全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第12戦の決勝が12月5日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、#36宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)が今季9勝目を挙げた。
第12戦決勝は午後3時20分より12周で行われた。天候は晴れ。路面はドライだ。
なお予選3番手の#37一斗(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)は前日の専有走行でエンジントラブルに見舞われてエンジン交換を行なっているため、規定により5グリッド降格の8番手スタートとなった。他に#2名取鉄平(TODA FIGHTEX )、#52畑亨志(A-NeKT with B-MAX)もエンジン交換によりグリッド降格となっている。
スタートでトップに立ったのは#36宮田。ポールスタートの#50阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX)の牽制を掻い潜って1コーナーに飛び込んだ。この二人の競り合いに乗じて#35河野駿佑(RS FINE K&N 320)もアウトから#50阪口を抜いて2位に浮上した。
その後方では8番手スタートの#37小高が3ポジションアップの5位でコントロールラインに戻ってきた。小高はさらに3周目の1コーナーで#13片山義章(B-MAX ENGINEERING)をも抜き去り、4位に浮上する。さらに11番手スタートとなった#2名取も6位まで浮上して#13片山を追い上げる。
トップの#36宮田は最初の3周で2位の#35河野に対し2.013秒、5周を終えた時点では3.495秒のリードを築き上げる。
河野は#50阪口の追撃を受けつつも、次第にペースを上げながら周回を重ねる。しかし6周終わりのホームストレートでついに#50阪口が#35河野を抜いて2位に浮上。しかしこの時点で#36宮田のリードは4.983秒に広がっていた。
その後も#36宮田はリードを広げ続け、ファイナルラップで1'50.714を叩き出す圧倒的な速さで2位に10.004秒差をつけてフィニッシュ。今季9勝目を挙げた。
一方、#50阪口は2番手でフィニッシュしたものの、スタート時に宮田に対して幅寄せした行為により、レース結果に30秒加算のペナルティを受けて8位に降格となった。これにより2位は河野、3位には小高が入る結果となっている。
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権は、明日12月6日に第13戦決勝を午前8時25分より12周で、午後3時10分より第14戦決勝を17周で行う。
Text:Kazuhisa SUEHIRO:
- 第5戦優勝 #5山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
- スタート前から波乱含みの展開になりそうな様子が伺えました。荒れるのかな? と思いましたが、荒れましたね。そんな中、惑わされないように集中して走ろうと思って走りました。残念なのはチームメイトの福住選手にトラブルが出たことですね。同じトラブルが僕にも出ないかと心配で、最後まで気が抜けませんでしたが、最後まで素晴らしいクルマでした。エンジニアの杉崎さんには本当に感謝しています。もちろんレースは勝ちたいですけど、今までの2レース制は1日で2レースだったのに対し、今回は二日間で予選と決勝をやるので初めての経験ですし。明日に賭けてくる意気込みの選手もいるでしょうし。コンディションも変わる可能性があるので、それに合わせ込んだセッティングで明日もしっかり集中して頑張ります。
- 第5戦決勝2位 #36中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)
- 予選からクルマの状況は良かったんですけど、山本選手が速かったですね。スタートは悪くなかったんですが、セーフティーカー明けのスタートでブレーキが抜けたりしました。それでも辛抱強く走っていたら2位が転がり込んできた感じです。ヨコハマタイヤに変わってから一番安定した状態です。明日も何かあれば前に行きたいです。チームもいいクルマを用意してくれて、いい状態で走れているので、チームには感謝したいです。僕もそこそこいい歳になってきたので、いい結果を残さないと続けられなくなると思ってやっているので、それに見合ういい結果が出たと思います。
- 第5戦決勝3位 #18国本雄資(carrozzeria Team KCMG)
- フリー走行から手応えがあり、予選も自信がありましたが、Q2でコンマ002足りずにQ3へ行けず、悔しい思いをしました。今年はスタートから調子が良くて、今回もポジションを上げることができましたし、ピットインのタイミングもよく、セーフティーカー明けに3番手に上げられました。そこからはダウンフォースが抜けたり、オーバーテイクシステムを使うタイミングが良くなくて、ポジションを上げることができませんでした。それでも表彰台に上がれたし、力強く走れたのは良かったです。明日もう1レースあるので、楽しみにしています。クルマの調子がいいので、そういう時にしっかり戦えるよう、コミュニケーションとメンタリティを整えてレースに臨みます。
- 第5戦優勝チーム監督 吉田則光(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
- 今年から特殊なフォーマットで、メカさんエンジニアさんともにスケジュールが厳しい中での戦いでした。今までとは全く違うフォーマットなので、全チームそうだと思いますが、充分な準備をしてきました。それが結果に結びついてよかったです。今年はずっと山本選手が勝つべきレースを勝てなかったので、今週末の2連戦は是が非でも優勝するつもりで乗り込んできました。福住選手はギヤボックス系のトラブルで残念でした。多分機械的なトラブルだと思われます。4速にスタックしたのですが、EGUとかコントロール系ではないと思います。明日もまた新しい1日で予選と決勝がありますが、フルマークで勝てるように頑張ります。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の決勝が12月5日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、#5山本尚貴(DOCOMO DANDELION M5S SF19)がポール・トゥ・ウィンで23ポイントを獲得し、ドライバーズポイントでもトップに躍り出た。(天候:晴れ コース:ドライ)
第5戦決勝はスタート前から波乱が相次いだ。
公式予選でミッショントラブルに見舞われた#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)に続いて、今度は予選2番手の#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)がグリッド整列の際に、スプーンカーブ手前でストップしてしまったのだ。チームの中野信治監督によると、データ異常によりフェイルセーフが作動とのこと。オフィシャルのトラックで回収されてパルクフェルメに戻ってきた16号車は、メカニックに押されてグリッドについたが、規則により最後尾からレースをスタートすることになった。。
さらに午後1時15分から始まったフォーメーションラップでは#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)にもトラブルが生じ、2コーナーの立ち上がりでストップ。エンジンを停止させてしまった。予選不出走で最後列スタートとなった#20平川に続いてチームインパルを不運が立て続けに襲う。
これにより19台で戦われることになった決勝レースだが、当初予定されていた2周のフォーメーションラップの後に、19号車の排除が完了していないということで、さらにもう2周行われることになった。これにより周回数は2周減産されて28周とされた。
この間に予選19番手の#14大嶋が予定外のピットイン。コクピット周りで何かしらの作業を行い、ピットスタートとなった。
スタートでトップに立ったのは#5山本。予選3番手の#6福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)が2位で続き、予選5番手の2#7小林が4番手の#36中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)をかわして3位につける。
ところが1周目のダンロップコーナーで#64牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)がコースアウトするアクシデントが発生。64号車はタイヤバリアに前から突っ込んで止まったために2周目に早くもセーフティーカーが導入された。牧野は自力でクルマを降りた。
予選でのトラブルにより20番手スタートとなった#20平川はスタートから果敢な追い上げで1周終了時点で12位にジャンプアップ。最後尾スタートの#16野尻は15位まで挽回してきていた。
セーフティーカーは5周目にピットイン。レースは6周目から再開となった。
トップ3に順位の変動はなかったが、シケインでオーバーランを喫した#36中嶋に代わって#65大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が4位に浮上する。
10周目に入ると、2位を走行していた#6福住にギヤボックストラブルが発生。4速にスタックしてしまった6号車はバックストレートでスローダウンし、そのままガレージに戻ってレースを終えた。
またこの周からファイナルラップまでの間にタイヤ交換の義務が課せられていたこともあり、10周終わりで#65大湯、#50松下信治(Buzz Racing SF19)、#1ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)、そして#20平川がタイヤ交換を行い、#50松下が素早い作業で#1キャシディ、#65大湯の前でピットアウト。さらにアウトラップで#1キャシディが#65大湯を抜いてきた。
11周目には#15笹原と#カルデロンがピットインし、#15笹原は#1キャシディの前でピットアウトした。
続いて12周目に#18国本、13周目には#7小林と#36中嶋がピットイン。ここで#7小林がタイヤ交換に手間取り、#36中嶋の先行を許してしまう。
この間にトップの#5山本は着実にリードを広げ、2位に繰り上がった#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)との差を17周終了時点で10.998秒とすると、18周目にタイヤ交換を行った。
するとその直後、その時点で10位を走行していた#50松下が130R進入でスピン状態に陥ってコースオフ、クラッシュバリアに激しく突っ込んでしまったためにこの日2度目のセーフティーカーが導入されることになった。クルマのダメージは甚大だったが、松下は自力でクルマを降りている。
するとすかさず19周終わりでまだタイヤ交換を終えていなかった#39坪井、#38石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)、#3山下健太(ORIENTALBIO KONDO SF19)、#4サッシャ・フェネストラズ(ORIENTALBIO KONDO SF19)、そして#16野尻がピットイン。素早くタイヤ交換を終えた#16野尻はコンドーレーシングの2台の前でピットアウトした。
これにより、全ドライバーがタイヤ交換を終えた20周終了時点の順位はトップが#5山本、2位は#36中嶋、3位に#18国本、以下#15笹原、#39坪井、#7小林、#20平川、#1キャシディ、#65大湯、#38石浦、#16野尻、#51ミレッシ、#3山下、#4フェネストラズ、#14大嶋、そして#12カルデロンの順となった。
セーフティーカーは22周終わりでピットイン。23周目からレースは再開される。
するとその周終わりのホームストレートで4位の#15笹原に#39坪井、7小林、20平川の3台が並びかけ、24周めの1コーナーに4ワイド状態で進入した結果、#7小林と#15笹原に挟まれて行き場を無くした#39坪井が#15笹原に接触。イン側に弾かれた笹原が最内に飛び込んでいた#20平川に追突してしまう多重クラッシュが発生。
これにより#15笹原と#20平川はスピン状態に陥ってコースを飛び出し、クラッシュバリアに突っ込んでしまう。これによりこの日3度目のセーフティーカー導入となった。
また走行を続けた#39坪井もフロントウィングにダメージを負ってピットでクルマを止めた。
セーフティーカーは26周終わりでピットへ。ここからわずか2周のスプリントレースが展開された。
トップの#5山本。2位の#36中嶋はそのまま1コーナーへ。#7小林も並びかけてくる#1キャシディを押さえ込んで1コーナーに飛び込んだ。
結局#5山本は一度もトップを脅かされることもなく28周を走りきり、今季初優勝。ドライバーズチャンピオンシップも23ポイントを加算して55Ptとし、ノーポイントに終わった#20平川を上回ってトップに立った。
スーパーフォーミュラ第6戦は明日12月6日に午前9時15分より公式予選、午後1時15分より決勝を行う。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の公式予選が12月5日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、#5山本尚貴(DOCOMO DANDELION M5S SF19)が1'34.533でポールポジションを獲得した。
5日土曜日に第5戦、6日日曜日に第6戦を行う今年の鈴鹿大会。第5戦の公式予選は午前8時10分よりノックアウト方式で行われた。今大会からは路面温度の低下を考慮してタイヤウォーマーの使用が許されている。国内トップフォーミュラでタイヤウォーマーが使用されるのは1995年の全日本F3000選手権以来のことだ。
予選 Q1
Q1は今回もA、B二つのグループに分かれての走行。上位7台ずつが
#1ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)、#51シャルル・ミレッシ(Goldex Racing SF19)、#38石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)がコースオープンと同時にピットアウト。以下続々と走行を開始した。
タイヤウォーマーの効果もあってか、#1キャシディはアウトラップに続いていきなり1'36.902を叩き出す。さらに#38石浦は1'36.089とキャシディを大幅に上回るタイムを出してみせた。3番手は#51ミレッシ、#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)が4番手。いずれもユーズドタイヤで最初のアタックを行い、3周目にはピットに戻ってきた。
続いてニュータイヤを装着しての2本目のアタックでは#5山本が1'35.153といきなりコースレコードを更新。山本は最初の走行では2周目にピットインしており、まさに一発勝負でのトップタイムとなった。
2番手には1'35.353の#1キャシディ、3番手には今季フル参戦が決まった#15笹原右京(TEAM MUGEN SF19)が1'35.480で続き、上位6台が従来のコースレコード(1'35.907。2017年の第1戦で中嶋一貴が記録した)を上回る速さをみせた。
一方、ルーキーの#4サッシャ・フェネストラズ(ORIENTALBIO KONDO SF19)、#51ミレッシ、そしてベテランの#14大嶋和也(ROOKIE Racing PONOS SF19)がここでノックアウトされることとなった。
続いてのBグループはポイントリーダーの#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)がミッション交換を余儀なくされるトラブルにより走行できないという波乱の幕開け。先週のスーパーGTに続いての不運により、鈴鹿大会でのタイトル獲得に黄信号が灯った格好だ。
まずは最初のアタックで#3山下健太(ORIENTALBIO KONDO SF19)が1'36.539、#12タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE SF19)が1'36.252を記録。他のドライバーはアタックせずに一旦ピットに戻ってきた。#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)はガレージに留まり、終盤に一発勝負のアタックに出た。
