全日本GT選手権

GTインサイドレポート 99Rd.3/3

■ 1999 AUTOBACS CUP ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
■ GT INSIDE REPORT
■ Round 3  SUGO GT CHAMPIONSHIP                           FMOTOR4 EDITION
   GT INSIDE REPORT      インサイドレポート1       99/05/30
 -------------------------------------------------------------------------
'99AUTOBACS CUP GTC第3戦SUGO SUGO GT選手権(5/29,30)

◎カーナンバー前の記号"#"はGT500、"*"はGT300を現します

■予選1回目終了後のコメント
#6 ESSO Tiger Supra(1回目GT500 1位)
野田英樹「セットを少し変えたら悪い方向にいってしまったみたいですね。それか
ら、3周目にほかのマシンに引っかかってしまって、タイヤの一番おいしいところ
を使えませんでした。その後また何回かアタックしたんですけど、ちょっといきす
ぎたり、ほかのクルマに引っかかったりで、いいラップが一度もありませんでした。
でも、ポールを獲ることより明日のレースのほうがだいじですから、午後になって
ポジションが落ちても、3列目以内にいられればいいと思っています。予選2回目
はまた違うセットを試そうと思っています。タイム的には上がったとしても21秒前
半までじゃないですか?」

#18 TAKATA童夢NSX(1回目GT500 3位)
脇阪寿一「フロントの足回りを昨日と少し変えてよくなりました。でも、3位だっ
たらポールのほうがよかった。クルマが(ウェイトハンディで)重いからアタック
でタイムが出るのは1周だけなんですけど、それに気づいたときには遅かったんで
す。午後はだれか(ほかのチーム)がタイムアップして、4番手になりたいな。今
回はポールも優勝もねらいにいってないんです。勝負は次のMINEだと思っています
から。そりゃあ決勝は流れがあるから、勝てるものなら勝ちますよ。去年のこと
(トップでフィニッシュしながら失格)があるから勝ちたい気持ちもあるんです。
でも、それでウェイトを積まれるとそこからの何戦かがパーになってしまうので、
ここではがまんして次で勝って、それでまたウェイトを減らしてっていうふうに、
シリーズを考えてやっていかないとね」

#30 綜警McLaren GTR(1回目GT500 4位)
岡田秀樹「今回はセッティングもそこそこ決まってきたけど、1秒の間に何台もい
るのでワンミスで4番手が11番手か12番手になってしまう。第1戦は雨でひどい目
にあって、第2戦はアクシテントにあってしまって、ウチはまだ完走していないの
で決勝のデータがない。だから今回は、速く走ることももちろんだけどゴールして
どうなるのか見たいです。マクラーレンは見た目が明らかにほかのマシンと違うけ
ど、このレースはみんなに勝てるチャンスを作ろうということと、混戦になるとい
うことを目指したルールになっているので、もともと速いクルマでもレギュレーシ
ョンで束縛されると、能ある鷹が爪を隠しているのではなくて、縛られている状態
になって速く走れなくなるわけです。そのへんは見ているお客さんにも理解しても
らいたいですね」

*15 ザナヴィARTAシルビア(1回目GT300 1位)
土屋武士「計測2周目にアタックにいくつもりだったんですけど、遅いクルマにひっ
かかってしまって…。タイヤのおいしいところがなくなってヤバイと思いながらも
1回クールダウンをしてからムリヤリいきました。午後は気温との相談です。一応ア
タックしますが、あくまでも決勝をにらんでのセットアップをメインにやります。
決勝のセッティングはまだまだ全然。かなりリスキーな走りかたをしています。今
いろいろいじくりまわしいるさいちゅうで、午後はジオメトリーから変えて、かな
り大胆なトライをするつもりです。(土屋春雄氏が昨日のポール宣言を受けて『武
士の言うことはあてになんねェ。獲らせないよ』と言っていることに対して)むこ
うはけっこうマジでしょ。1000分の2秒差でトップだけど、ちょっと中途半端。ど
うせなら1000分の1秒差がよかったな。そのほうがギャフンと言わせられるでしょ」

*25 モモコルセ・アペックスMR2(1回目GT300 2位)
新田守男「2周目にとりあえずアタックしたけれど、午後もまたやりますよ。4位
ねらいとかはない。できることなら前へいきたい。クルマの仕上がりはいいと思う。
今のところ問題はないし、本番もこれぐらいの暑さでしょうし。午後はアタックを
やってから、本番のバランスをとります」

*19 ウェッズスポーツセリカ(1回目GT300 3位)
織戸学「(最初のアタックは)ハチロク(#86 BP・KRAFT・トレノ)に最終コーナー
で引っかかった。タイミングさえ合えばスリップ使って抜けると思ったけど、全然
踏んでなかったのに追いついちゃって28秒7。あれがなければ27秒5ぐらい出たはず。
納得できなくて、もう1回(アタックに)出た。富士では2秒差あったのに、クル
マもまとまってきて満タンセットはそんなに差がない。この勢いでMINEにいければ
『なめんなよターボ勢!』って感じで楽しみになってきた。午後はRX-7(*7 RE雨
宮マツモトキヨシRX7)やダイシン(*81ダイシンシルビア)がくるだろうから、4
番手ねらいで決勝セットしますよ。抜かれるのは不満だけど、ウエイトこれ以上積
みたくないから」

