全日本GT選手権

GTインサイドレポートALLSTAR/3

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   NICOS CUP GT ALLSTAR RACE                                    16 Nov.'97
   Race Report                    決勝レース                    FMOTOR4版
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'97GTCスペシャル NICOS CUP GTオールスター戦'97 in ツインリンクもてぎ

☆トップクォリファイ・レポート
 決勝レースに先立ち、参加するのは15日に行われた公式予選上位によるトップ
クォリファイが行われた。ツインリンクもてぎのスーパースピードウェイの上空に
は雲がかかるが雨の心配はないようだ。トップクォリファイは、代表となる1人の
ドライバーが1周のウォームアップの後に1回のアタックラップという1発勝負に
なる。なお、タイムが15日の予選タイムを上回った場合のみ、タイムが更新されて
順位が変動することになる。
 定時の午前9時に、まずGT300クラスの予選クラス1位から3位までがアタック。
最初にアタックしたNo.81ダイシンシルビアは木下隆之が52秒683で予選タイムを更
新して、暫定クラス2位となる。続いてNo.27 TEAM FCJフェラーリのA.オロフソン
が予選タイムを上回ったが、シケインのパイロンに車体が触れてしまったため、ペ
ナルティでタイム無効となった。GT300の最後No.910ナインテンポルシェの玉本秀幸
はタイム更新は成らず。この結果、GT300は予選結果の2、3位が入れ替わり、クラ
ス・ポールがNo.910、2位にNo.81、No.27という順位となった。
 引き続きGT500クラスがアタックに入る。最初は予選7位のNo.556 KURE R33、影
山正彦。影山は47秒台と予選のタイムを更新したが、彼もまたパイロンに触れてし
まいタイム取り消し。続いて、No.5 5ZIGEN SUPRAの田嶋栄一、No.100 RAYBRIG NSX
の飯田章、No.18 avex童夢無限NSXの黒澤琢弥、No.37 カストロール・トムス・スー
プラの鈴木利男、No.38カストロール・セルモ・スープラの金石勝智、そして最後に
暫定ポールポジションを取ったNo.2 ZEXELスカイラインのE.コマスがアタックし
た。だが、昨日より気温が低く、1周のウォームアップではタイヤが十分暖まらな
かったのか、No.37が47秒台に入れたのみで昨日のタイムを上回るマシンはなく、結
果的に昨日の予選のままで終わった。