ニュータイヤを履いてのアタックでは#6福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)が1'35.601でトップ。#18国本雄資(KCMG Elyse SF19)が2番手に続き、#65大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が3番手。#36中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)は7番手でQ2進出を果たしたが、#3山下は1'36.333までしかタイムを削ることができず、ここで予選を終えることになった。#12カルデロン、そしてノータイムの#20平川がここでノックアウトされた。
予選Q2
Q2は午前9時50分に走行開始。各車続々とコースインする中、#5山本はガレージで待機し、他のドライバーがチェック走行を終えてピットインしたタイミングを見計らい、5分遅れて走行を始めた、
この時点でのトップタイムは#19関口で1'35.722。初っ端からニュータイヤを投入し、終盤にもう1セットを使うという思い切った作戦を採った。
誰にも邪魔されずにアタックを行った#5山本は1'35.055を叩き出すことに成功する。残り時間は3分だ。
続いて各ドライバーがアタックを開始したが、誰一人山本を上回れず、#5山本尚貴がトップでQ3進出を果たす。2番手には#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)が1'35.155で続き、最後の最後に1'35.185を叩き出した#64牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が3番手。終わってみれば4番手の#36中嶋と5番手の#7小林可夢偉(KCMG Elyse SF19)以外の6人がホンダエンジン勢という結果となった。
予選Q3
Q3は午前10時10分開始。気温17℃ 路面温度は20℃。予選開始時よりも路面温度は4℃上昇している。
始まっていきなり#5山本が2周目に1'34.749というタイムを記録。この時点で残り時間は6分以上あった。
#65大湯も1'35.099までタイムを縮めて2番手、#64牧野が1'35.174と中嶋レーシング勢が続く。セッション前半でアタックを行なったのはこの3台のみだ。
残り3分を切ったところで各車続々とコースイン。#5山本も2セット目を投入してピットを離れた。ここから始まったポールポジションをめぐるタイムアタック合戦は、目まぐるしく順位が入れ替わる激しいものとなった。
まずは#16野尻が1'34.648と山本を上回るタイムを記録する。#6福住も1'34.809と1分34秒台に入れてきた。しかしその直後、#5山本が1'34.533までタイムを削って再びトップに躍り出る。
その結果ポールポジションは#5山本、#16野尻が2番手、#6福住は3番手となり、以下4番手の#36中嶋が1'34.917、5番手の#64牧野も1'34.935と、 Q3は5人が1分34秒台のタイムを叩き出す結果となり、ホンダエンジン勢がトップ3を独占して午後の予選に臨むことになった。
全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の決勝レースはこの後午後0時30分より30周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
全日本スーパーフォーミュラライツ選手権第12、13戦の公式予選が12月5日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ#50#50阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX)が第12戦、第13戦ともにポールポジションを獲得した。
公式予選は雲ひとつない快晴のもと、午前8時15分より30分間で行われた。ここでのベストタイム順で第12戦、セカンドベストタイム順で第13戦のスターティンググリッドが決まる。
コースオープンと同時にアタックを開始したのはポイントリーダーの#36宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)。走り出して5周目に1'49.957を記録してトップに立つ。
一方、#50阪口は他のドライバーたちより5分ほど遅れてコースイン。4周目に1'49.799を叩き出して宮田を上回る。3番手には#37小高一斗(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)が1'50.262で続く。
コースオープンから15分ほどが経過すると各車一旦ピットイン。タイヤ交換ののち、2本目のタイムアタックを開始するが、ここでも#50阪口の速さは変わらず、ピットアウトして3周目に1'49.037までタイムアップ、その次の周にも1'49.337を記録した。
これに対し#36宮田はピットアウトして3周目に1'49.199、4周目も1'49.428に終わり、ベストタイム、セカンドベストタイムともに#50坂口がトップという結果になった。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
GT500クラス #100 RAYBRIG NSX-GT
- 山本尚貴
- GT500クラスで走るようになって11年目になりましたが、今日は自分が描いた思い通りの展開、理想通りの展開になりました。ファイナルラップに入ってから『このまま37号車が逃げ切って優勝、チャンピオンになるのかな』『彼らはチャンピオンになるに相応しいレースをしたよな』と思う瞬間もありました。でも最後まであきらめず、タイヤや燃費をセーブするところはセーブしてがんばり続けました。それが報われたのかな、と思います。でも37号車にとってはとても残酷な結果で、優勝したからと言って喜びすぎるのもちょっと気が引けるような。でもレースに勝ったのは僕たちなんだ、とも思っています。
同じブリヂストンタイヤを装着するNSX-GTの中で、周りのチームは少し柔らかめのタイヤを履いていたようなんです。でも僕たちはちょっと違った選択をして、タイヤが温まりきるまではちょっと厳しかった。ルーティンのピットインは、多くの陣営がミニマム(周回数)で行っていたのでタイヤと燃費を上手くマネージメントしながら走りました。それでも『2位で終わるなら攻めて走ってリタイアするほうがいい』と腹をくくって、プッシュするところはプッシュしていました。ファイナルラップの最終コーナーを立ち上がったところで37号車がゆっくり走っているのを見て、『ウイニングラップで余裕あるなぁ』とも思いましたが、すぐに『ガス欠だ!』と思い、『これで自分たちが優勝だ』と思ったのですが、さらに今度は『自分もガス欠になるんじゃないか?』と心配になりました。アラームは点いていなかったのですが、コントロールラインを横切るまでの500mくらい、チェッカーまでとても長く感じました。
今季はブリヂストンを履くNSX-GT勢で3勝しているのに、自分たちだけ未勝利だったので、今日は勝つことができてホッとしました。
- 牧野任祐
- 優勝することができてよかったです。このレースウィークに富士にやってくる前に、いろんな準備をしてきましたが、優勝できて、結果的にチャンピオンにもなることができました。特にGAINER TANAX GT-Rの安田裕信さんには感謝しています。実は以前、レースをやめるか悩んでいた時に、安田さんのカートチームで走らせてもらったことがあるんです。だから安田さんが声を掛けてくれなければ、今の自分はなかった。他にも、本当に多くの人に助けられて、ここまで来ることができました。だから、お世話になったすべての人に感謝しています。
今日は前半の走行を担当したのですが、走り始めはタイヤのウォームアップが厳しくてなかなかペースを上げることができませんでした。でもタイヤが温まってからのペースは悪くなくて、37号車と15秒差で後半を担当する尚貴さんに繋ぐことができました。そこから尚貴さんが追い上げていったのですが、最後は想像もしていなかった結末になりました。それでもRAYBRIGのラストランを飾ることができて本当に良かったです。
GT300クラス #52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT
- 吉田広樹
- 最終戦で優勝することができ、とても嬉しいです。今シーズンは新しいマシンを投入したのですが、開幕戦で優勝することができて、ハードルを一段上げることになってしまいました。その後はなかなか勝つことができませんでしたが、今回は公式予選でポールポジションを獲ることができ、シリーズタイトルよりもこのレース(に勝ちたい)と思ってレースに臨みました。
タイヤ無交換作戦ではライバルに抜き返されたこともありましたが、チームが無交換でも高いパフォーマンスを発揮できるようにタイヤにやさしいクルマに仕上げてくれました。さらにチーム代表の平沼さんがレースで僕らの周りの状況を伝えるスポッターをやってくれたり、全員で力強いチームに成長してきました。だから今日、こうして優勝したことで、チームの皆の気持ちにこたえることができたのが嬉しいです。
タイトルには届かなかったことに、悔いがないと言えばうそになりますね。シリーズ中盤にヒューマンエラーで取りこぼしたのが響きました。以前コンビを組んでいた先輩から「若いお前のミスは、エースの自分のミスでもあるんだ」と言われたことがあり、実際に孝汰のミスやチームの判断ミスで取りこぼしても、自分のミスと思うようにしました。チャンピオンになった56号車は、僕たちよりも取りこぼしが少なかった。それを受け止めて、自分たちもさらにレベルアップして、来年は獲ってやりたいと思います。
- 川合孝汰
- 今回はポールポジションからのスタートになりましたが、路温が低くてフォーメーションラップが増えて3周になったのですが、それでもタイヤを上手く温めることができずにBRZにスタート直後の1コーナーで先行されてしまいました。タイヤが温まってからはペースもよくなり、1コーナーでBRZを抜き返すことができました。ただちょっとタイヤを余計に使ってしまい、タイヤ無交換で後半のスティントを走る吉田さんにつらい思いをさせてしまったのはちょっと反省しています。それでもポールからスタートして優勝する「完全優勝」を果たせて嬉しいです。
でも、これは僕たちドライバーだけでなく、クルマを仕上げてくれたチームや素晴らしいタイヤを用意してくれたブリヂストンさん。そしていつも緊張をほぐしてくれるトレーナーさんやスポッターを買って出てくれたオーナーの平沼さんなど、もう全員が完璧な仕事をした結果で手に入れたものです。今回のポール・トゥ・ウインはチームが成長した証ですが、僕自身も成長できたと思っています。だから来年は、今年学んだことを使って、さらにいい結果を残せるようがんばります。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
最後の最後にまさかの大逆転。これがスーパーGTだ!
2020年オートバックス スーパーGT第8戦「たかのこのホテル富士GT300kmレース」の決勝が11月28日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは#100山本尚貴/牧野任祐組(RAYBRIG NSX-GT)が逆転勝利でドライバーズチャンピオン、チームチャンピオンを獲得。GT300クラスは#52吉田広樹/川合孝汰組(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)が今季2勝目を挙げ、ドライバーズ、チームの両チャンピオンを#56藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(KONDO RACING)が獲得した。(天候:晴れ コース:ドライ)
9チーム16名がチャンピオン獲得の可能性を持って決勝日を迎えた2020シーズンの最終戦。ノーウェイトハンディキャップの戦いはスタートからゴールまで波乱が続く激しいものとなった。
決勝レースは午後1時にフォーメーションラップを開始。当初は2周のフォーメーションラップを行ってからレースをスタートさせる予定であったが、スタート時の気温8℃、路面温度は13℃という状況を考慮し、急遽もう1周が追加されることになる。これにより周回数は1周減算の65とされた。
スタート直後の1コーナーにトップで飛び込んだのはポールポジションの#37山下健太(KeePer TOM'S GR Supra)だったが、#39ヘイッキ・コバライネン(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)、#36サッシャ・フェネストラズ(au TOM'S GR Supra)らも離されずに37号車を追走する。
さらには6番手スタートの#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)も1周目のコカコーラコーナーで#38立川祐路(ZENT GR Supra)をパスして4位に浮上すると、トップ3台との差を一気に縮めてきた。
トップ4台は団子状態のままヘアピンを立ち上がり、300Rを並走状態で駆け抜けていく。そして迎えたダンロップコーナーの進入。大外から一気に3台を抜き去ってトップに浮上したのは#23クインタレッリだった。
しかし#37山下は23号車のテールに僅差で食らい付き、6周目の最終コーナーでインに並びかけると、そのままホームストレート上で抜き去ってトップを奪い返す。
23号車はその6周目に入ったあたりから次第にペースを落としており、11周目のコカコーラコーナーで#36 au TOM'S GR Supraにパスされると、14周目のGR SUPRAコーナーでは予選7番手から着実に順位を上げてきていた#100牧野任祐(RAYBRIG NSX-GT)にも抜かれ、その後もジリジリと順位を落としていった。
3位に浮上した#100牧野は20周目の最終コーナーで周回遅れに詰まった#36フェネストラズを一旦は抜いたものの、ホームストレートではスープラの車速の伸びにアドバンテージがあり、再び36号車が2位を奪い返す。それでも牧野は21周目のダンロップコーナーで再びフェネストラズのインに飛び込んで2位に浮上すると、規定周回数の1/3を消化した直後の22周終わりでピットイン、山本尚貴にステアリングを託す。
同じ周に#17 KEIHIN NSX-GT、#14 WAKO'S 4CR GR Supra、#23 MOTUL AUTECH GT-R、#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTもピット作業を行なったが、この中で#14 WAKO'S 4CR GRが何とタイヤ無交換作戦を敢行、100号車の前でピットアウトすることに成功する。
一方、トップを快走していた#37山下は23周目にピットイン。後半を担当した平川亮は14号車の前でピットアウト。25周目のコカコーラコーナーでは一旦14号車の先行を許したものの、27周目のアドバンコーナーでインをついてトップを奪い返すと、そこから徐々に後続を引き離しにかかった。
ピットアウトで14号車の先行を許した#100山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)も30周目のGR SUPRAコーナーでクロスラインを撮って14号車を攻略。続くホームストレートで順位を挽回しようとした#14坪井翔(WAKO'S 4CR GR Supra)だったが、そのさらに後方から接近してきた#36関口雄飛(au TOM'S GR Supra)と31周目の1コーナーで接触してしまい、この間に100号車が再び2位に躍り出た。
この接触によりフロントボンネットにダメージを負った14号車の坪井は予定外のピットインを余儀なくされる。一旦はレースに復帰するも、ダメージはボンネットにとどまらず電装系にも及んでいたため、34周目にガレージに戻ってレースを終えてしまった。
一方、トップの#37平川亮(KeePer TOM'S GR Supra)は2位の#100山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)に対して33周終了時点で13秒728のリードを築き上げると、40周終了時点では16秒117までその差を広げ、ここまではまさに独走状態だった。
ところが46周め。それまで1分29〜31秒のペースで周回していた37号車のラップタイムが1分33秒415まで落ちる。47周目には1分31秒856までペースを戻したものの、その後は1分32〜33秒台後半のペースで周回を重ねることに。37号車はGT300車両をかわすたびに拾ってしまうタイヤカスの影響でペースダウンを余儀なくされていたのだ。
これに対し100号車は1分31秒台前半から1分32秒台前半のペースで追走。これにより両者の差はわずかづつ縮まっていき、53周目には10秒883差、58周目には4秒619差にまで近づいてきた。
すると#37平川は62周目に1分31秒862にペースアップ。この時点で2秒079差まで迫っていた#100山本を再び引き離し始める。
63周目には1分30秒852、64周目には1分30秒547を叩き出した平川は、山本に対して2秒717のリードを築いてファイナルラップを迎える。
