SUPER GT

SUPER GT第1戦鈴鹿 ホンダプレスリリース

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開幕戦でARTA NSX(伊藤大輔/R.ファーマン組)が3位
2006年3月19日(日)・決勝
会場:鈴鹿サーキット 天候:予選/曇りのち雨 決勝/晴れ 気温:7.3℃(15:00現在) 決勝レース:52周(301.964km) コースコンディション:決勝/ドライ 観客数:3万500人(主催者発表)

 3月19日(日)、三重県にある鈴鹿サーキットにおいて2006 オートバックス SUPER GT 第1戦鈴鹿 GT 300kmの決勝レースが開催された。昨シーズンから新シリーズとなったSUPER GTは2年目を迎えた。今シーズンは鈴鹿1000kmがシリーズの第6戦として開催されることになり、ポイントシステムに若干の変更があった。Honda NSX-GT勢は32号車にSUPER GT初参戦となるロイック・デュバル、武藤英紀、100号車に昨シーズンGT300クラスでランキング2位を獲得した細川慎弥のルーキー3名を迎え、シリーズタイトル獲得を狙っている。

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 今シーズンのHonda NSX-GTは昨年モデルの高速コーナリング、ブレーキ性能の優位性をそのままに、中低速でのコーナリング、グリップ性能のさらなる向上を目指し、フロントタイヤがリアと同じサイズ(330/40R18)にアップされた。加えてダウンフォースの向上を目指し、マシン全体の空力性能の見直しも行われている。また、2レース1エンジンとなったレギュレーション変更にともない、エンジンは耐久性、信頼性を維持しながらも性能の向上を果たしている。

 3月18日(土)に開催された公式予選では、決勝グリッドを争うスーパーラップに出場した3台のHonda NSX-GTが力強い走りを見せた。あいにく激しい雨が降るコンディションの中、3番目にタイムアタックを行ったTAKATA童夢NSXの道上龍選手が、それまでのトップタイムを2秒以上も上回る2分7秒489を叩きだしてトップに浮上。その後、タイムアタックを行ったドライバー達は道上選手のタイムをなかなか上回ることができなかったが、最後となる10番目に走行したARTA NSXの伊藤大輔選手が0秒956上回る2分6秒533を記録して見事に開幕戦のポールポジションを獲得した。
 この結果、ポールポジションに#8伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組(ARTA NSX)、2番手に#18道上龍/小暮卓史組(TAKATA童夢NSX)となり、Honda NSX-GTがフロントローを独占する結果となった。#32ロイック・デュバル/武藤英紀組(EPSON NSX)は9番手、#100セバスチャン・フィリップ/細川慎弥組(RAYBRIG NSX)は予選1回目にフィリップ選手が7番手タイムを記録したが、細川選手がS字コーナーでクラッシュして規定タイムに届かなかったために、大会審査委員会の承認により15番手スタートとなった。

 19日(日)の決勝日は、天候に恵まれたものの気温が7.3℃と低く、強風が吹くコンディションとなった。最終コーナーから1コーナーに向かって吹く強風はマシンのダウンフォースを低下させ、4℃と低い路面温度は各チームのタイヤ選択を悩ませた。
 計38台(GT500クラス計15台)のマシンは、14時30分にローリングラップを開始し、一斉にホームストレートを駆け抜けて52周=301.964kmのレース・スタートが切られた。

 ホールショットはポールポジション・スタートの#8 ARTA NSXのファーマン選手、2位に#18 TAKATA童夢NSXの道上選手が続くが、130Rでオーバーランを喫し3位に後退する。
  3周目、15番手からスタートした#100 RAYBRIG NSXのフィリップ選手は素晴らしい追い上げで10位に浮上、#32 EPSON NSXのデュバル選手は2周目の1コーナーでコースアウトし、14位に後退する。

 トップを走行し逃げ切りを図るファーマン選手は、6周目時点で2位の#36 OPEN INTERFACE TOM’S SC430に2秒164の差を広げる。しかし、バックストレートでバックマーカーのマシンにコースをふさがれてタイムロス。2位とのテール・トゥー・ノーズの白熱した攻防戦が始まった。開幕戦らしくリタイアなどが続く波乱のレースで、ファーマン選手はバックマーカーをうまくパスしながらトップを死守して走行する。続くHonda NSX-GT勢は12周目時点で道上選手が3位、フィリップ選手が8位、デュバル選手が12位を走行する。

 バックマーカーが少なくなり、思い通りに走れるようになった14周目ではファーマン選手が1分57秒台にラップタイムを上げ、2位との差を1秒 886まで広げる。しかし、22周目のヘアピンカーブでバックマーカーにコースをふさがれたファーマン選手はスプーンコーナーでトップのポジションを奪われ、次周に3位にポジションを下げたところでピットイン、ドライバーを伊藤選手に交代してばん回をはかる。

 25周目終了時に#18 TAKATA童夢NSXの道上選手がピットインし、小暮選手に交代してピットアウト。その際に#1 ZENT セルモ SCが1コーナーでコースアウトを喫したため、ポジションを再び上げることとなった。  トップグループがドライバー交代を終えた時点で、実質トップの#36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430の直後に実質の2位となった伊藤選手が攻める展開となる。コーナリングを得意とするNSX-GTを駆る伊藤選手は、トップを奪還すべく各コーナーでトップとの差を縮め、1秒以内の差で背後に迫りプレッシャーをかけ続ける。

 レース後半戦となる39周目あたりになると、トップをねらう伊藤選手の背後に3位のXANAVI NISMO Zが迫り、3台での優勝争いが繰り広げられる展開となった。続く4位には小暮選手が3位に4秒544の差で走行し、細川選手(#100 RAYBRIG NSX)が8位、武藤選手(#32 EPSON NSX)が12位を走行していた。

 レース終盤、残り10周となったシケインで伊藤選手が3位に後退し、トップグループとの差も少し広がってしまう。最後まで追い上げるべく粘りの走行を続けた伊藤選手だったが、及ばす52周のチェッカーフラッグを3位で通過した。4位には道上選手が続き、細川選手が7位、武藤選手が14位でチェッカーフラッグを受けた(レース後に25秒のペナルティを受け、最終順位は15位)。優勝は#36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430だった。

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3位 #8 ARTA NSX
■伊藤大輔(Daisuke Ito)選手

「悔しい結果となりました。予選から好調でドライでもウエットでも自信がありました。決勝レースは、気温が非常に低かったためにタイヤの選択で不利な展開となってしまいました。チームスタッフが頑張ってくれていたので本当にがっかりしています。NSXファンの皆様、スミマセンでした。次は必ず勝とうと思っていますのでご声援をお願いいたします」

■ラルフ・ファーマン(Ralph Firman)選手
「スタートは良かった。序盤は引き離すことができました。マシンは少しオーバーステア気味でしたが、トップを守る自信はありました。でも、気温の影響でソフトタイヤを選んだ他のマシンが思ったより速く、逆に厳しい展開となってしまいました。表彰台に立ちましたが悔しい気持ちでいっぱいです。運にも左右されてしまいましたが、次の岡山ラウンドではすべてを味方にして優勝したいと思います」

■白井裕(Hiroshi Shirai)NSX-GTプロジェクト・プロジェクトリーダー
「正直言って完敗です。オフシーズンのテストでも例年以上に乗り込んでおり、いい結果も出ていたので、開幕戦への確かな手応えを感じていました。皆様に良い報告ができると確信していましたのに残念です。今回のレースウィークでは、フリー走行、予選ともにNSX-GTは結果を残しており、1LAPでの速さを確認できたことは収穫です。また競争相手のポテンシャルも確認でき、課題もさらに明確になったので、次戦に向けて、更にレーススピードを上げられるように努力していきたいと思います。今シーズンもNSX-GTへの皆様からの熱いご声援を、よろしくお願いします」

Text & Photo: ©HONDA



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