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SGT:第7戦オートポリス決勝 予選11番手から激走を見せたEPSON HSV-010(道上龍/中山友貴組)が2位 (HONDA)

  • 2012年9月30日(日)・決勝  会場:オートポリス(4.674km)  天候:曇りときどき雨  気温:16℃(14:00時点) 路面温度:18℃(14:00時点)  コースコンディション:ウエット  観客:2万1100人(主催者発表)

 9月30日(日)、大分県日田市にあるオートポリスにおいて、2012 オートバックス SUPER GT第7戦「SUPER GT IN KYUSHU 300km」の決勝レースが行われました。

gt_r07_h_r01.jpg  昨日の公式予選では、#17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大組)が5番グリッドを獲得し、#18 ウイダー HSV-010(小暮卓史/カルロ・ヴァン・ダム組)は6番グリッド、#100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴組)は7番グリッド、#32 EPSON HSV-010(道上龍/中山友貴組)は11番グリッド、#8 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン/小林崇志組)は12番グリッドを獲得しました。

 決勝レースが行われる日曜日は、警戒されていた台風17号が九州地方を外れましたが、阿蘇山麓に立地するオートポリスは朝から濃霧が立ちこめ、霧雨が降るコンディションとなりました。そのため、午前9時20分から開始されたフリー走行も、8分後に赤旗中断となりました。しかし、午後になると少しずつ視界が解消されはじめ、ウオームアップランが開始された午後1時前には、上空は厚い雲に覆われているものの、コース周辺の視界は問題ない状況にまで改善されました。

 決勝レースのスタートでステアリングを握るのは、#17 KEIHIN HSV-010は金石選手、#18 ウイダー HSV-010はヴァン・ダム選手、#100 RAYBRIG HSV-010は伊沢選手、#32 EPSON HSV-010は道上選手、#8 ARTA HSV-010はファーマン選手となります。HSV-010 GT勢は浅溝のレインタイヤを装着してレースに挑みます。

 午後2時、霧雨は気にならない程度になりましたが、路面はウエット、気温16℃、路面温度18℃のコンディションのもと、路面状況を確認するためにセーフティカーが2周を先導し、300km(65周)の決勝レースがスタートしました。

 3周目終了時点で、#17 KEIHIN HSV-010の金石選手が5番手、#18 ウイダー HSV-010のヴァン・ダム選手が6番手、#100 RAYBRIG HSV-010の伊沢選手が7番手とスタート時の順位と変化はないものの、#32 EPSON HSV-010の道上選手と#8 ARTA HSV-010のファーマン選手は順位を1つ上げて10、11番手となっています。

 レース序盤の路面状況は、ホームストレート以外では水しぶきが舞うほどに濡れており、各チームは様子を見る展開が続きます。トップグループは1分48秒台に入るマシンもありますが、全体的には1分49秒台のペースでレースは展開されます。6周目終了時に、#32 EPSON HSV-010はエンジン交換による15秒のペナルティストップを行ったため、順位を14番手に下げましたが、道上選手は1分48秒台を連発して追い上げを図ります。

 12周目に入り、3コーナーでGT300クラスのマシンがクラッシュを喫した影響により、セーフティカーが導入されました。この時点で、#17 KEIHIN HSV-010は5番手、#18 ウイダー HSV-010は6番手、#100 RAYBRIG HSV-010は7番手、#8 ARTA HSV-010は11番手、ピットインにより大きく遅れていた14番手の#32 EPSON HSV-010は、セーフティカー導入でアドバンテージを解消することに成功しました。

 路面状況は、やみそうでやまない霧雨によりウエットコンディションの状況が続きます。セーフティカーは16周目まで先導し、17周目からレースが再開されました。直後の3コーナーで#100 RAYBRIG HSV-010が5番手に浮上し、#18 ウイダー HSV-010は6番手、#17 KEIHIN HSV-010は8番手に後退します。23周終了時に、#8 ARTA HSV-010はタイヤの消耗により早めのピットインを行いました。さらに、懸命の追い上げを図る#32 EPSON HSV-010は、1分47秒018のファステストラップを記録して9番手まで浮上しました。

 HSV-010 GT勢は、タイヤと路面状況との相性がうまくいかずに苦戦が続きます。#17 KEIHIN HSV-010は10番手まで後退し、ライバルが1分48秒台を記録している状況で、1分49秒台での走行が続きます。好ラップを続ける#32 EPSON HSV-010の道上選手は、25周目に7番手まで浮上しました。

 28周目、#32 EPSON HSV-010は、#100 RAYBRIG HSV-010と#18 ウイダー HSV-010を抜いて5番手まで浮上します。28周終了時には、#100 RAYBRIG HSV-010が早めにピットへ入り、タイヤ交換と山本選手へのドライバー交代を行いました。30周終了時に#18 ウイダー HSV-010と#17 KEIHIN HSV-010がドライバー交代を行い、小暮選手と塚越選手が同じくタイヤ交換を行い、コースに復帰しました。

 40周あたりになると、再び霧雨が強くなり、路面状況は少しずつ悪化していきます。41周目に#18 ウイダー HSV-010がコースアウトを喫しますが、すぐに復帰しました。