ところが第3セクターに入ったところで37号車はガス欠症状に見舞われて突如ペースダウン。最終コーナーを立ち上がったところでスロー走行に陥った#37平川を#100山本は難なく抜き去り、今季初優勝をもぎ取るとともに、ドライバーズポイントでも#100山本尚貴/牧野任祐組(RAYBRIG NSX-GT)がトータル69ポイントを獲得、見事大逆転で2020シーズンのチャンピオンを獲得した。
クルマを降りた山本はテレビインタビューで「最後まで何があるかわからないのがレースですね。本当に最後まで諦めないでよかったです」と語った。まさにその最後まで諦めない心が引き寄せた優勝、そしてドライバーズタイトルだったといえよう。またチームメイトの牧野任祐にとっては待望のスーパーGT初優勝、初タイトルとなった。
#37平川亮/山下健太組(KeePer TOM'S GR Supra)はなんとか2位でコントロールラインまでは辿り着いたものの、そのままホームストレート上にストップしてしまった。クルマを降りた平川は悔しさを露わにした。
3位には#36関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM'S GR Supra)が入り、予選12番手から順位を上げてきた#17塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT)が4位でフィニッシュした。
これにより今シーズンのドライバーズランキングは#100山本尚貴/牧野任祐組(RAYBRIG NSX-GT)が1位、#37平川亮(KeePer TOM'S GR Supra)が2位、そして#17塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT)が3位となった。
GT300クラスも序盤から激しいトップ争いが展開された。
1周目をトップで戻ってきたのは予選2番手の#61山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)。2コーナー立ち上がりでがインからポールポジションの#52川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)を抜いてきた。
これに対し8周目の1コーナーで#61山内のインに飛び込んだ#52川合だったが、曲がりきれずに膨らんだところを山内に刺されてこのアタックは失敗に終わる。しかし9周め、同じく1コーナーで山内に挑んだ川合はうまく立ち上がりをまとめて山内を押さえ込み、トップを奪い返すことに成功すると、そのままリードを広げていく。
この2台を追っていたのは予選3番手の#6阪口良平(ADVICS muta MC86)。さらにその後方ではチャンピオンを争う#11安田裕信(GAINER TANAX GT-R)、#56藤波清斗(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)、#65菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG)らが激しいドッグファイトを展開していた。
17周目の1コーナーで#56藤波が#11安田をアウトから抜いて4位に浮上すると、#65菅波も最終コーナーで#11安田を捉えて5位に上がった。
さらに65号車は19周目に行ったピットストップで得意のタイヤ無交換作戦を敢行、24周目にタイヤ交換を行った56号車を抜いて4位に浮上した。
トップの#52埼玉トヨペットGB GR Supra GTは28周目にピットイン。こちらもタイヤ無交換で吉田広樹をコースへ送り出した。2位の#61SUBARU BRZ R&D SPORTは29周目にピットイン。こちらもタイヤ4本交換を行った。
この結果、#52吉田が依然としてトップに。2位#65蒲生尚弥(LEON PYRAMID AMG)とは38周終了時点で35.916もの大差をつけた。#6小高一斗(ADVICS muta MC86)が3位につけ、#56ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)は4位という状況になった。
このままではドライバーズポイントで蒲生/菅波組がトップに立つことになる。#56オリベイラはなんとしてももう一つ順位を上げる必要があった。周回を重ねるごとに#6小高との差を縮めてきた#56オリベイラは52周目の13コーナーで遂に小高を捉えて3位に浮上、54周目の1コーナーでは#65蒲生をアウトから抜いて2位を奪い取り、タイトル獲得を確実なものとした。
結局#52吉田広樹/川合孝汰組(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)はその後も独走状態のままフィニッシュ。今季2勝目を挙げたが、藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)が2位でフィニッシュしたためにドライバーズチャンピオンは藤波/オリべイラ組が獲得、吉田/川合組はランキング2位でシーズンを終えた。
スーパーGTの2021年シーズンは4月10-11日に岡山国際サーキットで開幕する予定だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
FIA-F4選手権第12戦の決勝が11月29日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、ポールポジションからスタートした#62平木玲次(HELM MOTORSPORTS F110)が今季2勝目を挙げた。これにより#35平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)の連勝記録は10でストップした。
第12戦決勝は午前8時より14周で行われた。このレースのスタート順は第10戦決勝でのベストラップタイム順となる。ポールは#62平木。2番手には#5小出峻(VEGAPLUS DOME F110)、3番手に#7太田格之進(VEGAPLUS DOME F110)が続いて10連勝中の#35平良は4番手。
この日の天候は晴れ。コースはドライだ。
スタートでの#62平木の動き出しは悪くなかったものの、1コーナーでは#5小出がインに飛び込んできた。しかし平木は2コーナー立ち上がりで再びトップを奪い返す。
この隙に#7太田、#35平良、#80伊東黎明(OTG DL F4 CHALLENGE)、#97澤龍之介(BJ RacingスカラシップJSS)らも次々と小出をかわしていき、小出は一気に6位にまで交代してしまった。
さらに2周目の1コーナーでは#35平良が#7太田のインを刺して2位に浮上。3周目の1コーナーでは#80伊東も#7太田をインから抜いてきた。
5周を終えた時点での#62平木のリードは0.899。7周目には1.014とやや広げるが、10周めには0.854まで縮まった。
しかし#35平良は最後まで62平木を攻略することができず、#62平木が開幕戦に続いて今季2勝目を挙げた。
2位は#35平良。3位には#80伊東が入った。
なお、インディペンデントカップは#3佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ)が勝ち、同時に今季のタイトルをも手中に収めた。佐藤のチャンピオン獲得は昨年に続いて2度目だ。
FIA-F4の2020シーズンはこれにて閉幕。2021シーズンは2021年4月10日に岡山国際サーキットで開幕する。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
FIA-F4選手権第11戦の決勝が11月28日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、前戦でシリーズチャンピオンを決めた#35平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)がここでも勝って連勝記録を10に伸ばした。
第11戦決勝は午後3時15分より14周で行われた。天候は晴れ。路面はドライだ。
しかし残念ながら第10戦のアクシデントでクルマにダメージを負った#37清水英志郎(TGR-DC RSフィールドF4)は修復が間に合わず、出走を取り止めた。同様に#16塚田海斗(Media Do ADVICS影山G-UP)もスタートできなかった。
スタートでトップに立ったのは予選2番手の#77小川颯太(WARMTECH Skill Speed)。トップで1コーナーを立ち上がるが、#35平良はすかさずコカコーラコーナーでトップを奪い返した。3番手には予選4番手の#80伊東黎明(OTG DL F4 CHALLENGE)が続く。伊東はこのレースに唯一ニュータイヤを投入する作戦に出ていた。
しかしヘアピンでは予選3番手の#62平木玲次(HELM MOTORSPORTS F110)が#80伊東を抜き返した。平木は2周目の1コーナーで#77小川のインをついて2位に浮上、トップの#35平良を追い上げる。
#77小川の背後には予選6番手スタートの#97澤龍之介(BJ RacingスカラシップJSS)が#80伊東をかわして迫ってきた。
しかし#80伊東は5周目の1コーナーで#97澤を抜いて4位に。ここへきてようやくニュータイヤの効果が現れてきたようだ。
こうして3位以下が抜きつ抜かれつのバトルを繰り広げている間に、トップの#35平良と#62平木の2台は徐々に後続を引き離していく。8周終了時点で平良のリードは1.3秒に広がるが、そこからは平木も懸命に食らいつき、9周、10周、11周とほぼ平良と同ペースに持ち込む。
しかし平良は最後まで平木に付け入る隙を与えずに14周を走りきり、第2戦富士からの連勝記録を10とした。2位は#62平木。#77小川が3位に入った。
インディペンデントカップは#96齋藤真紀雄(CS Marketing AKILAND)が優勝。2位に#3佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ)が入った。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
GT500 Class #37 KeePer TOM'S GR Supra
- 平川亮
- 走り出しとなった朝の公式練習から、クルマの調子はとても良かったですね。予選が終わったから話せることなんですが自分たちはタイヤ選択が違っているんです。タイヤ的には少し硬くて、予選では上手く温めるのはちょっと大変でしたが、温めたらちゃんとグリップしてくれました。予選では比較的路面温度も高かったのですが明日は寒くなるようで、慎重にウォームアップしようと思います。僕たちは開幕戦でポール・トゥ・ウインを飾っているんですが、それから1シーズンをかけてチームがより速いクルマに仕上げてくれました。だから今回はチームにとっても集大成のレース。Q2でアタックしたヤマケンの走りも凄かったんですが、第6戦の鈴鹿までチャンピオンを目指して一緒に戦ってきたニックからのメッセージにも力をもらいました。一緒にチャンピオンを目指していたので、自分がチャンピオンを獲ることができれば、彼もチャンピオンを獲ったことになるんじゃないか。そう思ってがんばってきました。今日に関しては完璧な1日になりました。ただし大事なのは決勝レース。何が起きるかわかりませんが、自分たちは油断することなく最後の1周まできっちり走り切る。そして、できれば開幕戦と同じようにポール・トゥ・ウインを飾りたいですね。あと、セーフティカーには出てきて欲しくないですね(苦笑)。
- 山下健太
- ポールポジションを獲れて嬉しいというよりも、ホッとしたという気持ちが正直なところです。クルマもタイヤも仕上がりはとてもいい状態で。速い上に乗りやすかったです。自分のアタックもうまく決めることができました。といっても平川選手や小枝エンジニアが1年掛けて仕上げてきたクルマに、自分はただ乗せてもらっているだけです。前戦のもてぎからニックの代役として乗せてもらっているのですが、そのもてぎでは公式練習では調子良かったのですが、Q1落ちとなってしまって…。このクルマに乗って、しかも平川選手がチャンピオン争いしている状況でのQ1落ちで、自分の中ではもう最悪。普段はあまりへこむことはないのですが、今回はずいぶんと落ち込んでしまいました。でも、気持ちを切り替えるにしても、自分で結果を出して切り替えるしかないです。だから今日のポールで、少しですが切り替えることができると思います。明日の決勝は優勝しか考えていません。ポールポジションからのスタートなので、そのまま逃げ切って勝てれば、そう思っています。
GT300クラス #52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT
- 吉田広樹
- ポールポジションを獲れてとても嬉しいです。開幕戦では勝つことができましたが、ポールを獲ってはいませんでした。今年デビューしたクルマをチームのメカニックたちが1年かけて良いクルマに仕上げてくれ、もちろんブリヂストンさんもいいタイヤを用意してくれました。そしてずっと応援してくれたファンの皆さん。すべての人に感謝しています。予選で自分はQ1を担当したのですが、まずは孝汰に繋ぐことが大事だと思っていました。自分のアタックは小さなミスもあって完璧なアタックにはできませんでしたが、そのミスも含めてクルマのインフォメーションをチームや孝汰に伝えました。そうしたらコータが完璧なアタックを見せてくれました。彼にも感謝したいです。GT300クラスはタイヤも多く、クルマも多種多様で決勝レースの展開はまったく想像できません。タイヤは、今日の予選ではベストマッチでしたが、明日の決勝レースでは、路面温度も気温も低くなるそうで、どうなのかは見えてきていない部分もあります。それにポイントランキングの上位が自分たちの後方にいます。今日のポールポジションで1ポイントを獲れましたが、彼らとのポイント差を気にしても仕方ないです。まずは自分たちが、いつも通りやってきたことを100%出し切る。そうすればタイトル争いは後からついてくる。そう考えて、まずは自分たちでできること、優勝を目指すだけです。
- 川合孝汰
- ポールポジションを獲ることができて、とても嬉しいです。チームオーナーの平沼さんから、緊張を和らげてくれるトレーナーさんまで、もうチームの全員に応援してもらったおかげでポールを獲ることができました。予選ではQ1でアタックした吉田選手からアイデアをもらい、ちょっとしたセット変更をしてQ2に臨んだのですが、クルマのバランスなどが一層良くなり、またいい位置取りができたこともあって、完璧なアタックができました。ポールを獲ったことで1ポイントを稼ぐことができましたが、タイトル争いがシビアなだけに大きな1ポイントになると思います。明日の決勝レースについては、いつもできている以上のことは望んでも無理だと思っています。それでも初のポールポジションからスタートするからには優勝で終われればいいと思っています。だからいつも通りをミスなくやり遂げる。そのために楽なレースができるよう、きちんと準備をして明日の決勝に臨みたいと思います。
2020オートバックス スーパーGT第8戦「たかのこのホテル富士GT300kmレース」の公式予選が11月28日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは#37平川亮/山下健太組(KeePer TOM'S GR Supra)、GT300クラスは#52吉田広樹/川合孝汰組(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)と両クラスでスープラがポールポジションを獲得。GT500クラスで上位4台をスープラが占めた。
公式予選は午後1時15分よりノックアウト方式で行われた。天候は晴れ。コースはドライ。しかし雲が多くなった影響からは開始時の気温は13℃、路面温度は17℃と公式練習よりも下がってきていた。
予選Q1
GT500クラスの予選Q1は午後1時48分にコースオープン。10分間の走行で上位8台が次のQ2に駒を進める。
公式練習より路面温度が下がったことで、タイヤへの熱入れを入念に行う必要があるためか、いつもより早めにコースインしていく各車。ここでウォームアップ走行を2周するか、3周するか、アタックを1周で終えるか、2周継続するかなど、ドライバーごとに判断が分かれた。
ウォームアップ2周でアタックに入った中で最も速かったのは#38石浦宏明(ZENT GR Supra)で1'27.046。#39中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)が1'27.071でこれに続く。
これに対しトムス勢の2台はウォームアップ走行を3周行ってからアタックに入る作戦を採り、#36サッシャ・フェネストラズ(au TOM'S GR Supra)が1'26.790を叩き出す。
さらに#37平川亮(KeePer TOM'S GR Supra)は3周のウォームアップの後に2周連続でタイムアタックを行い、1周目に1'27.608、2周目には1'26.722までタイムを縮めてトップでQ2進出を果たした。
2番手は#36フェネストラズ、#38石浦が3番手で続き、#39中山が4番手と、公式練習に続いてトヨタスープラ勢が上位を独占した。
#64大津弘樹(Modulo NSX-GT)はホンダNSX勢最上位の5番手。#23松田次生(MOTUL AUTECH GT-R)がニッサンGT-R勢最上位の6番手でQ2に進出した。