☆第1レース
 ZEXELスカイラインがポール・トゥ・ウイン
 GT300はFCJフェラーリが初勝利

 No.26タイサンスターカードRSRは15日の練習走行時にエンジンを壊したため、第
1、第2ともの決勝レースを欠場。No.91 BuddyClub MR2は朝のフリー走行時にク
ラッチ・トラブルが発生し、修理が間に合わず第1レースは欠場となった。
 11時ちょうどにローリングスタートが始まった。予定された5周のローリング走
行の後、23台が一斉にスタートを切った。ポールポジションからスタートしたNo.2 
ZEXELスカイライン/E.コマスは先頭を保ったまま、第1ターンに進入。これにNo.
38カストロール・セルモ・スープラ/金石、No.37カストロール・トムス・スープ
ラ/利男の2台のスープラが続く。さらにNo.18 avex童夢無限NSXが続くが、背後に
は予選6位のNo.5 5ZIGEN SUPRAがNo.100 RAYBRIG NSX/飯田をかわして第2ターン
へと向かった。
 No.2、No.38、No.37は一歩抜け出すが、No.18とNo.5、No.100は一団となって走行
し、シケインではサイド・バイ・サイドと接近戦を展開する。3周目にはこれに加
えてNo.556 KURE R33/正彦が加わり、4台のバトルとなる。午前のトップクォリ
ファイではパイロンタッチで無効になったものの47秒台を記録し、好調な様子を見
せていた。だが、7周目に第1ターンのシケインに進入したNo.18とNo.5が接触。
このあおりを受けて、直後に付けていたNo.100とNo.556も接触し、No.556は左のフ
ロントを壊してコース上にストップしてしまった。No.18も一旦ピットへと入る。
No.556をコース上から排除するために全周に渡ってイエローコーション(徐行走
行)となり、4周に渡ってセーフティーカーの先導による走行となった。
 再スタートでも、No.2はトップを譲ることなくレースをリード。これにNo.38、
No.37、そして中団の混乱を上手く抜けたNo.36カストロール・トムス・スープラの
片山が4番手に上がった。24周目に予選13位から7番手まで順位を上げてきたNo.
12カルソニックスカイラインが他車と接触し、ラジエターを壊してピットイン。そ
のままリタイアとなる。28周目にはNo.39デンソーサードスープラGTがエンジント
ラブルでこれもレースを終える。
 30周前後になると各車規定のピットインを行い出す。No.36は31周目にピットイ
ンしたが、マシンにオイル漏れが発見されて関谷に交代することなくガレージへと
入った。
 2番手のNo.38は31周目に。一方、33周目にはトップのNo.2がピットイン。非常
に速やかにドライバーコマスから亜久里へと交代し事実上のトップを保ったまま
コースに戻った。この結果、No.2とNo.38の間隔は約10秒と開く。3位にはNo.37、
続いて後方からじわじわと上がってきたNo.3ユニシアジェックススカイライン、
No.30 NICOS PORSCHE、No.34タイサンアドバンバイパーとなった。そしてレース後
半は大きな波乱なく、そのままNo.2が逃げ切った。
 GT300クラスもスタート後はクラスのポールのNo.910ナインテンポルシェ/玉本
がトップで逃げるが、第1ターンでGT500クラスにパスされる際にギア抜けを起こ
し、シケインをショートカットしてしまい、ペナルティーで後方へと下がる。これ
に代わってトップに立ったのがNo.27 TEAM FCJフェラーリ/オロフソン。予選でク
ラッシュし、一晩でマシンを修復してきたNo.19 RS☆Rシルビア/福山が2番手に、
3番手にはNo.81ダイシンシルビア/木下となった。後半戦は大きな変動はなく、
このままNo.27 TEAM FCJフェラーリが優勝した。


☆第2レース
ZEXELスカイラインがパーフェクト・ウィン!
予選、第1、第2レースを制して総合優勝
GT300はTEAM FCJフェラーリも連勝でクラス総合優勝となる

 第2レースは第1レースの成績順にスターティング・グリッドが決定される。こ
れによって、ポールポジションからは第1レースで勝ったハンデウエイト30kgを背
負いNo.2 ZEXELスカイラインが、セカンド・グリッドには同20kgのNo.38カストロー
ル・セルモ・スープラとなった。
 そして14時定刻に第2レースのローリングが開始される。第1レース同様5周の
ローリングの後、スタートが切られた。No.2 ZEXELスカイライン/コマスはここで
も好スタートを切り、トップを脅かされることなく第1ターン&シケインをクリア。
2番手のNo.38カストロール・セルモ・スープラ/金石もその差1秒ほどでNo.2を追
う。3番手にはNo.37カストロール・トムス・スープラ/利男(ハンデ10kg搭載)、
4番手はNo.3ユニシアジェックススカイライン/田中と続く。7周目に8番手争い
をしていたNo.88 JLOCディアブロGTRとNo.39が第1ターンのシケインで接触。僅差
で競っていたNo.5 5ZIGEN SUPRA/松下を巻き込み3台がスピン。右リアを壊した
No.88はその場でストップ。左フロントを壊したNo.39はピットまで戻ったものの、
結局こちらもリタイアとなった。この直後に第3ターンのシケインでNo.38もスピン
し、クラッシュは免れるものの4番手に順位を下げた。この時にコース上をクリア
にするために、セーフティーカーがコースに入り、7周に渡ってパレードラップと
なった。
 再スタート時点では、トップNo.2、2番手No.37、No.3、No.38、そして8番グリッ
ドから順位を上げてきたNo.18 avex童夢無限NSx/黒澤が5番手に。6番手にNo.30 
NICOS PORSCHE/茂木、そして7番手に付けていたNo.34タイサンアドバンバイパー
/松田が17周目に緊急ピットイン。第1レースから兆候が出ていたエンジンのオー
バーヒートが限界に達したということで、健闘を見せていたが残念ながらリタイア
となった。
 また、驚異的な追い上げを見せていたのはNo.12カルソニックスカイライン/星野
一義だった。スターティングポジションは21番手で、20周時点では8番手にポジショ
ンアップしていた。No.100 RAYBRIG NSXがその後ろ9番手。この後ろに付けるNo.556
 KURE R33/近藤は6速ギアが使えなくなるという状況で苦戦を強いられていた。
 トップ争いではまず33周目にNo.2がルーティンのピットインを行い、約18秒でタ
イヤ交換と亜久里へ交代を果たした。一方、2番手のNo.37も次の周にピットイン
し、こちらも19秒ほどでタイヤ交換と舘信吾へのドライバー交代を行う。差が出た
のはピットアウト後のラップタイムだった。亜久里はすぐに49秒後半から50秒弱で
走行したのに対し、舘は最初の数周を53秒台で走行。この経験の差が差となってし
まった。結局、1、2番手の差はこれで一気に15秒以上となる。この後は両者時に
49秒台中盤で走行したが、No.2 ZEXELスカイラインは全く苦戦することなくマシン
をゴールへと進めた。そして、15日の練習走行、そして予選、今日の第1、第2の
決勝レースをすべてトップで終わり、パーフェクトな総合優勝を飾った。2位はNo.
37カストロール・トムス・スープラ(総合でも2位)、3位には手堅く走りきった
No.3ユニシアジェックススカイライン(総合4位)となった。No.38カストロール・
セルモ・スープラは第2レース4位となり、総合で3位に入った。