*86 BP・KRAFT・トレノ
田中実「全国1000万のハチロクファンへ、ようやくここまで来たよという感じで
す(笑)。ハチロクって安いし、だれもがとおる道やと思うんです。走らせてオモ
ロイ根源のクルマですね。乗ったことのある人も多いと思うんで、夢というか、乗っ
てる人に勇気を与えられればと思うんです。ロータスの工場のようでしょう(笑)。
まだまだ動き出したばかりでわからないんですが、フィーリングはフォーミュラっ
ぽいです。ショートホイールベースでピーキーで、リアの動きがいいクルマですね。
これから煮詰まればおもしろいクルマになると思います。武器は応答性。姿勢を作
るときの時間が短くて済むんです。セッティングには時間がかかると思いますけれ
ど、カリカリしたGTCのなかでこんなんが出たらおもしろいじゃないですか。個人
的にはハチロクを街乗りで乗っていたことはないんですが、イギリスでTE71に乗っ
ていました。7、8年落ちでもけっこう高かったですよ。富士では出られなかった
んですが、スタンドに『いけいけハチロク』ていう横断幕が出ていてうれしかった
です。今回はデビューレースなんで最後まで走りたいですね。速かったらおもしろ
いじゃないですか。MR2ぶち抜いたら怒られるかな(笑)。まあ、そこまではいけ
ないでしょう。以前に乗ったGT500のスープラはピーキーなエンジンでしたが、ハ
チロクは同じ3SGターボでもマイルドで乗りやすいです。パワーもパワーの出かた
も違うし、同じFRといってもウェイトもまったく違いますから。走行会で(ストリー
トチューンの)ハチロクに乗るけど、けっこう乗り味はGTマシンと似てるんですよ。
味つけが似てるのかな」
平岡寿道クラフト代表「昨日までアンダーパネルのバイブレーションでまともに走
れずにいたので、実際にはこれから(予選で)セッティングです。去年のもてぎの
ころからFRでやりたいという話は出ていましたが、トヨタ車というとソアラ、クラ
ウン、スープラ、プログレなんていう選択しかなかった。そこへたまたまハチロク
が出られるということを聞いて、じゃあこれでやろう、と。ボディ剛性に関しては、
通常はパイプフレームに(アウターボディを)被せるようなクルマづくりをすると
ころなんですが、レギュレーションでできないんで、シャシーのなかにパイプをと
おしてロールケージ自体で剛性を100%近く出したいということです。それでも、
GT500クラスに比べるとそれほどの数は入ってないです。でも、GT300クラスはGT500
クラスほどマシンが進化していないんで、入っているほうかな。ミッションはチェ
イサーの流用。デフの中身はJTCCのもので、ケースは作り直しています。坂東さん
のところのセリカはJTCCエクシブのまんまですけど、いい勝負ですかね…。人気投
票ナンバー1ですから(笑)。今回はあくまでもシェイクダウンなんで、今後に備
えてデータ収集できればと思います。動いたばっかりで、現場でまだ作っている状
況です。苦労したのは、エンジンルームの中身でいかにおさめるかということでし
たね。冷却系なんか苦労のあとが見えるでしょ? 登場が遅くなったけど、今回は
顔見せなんで長い目で見てください。予選1回目では、もっとずっと値段の高いク
ルマより前でしたからね。80万円のハチロクのほうが勝ったということで、15年前
のクルマでもここまでやれるんですよね(笑)」

■予選2回目終了後のコメント
#100 RAYBRIG NSX(予選総合 2位)
飯田章「普通にアタックしただけ。たまたまだよ。朝からセットもイジッてないし
路面もそれほどよくなかったけど、目一杯いった。ただ、ニュータイヤを履いたと
きに乗りかたは変えてみたよ。通るラインを変えた。ウチはハードタイヤを選んで
いてトラクションがかからないから、なるべく滑らさないようにして走ったんだ。
それでも滑ってたけどね。ベストタイムを出した周は、最終コーナーで4速から5
速に入れるときにシフトミスしてる。それでデータ上ではコンマ1.5秒ロスしてる
んだよね。決勝はストレートが伸びないから苦しい闘いになるな、きっと」