その一方で前戦もてぎで優勝した#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)は11番手、ドライバーズランキングトップの#17ベルトラン・バゲット(KEIHIN NSX-GT)が12番手に終わり、ここで予選を終えることになった。
GT300クラスは今回もA、B二つのグループ位分かれてQ1を行った。
A組では#48田中勝輝(植毛ケーズフロンティアGT-R)がコースイン直後にコカコーラコーナーを飛び出し、フロント部分にダメージを負ってしまったため、ノータイムで出走嘆願を出すことに。また#55大湯都史樹/松下信治組(ARTA NSX GT3)も公式練習中にエンジントラブルが発生したため、やむをえず予選への出走を取り止めている。
トップタイムを記録したのは#11平中克幸(GAINER TANAX GT-R)。チェッカー提示直後に1'36.131を叩き出した。
2番手は#52吉田広樹(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)で1'36.156。#96新田守男(K-tunes RC F GT3)が3番手。ポイントリーダーの#56藤波清斗(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)も4番手でQ2進出を果たした。
B組は#6阪口良平(ADVICS muta MC86)がトップで1'35.776。56号車とチャンピオンを争う#65菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG)は1'35.914と僅差の2番手。#61井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)が1'36.248で3番手だった。
予選Q2
8人のドライバーがポールポジションを争う、GT500クラスの予選Q2は午後2時26分にコースオープン。ここでもウォームアップ走行を2周してアタックに入るか、3周行うかで判断が分かれることになった。
#38立川祐路(ZENT GR Supra)、#39ヘイッキ・コバライネン(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)、#64伊沢拓也(Modulo NSX-GT)、#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)らはウォームアップを2周してアタックに入る作戦を取り、#39コバライネンが1'26.753を記録して一時トップに立つ。
しかし#37 KeePer TOM'S GR SupraはQ1に続いてウォームアップ3周、アタック2周という作戦を採り、山下が2周めのアタックで1'26.386を叩き出した。これは今季第1戦の予選Q1で#8福住仁嶺(ARTA NSX-GT)が記録した1'26.433を上回るコースレコードだ。これにより37号車が見事ポールポジションを獲得した。
フォーミュラEへの参戦準備のためにチームを離脱したニック・キャシディに代わって前回の第7戦もてぎからチームに加入した山下は、その最初の予選で屈辱のQ1落ちを経験。そのことがトラウマになっていたのでチームに頼み込んでQ2を走らせてもらった、と予選後のテレビインタビューで語っていたが、今回の予選では見事に雪辱を果たしたばかりか、チームメイトの平川に貴重な1ポイントをもたらすことになった。その平川は「Q1無理です、とか言っておいてポールを取るって、ズルくないですか?」と嬉しいような、悔しいような、複雑な気持ちを口にした。
しかしこれにより平川のドライバーズポイントは52となり、#17塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT)を1ポイント上回り単独トップに躍り出て明日の決勝に臨むこととなった。
予選2番手は#39ヘイッキ・コバライネン/中山雄一組(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)、3番手には37号車と同じく3周ウォームアップ作戦を採った#36関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM'S GR Supra)が続き、#38立川祐路/石浦宏明組(ZENT GR Supra)が4番手と、Q1に続いてスープラ勢がトップ4を独占する結果となった。
ホンダNSX勢最上位は#64伊沢拓也/大津弘樹組(Modulo NSX-GT)の5番手。ニッサンGT-R勢の最上位は#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)の6番手だった。
GT300クラスは午後2時8分にコースオープン。各車続々とコースインする中、ポイントリーダーの#56ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)は少し遅れてピットアウト。
ここでいきなりコースレコードを叩き出したのがルーキーの#52川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)だ。タイムは1'35.068。2016年に小林崇志(#55ARTA BMW M6GT3)が記録した1'35.707を大きく上回った。
残り時間1分を切ったところで#61山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)が1'35.009と川合のタイムを上回るが、川合は次のアタックで1'34.665とさらにタイムを上げ、2番手以下を突き放して自身初のポールポジションを獲得した。
2番手は#61山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)、今季2回のPPをこの富士で獲得している#6小高一斗(ADVICS muta MC86)が3番手だった。
FIA-F4第10戦の決勝が11月28日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、予選3番手からスタートした#35平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)が9連勝を達成し、2020年のシリーズチャンピオンを獲得した。

第10戦決勝は午前11時50分より14周で行われた。上空には雲が多くなってきたが、概ね天候は晴れ。路面はドライだ。
スタートでトップに立ったのはポールポジションの#77小川颯太(WARMTECH Skill Speed)。予選3番手の#35平良はスタート直後の1コーナーで#36野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)をアウトからかわして2番手に浮上する。野中はこの周のヘアピンで#14荒川麟(ZAP SPEEDスカラシップ)にもインを刺されるが、ホームストレートに戻ってきたところで抜き返して再び3位に。その後この2台は熾烈なドッグファイトを展開することになった。
一方、平良とシリーズチャンピオンを争っている#62平木玲次(HELM MOTORSPORTS F110)は痛恨のエンジンストール。再始動には成功したものの一気に最後尾近くまで後退してしまった。
その後、2周めのダンロップコーナーで#37清水英志郎(TGR-DC RSフィールドF4)と#38奥住慈英(TGR-DC RSフィールドF4)が接触。これに#11岩澤優吾(Rn-sports SEIDO-YA)と#31神晴也(ATEAM Buzz Racing F110)が巻き込まれる多重クラッシュとなったため、3周めからセーフティーカーが導入されることになった。
事故車両の回収ののち、レースは6周めに再開された。すると#35平良がリスタート直後の1コーナーでアウトから#77小川に並びかけ、続くコカコーラコーナーで一気にトップに躍り出た。小川もすかさず平良のテールに食らいつき、二人は0.4〜0.5秒の間隔を保ったまま周回を重ねることになる。
その後方では#36野中、#14荒川、#7太田格之進(VEGAPLUS DOME F110)、#97澤龍之介(BJ RacingスカラシップJSS)らが熾烈な3位争いを展開したが、6周めのGRスープラコーナーで#7太田と#36野中が接触。ここで野中が大きく後退することになる。さらに7周めの1コーナーでは#7太田と#14荒川のバトルに#80伊東黎明(OTG DL F4 CHALLENGE)が後方から突っ込んでしまい、3台は揃ってスピン。さらにこれを避けようとした#36野中に#16塚田海斗(Media Do ADVICS影山G-UP)が追突してしまったため、#14荒川、#16塚田、#36野中はここでレースを終えることになった。
そして迎えたファイナルラップ。
#77小川はダンロップコーナーでブレーキを遅らせて#35平良の韻に飛び込むが、曲がりきれずにアウトに膨らんでしまったために平良が再び
トップを奪い返してチェッカーを受け、第2戦からの連勝記録を9に伸ばすとともに、2020年のシリーズチャンピオンを獲得した。
2位は#77小川。3位には#97澤が入った。
インディペンデントカップは、#96齋藤真紀雄(CS Marketing AKILAND)がスタートからトップを快走していたものの、9周めに#32菊池宥孝(ATEAM Buzz Racing F110)に追突されて無念のリタイヤ。代わってトップに立った#3佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ)が今季4勝めを獲得することとなった。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
2020オートバックス スーパーGT第8戦「たかのこのホテル富士GT300kmレース」の公式練習が11月28日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは#37平川亮/山下健太組(KeePer TOM'S GR Supra)がトップタイムを記録、上位5台をトヨタスープラが独占した。GT300クラスは#61井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT)がトップだった。
公式練習は午前9時より混走85分間、専有走行各クラス10分間で行われた。この日の富士は快晴。走行開始時の気温は14℃、路面温度は16℃,湿度72%と今シーズンで最も低い気温、路面温度の中での走行となった。
ノーウェイトハンディキャップで行われる最終戦は、まさにガチンコ勝負。上位9チーム15名が9ポイント以内、という大混戦で最終戦を迎えたGT500クラスは、この最初の走行から熾烈なトップ争いが展開されることになった。
序盤トップに立ったのはポイントリーダーの#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)。走行6周目に1'27.572を記録して一旦ピットへ。
この間に#37平川亮(KeePer TOM'S GR Supra)が走行7周目に1'27.521、8周目には1'27.503を立て続けに好タイムを記録して17号車を上回るが、#100山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)も走行開始15分で1'27.482を記録してトップに浮上した。
その後、走行開始25分で#39ヘイッキ・コバライネン(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)が1'27.342でトップに。さらに40分経過時点で#36サッシャ・フェネストラズ(au TOM'S GR Supra)が1'27.239を走行17周目に記録。結局このタイムが専有走行でのGT500クラスのトップタイムとなった。
フェネストラズはその直後に13コーナーでスピンを喫するが、自力でコースに復帰して19周目にピットイン、関口に交代した。混走後半を担当した関口はロングランを行い、1分29秒〜30秒台の安定したペースで周回を重ねた。
こうして混走は午前10時25分で終了。GT500クラスの専有走行は午前10時35分から行われた。
混走トップの#36関口はここでチームメイトの#37 KeePer TOM'S GR Supraのスリップをうまく使って1'27.046までタイムアップしたが、その直後に#39中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)が1'27.036で上回った。
さらに#37山下健太(KeePer TOM'S GR Supra)が1'26.690を叩き出してトップに躍り出た。
中山はその後もペースを上げて走行を続けたが、タイムは1'26.792と一歩及ばず、#39ヘイッキ・コバライネン/中山雄一組(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)は2番手で走行を終了した。
#36関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM'S GR Supra)は3番手、4番手は#14大嶋和也/坪井翔組(WAKO'S 4CR GR Supra)、そして#38立川祐路/石浦宏明組(ZENT GR Supra)が5番手と、終わってみればトヨタスープラ勢がトップ5を独占する結果となった。
ホンダNSX勢の最上位は#100山本尚貴/牧野任祐組(RAYBRIG NSX-GT)の6番手。ドライバーズランキングトップの#17塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT)は7番手、前回優勝の#8野尻智紀/福住仁嶺組(ARTA NSX-GT)は8番手で公式練習を終えている。
一方、ニッサンGT-R勢は#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)の10番手が最高と苦しい滑り出し。23号車は混走残り10分となったところで松田がコカコーラコーナーで縁石に乗り上げてスピン、コースアウトを喫してもいる。
GT300クラスは専有走行では大きな順位変動はなく、混走で1'35.417を記録した#61井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT)がトップタイム。2番手には#11平中克幸/安田裕信組(GAINER TANAX GT-R)がつけ、#52吉田広樹/川合孝汰組(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)が3番手だった。
ドライバーズランキングトップの#56藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)は6番手で走行を終えている。
FIA-F4選手権第10戦、第11戦の公式予選が11月28日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、第10戦は#77小川颯太(WARMTECH Skill Speed)、第11戦は#35平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)がポールポジションを獲得した。
公式予選は午前8時15分より30分間で行われた。天候は晴れ、路面はドライだ。
11月最後の週末での開催ということもあり、参加した35名のドライバーは、序盤はタイヤに熱を入れながら1分48秒前後のペースで走り始め、開始から5分が経過したあたりでようやくアタックに取り掛かった。最初に1分46秒台のタイムを出してトップに立ったのは#97澤龍之介(BJ RacingスカラシップJSS)で1'46.135。10分が経過したところで#35平良が1'45.996を計測5周めに記録。これを#80伊東黎明(OTG DL F4 CHALLENGE)が1'45.946で上回り、開始12分過ぎには#36野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)1'45.740を記録してトップに立った。ポイントリーダーの#35平良も1'45.766までタイムを縮めて2番手につける。ランキング2位の#62平木玲次(HELM MOTORSPORTS F110)も1'45.818で3番手に上がってきた。
しかしその後、#32菊池宥孝(ATEAM Buzz Racing F110)が300R付近でコースアウトしたために赤旗が提示され、予選は一旦中断となってしまう。
走行が再開されたのは午前8時40分。残り時間はわずか5分だったが、この状況の中で#77小川が1'45.735を叩き出し、最後の最後にトップに躍り出て、自身初のポールポジションを獲得した。
2番手は#36野中、#35平良は1'45.755までタイムを削ったものの3番手に終わった。
しかしセカンドベストタイムでは#35平良の1'45.766がトップ。2番手には#77小川がつけ、#62平木が3番手となった。