 GT300クラスは、第1レース優勝のNo.27 TEAM FCJフェラーリがハンデ20kgを載
せ、クラストップから、2番グリッドからはNo.19 RS☆Rシルビア(ハンデ10kg)か
らスタート。No.27の太田は序盤トップを守るが、2番手のNo.19の福山はシフトリ
ンケージのトラブルで徐々に遅れ出す。これに代わってNo.81ダイシンシルビア/木
下が2番手に上がった。GT500のクラッシュ車両の排除のために行われたセーフ
ティーカー・ランで1、2番手の差は詰まって、再スタート後はこの2台のマッチ
レースとなる。ルーティンのピットストップ時間の差で、No.81(大八木)がトップ
に立つが、38周目にNo.27(オロフソン)が逆転し、そのままゴール。No.27 TEAM 
FCJフェラーリは第1、第2レースを制してGT300クラスの総合優勝となった。第2
レース2位となったNo.81ダイシンシルビアは総合クラス2位に入賞。第1レースで
クラス4位、第2レース3位となったNo.910ナインテンポルシェが、総合クラス3
位でシーズン最後の表彰台を得た。


☆総合優勝
No.2 ZEXELスカイライン
鈴木亜久里
「今日はエリックがずっと頑張ってくれて、ボクはミスしないように最後までもっ
てっただけ。みんなエリックのおかげですよ」
エリック・コマス
「今年のGTC開幕戦をニッサン車で優勝して、今年最後のレースもニッサン車で優勝
できた。最高だよ。クルマは快調だったけど、第1レース優勝で課せられた30kgの
ウエイトハンデは若干キツかった。ブレーキングとシケイン内のグリップでちょっ
と効いた。でも優勝できてうれしい。ブリヂストンにお礼を言いたい」


☆GT300クラス総合優勝
No.27 TEAM FCJフェラーリ
太田哲也
「ホントにうれしいときは『うれしい』っていう言葉しか出てこないもんなんです
ね。第1戦のときはホントにビリで、どうなっちゃうかと思いましたが、ここまで
来れたのは応援してくれるみなさんのおかげです」
アンダース・オロフソン
「勝ててとてもうれしい。No.81ダイシンシルビアを抜いたときは他のクルマとも
争っていたので結構ハードだった。マツダ(No.7 RE雨宮SuperG RX7)もいたし、
速いクルマも遅いクルマもいた。コーナーをうまく抜ければストレートの終わりで
追い抜くことができるのはわかっていたが、あのクルマのほうがストレートで若干
速かったので、かなり接近して脱出スピードをさらに上げるようにしなければなら
なかった」


☆TV放映
11月24日(月・振替休) 11:00am~12:15pm
テレビ東京系6局
テレビ東京/テレビ大阪/テレビ愛知/テレビ北海道/
テレビせとうち/ティー・エックス・エヌ九州


                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =


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