#37 カストロール・トムス・スープラ(予選総合 3位)
鈴木利男「今週の月曜日に富士でシェイクダウンをしたんだけど、そのときは雨で
ほとんど走れなかったし、昨日の午前中もトラブルが出てた。それに、今日の朝も
オーバーステアだったんだよね。だから午後はリヤをもっとグリップさせてもらう
ようにセッティングを変えてあのタイムが出た。中古(タイヤ)で出ていったとき
はこんなにオーバーじゃ乗れないって思ったけど、ニュータイヤを履いたらよくなっ
たね。クリアラップは取れてるけど、縁石の乗せかたはちょっと甘かったかな(笑)。
ここまで来れたのはスタッフのおかげ。あんなに時間がないなかでよくここまでク
ルマを仕上げてくれたと思うよ」

#36 カストロール・トムス・スープラ(予選総合 4位)
関谷正徳「ちょっと集中力に欠けてたね。ベストタイムを出したあともアタックは
続けていたけど、ほかのマシンにつかえてしまったし、タイムを伸ばせなかった。
マシンの挙動自体はいいよ。路面も朝よりはよくなってた。予選ポジション的には、
ぼちぼちでんなっていう感じ。でも、レースでは1番になりたいね。レースセッティ
ングは問題なく決まっているし。今回はサイズが大きいほうのタイヤを選んだ。そ
のほうがよかったから。50~60周は保つからペースを落とさずに走れる予定だよ」

#39 デンソーサードスープラGT(予選総合 5位)
土屋圭市「アタックでは1回ほかのクルマに引っかかってしまった。あれがなけれ
ばあとコンマ2、3秒はいけたと思う。決勝は、ウチはスニーカーじゃないからね。
革靴だから。スニーカーがほしいよ」

#2 ARTAゼクセルスカイライン(予選総合 9位)
ミハエル・クルム「今朝セットアップを変えたのだが、トラクションをかけたとき
のハンドリングが悪くて、午後に向けて再度セッティングを変えたんだ。チームと
エンジニアがいい仕事をしてくれてハンドリングが非常によくなり、ほぼ1秒タイ
ムを短縮することができた。まだまだトップとはタイム差があるけど、レースディ
スタンスでは悪くないと思う。アグリ(鈴木亜久里選手)もフルタンクでいいタイ
ムを出しているので、明日はボクらは期待できると思う。ポイントを獲得したい」

*
25 モモコルセ・アペックスMR2(予選総合GT300 2位)
新田守男「予選トップじゃないから、そりゃ不満はありますよ。目一杯いったけど、
けっこうきびしい。明日は、シリーズ考えたらトップをとりたいし、(シリーズトッ
プの*19ウェッズスポーツセリカが)下がってくれればそれにこしたことはない。
いつになく暑いコンディションになるんじゃない? 作戦は、これといってないで
すよ。タイヤをたらさないよういくしかないかな」

*19 ウェッズスポーツセリカ(予選総合GT300 3位)
織戸学「そんなに(タイムを)上げる予定はなかったけど。怒られちゃいましたよ」
原貴彦「タイムが上がったのは気温のせいですかねえ? 決勝セットで燃料積んで、
リアタイヤは程度の悪いのをつけていきました。エンジンはよく回ったし、コースの
ほうも悪くはないと思いました。ただ、クルマのセットが午前とは違ったんで正確な
ことはわからないですけどね」

*7 RE雨宮マツモトキヨシRX7(予選総合GT300 4位)
松本晴彦「午前に出ていたフロントのアンダー傾向をセットアップし直して、もう
ちょっと(タイム)アップするかと思ったんですが、0.1秒ぐらいしか上がらなかっ
た。タイヤがニューのときはまあまあだったんですが…。もっと上位でウェイト積
みたかったですよ。スタートはたぶん自分です。前回接触があったんで、ミスしな
いように山野さんに渡したいです。午前も4番手だったので決勝はもっと上に!」

#55 STPアドバンタイサン バイパー
ドミニク・シュワガー「本来のドライバーの松田秀士選手がインディ500に出るの
で、その代わりとしてタイサン・チームから声をかけてもらって今回乗れることに
なりました。フォーミュラーカー以外でレースをするのはこれが初めてです。GTカー
も初めてなら菅生も初めてです(笑)。フォーミュラカーと比べるとGTカーはコー
ナーでスポンジーですね。パワーはほとんど同じぐらいです。トヨタやニッサン、
ホンダに対しては、ボクらのマシンはABSもないし、ローテクなので対抗できない
けれど、与えられた条件のなかでベストをつくすつもりです。それと、レースを楽
しみますよ」

*70 外車の外国屋アドバンポルシェ
酒井浩「今回とMINEとTIの3戦、このチームから出場できることになりました。こ
れまでフォーミュラを中心にレースしてきたので、GTCは初めて、ポルシェで決勝
レースを走れるのも初めてです。昨年の鈴鹿1000kmではチェンバレンのバイパーに
乗っています。これに比べると、今回のポルシェのほうが乗りやすいです。セッティ
ングについてはまだよくわからないことが多いのですが、とにかく自分の役割をきっ
ちりこなしたいです」


*その2に続く

                       GTアソシエイション事務局
                        GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース