方、小暮選手は9番手、小林選手は10番手、中嶋選手は11番手で、いずれも第2セッション突破はなりませんでした。

 続く第3セッションで、塚越選手は第2セッションのタイムを0.7秒近く上回る1分35秒489を記録、3番グリッドを手に入れました。伊沢選手も1分36秒を切る1分35秒943をマークして5番グリッドを獲得。1分36秒044を記録した山本選手は7番グリッドからのスタートとなりました。

 決勝レースが行われる7日(日)、サーキット周辺は午前中こそきれいに晴れ上がっていたものの、昼過ぎになると雲が広がり始めました。ただし、上空は全体的に明るく、すぐに雨が降り始める気配はありませんでした。

 14時30分より1周のフォーメーションラップが行われたあと、17台のマシンはスターティンググリッドに整列し、レッドシグナルの消灯を合図に52周の決勝レースが始まりました。

 スタートで大きな波乱はなく、7名のHondaドライバーは3位の塚越選手を先頭に、5位に伊沢選手、7位に山本選手、9位に小暮選手、10位に小林選手、15位に武藤選手、16位に中嶋選手というオーダーでオープニングラップを走り終えました。

 6周目に最初のピットストップを行った山本選手を先頭に、20周目までには全Hondaドライバーが1回目のピットストップを終えました。ただし、山本選手は右リアタイヤの交換に時間がかかったため、3輪のみ交換してコースに復帰しました。この結果、山本選手は4輪を交換する義務をまだ消化していないと見なされ、あと2回のピットストップが必要となってしまいました。

 20周目の段階で塚越選手は5位。伊沢選手は7位、中嶋選手は9位、小暮選手は10位、武藤選手は13位、小林選手は14位、そして山本選手は15位というオーダーです。

 21周目、9位争いを演じていた小暮選手は、90°コーナーの出口付近でライバルと接触。ここで単独コースアウトを喫し、惜しくもリタイアとなりました。

 同じ21周目、山本選手は再びピットストップを行い、義務づけられていた1回目の4輪交換を終えました。

 2回目のピットストップを最初に消化したのは中嶋選手の26周目。これから36周目までの間に小暮選手を除く6名のHondaドライバーはピットストップを行いました。その直後の37周目、塚越選手は5位につけていましたが、このとき2位を走っていたドライバーはまだ2回目のタイヤ交換を行っておらず、このドライバーがピットストップを行った39周目に塚越選手は4位に浮上しました。同じ39周目、伊沢選手は6位、中嶋選手は9位、武藤選手は10位、山本選手は14位、小林選手は15位で周回を続けています。小林選手は31周目に行った2回目のピットストップの際、規定の位置に止まりきれなかった影響で作業に40秒近くを要し、ここで15位に後退してしまいました。

 結果的に5名のHondaドライバーはこのままの順位で52周のレースを走りきり、塚越選手は4位、伊沢選手は6位、中嶋選手は9位、武藤選手は10位、山本選手が14位、小林選手は15位でフィニッシュしました。

 この結果、ドライバーのポイントスタンディングでは、塚越選手が通算18ポイントで4位の座を守り、伊沢選手が11ポイントで7位、小暮選手は10ポイントで8位、山本選手は5ポイントで10位、中嶋選手は1ポイントで12位となっています。

 フォーミュラ・ニッポン第5戦は9月3~4日に鈴鹿サーキットで開催されます。

坂井典次(Tenji Sakai)|「HR10E」開発責任者
 「前戦の富士でいくつか明らかになったことがあり、その対策を実施してから今回のレースに臨みましたが、残念ながら結果を残すことができませんでした。塚越選手の健闘は目覚ましく、レース中のペースでは日本人ドライバーの誰にも負けませんでしたが、ライバルには総合力の点で一歩及びませんでした。今後は、車体のセットアップやタイヤの使い方にも踏み込んで速さを追求することで優勝を目指します。シーズンも後半戦に入りますが、全力を挙げて勝利を目指していきますので、ご声援をよろしくお願いします」
塚越広大選手(4位 #41 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
 「毎戦、優勝するつもりでレースを戦っているので、4位という結果には決して満足できません。展開としては前回の富士と同じで、1周で大きく引き離されるわけではなく、少しずつの遅れが積み重なって、フィニッシュのときには大きく差をつけられる形になっています。ただし、チャンピオンシップのことを考えると、これ以上取りこぼすわけにはいきません。次戦までにチームとじっくり話し合い、ライバルを打ち負かせられるようにがんばります」
伊沢拓也選手(6位 #40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
 「燃料を多めに積んでスタートし、レース中盤に追い上げる作戦を立てていましたが、ピットストップ後に遅いクルマに引っかかってしまい、思うように順位を上げることができませんでした。結果的には予選結果より1つ順位を落としてのフィニッシュなので満足はできませんが、まるで思うように戦えなかった前回とは異なり、プラスの要素がいくつかありました。いずれにしても、Hondaのエンジンでレースを戦っている以上、このような成績は受け入れられないので、みんなで力をあわせ、優勝を目指してがんばっていくつもりです」
武藤英紀選手(10位 #11 HP REAL RACING)
 「5年ぶりのフォーミュラ・ニッポン、そして初めての現行マシンへのチャレンジとなりました。予選結果の影響が大きく、決勝ではなかなか順位を上げることができませんでした。ただし、マシンを限界まで攻めながらコンスタントに走りきることができ、この点はすごくいい勉強になったと思います。HP REAL RACINGならびに田中弘監督には短時間でマシンをまとめ上げてもらいましたが、このデータを使ってさらにマシンを仕上げていけば、もっと上位が狙えるはずなので、今後も継続して出場したいと期待しています。9月のインディ・ジャパンにも参戦に向けて調整を行っているところなので、どうぞご期待ください」
Text & Photo: HONDA


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