もてぎ・菅生S-FJ選手権

第2戦SUGO決勝 ホールショットを奪った岡本大地が独走で優勝

優勝は岡本大地(FTKレヴレーシングガレージ)

 2022年スーパーFJもてぎ・菅生シリーズ第2戦決勝はスポーツランドSUGOで4月16日(土)に開催され、フロントロウからスタートの岡本大地(FTK レヴレーシングガレージ)がスタートで飛び出すと12周のレースで2位以下を寄せ付けない走りで優勝を飾った。

 午後1時の予選の段階ではコースの一部に川が横切り、縁石も濡れた箇所があったSUGOだが、決勝の時点では晴れ間ものぞきコースは完全にドライコンデション。しかし気温は低く風が強い状態で路面温度もかなり下がっている。未体験のダンロップタイヤでの決勝でこの状況が誰に有利に働くかはわからない。

 午後3時55分フォーメーション開始、ポールポジションの渡会太一(SIGMA FTK レヴRG)を先頭に各車タイヤに熱を入れながらコースを一周、14台がグリッドにつくとレッドランプが消えてレースが開始された。

スタート直後の2コーナー

 2番グリッドから発進した岡本の蹴り出しがよかったのに対して渡会はスタートに失敗、加速が伸びずに後続車に飲み込まれる。セカンドロウからスタートの田上蒼竜(ZAPSPEED 10VED)が2コーナーで、内田涼風(すずかぜ)(群馬トヨペット Team RiNoA ED)が3コーナーでと、それぞれ渡会選手をかわして2位、3位に浮上する。渡会は4番手にドロップ。

 ここで後続の中で夕田大助(LAPS・レヴレーシング)と斎藤慈岳(FERWILDLIFEKKSII)が3コーナーで接触、夕田がコースアウトしてグラベルに停止。脱出できないためセーフティーカー(SC)ランが宣言される。

レースはアクシデントのためセーフティーカーが導入された

 SCランは5周目まで続き、6周目のコントロールラインからレース再開。ここで隊列の先頭を行く岡本はいったんスピードを落とすとSPコーナー出口から加速を開始。絶妙なリスタートを決めて2位以下を引き離すことに成功する。

 一方4位に落ちていた渡会もこの機会をとらえて、メインストレートに来ると前を走る内田の背後からに右側に出てタイミングを計り、コントロールライン通過と同時に並びかけて、その勢いで1コーナーでインから内田をかわして3位に浮上。ただちに田上を追い上げる態勢にはいる。4位内田、5位村田悠磨(ZAP SPEED 10VED)、6位池田拓馬(テイクファースト&AMEROID)と続く。

 岡本は2位田上を2.042秒差まで突き放して6周目を終了。田上の後ろの渡会は続く7周目に1分29秒230とここまでのファステストラップを出して0.258秒差で田上のテールに食らいついて8周目に突入。馬の背で渡会が田上選手に並びかけるがここは田上が抑えきる。この二人が攻防を繰り返す間に岡本は着々とギャップを稼ぎ10周目にはこのレースのファステストラップとなる1分28秒456をマーク、田上に6.442秒差と独走状態になる。田上と渡会は0.162秒差。

渡会太一と田上蒼竜の2位争い

 11周目のSPコーナーでは渡会が再度田上をロックオン。テール・ツー・ノーズ状態で最終コーナーをクリアすると10%の登り勾配のメインストレートで田上の右側に並びかけてコントロールラインを通過、ファイナルラップへ。そのまま1コーナー~2コーナーのイン側を突いた渡会がついに前に出て2位へ進出。田上はここまで死守した2位の座を失う。4位内田はここから大きく遅れて10秒以上のギャップがある。

 岡本はスタートでトップに立って以来一度もその座を脅かされることなく2位に9.095秒の大差でチェッカードフラッグの下を通過、優勝を飾った。ファイナルラップに田上をかわして2番手でフィニッシュした渡会だったがこのバトルの最中に走路外走行があったと判定され、フィニッシュタイムに10秒加算のペナルティが課されてリザルト的には5位。田上が2位、内田が3位、村田が4位、とそれぞれ繰り上がった。6位には池田をレインボーコーナーでかわした池内比悠選手(アルビLINKLINEGIAED)が入った。

決勝2位は田上蒼竜(AsカンパニーZAP ED)

決勝3位は内田涼風(群馬トヨペットTeam RiNoA ED)

決勝4位は村田悠磨(ZAP SPEED 10V ED)

決勝5位は渡会太一(SIGMA FTKレヴRG)

決勝6位は池内比悠(アルビLINK LINE GIA ED)

 3台で争われたジェントルマンクラスは鈴鹿から遠征の上吹越哲也(FTK・レヴレーシングガレージ)が全体11位で優勝、安藤弘人(ZAPSPEED10VED)が2位、オープニングラップでコースアウトした夕田はリタイヤとなった。

■決勝後のコメント

優勝:8号車・岡本大地(FTK レヴレーシングガレージ)

優勝した岡本大地(FTKレヴレーシングガレージ)

 「スタートさえ決まれば逃げ切れるかな、とは思っていて、そこからは自分との闘いだった。予選でトップを取られてしまったので、クルマのセッティングを変えた。予選のクルマの状態に納得行けてなかったのでシャシーセッティングを大きく変えてかなり改善されたので、決勝は感触がよかった。予選では雨のセットのままだったので、決勝は完璧に(コンデションに)合わせられて、いいペースで走ることができた。タイヤも心配していたのだが調子よくて最後までパフォーマンスの落ちは感じなかった。明日もこの調子でいきたいが、今日ペナルティだった渡会選手も同じミスはしないだろうから、明日は彼とのマッチレースになって、今日みたいに楽には勝てないと思う」

2位:13号車・田上蒼竜(ZAPSPEED 10VED)

決勝2位の田上蒼竜(AsカンパニーZAP ED)

 「最後に渡会選手に抜かれてしまった。まだペースに差があるなぁという感じで、追いつかれ方がすごい勢いだった。SUGOは狭いから最後の方まで抜かれずにすんだのだが最終コーナーの立ち上がりで並ばれてしまって抑えきれなかった。スタートではまたストールしかけて危なかったのだが、前が2台がブレーキング勝負してくれたおかげで立ち上がりでインが開いていたのでそこへ飛び込んでいって前に出られた。セーフティカー明けが(岡本選手に)見事にやられてしまって、そこももったいなかったなというのがあって、完全にタイミングを外されてしまった。そういう所も勉強しないと」

3位:81号車・内田涼風(群馬トヨペット Team RiNoA ED)
決勝3位の内田涼風(群馬トヨペットTeam RiNoA ED)

 「スタートはかなり決まって(前に)行けたのだがセーフティカー明けにエンジンが息をつくようなトラブルが出てしまって、前と離れてしまった。自分のレース的には岡本選手との差がかなりあるので、明日までに自分が今できる事をアジャストしていく必要があると思ってる」

4位:26号車・村田悠磨(ZAP SPEED 10VED)

決勝4位の村田悠磨(ZAP SPEED 10V ED)

 「まずスタートがダメダメで、エンジンが止まりそうなくらいゆっくりになってしまった。後ろが引いてくれたからよかったが、それで順位を上げられずに終わってしまった。セーフティカー明けのリスタートの時にも、どこでスタートするかな?と思いながら自分も合わせてゆっくり走っていた時にいきなり(加速が)始まってしまって、前と相当離れてしまった。そこは次から、いつからリスタートするのか分からない、という事を頭にいれて走らないといけない」

5位:7号車・渡会太一(SIGMA FTK レヴRG)

決勝5位の渡会太一(SIGMA FTKレヴRG)

 「スタートで半クラッチの状態が長すぎて、出遅れてしまった。ペース自体は悪くなかったのだが、(田上選手を)抜くのに時間がかかってしまって、抜く時にも焦って四脱(走路外走行)してしまった。だいぶミスが多いもったいないレースだった。ペースはホントによかったので、ミスさえしなければ、明日は行けると思う」

6位:36号車・池内比悠(アルビLINKLINEGIAED)

決勝6位の池内比悠(アルビLINK LINE GIA ED)

 「セーフティカー明けを結構狙っていたのにリスタートで一回順位を落としてしまった。前を行く池田選手がレインボーコーナーでミスしてくれたので順位を上げることができた。そこは狙い通りだったがリスタートでは失敗して下位に沈んでしまったので、そこは明日の課題だ。予選からきっちり行って、決勝も仕上げて行きたい。ドライのSUGOでダンロップタイヤで走るのも初めてだったので、そこもうまく合わせ込むことができなかったので、明日はきっちりセッティングして挑みたい」

 2022年スーパーFJもてぎ・菅生シリーズ第3戦は明日4月17日(日)に連戦で行われる。圧倒的な強さを見せる岡本に対してスピードを見せながら結果につながらなかった渡会が今度こそ一矢報いるか、この二人にやられっぱなしでは終われない地元勢の巻き返しなるか。注目だ。

表彰式

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Asako SHIMA


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