またインディペンデントカップは#96齋藤真紀雄(CS Marketing AKILAND)が第10戦のPPを獲得。第11戦は#56YUTAKA TORIBA(BIRD)がPPを獲得している。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2020全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の決勝が11月15日、大分県のオートポリスで行われ、ポールポジションからスタートした#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)が今季初優勝を達成。先週のスーパーGT第7戦もてぎに続いてホンダエンジン勢が表彰台を独占した。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日2,550人/決勝日4,410人)
第4戦決勝は午後2時40分より41周で行われた。当初は42周で予定されていたが、JAFより11月12日付で出された公示により、終盤3戦ではフォーメーションラップを2周行うとの規則変更があったため、それに対応して1周を減算した。
そのフォーメーションラップ開始の際に予選5番手の#65大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)がまさかのストール。すぐに再始動して隊列に加わったが、当初の5番グリッドからレースをスタートしたことが統一規則第31条6.(スタート手順)違反とされ、大湯にはドライビングスルーペナルティが課せられた。
スタートでトップに立ったのはポールシッターの#16野尻。予選2番手の#6福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)がそのまま2位でつづき、予選4番手の#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)が3位に浮上、#50松下信治(Buzz Racing SF19)も予選6番手から4位にジャンプアップしてきた。
一方、予選3番手の#5山本尚貴(DOCOMO DANDELION M5S SF19)はスタートで出遅れて5位に後退してしまう。
序盤はこの順位のまま進行していったが、5周めに#4サッシャ・フェネストラズ(ORIENTALBIO KONDO SF19)の左リヤタイヤが脱落するアクシデントが発生、フェネストラズがコース脇にクルマを止めてしまったため、トップが7周目に入ったところでセーフティーカー(SC)が導入される。
車両回収ののちSCは9周終わりでピットイン、レースは10周目から再開された。
大会特別規則では先頭車両がこの10周目のセーフティーカーラインに到達した時点から、先頭車両が最終周回に入るまでにタイヤ交換をしなければならないと規定されていたが、これにいち早く対応したのが、この時点で9位を走行していた#65牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)だった。
続いて11周目に#39坪井と#65大湯がピットイン。トップの#16野尻は12周目に#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)、#12タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE SF19)らとともにピットに飛び込んだが、その直後に#39坪井がSHOWAコーナーでグラベルに飛び出してしまう。原因は左リヤタイヤのパンクチャーだった。
これにより13周目からこの日2度目のSCが導入されることに。この13周目でも多くのドライバーがピット作業を行なっており、暫定トップには#5山本が浮上。2位に#1ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)、#15笹原右京(TEAM MUGEN SF19)が3位とピットインを済ませていないドライバーが続いて#16野尻は4位につけた。
SCは15周終わりでピットイン、レースは16周目から再開となったが、コース上に留まった三人はそこからピット作業でのタイムロスを相殺するべく、後続を引き離す作戦に出た。
特にトップの#5山本は敵は野尻ただ一人と定め、サインボードには野尻のタイムのみを表示させて予選のつもりで死に物狂いで走ったという。その甲斐あって4位#16野尻との差は20周終了時点で10.403秒、30周終了時点では20.820秒と着実に広がっていったが、それまでタイヤを労りながら周回を重ねていた#16野尻も終盤ペースを上げ始めたため、目標としていた28秒差には至らないまま#5山本は39周目にピットイン。#16野尻の3.7秒後方でコースに戻り、ファイナルラップを迎えることになる。
凄まじいペースで追い上げた#5山本だったが、#16野尻を捉えるにはわずか0.664秒及ばずにレースは終了。#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)が昨年の最終戦以来の通算3勝目をものにし、#5山本尚貴(DOCOMO DANDELION M5S SF19)は2位に終わった。
また早めのピット作業が功を奏し、#64牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が3位でフィニッシュ。昨年のデビュー以来初めての表彰台に登り、終わってみれば表彰台は全てホンダエンジンユーザーが占める結果となった。
トヨタ勢の最上位は#18国本雄資(KCMG Elyse SF19)の4位。
今回スポット参戦したドライバーでは#50松下信治(Buzz Racing SF19)が最上位の6位を獲得。併催のスーパーフォーミュラ ・ライツで今週末2勝を挙げた#36宮田莉朋(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)は8位だった。
次戦の舞台は三重県の鈴鹿サーキット。12月5-6日に第5戦、第6戦の2レースを行う。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Hiroyuki MINAMI
2020全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第11戦の決勝が11月15日、大分県のオートポリスで行われ、#36宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)がポール・トゥ・フィニッシュで今季8勝目を挙げた。
第11戦決勝は午後1時05分より14周で行われた。天候は晴れ。路面はドライだ。
午前中に行われた第10戦決勝よりも気温、路面温度共に上昇したこと、スーパーフォーミュラの公式予選が行われたことなどの影響もあり、クラッチのミートポイントが変わってしまったのか、朝のレースでスタートに自信をのぞかせていた#50阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX)のスタートは振るわず、ポールポジションの#36宮田がトップで1周目の1コーナーに飛び込むと、レース中盤まではただ一人1分37秒台のハイペースで周回を重ね、徐々に後続との差を広げていく。7周終了時点での2位#50阪口との差は2.303秒。3位の#2名取鉄平(TODA FIGHTEX )はその更に4.029秒後方だ。
にまで広がった。
その後ろでは第9戦をリタイヤした影響で最後尾スタートとなった#37小高一斗(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)が1周目で5位までジャンプアップ、2周目には#35河野駿佑(RS FINE K&N 320)をも捉えて4位に浮上してきた。
トップの#36宮田はその後も大差はつけられなかったものの#50坂口との差を3.757秒まで広げて14周を走り切り、今季8勝目をものにした。2位は#50阪口、#2名取が3位に入った。
またクラッチトラブルにより第10戦決勝への出走を断念した#13石坂瑞基(B-MAX ENGINEERING)もこのレースには参加。6番手からスタートしてオープニングラップこそ8位まで後退したが、6位まで挽回してレースを終えている。
マスタークラスは#30DRAGONがスタートで一時6位にジャンプアップする速さを見せ、その後も#5入山翔(Albirex-RT)と熾烈なバトルを繰り広げながらフィニッシュ。今季9勝目を挙げている。
次戦の舞台は三重県の鈴鹿サーキット。12月5-6日に第12、13、14戦が行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
- 第4戦ポールポジション #16野尻智紀(TEAM MUGEN)
- いろいろ波乱のある中、自分たちのやってきたことを信じて、動じることなく進められたのが良かったです。中断の間にいろいろリクエストして、チームにハードワークを強いてしまった部分もあったので、感謝しています。そういう意味でも結果を残せてよかったです。僕らのクルマはフロントタイヤの暖まりが悪かったので、フロントだけ皮剥きをしました。決勝では有利なポジションなので、スタートをしっかり決めて、自分の力を出し切りたいですう。ずっとGTでは仁嶺の方が速かったので、今日は勝てて嬉しいです(笑)
- 第4戦予選2位 #6福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
- 昨日から調子良かったので予選は自信がありましたが。このところQ1落ちすることが多かったので不安はあったんですがQ1もQ2も無難にまとめられました。Q3も自信がありましたが、あと一歩足りずに2位なのは悔しいです。でもQ1落ちから脱出できたのは良かったです。先週のGTで優勝できたことで悪い流れを立ち切れたのかも知れません。そういう意味では野尻さんのおかげですね。
- 第4戦予選3位 #5山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
- 悔しいがまあいい予選ができました。昨日の終盤にトラブルが出てニュータイヤを履けなかったのは痛手でしたが、福住選手のデータを生かすことができました。速いチームメイトがいて助かりました。開幕3戦トヨタエンジンユーザーに負けているので、トップ3をホンダで占めることができたのは良かったです。決勝もこの流れを維持したいです。(スーパーGTの)8号車のドライバーが1-2位なのは100号車のドライバーとして悔しい面もありますが、決勝で結果を出したいです。オートポリスは今年のどのサーキットよりもタイヤに厳しいと思ったので、昨日はロングランに専念しました。今はそれが良かったと思っているので、決勝ではこの2台の前に立ちたいです。自分のレースができれば勝てると思うので、しっかり準備したいですね。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
2020全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の公式予選が11月15日、大分県のオートポリスで行われ、#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)がポールポジションを獲得したほか、トップ3をホンダエンジンユーザーが独占する結果となった。
公式予選は当初の予定より5分遅れの午前10時20分よりノックアウト方式で行われた。開始時点の気温は21℃、路面温度は25℃とこの時期としては暖かい気候だ。
予選Q1
Q1は今回もABの2グループに分かれて行われたが、いずれのグループでも終盤に赤旗中断となる荒れた展開となった。
Aグループは全車がタイムアタックを開始し、残り時間が14秒となったところで今回小林可夢偉に代わって参戦の#7中山雄一(KCMG Elyse SF19)がクラッシュ。場所は今回からネーミングライツで「さゆりんブリッジ」と名付けられた22番ポストの先だ。
これによりコース上のドライバーはアタックの中断を強いられたが、これに助けられる形になったのが#50松下信治(Buzz Racing SF19)だ。松下はピットアウト直後にストールしてしまい、一旦ガレージに戻されてしまっており、この時点でまだ1周もタイム計測がされていなかったのだ。
この時点でトップに立っていたのは#6福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)で1'25.152。2番手に#64牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が1'25.619で続き、#38石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)が1'25.725で3番手。
車両回収ののち、走行は午前10時40分に残り時間3分として再開され、熾烈なタイムアタック合戦が始まった。
ここでトップタイムを記録したのは#1ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)で1'24.907。#6福住は走行に加わらなかったが2位でQ2進出を果たし、#64牧野も中断前のタイムで3位に踏みとどまった。出遅れていた#50松下も1'25.908の7位でQ2進出を果たすことができた。
一方ノックアウトされたのは開幕戦以来の参戦となった#12タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE SF19)と#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)だった。
午前10時53分から始まったBグループのQ1も残り40秒で赤旗中断となったが、原因を作ったのはなんとポイントリーダーの#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)だった。平川がクラッシュした場所も#7中山と同じ「さゆりんブリッジ」下の右コーナーだった。これでチームインパルは2台揃ってQ1落ちという結果に。
またこの時点で#65大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が1'25.423を記録していたが、大湯がコントロールラインを通過する直前にポストから赤旗が出ていたとしてこのタイムは無効となり、1'25.590を記録していた#5山本尚貴(DOCOMO DANDELION M5S SF19)が暫定トップとなった。
Bグループの走行再開は午前11時15分。残り時間はAグループと同じく3分だ。暫定トップだった#5山本はここで1'24.693までタイムを上げてそのままトップでQ1を突破。最初のタイムを抹消された#65大湯も1'24.836で2番手通過を果たし、#18国本雄資(KCMG Elyse SF19)が1'24.960で3番手。
ここで脱落したのは#14大嶋和也(ROOKIE Racing PONOS SF19)と、今回から参戦の#51シャルル・ミレッシ(Goldex Racing SF19)だった。
予選Q2
Q2は午前11時28分より従来より3分長い10分間で行われた。これは11月12日にJAFから出された公示によるもので、今大会以降のすべてのレースで適用される。11月、12月の低い気温や路面温度を考慮し、タイヤに充分な熱を入れることが目的だったが、今回は路面温度が25℃に達していたため、Q2ではこれを利用せずにアウトラップ直後にタイムアタックを始めるドライバーが続出することになった。
そのため残り時間6分を切るあたりからようやく各車のコースインが始まり、残り2分30秒で#18国本と#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)がピットアウトしてようやく全車が揃うという展開となった。
ここでトップタイムを叩き出したのは第2戦岡山に続いて中嶋一貴の代役を務める#36宮田莉朋(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)で1'24.544。宮田がアタックを終えた直後に#5山本も同じ1'24.544を記録して2番手。3番手には#6福住がつづく。6番手の#16野尻と7番手の#50松下も1'24.762と同タイムを記録してQ3に駒を進めた。
予選Q3
Q3は午前11時48分開始。Q2と同じく10分間の走行となったが、開始時点の路面温度が28℃に達したこともあり、フロントタイヤのウォームアップのために早めにコースインした#16野尻以外は残り時間が5分15秒を切って漸く走り始める展開となり、全車が計測1周目から全開アタックを敢行した。
ここでトップに立ったのが序盤にフロントタイヤの熱入れを行った野尻で1'24.140。野尻に続いてタイムを記録した#5山本は1'24.257。これを#6福住が上回って1'24.155で2番手に浮上。上位3台がいずれもホンダエンジン勢という結果となった。
トヨタエンジン勢トップは4番手の#39坪井で1'24.686。
一方、前年王者の#1キャシディは残り2分でピットアウトしようとしたところで痛恨のストール。これでコースインが遅れてしまい、最初のコントロールラインを通過する直前にチェッカーを出されてノータイムという残念な結果に終わっている。
第4戦決勝はこのあと午後2時40分より41周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Hiroyuki MINAMI
- 第10戦優勝 #50阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX)
- すごく嬉しいです。今回はすごくスピードがあり、自信はあったんですが、専有走行、予選、第9戦決勝と勝てないセッションが続いたので、絶対勝つぞという気持ちをもって今日はやってきました。いいスタートを切れて本当に満足しています。今回来るにあたってスタートの手順を変えて臨んでいます。それがうまくいってよかったです。今のスタートの方式の方が伸び代があると思っていたので。レースペースも良く、ファステストラップも取れたので満足しています。朝一の路面は自分たちに向いているし、セッティングの変更もいい方向に向かいました。次のレース3(第11戦決勝)は暖かくなるので対策が必要だと思います。SFの予選で路面が変わると思いますが、うまく対応したいです。次もスタートが重要になると思うので、集中していきたいです。
- 第10戦決勝2位 #2名取鉄平(TODA FIGHTEX )
- 初のポールスタートということで普通にスタートはできましたが、決め切ることができなかったのが敗因でした。去年ヨーロッパで角田選手とやってきて、今年角田選手はF1に乗り、僕は帰ってくることになりましたが、それも決め切ることができない自分が原因だと思います。悔しいです。ペースは悪くなかったですが、宮田選手や阪口選手には劣っているので、何が足りていないのかチームと話し合って次のレースに臨みたいです。
- 第10戦決勝3位 #36宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)
- スタートに賭けていましたが、行き場がなくて一歩引きました。もう一歩加速がよければ前に行けたかもしれません。予選の順位があの位置だったので、仕方ないと言えば仕方ない結果ですが、悔しいレースでした。スタートして2周めがタイヤのピークだったと思います。そこからグリップが落ちる状況だったはずで、そこでタイムを出せませんでしたが、ファステストのコンマ1秒落ちぐらいでは走れました。ベストタイムを出した時も前に引っかかっていたので、そこは難しいところでした。次の第11戦はポールポジションからのスタートなので、順位を落とさないようにスタートに集中して、トップで1コーナーに入れるようにしたいですし、ファステストも取りたいと思います。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
2020全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第10戦の決勝が11月15日、大分県のオートポリスで行われ、予選2番手からスタートした#50阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX)が今季3勝目を挙げた。
第10戦決勝が午前8時25分より14周で行われた。この日も天候は快晴。肌寒さを感じさせる中での戦いとなった。
ここでのスターティンググリッドは昨日の公式予選でのセカンドベストタイム順だが、第9戦決勝でトラブルに見舞われたためにエンジン交換を行った#37小高一斗(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)はグリッド降格となり9番手から、セカンドタイムで予選通過基準に達しなかった#30DRAGON(TEAM DRAGON SFL )は出走嘆願により最後尾からのスタートとなった。また5番手からスタートするはずだった#13石坂瑞基(B-MAX ENGINEERING)はクラッチトラブルにより、残念ながら第10戦決勝への出走を断念せざるを得なかった。
スタートでは#50阪口が抜群のスタートを見せ、ポールポジションの#2名取鉄平(TODA FIGHTEX )をかわして1コーナーでトップに立つ。予選3番手からのスタートとなった#36宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)もフロントローの2台に並びかけようとしたが、1コーナーで行き場がなくなり一歩引くことになり、1周めは#50阪口、#2名取、#36宮田の順で終了した。
その後方では9番手スタートとなった#37小高が1周めで6位、2周目には4位に浮上してきた。
懸命に追い上げを図る#2名取だったが、トップの#50阪口は4周めから徐々に後続との差を広げ始め、5周終了時点で#2名取との差を2.274秒とすると、10周目には1'37.114のファステストラップを叩き出してその差を6.054秒とし、最後は8.207秒もの大差をつけてフィニッシュ。第7戦SUGO以来の今季3勝目をものにした。
#2名取はレース中盤から#36宮田の猛追を受けたが、最後までポジションを守り切って2位。#36宮田は3位でレースを終えた。
マスタークラスは最後尾スタートの#30DRAGONが1周めに#10植田正幸(Rnsports320)をかわし、トップでフィニッシュしている。
第11戦決勝は午後1時5分より同じく14周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
日本レースプロモーション(JRP)は11月14日、スーパーフォーミュラ第4戦の行われている大分県のオートポリスで恒例のサタデーミーティングを開催した。
ミーティング は今回も新型コロナウィルス対策としてZoomを用いたリモート方式で行われ、倉下明(JRP代表取締役社長)、上野禎久(JRP取締役) の両名が出席、上野取締役から11月12日にJAFより発表された、2020年全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則改正についての主旨と概要の説明がなされた。
今シーズンは新型コロナウィルスの影響で開幕が8月末となり、12月20日の富士で最終戦を迎える。
これまでに11月の最終週にやったことはあるが、12月開催は未知数であるため、予想される低い気温、低い路面温度に対応するため、主に安全性を考慮してJAFに届け出て規則改定を行ったとのこと。
公式予選ではQ2とQ3を従来の7分間から10分間に延長する。JAFのブルテンでは「最大20分間」とされているが、今回は10分間での実施となった。これはタイヤのウォームアップを充分に行うためであり、今後第5-6戦の鈴鹿と第7戦の富士でも同様に実施される。
同時にこれまでは一切が禁止されていたタイヤの意図的な加熱についても一部認める方向で、これは次回鈴鹿大会の専有走行より適用される。方法についてはチームと競技の上で決めるが、F1などで用いられるブランケットを巻きつける方式ではなく、WECなどで見られるボックスタイプのヒーターを用いる予定だ。
決勝ではスタート時のフォーメーションラップを2周行う。これも安全性を考慮したものだ。なお、これにより規定周回数は当初42周から41周に減算された。
ただしこれらの措置はあくまで今年限りのもの。
JRPでは、来季の統一規則についてはJAFと協議のうえ、柔軟性を持ったものとしたい、としている。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
2020全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦のフリー走行が11月14日、大分県のオートポリスで行われ、#6福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)がトップタイムを記録した。
フリー走行は午後2時45分にコースオープン。途中1度の赤旗中断を挟み、予定通り3時45分にチェッカーフラッグが提示された。
天候は快晴。開始時の気温は22℃、路面温度は25℃まで上昇した。
序盤トップに立ったのは#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)で1'26.537。残り時間46分で#51シャルル・ミレッシ(Goldex Racing SF19)が上回って1'26.406、その5分後には#36宮田莉朋(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)が1'26.368でトップに立つ。
ポイントリーダーの#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)はこの時点で20位と最下位にいたが、1分29〜30秒の安定したペースでただ一人11周の連続周回をこなしており、決勝を見据えたデータ収集に専念していたようだ。同様に#5山本尚貴(DOCOMO DANDELION M5S SF19)も1分28秒台のペースで9周を走行していた。
しかしその山本はセッション終盤にトラブルに見舞われ、第1ヘアピン手前で自らコース脇にクルマを止めることになる。これによりフリー走行は赤旗中断となり、5号車の改修ののち、午後3時35ふんに走行再開となった。
この時点でのトップは今回セルジオ・セッテ・カマラに代わって51号車をドライブする#51松下信治(Buzz Racing SF19)で1'25.561。しかし残り時間6分を切ったところから予選を想定した熾烈なタイムアタック合戦がコース上で展開されることになった。
まずは#15笹原右京(TEAM MUGEN SF19)が1'25.322を記録してトップへ。それを#20平川が上回り、1'24.612と真っ先に1分24秒台に突入すると、#64牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が1'24.874、#65大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)も1'24.890と、ナカジマレーシングの二人が相次いで1分24秒台に入れてきた。
そしてチェッカーフラッグが提示される直前に#6福住が1'24.450を叩き出し、これがここでのトップタイムとなり、#20平川は2番手に。#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)もチェッカー提示後に1'24.645を叩き出して3番手に食い込んだ。
スーパーフォーミュラ第4戦は明日の朝10時15分より公式予選、午後2時40分より決勝レースを42周で行う。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2020全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第9戦の決勝が11月14日、大分県のオートポリスで行われ、#36宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)がポール・トゥ・フィニッシュで今季7勝目を挙げた。
第9戦決勝は午後1時45分より21周で行われた。天候は晴れ。気温は16℃まで上昇してきた。
ポールポジションの#36宮田は予選2番手の#50阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX)の牽制にも怯まず、トップで1周目の1コーナーに飛び込むと、レース中盤まではただ一人1分37秒台のハイペースで周回を重ねて後続を突き放しにかかる。10周終了時点での2位#50坂口との差は4.729秒にまで広がった。
その後ろでは#2名取鉄平(TODA FIGHTEX )と#37小高一斗(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)が3位争いを展開。スタートでアウトから並びかける#37小高を退けた#2名取がやや先行する形で走っていたが、14周目に入ったところで37号車からラジエタークーラントのようなものが漏れ始めたため、小高は惜しくもコース脇にクルマを止めてレースを終えることになった。
代わって#35河野駿佑(RS FINE K&N 320)が4位に浮上。これを今回から参戦した#13石坂瑞基(B-MAX ENGINEERING)が僅差で追い上げる展開となったが、#35河野は最後までポジションを守り切った。
一方、トップの#36宮田は終盤こそ1分38秒台までペースを落としたものの、それでも2位阪口との差を着実に広げ、最後は8.355秒もの大差をつけてゴール。第8戦SUGOに続いて今季通算7勝目を挙げた。
2位は#50阪口、3位には#2名取が入った。
またマスタークラスは#10植田正幸(Rnsports320)が18周目の12コーナーでコースオフしてガードレールに突っ込み、そのままレースを終えることに。#30DRAGONが唯一の完走者となっている。
第10戦決勝は明日の朝8時25分より14周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2020全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の専有走行が11月14日、大分県のオートポリスで行われ、第2戦優勝の#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)がトップタイム。スポット参戦の#36宮田莉朋(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)が2番手につけた。
専有走行は午前11時5分より60分間で行われた。朝は霜が降りるほどの寒さだったオートポリスだが、日が高くなるにつれて気温は上昇してきている。
今大会は世界耐久選手権(WEC)第8戦バーレーン8時間と日程が重なった影響で小林可夢偉(#7KCMG Elyse SF19)と中嶋一貴(#36VANTELIN KOWA TOM’S SF19)が欠場、代わって7号車を中山雄一、36号車を宮田がドライブすることになった。また開幕から3戦をスポット扱いで戦ってきた#15笹原右京(TEAM MUGEN SF19)も結局全戦にエントリーすることがチームから発表されている。また第3戦SUGOでいきなりポールポジションを獲得して周囲を驚かせた#50セルジオ・セッテ・カマラ(Buzz Racing SF19)も欠場となり、代役に松下信治が抜擢されている。
一方フルエントリーしていながら新型コロナウィルスの影響でこれまで参戦できていなかった#51シャルル・ミレッシ(Goldex Racing SF19)が今大会から参加、#12タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE SF19)も再びステアリングを握っている。
そうしたなか、序盤トップに立ったのは#6福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)で1'27.080。これを残り時間15分で#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)が上回り、1'26.432と最初に1分26秒台のタイムを記録するが、その直後に#5山本尚貴(DOCOMO DANDELION M5S SF19)が1'26.077までタイムを縮めてトップに立つ。
セッション終盤に入ると、スポット参戦の#36宮田が1'25.819、1'24.931と次々にタイムを更新するが、最後の最後に#39坪井た1'24.714を記録して一気にトップに躍り出た。
3番手には#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)が1'25.114で続いた。
ドライバーズランキングトップの#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)はベストタイム1'25.146で5番手につけている。
スーパーフォーミュラ第4戦はこのあと午後2時45分より60分間のフリー走行が予定されている。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
photo: Motorsports Forum
2020全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第9、10戦の公式予選が11月14日、大分県のオートポリスで行われ、第9戦は#36宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)、第10戦は#2名取鉄平(TODA FIGHTEX )がポールポジションを獲得した。
公式予選は午前8時20分開始。この日のオートポリスは快晴だが、11月中旬の低い気温、路面温度の中でドライバーたちはベストタイム、セカンドベストタイムを争った。
序盤トップに立ったのは#36宮田。まだ縁石が濡れている状況でのアタックとなったが、計測2周目に1'36.546、3周目には1'36.707を記録して一旦ピットインした。チームメイトの#37小高一斗(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320が1'36.701で2番手に続く。3番手は1'37.004の#2名取だ。
セッション中盤には、やや遅れてコースインした#50阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX)が1'36.248を記録してトップに立つが、残り時間13分を切ったところで2セット目のタイヤを投入した#2名取が1'36.049を叩き出してトップに立つ。
残り時間が8分を切る頃には各ドライバーが2セット目を投入して最後のアタックに出て行ったが、ウォームアップを終えてアタックに入ろうかというタイミングでアクシデントが発生。#3ルッカ・アレン(Albirex-RT)が16コーナーでコースを飛び出し、グラベルに捕まってストップしていたために赤旗が出され、予選は中断となってしまった。
車両回収ののち、予選は午前8時55分より残り時間3分5秒として再開された。ここで#36宮田は3セット目のタイヤを投入、アウトラップに続いてすぐさまアタックに入り、1'35.493を叩き出して再びトップに立った。#50阪口も1'35.063までタイムを上げて2番手に。宮田と同じく3セット目を投入した#2名取は1'36.071とタイムが上がらず3番手。しかしこのタイムがセカンドベストタイムのトップとなり、第10戦のポールポジションを獲得することになった。
- 第9戦ポールポジション #36宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TEAM TOM'S)のコメント
- 朝イチに僕がタイムアタックした時は縁石が濡れていて、頑張ったけどタイムが出せませんでした。そのあと僕らが待機しているときに、みんながどんどんタイムアップして行ったので、路面が原因なのか、僕が乗れていないのか、と不安になりましたが、実際にアタックしてみたら路面が良くなっていて、計測1周目からタイムを出すことができました。結果としては本当に良かったです。最後のアタックではニュータイヤを1周で温めないといけなかったので、そこが難しかったです。不安でしたがなんとか合わせ込めました。1レース目はトップからのスタートなので、1周目でしっかり前に出て優勝できるように。そこでの結果が3レース目のグリッドになるので、しっかり勝ってポイントをとりたいです。タイヤは赤旗中断の間に3セット目を履きました。3分間という短い時間でうまく熱を入れることができて良かったです。
- 第10戦ポールポジション #2名取鉄平(TODA RACING)のコメント
- 昨日からマシン的にも僕のドライビングスタイルにもこのサーキットがすごく合っていました。岡山大会あたりから上達し続けていて、それがようやく噛み合った感じです。この予選でもいいパフォーマンスを見せることができました。ダブルポールをとりたかったんですが、赤旗のタイミングもありうまくタイムを出すことがきず、そこは納得できていません。第10戦でポールをとれたことで、やっとレースができるな、という感じがします。タイヤは3セット使いました。路面の状況を見ながら自分で判断しました。決勝にどう影響するかはわかりませんが、ここは抜きづらいサーキットだし悔いはありません。2セット目も3セット目も1周しかアタックしていないので、それほどネガティブには考えていません。チームも30分という短い時間で迅速にタイヤ交換をしてくれたので、感謝したいです。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
GT500クラス優勝 #8ARTA NSX-GT
- 野尻智紀
- ようやく勝つことができました。今シーズンはここまで流れがあまりよくなくて、予選で速さを見せても決勝で後退してしまう展開が何度も続きました。個人的に気持ちが折れそうになったこともありましたが、チームやホンダさん、ブリヂストンタイヤさんなどが要望に応えてくれて、クルマがさらに良くなっていきました。
決勝レースは、ポールポジションからスタートした大津選手がスタート直後から驚異的なスピードで逃げる展開になり、『これは敵わないかも』と思ったりしましたが、5、6周走った辺りからは自分のペースとあまり変わらないペースになったので『これは行ける!』と自分に言い聞かせました。何とか追いつくことができたところで、ポテンシャルを確認し、一発で勝負するしかないと思いました。その通り一発でパスすることができ、いい形で仁嶺に繋ぐことができました。今回もセーフティカー導入でレースを左右したとの見方もありますが、前戦鈴鹿では、セーフティカーが運不運を分けただけではなく、自分たちにも反省するところがあって12号車に前に行かれてしまったのは自分たちの責任でした。今日はコースサイドに停まっているクルマを確認し、S字を走っているときに無線で「ピット…」と伝わってきたんです。ハッキリとは聞き取れなかったけれど、停まっているクルマも確認していたので「入っちゃえ!」とピットインしたら、結果的にいいタイミングでした。やはり今日の自分たちはペースが良かったから、運も味方したと思います。
クルマについても、強く戦うための土台ができたと思っています。今回の優勝で、チャンピオンシップの権利を持ったまま最終戦に臨むことになりました。このいい流れを持続したまま最終戦でも優勝したい。“結果はついてくる”といえるだけの取り組みをして、自分のレース人生を懸けた良いレースをしたいですね。
- 福住仁嶺
- 今シーズンの僕たちは、公式予選でのパフォーマンスが良くて、ここまで7戦中6回、トップ3に入っています。でも勝てそうでいて勝てないレースが続いていました。ポールポジションからスタートしながら表彰台には上ったけれど、やはり勝てないレースも続きました。今日も野尻選手が作ってくれたギャップで、後半もレースをリードしていても、いろんな悪夢が頭を過ることもありました。だからチェッカーを受けてレースが終わったら、嬉しいのとホッとしたので……。
NSX-GTの開発は、主に野尻選手とチームのエンジニアさんがミーティングして進めてくれています。走った後のフィードバックなど、野尻選手の凄いところを感じてきましたが、今回優勝したことでやっと結果に残すことができました。何よりも方向性が間違っていなかったことが確認できたのが良かったです。
これでドライバーランキングでも5位になったと思います。5位といってもトップとのポイント差はあまりないと思うので、今日のこのいい流れのままチャンピオンを目指してがんばります。
GT300クラス優勝 #56リアライズ 日産自動車大学校 GT-R
- 藤波清斗
- 今大会は走り始めとなった土曜の公式練習から、クルマのセットはもう一つで、微調整が必要な感じでした。だから流れとしては、必ずしも順調ではなかったのですが、予選に向けて微調整した結果、6番手のタイムをマークしてQ1を突破できました。これでJPさんに繋ぐことができました。
決勝はJPさんががんばって手に入れてくれた7番グリッドからのスタートになりました。ロングスティントでの自分たちのペースには自信がありましたが、トップ3のペースはとても速くて。ピットと相談してミニマムで入ろう、ということになりました。そうしたらS字でストップしている車両があり、その周にピットインすることにしました。チームの総合力、中でも判断力が優勝に繋がりました。
残すは富士の最終戦のみとなりましたが、富士では前回勝っているので、自分たちとの相性は決して悪くないと思っています。ただ、ライバルも彼らのタイヤメーカーも速いので気を抜くことはできません。全力を尽くしてやるべきことをやって、何とかチャンピオンを手に入れたいですね。
- ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
- 今日はとてもタフなレースになりました。清人さんから交代してピットアウトしていったのですが、すぐにセーフティカーが入ってきました。でもセーフティカーランの間に十分にタイヤを温めることができたのは良かったです。谷口さんとバトルすることになりましたが、これがとてもハードでタフでしたね。唯一のチャンスが、あの周のダウンヒルストレートでした。ストレートエンド、90度コーナーへのアプローチからサイドバイサイドの接近戦になって、その状態のまま次の周の2コーナーを立ち上がるまで、4つから5つくらいのコーナーをサイドバイサイドのまま走ることになり、最終的に自分が前に出ることができました。それでも終盤になって、再び谷口さんが背後に迫ってきてプレッシャーをかけられ続ける苦しい展開となりました。勝つことができて嬉しいです。
これでランキングでもトップになりましたが、最終戦にはリーダーとしてアプローチするつもりはありません。自分たちのパフォーマンスを出し切ることができれば結果はついてくるでしょう。最終戦はタフな、瞬きもできないほど緊張感にあふれたレースになると思います。チームと万全の対策を練って臨みたいと思います。
2020オートバックス スーパーGT第7戦「藤巻グループもてぎGT300kmレース」の決勝が11月8日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、GT500クラスは今季初優勝の#8野尻智紀/福住仁嶺組(ARTA NSX-GT)をはじめ、ホンダNSX-GT全5台が上位を独占するという快挙を成し遂げた。またGT300クラスは#56藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)が第5戦富士に続いて今季2勝目を挙げ、ドライバーズランキングでもトップに躍り出た。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選9,300人/決勝15,600人)
第7戦決勝は午後1時にフォーメーションラップを開始。気温22℃と例年にない暖かい気候の中、63周、300kmの戦いがスタートした。
ポールポジションからスタートした#64大津弘樹(Modulo NSX-GT)は序盤から後続を突き放しにかかり、4周目には2位の野尻智紀(ARTA NSX-GT)とのギャップを4.635秒に広げたが、そこまででタイヤを使い切ったのか次第にペースを落とし、5周目に3.277、6周目に2.938、7周目に2.414と次第に#8 ARTA NSX-GTの接近を許してしまい、9周目にはテール・トゥ・ノーズの状態に持ち込まれてしまった。
そして10周目。#8野尻は1コーナーで#64大津のインをついてトップに浮上すると、そこから一気に後続を突き放し、14周終了時点で9.055秒、20周終了時点では10.304秒ものリードを築き上げた。
苦しい走りの続く#64大津はその後#100牧野任祐(RAYBRIG NSX-GT)にも追い上げられ、12周目の90度コーナーでインをつかれて3位に後退。その後は#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)の追撃を受けることになる。
しかし#23クインタレッリは17周目に周回遅れに詰まったところを#38立川祐路(ZENT GR Supra)に突かれ、18周めの1コーナー手前で5位に後退してしまった。
これで4位に浮上した#38立川はすぐさま#64大津との差を縮めにかかり、21周目の90度コーナーで64号車にアウトから並びかけて3位に浮上した。
しかしその直後、スタート前のウォームアップ走行からミッショントラブルに悩まされていた#5平木湧也(マッハ車検GTNET MC86マッハ号)がS字コーナーでストップ。これを見てトップの8号車と64号車は直ちにピットに飛び込んだ。
停止した5号車に対処するために23周目からセーフティーカーが導入されることになり、ピットレーンが27周目まで閉鎖されてしまったが、#8福住仁嶺と#64伊沢拓也はレーンが閉鎖される前にピットアウトしていった。これにより8号車のリードは盤石なものとなり、64号車には挽回のチャンスが生まれることになった。
この時点での順位はトップが#100 RAYBRIG NSX-GT。2位が#38 ZENT GR Supra。以下#23 MOTUL AUTECH GT-R、#17 KEIHIN NSX-GT、#37 KeePer TOM'S GR Supra、#36 au TOM'S GR Supraと続いて、すでにピット作業を済ませた#8 ARTA NSX-GTは10位、#64 Modulo NSX-GTは11位で隊列に加わった。
セーフティーカーは28周目にピットイン、29周目からレースが再開されると、即座に#38立川、#23クインタレッリ、#17バゲット、#37山下らが28周目に相次いでピットイン。#100牧野は29周目に山本尚貴に交代した。
これにより#8 ARTA NSX-GTは再びトップに浮上、#64 Modulo NSX-GTも2位に繰り上がった。3位の#100 RAYBRIG NSX-GTはこの時点で1分以上後方を走っていた。
その後も#8 ARTA NSX-GTは福住の攻めの走りで後続との差を広げ、35周目に5.469秒、45周目には17.420秒と、2位の#64伊沢拓也(Modulo NSX-GT)との差を着実に広げていき、最後は46秒238もの大差をつけて63周を走り切り、待ちに待った今季初優勝をものにした。福住にとってはこれがGT500初優勝。野尻にとっては昨年の第1戦岡山以来の通算5勝目となった。
#64伊沢も最後まで2位を守り切り、#64 Modulo NSX-GTは今季初表彰台を獲得。3位には#100 RAYBRIG NSX-GTが入り、2007年の第5戦以来13年ぶりにホンダNSXが表彰台を独占した。それだけでなく4位には#16武藤英紀/笹原右京組(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)が入り、#17塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT)も5位と、ホンダ勢は参加全5台でトップ5を独占するというかつてない快挙を成し遂げた。
また#37 KeePer TOM'S GR Supraが6位、#23 MOTUL AUTECH GT-Rも7位に入賞してポイントを獲得したため、ドライバーズランキングでは#17塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT)が51ポイントで1位に浮上、#37 平川亮(KeePer TOM'S GR Supra)も同じく51ポイントで2位につけ、松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)が49ポイントで3位、山本尚貴/牧野任祐組(RAYBRIG NSX-GT)もまた同じ49ポイントで4位につけるという事態に。今回優勝の#8野尻智紀/福住仁嶺組(ARTA NSX-GT)は48ポイントでランキング5位に浮上したほか、上位9チーム16名にタイトル獲得の可能性があるという大混戦のまま、最終戦富士大会を迎えることとなった。
GT300クラスは、ポールポジションからスタートした#61山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)が序盤トップを快走していたものの、ピット作業前に導入されたセーフティーカーの影響で順位を落とすことに。
代わってレース中盤からトップに立ったのは今季苦戦の続いていた#4谷口信輝/片岡龍也組(グッドスマイル初音ミクAMG)。
予選10番手からスタートした4号車は19周目と早めのピット作業でタイヤ4本を交換して谷口を送り出し、見事ジャンプアップに成功したが、予選7番手スタートの56号車もピットレーンが閉鎖となる前の21周目にピットイン、藤波からオリベイラに後退して#4谷口のすぐ後ろでコースに復帰していた。
レースが再開されると#56オリベイラは30周目の90度コーナーで#4谷口のインに飛び込む。抜かれまいと踏ん張る#4谷口だったが、#56オリベイラは4号車をアウト側に押しやりながら最終コーナーを立ち上がり、1コーナー手前でトップに躍り出た。
さらにその後方では#52吉田広樹(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)、#61井口卓人(R&D SPORT)、#11平中克幸(GAINER TANAX GT-R)、#360青木孝行(RUNUP RIVAUX GT-R)らが抜きつ抜かれつのバトルを展開していたが、55周目の5コーナー進入で#11平中が#61井口のリヤバンパーにヒット、堪らず61号車はスピンアウトしてしまう。このアクシデントにより、11号車に対してはレース後に40秒加算のペナルティが課せられることとなった。
この隙に#360青木は2台を抜いて4位に浮上すると、58周目の3コーナーでは3位の#52吉田をも攻略して3位に浮上し、#360青木孝行/大滝拓也組(RUNUP RIVAUX GT-R)が今季初の表彰台を獲得した。
