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【吉本大樹レースレポート】
【スーパー耐久シリーズ第6戦(岡山)】
05-06 September, 2009
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■5ZIGEN NSX 苦戦を強いられるも
■4位フィニッシュでランキング同点首位に浮上
【Result】
(Sun) QF : 4 th (Sun) Final : 4 th (10 pt)
(Ranking) 1 st (61 pt)
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【Free Practice & Qualify】
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■5ZIGEN NSX 予選は金曜好調の波から一転4番手
2009年スーパー耐久シリーズ第6戦岡山。Team 5ZIGEN NSXは金曜日に岡山入り、金曜、土曜の2日間でテストを行い、日曜日の公式予選&決勝を迎えた。
金曜日のスポーツ走行枠で行ったテストは全ての走行を吉本が担当。日曜日に向けたセットアップ等を行い、「セットも思うように出来たし、明日、そして日曜日の予選と決勝に向けても良い流れで進んだと思う(吉本大樹)」とコメント。しかし土曜日に入り状況は一転。ほぼ同じ状況下での走行に関わらず、何故かグリップレベルが落ちてしまいタイムが上がらず、日曜日の予選、決勝に向けては若干の不安を残す形でテストを終えることとなった。そして迎えた予選&決勝当日。
この日の岡山国際サーキットは晴天に恵まれるも、空からは残暑の強い日差しが射し込む暑い一日となった。前戦の優勝からランキングも2位に浮上している事もあり、チームとしてはタイトル争いが過熱し始めた後半戦もそのままの勢いで行きたいところ。そしてその第6戦岡山最初の公式セッションとなったAドライバー予選に出走したのは平中選手。しかし前日同様マシンは「強オーバーステア」の症状が出てしまい、平中選手のタイムはクラス3番手。続くBドライバー予選に出走した吉本大樹も、Aドライバー予選後にマシンのセッティングを変更したものの症状がさらに悪化する結果となってしまい、マークしたタイムは1'41"849。両ドライバー共に思ったようにタイムを伸ばせなかったTeam 5ZIGEN NSXは、この予選総合を4番手で終了する事となった。
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【Final】
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■粘りに粘って4位フィニッシュ
■ランキングは同点ながら首位に浮上!
予選では思ったようなパフォーマンスを見せることができず予選4番手に沈んだ5ZIGEN NSX。しかし5ZIGEN NSXと直接タイトルを争うT-MANOILディクセル岡部自動車Z(No.16)は後方クラス9番手であった事もあり、シリーズタイトル争いを見据えた上でも、虎視眈眈とポジションアップを狙い迎えた決勝スタート。
この決勝スタートでまずステアリングを握ったのは松浦選手。ところがマシンは前戦同様にガソリン搭載量の多い序盤戦でペースが上がらず、今回のレースでもまたしても苦しい出だしを強いられる展開となってしまう。松浦選手は4番手スタートながら2周目にポジションを一つ落とすと3周目にもポジションダウン。更にこの後もスティント前半はペースが上がらず、一時は7番手までポジションを落としてしまう。ガソリンが軽くなりだすスティント後半は逆にペースの落ち始めた前方集団との差を縮め始めたものの、チームは予定よりも若干早目の31周目に松浦選手をピットインさせると、オーバーステア傾向が強いマシンに合わせリアタイヤのみを交換、平中選手をコースへと送りだす。
この早目のピットインもあり一時は8番手にまでポジションが落ちた5ZIGEN NSX。しかし平中選手はガソリン搭載量の多かったスティント序盤こそペースが伸び悩んだものの、この苦しい状況のなかスティント中盤から後半にかけては安定して1分45秒台のラップをマーク。淡々とではあるものの徐々にポジションを取り戻していく事に成功し、最後は71周目のピットインまでに5ZIGEN NSXと直接タイトルを争うT-MANOILディクセル岡部自動車Z(No.16)の後方となる5番手にまで浮上、最後のスティントを走る吉本へと望みを繋いでいく。
タイトル争う上では最も抜かしておきたい相手を一つ前のポジションに置きステアリングを託された吉本大樹。このピットインではストップ時間を短縮し、少しでも前のポジションでコースに復帰する為にリアタイヤのみを交換。平中選手のスティントではそのバランスも悪くなかったものの、吉本のスティントに入る頃にはスタートから使い続けていたフロントタイヤの摩耗も大分進んでおり、マシンは極度のアンダーステアが出始める事に。それでも吉本はリアタイヤを消耗させてマシンのバランスを取る為にわざとリアタイヤをスライドさせる等の工夫をしながらも1分45秒台で安定したラップを重ね、前を行くT-MANOILディクセル岡部自動車Z(No.16)との差を徐々に縮めて行く。すると87周目。その背後に近づいた吉本は「ストレートでは勝負にならなかったので、小さいコーナーで仕掛けるしかないと思っていた」と一気に背後に迫りダブルヘアピンひとつ目の入口で勝負をかけると、ここで前に出ることに成功。このまま引き離しにかかるかと思われた。
ところが「相手が無理な動きを見せているのがわかっていたので、ダブルヘアピン2つ目では相手に対し1台分のスペースを空けておいた(吉本大樹)」にも関わらず、ここで後方から右リアをヒットされた吉本大樹。ここは何とかそのポジションを守ったものの、マシンは右リアのホイールにダメージを抱えることとなってしまった。その後このアクシデントが原因でバイブレーションの出始めたマシンを操り走行を続けた吉本大樹。最後はそのままのポジション4番手でチェッカーフラッグを受けることとなった。
思ったようにペースの上がらなかったマシン、レース終盤でのアクシデント等苦しい展開を強いられることとなった今回の岡山ラウンド。それでも直接タイトルを争う相手の前でチェッカーを受けたことでランキングでは同点ながら首位に浮上、底力でタイトル争いに望みを繋いだTeam 5ZIGEN NSX。シリーズは残り2戦。次戦仙台ハイランドと最終もてぎは共にタイトルを争う上で絶対に落とせないラウンドとなるが、これまで苦しい状況を幾度となく跳ね返してきたTeam 5ZIGENの4年ぶりのスーパー耐久シリーズ復帰初年度でのタイトル奪還はなるか。その戦いぶりに期待がかけられる。
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【吉本大樹コメント】
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マイナートラブルはいくつかあったものの、金曜日のテストではセットも思うように進んで、予選、決勝に向けて良いフィーリングを得られたと思ったのですが、土曜日に入ってほぼ同条件にも関わらずマシンのフィーリングが大きく変わってしまいました。
それでもレースでは松浦選手、平中選手共に苦しいながらに頑張ってくれて、一度は落としたポジションをタイヤ無交換で前に出てきた16号車のすぐ後ろまで取り戻す事が出来ました。接触については、嫌な予感がしたのでダブルヘアピン2つ目のイン側に一台分のスペースを空けておいたのですが・・・。まぁ、でもあれだけの勢いでヒットされたにも関わらずダメージが足回りやタイヤに及ばず済んだことは運が良かったと思うし、最後まで走りきったことで、同点ではありますがランキング首位に着けられたことは一歩前進だと思います。
でも残り2戦、27号車(FINA ADVAN M3)等も速さを見せているし全く油断は出来ませんが、マシンの改善できる部分は少しでも改善して、厳しい戦いになるかもしれませんが、取りこぼしがない様に、さらにはチャンピオンを確実なものに出来るように頑張りたいと思います。
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