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SGT:第1戦岡山決勝 #46S Road GT-Rの千代勝正がGT500デビュー戦でいきなり表彰台を獲得!優勝は#1モチュールGT-R

2016オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300kmレース」の決勝が4月10日、岡山国際サーキットで行われ、予選3番手からスタートした#1MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が巧みなピット戦略でトップに立ち、そのまま逃げ切って開幕戦を制した。
GT300クラスは#65LEON CVSTOS AMG-GT(黒澤治樹/蒲生尚弥組)がチーム設立3年目にして待望の勝利を挙げた。
(天候:曇り コース:ドライ 観客動員数:予選9,600人/決勝19,000人/大会総入場者数28,600人)

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第1戦決勝は午後2時40分より82周で行われた。
ホールショットを奪ったのはポールシッターの#37KeePer RC F。2番手に#6ワコーズRC F、3番手#1モチュールGT-Rとオープニングラップはほぼ予選順位どおり。
トップの37号車をドライブしたジェームス・ロシターは快調にトップとの差を広げにかかり、一時は7秒以上のマージンを築き上げたが、15~20周あたりから路面にで始めたタイヤカスを拾ってしまい、次第に苦しい走りを強いられるようになってきた。

その後方では3番手スタートの#1モチュールGT-Rをドライブするクインタレッリが36ワコーズRC Fのアンドレア・カルダレッリとのギャップを次第に詰め、26周めのヘアピンで6号車のインに飛び込む。
これを懸命にこれを押さえ込み、2位をキープしたカルダレッリだったが、28周めのアトウッドカーブ立ち上がりで再びクインタレッリがインに並びかけ、ヘアピン手前で前に。そのままロシターを追い上げにかかる。

大量リードを築き上げながらクインタレッリの追撃を受ける格好になったロシターは35周めにピットイン。その頃にはタイヤに付着したタイヤカスのために非常に滑りやすい状態になっており、37号車がピット入り口にさしかかったときには1号車は真後ろまで接近していた。

37号車のピットインで暫定トップに立った1号車は39周終わりで松田にチェンジ。
ここでピットワークの迅速さでは定評のあるニスモのピットクルーは40.8秒の作業時間で松田をコースへ送り出した。
この時点で37号車を駆る平川亮は10秒後方にいた。

先月の岡山、そして富士スピードウェイで行われた公式テストでは今ひとつの結果に終わったミシュラン勢だったが、気温の上がった今週末に持ち込んだタイヤが路面コンディションに見事にマッチしており、懸命に追い上げる平川を尻目に松田は徐々にリードを広げ、最後は2位以下に15.3秒の大差をつけて久々の開幕戦優勝をものにした。

逆に平川はレース終盤、後方から追い上げてきたクルマを抑え込むので手いっぱいの状況に陥ってしまう。今回がGT500デビュー戦となる#46S Road GT-Rの千代勝正だ。

36周めに本山哲からステアリングを託され、#6ワコーズRC Fの後ろ、4位でコースインした千代は49周目でアウトから、50周目もアウトから、51周目はインからヘアピンで#6大嶋和也に並びかけるが、大嶋はこのアタックをことごとく退け、3位の座を守りにかかる。
しかしそれでも千代は52周目のヘアピンでもう一度アウトから大嶋にかぶせ、そのまま並走状態で立ち上がると、続くリボルバーコーナーでようやく前に出た。
この時点で2位平川は10秒以上前にいたが、1分24秒〜25秒台で周回を重ねる平川に対して千代は1分23秒台を連発、次第にその差を詰めていき、70周を過ぎた頃には完全にテール・トゥ・ノーズの状態に持ち込んだ。

しかし平川は巧妙にGT300の周回遅れを利用し、コースの要所要所を押さえて千代の追撃をかわし続け、最後まで2位を守りきった。
惜しくも3位に終わった千代だったが、コース幅をいっぱいに使ったエキサイティングなバトルは確実にファンの心をつかみ、チームの信頼を勝ち取ったようだ。
滅多にチームメートを褒めないという本山からもレース後に「最高だった」と声をかけられたという。

GT300クラスは、ポールポジションからスタートした#25Vivac 86MCがトップを快走する中、予選2番手の#65LEON GT3も離されずに25号車を追う展開に。
1秒前後の僅差で#25土屋武士を追った#65黒澤は当初の予定より早めの31周目にピットインすると左側2本のタイヤのみを交換して蒲生に交代した。
レース後に黒澤が語ったところでは、ピットタイミングは早めたものの、タイヤ交換については最初からこうする予定だったという。
公式テストを通じてタイヤメーカーと話し合い、「いける」と判断したとのことだ。

この作戦が功を奏し、蒲生は34周目のアトウッドカーブで前を行く#25松井孝允のインをついにこじ開け、トップに浮上することに成功すると、そのまま一気に後続を突き放し、最後は2位に12.9秒もの大差をつけて、念願の初勝利をものにした。

一方抜かれた松井はその後もペースが上がらず、#4初音ミクAMG GT3の谷口信輝、#7Studie M6の荒聖治、#11ゲイナーAMG GT3の平中克幸、#51JMS 488GT3の新田守男らに次々と抜かれて順位を落とし、6位でフィニッシュすることとなった。

次戦は富士スピードウェイでの500kmレース。
5月4日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
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