 ライバルたちが続々とタイヤ交換を敢行する中、#32 EPSON HSV-010の道上選手は42周まで走り続け、ついに暫定トップまで浮上しました。そして、タイヤ交換をせずに19秒5と大幅にピット作業時間を短縮して中山選手に交代しました。これにより、トップのままでコース復帰することに成功した#32 EPSON HSV-010は、背後につけた2番手のライバルと激しいバトルを繰り広げる展開となりました。この時点で、#100 RAYBRIG HSV-010が7番手、#17 KEIHIN HSV-010が8番手、#18 ウイダー HSV-010が12番手、#8 ARTA HSV-010が14番手を走行しています。

 44周目、テールトゥノーズでのトップ争いを繰り広げていた#32 EPSON HSV-010の中山選手がGT300クラスのバックマーカーに接触した影響で2番手へ後退します。その行為に対し、48周目に警告となる黒白旗が掲示されますが、#32 EPSON HSV-010は49周目に再びトップに浮上して少しずつリードを広げていきます。54周目時点では、#32 EPSON HSV-010は2番手に6秒713もの差をつけました。

 57周目、7番手を走行していた#17 KEIHIN HSV-010の塚越選手が第1ヘアピンで接触してスピンを喫し、コースサイドでストップしてしまいます。その後、#17 KEIHIN HSV-010はピットに戻りコースに復帰しますが、15番手まで後退することになりました。

 トップを快走する#32 EPSON HSV-010の中山選手は、60周を終えて2番手に7秒123の差を広げますが、レース終盤になってフロントタイヤが急激に消耗したため、残り2周で2番手のライバルに背後まで接近されてしまいます。ラストラップに入り、激しいバトルが繰り広げられる中、必死にトップを守り続けていた中山選手でしたが、並走でのバトル中に走行ラインを外して芝生エリアにはみ出した影響でスピンを喫してしまいます。中山選手はすぐに復帰するものの、トップから7秒581遅れとなる悔しい2位でのチェッカーフラッグを受けました。

 続くHSV-010 GT勢は#100 RAYBRIG HSV-010が8位、#18 ウイダー HSV-010が9位、#8 ARTA HSV-010が11位、#17 KEIHIN HSV-010が14位で完走を果たしました。優勝は#1 S Road REITO MOLA GT-Rとなり、最終戦を待たずにシリーズタイトルが決定することになりました。

 一方、GT300クラスに参戦する#16 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中嶋大祐組)は12番グリッドからスタートをして確実な走りを続けて10位完走を果たし、1ポイントを獲得しました。

 最終戦となる次戦は10月27、28日に栃木県のツインリンクもてぎで開催されます。

松本雅彦 | Honda GTプロジェクトリーダー
 「今回はタイヤと路面の相性が結果を左右するレースとなりました。#8 ARTA HSV-010、#17 KEIHIN HSV-010、#18 ウイダー HSV-010、#100 RAYBRIG HSV-010はリアタイヤの消耗が激しくタイムを維持するのが難しく、ピットインも想定以上に早いタイミングとなり、レース後半も厳しい展開となりました。その中でも、#32 EPSON HSV-010は使用したタイヤがいいパフォーマンスを発揮し、さらにセーフティカー導入によりペナルティストップのタイムロスが帳消しになる幸運も重なり、道上選手と中山選手がすばらしい走りをみせてトップまで上り詰めてくれました。レース終盤は中山選手に交代するときにタイヤ無交換の戦略を選択したことにより、フロントタイヤが消耗してラストラップでトップ奪われる悔しい結果となりましたが、チーム、ドライバーとも全力を尽くしてくれたことに感謝をしたいと思います。次は最終戦のツインリンクもてぎとなりますが、ハンディウエイトもなく、全車がイコールコンディションでの戦いとなりますので、Hondaファンの皆さまに力強い結果をみせて有終の美を飾りたいと思います。最後までご声援をよろしくお願いいたします」
道上龍(2位 #32 EPSON HSV-010)
 「今日のようなオートポリス特有の霧が出てしまうコンディションは熟知していましたので、特に焦りはなく、フリー走行ができなくても問題ないと思えるほど準備は整っていました。チームが昨日のクラッシュを忘れるほど速いマシンに仕上げてくれていましたので、スタートから追い上げのレースをしつつ、タイヤをいたわる走行を心掛けました。グリップを十分に残した状態で中山選手に交代することができましたので、与えられた役割をしっかりと果たせたと思います。すべてが作戦通りに遂行でき、最後の2周までは“勝てる”と思ったのですが、レースは何が起こるか分からないので、悔しいですが仕方ないです。ただ、ここまでポイントが獲得できていませんでしたので、初ポイントが2位表彰台となったことはうれしいですし、次戦のもてぎでは、今日届かなかった優勝を目指してがんばります」
中山友貴(2位 #32 EPSON HSV-010)
 「昨日の予選2回目で自分がクラッシュをしてしまい、チームが一丸となって夜を徹してマシンを修復してくれていたので、何としても結果で恩返しをしたいという強い思いでレースに臨みました。今日のレースコンディションでは、自分たちのパフォーマンスが高いことは分かっていましたが、道上選手がスタートから絶好調で、その勢いに自分も引っ張られるような感覚で、うまくトップのポジションでコースに出ることができました。GT300マシンとの接触などさまざまなトラブルもありながら、最後の最後までトップ争いを演じられたことはとてもいい経験でした。レースが終わってから、優勝まであと1周だったんだなという悔しさが込み上げています。昨年、3位表彰台を獲得したときよりも順位は上ですが、悔しさは今回の方が大きいです。自分自身の足りない部分も見えたレースでしたので、次は優勝できるように今回の経験を生かしたいと思います」
Text & Photo: HONDA


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