トップに立った#56オリベイラはその後もタイヤを労りながら#4谷口の追撃を退け、第5戦富士に続いて今季2勝目を挙げた。
これによりドライバーズランキングでは#56藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)が56ポイントとなり、このレースを19位ノーポイントで終えた#65蒲生尚弥/菅波冬悟組(LEON PYRAMID AMG)の51ポイントを抜いてトップに浮上。ペナルティの影響で9位に終わった#11平中克幸/安田裕信組(GAINER TANAX GT-R)は43ポイントと、やや厳しい状況となった。
次戦の舞台は今季4度目の富士スピードウェイ。11月29日の決勝はノーウェイトハンデのガチンコ勝負で2020シーズンのチャンピオンが決まる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
FIA-F4選手権第9戦の決勝が11月8日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、#35平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)が第7戦、第8戦に続いてポール・トゥ・ウィンを達成。連勝記録を8に伸ばした。
第9戦決勝は午前9時より13周で行われた。天候は晴れ。路面はドライだ。
ここでのスタート順は第7戦決勝中に各自が記録したベストタイムの順となっている。ポールポジションはファステストラップを記録した#35平良。スタートもミスなくこなしてトップで1コーナーに飛び込んだ。
第8戦に続いて2番手スタートとなった#62平木玲次(HELM MOTORSPORTS F110)は今回も出遅れてしまい7番手まで後退、代わって#77小川颯太(WARMTECH Skill Speed)が2番手に浮上した。
その後方ではインディペンデントカップの#2仲尾恵史(TCS Racing Team)が1コーナーで#3佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ)に追突。両者一旦は走行を再開したが、#3佐藤はアクシデントの際に右側のラジエターを破損してしまい、途中でストップせざるを得なかった。
さらにV字コーナーで#55土屋祐輔(Liaison DM F110)と#92浦田裕喜(AKILAND RACING)が接触。浦田がグラベルにストップしたため2周目からセーフティーカーが導入されることになった。
その後#92浦田は自力で走行を再開。セーフティーカーは3周終わりでピットインし、4周目からレースは再開された。
リスタート後はトップの#35平良が後続を引き離しにかかり、5周終了時点で1.482秒、6周終了時点で1.662秒までリードを広げる。
しかし#77小川も次第にペースを上げ、7周目からは徐々に平良との差を縮めていった。小川は9周目に1'58.514とファステストラップを更新。トップとの差を1.435秒とする。
平良も11周目に1'58.492を叩き出して1.576秒差とするが、小川も負けじと追い上げて12周終了時点での35平良のリードは1.386秒となる。しかしそれでも小川は平良を攻略することができなかったため、#35平良響が8連勝を達成。ドライバーズポイントを202.5まで伸ばした。
しかしランキング2位の#62平木が5位入賞し、ポイントを129.5としたため、チャンピオン争いは最終富士大会に持ち越しとなった。
またインディペンデントカップは上位陣の脱落などもあり、#98IKARI(BJ Racing F110)が嬉しい初優勝を達成している。
次戦の舞台は富士スピードウェイ。11月28-29日に第10、11、12戦が行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
FIA-F4選手権第8戦の決勝が11月7日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、ポールポジションからスタートした#35平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)が接戦を制し、連勝記録を7に伸ばした。
第8戦決勝は午後3時25分より13周で行われた。天候は曇り。しかし雨の心配はなく、レースは終始ドライコンディションで行われた。
スタートでトップに立ったのはポールの#35平良。2番手スタートの#62平木玲次(HELM MOTORSPORTS F110)は出遅れて4位にポジションダウンしてしまう。代わって#77小川颯太(WARMTECH Skill Speed)が2番手に浮上した。小川は予選で2番手のタイムを記録していたが、黄旗区間でのオーバーランにより、決勝では2グリッド降格のペナルティを受け、4番手スタートとなっていた。
3位には#97澤龍之介(BJ RacingスカラシップJSS)が続き、4位の平木に続いて#36野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)が5位につけていたが、5周目に#31神晴也(ATEAM Buzz Racing F110)が野中を捉えて5位に浮上してきた。
トップの#35平良は5周終了時点で0.987のリード。#77小川がしぶとく平良のテールに食らいつき、オーバーテイクのチャンスを伺いながら周回を重ねる。
しかし後方でインディペンデントカップの#56YUTAKA TORIBA(BIRD)が#98IKARI(BJ Racing F110)に追突するアクシデントが発生、V字コーナー立ち上がりで2台がストップしたため、6周目からセーフティーカーが導入された。#56TORIBAは走行を再開したが、ウィングにダメージを負っている。
セーフティーカーは7周終わりでピットイン、レースは8周目から再開された。
すかさず9周目の90度で#36野中が#31神のインをつくが、最終コーナーでは#31神が抜き返し5位を死守。逆に野中は10周目に#80伊東黎明(OTG DL F4 CHALLENGE)に詰め寄られ、ポジションを落としてしまった。
一方、トップの#35平良は僅差で追ってくる#77小川に最後まで付け入る隙を与えず、第2戦から負けなしの7連勝を達成。#77小川は2位で今季初の表彰台を獲得した。その後方では#97澤、#62平木、#31神が熾烈なバトルを展開。最終的に#31神が3番手でフィニッシュしたが、平木とのバトルの中で危険なドライブ行為があったとして40秒加算のペナルティがレース後に課せられたため、#62平木が3位に繰り上がった。
インディペンデントカップは#3佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ)が連勝。#96齋藤真紀雄(CS Marketing AKILAND)が2位に入った。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
GT500 Class #64 Modulo NSX-GT
- 伊沢拓也
- このもてぎでは、GT300もGT500もダンロップのタイヤがポールを獲っています。これはダンロップのパフォーマンスが高かった証拠です。僕がQ2でアタックをしてポールでしたが、大津選手がアタックしてもポールだったと思います。これまで予選結果が良くても決勝では後退していくことが少なくなかったのですが、今回はそういうことのないように。ポールポジションと一番有利なポジションからスタートできるので、最低でも表彰台、できれば優勝、いや絶対に優勝したいと思います。
今年はGT500の全車が一新され、唯一のダンロップユーザーとしては使えるデータが少なくて、開発も一からのスタートでした。例えば、路面温度がどのくらいなら、タイヤの柔らかさがどのくらいで、グリップ力がどうなるという関係性でも、こうならばどのタイヤがベストか、ということも一からやり直してきました。そして8月の鈴鹿辺りから分かってきたことがあります。これまでは少しグリップ寄りに振っていましたが、前回の鈴鹿では少し見直して、予選は少し後れを取りましたが決勝はいいペースで走ることができました。シリーズ後半戦からはお客さんを迎え入れての開催となり、今回もサーキットに観客が来て応援してくれているのですが、ラッキーな観客の皆さんだけでなく、全国の、テレビの前で応援してくれるファンの皆さんにも満足してもらえるようなレースをしたいと思います。僕たちも2回勝てば可能性はあるんですよね? 最後まであきらめずにがんばります。
- 大津弘樹
- 今週は、走り始めの公式練習から一発の速さがあって、午後の公式予選に向けて手応えを感じていました。午後の公式予選でもポールを狙っていくことになり、自分が担当したQ1でもトップタイムをマークしてQ2を担当する伊沢選手に繋ぐことができました。このところダンロップタイヤのパフォーマンスが上がっているだけでなく、セットアップも進んでクルマとしての速さが増してきています。予選で好タイムをマークしても、ここまでは本番で苦戦することも多かったので、今回はそうならないようにがんばります。僕はGT500では1年目のルーキーで、GT500のクルマについてどうこうという評価は、あまりよく分からないのですが、伊沢選手がチームを引っ張ってくれています。クルマやタイヤの開発能力が高いことをそばで見ていて凄いな、と。見倣いたいですね。後半戦からお客さんが戻ってきてサーキットの雰囲気も盛り上がってきています。そんなファンの皆さんに観てもらっている中でレースができて幸せです。明日の決勝ではお客さんに、僕たちが優勝する姿を見届けてほしいです。
GT300クラス Class #61 SUBARU BRZ R&D SPORT
- 井口卓人
- 走り始めるまでは、まさかもてぎでポールを獲ることができるとは思っていませんでした。でも1年間を通してダンロップタイヤのパフォーマンスに助けられ、今日も山内選手に託してポールを獲ることができました。走り始めとなった朝の公式練習では今一つ、フィーリングが合っていませんでした。それは山内選手も同じだったようで、予選に向けて、チームにクルマのセットを少し変えてもらいました。そうしたら午後の公式予選では良いフィーリングになっていて、僕もQ1を突破できて、Q2を担当した山内選手が素晴らしい走りでポールを獲ってくれました。前戦の鈴鹿ではセーフティカーが入ったことで勝てたはずのレースを失ってしまいました。2週間のインターバルでは、まだ気分転換もできていないので、明日のレースでは絶対に、セーフティカーには出てきてほしくないですね(苦笑)。もてぎでは第4戦でも表彰台に乗っているのですが、その時は無観客で、ちょっと寂しかったのを覚えています。明日は多くのファンの皆さんの前で、表彰台に上りたいと思います
- 山内英輝
- いいアタックができてポールを獲ることができましたが、これはもうタイヤのおかげ。ダンロップさんに感謝しかないですね。GT500でポールを獲ったおふたりもダンロップユーザーですが、今回はダンロップが両クラスでポールを獲ることになりました。明日もこのメンバーでこの場に帰ってきたいですね。井口選手とまったく同じで(第6戦鈴鹿の決勝は)本当に思い出したくもないです(苦笑)。ただ、いろんな条件からセーフティカーが入る前に入れなかったのは自分たちの力不足。でも今回は、予選での一発の速さを決勝レースでのロングランに繋げていく自信があります。SUBARUファンの皆さんからは、いつも温かい声援をもらい、それを力に変えています。今日も公式予選でフルアタックを終えてピットに帰ってくる間もコースサイドでSUBARUの旗を振ってもらって、とても嬉しかったです。ここまで僕たちもチームも良い仕事ができていますが、明日の決勝も良い仕事をして、ファンの皆さんに恩返しをしたいですね。ファンの皆さんと一緒に笑顔で終われるようにがんばります。
2020オートバックス スーパーGT第7戦「藤巻グループもてぎGT300kmレース」の公式予選が11月7日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、GT500クラスは#64伊沢拓也/大津弘樹組(Modulo NSX-GT)、GT300クラスは#61井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT)がポールポジションを獲得した。
公式予選は午後1時30分よりノックアウト方式で行われた。開始時のツインリンクもてぎ上空は曇り。しかし雨を心配するほどではない。気温は19℃、路面温度は24℃と、この時期としてはやや暖かいコンディションでの戦いとなった。
予選Q1
GT500クラスの予選Q1は午後2時3分からの10分間。ここでの上位8台が次の予選Q2へ出走する権利を得る。
各チームとも残り時間8分を前に続々とコースイン、最後に#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)がコントロールラインを通過して、全車計測を開始した。
今回は多くのドライバーがアウトラップのあとに計測1周目、2周目をウォームアップに充て、計測3周目からタイムアタックを行ったのに対し、#8野尻だけは計測2周目に全開走行に入り、1'36.861で一時トップに立つ。
しかし#64 大津弘樹(Modulo NSX-GT)が計測3周目に1'36.368を記録して野尻を上回り、予選Q1をトップで通過した。
続いて#19宮田莉朋(WedsSport ADVAN GR Supra)が1'36.714で2番手に浮上する。
第6戦終了時点でドライバーズランキングトップの#14坪井翔(WAKO'S 4CR GR Supra)が記録したタイムは1'37.304。チェッカーフラッグ提示直前まで8番手とQ1突破ラインすれすれにいたが、最後の最後に#100山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)が1'36.825を叩き出して3番手に食い込んできたため、#14WAKO'S 4CR GR Supraは惜しくも9番手に後退、ここで予選を終えることになった。
このほか、平川がドライバーズランキング2位に位置している#37 KeePer TOM'S GR Supraも、Q1を担当した山下健太が1'37.572を出すにとどまり、13番手と残念な結果に終わっている。
一方、第6戦鈴鹿で勝利してドライバーズランキング3位に浮上した#23 松田次生(MOTUL AUTECH GT-R)は1'37.233で7番手。見事にQ2進出を果たした。
23号車と同ポイントでランキング4位の#17ベルトラン・バゲット(KEIHIN NSX-GT)は1'37.328で10番手だった。
GT300クラスは今回もA、Bの2グループに分かれてQ1を走り、各クラスの上位7台がQ2に進むこととなった。
Aグループでは#61井口卓人(R&D SPORT)が1'46.973でトップタイム。2番手には今回から#48植毛ケーズフロンティアGT-Rをドライブすることになった富田竜一郎が1'47.082で続き、#96阪口晴南(K-tunes RC F GT3)が3番手。
一方、ドライバーズランキングトップの#65菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG)は9番手、開幕戦優勝の#52川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)も8番手で惜しくも敗退となっている。
Bグループは公式練習トップの#11安田裕信(GAINER TANAX GT-R)が1'46.157でトップタイム。#30織戸学(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)が2番手に続く。
その一方で第6戦優勝の#21近藤翼(Hitotsuyama Audi R8 LMS)は11番手、第2戦優勝の#2柳田真孝(シンティアム・アップル・ロータス)は終盤まで8番手にいたが、最後に#18小林崇志(UPGARAGE NSX GT3)が3番手タイムを叩き出したために9番手に後退。ここで予選を終えている。
予選Q2
GT500のQ2は午後2時41分から10分間の走行。
各車残り8分から続々とピットアウトし、予選Q1同様に2周のウォームアップラップを経て全開走行に移行した。
まずはQ1トップの#64伊沢拓也(Modulo NSX-GT)も1'45.994、1'42.576と次第にペースを上げながらタイムアタックに入り、計測3周目に1'36.140を叩き出す。
結局これがQ2でのトップタイムとなり、伊沢は自身初のポール獲得となった第3戦鈴鹿に続いて今季2回目のポールポジションを獲得した。
続いて#100牧野任祐(RAYBRIG NSX-GT)が同じく計測3周目に1'36.779を記録、これを#8福住仁嶺(ARTA NSX-GT)が1'36.593で上回り、予選2番手に。この結果Honda NSX-GTが予選トップ3を独占して明日の決勝に臨むことになった。
#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)も計測3周目に1'36.885を記録して4番手。
1'36.151の#19国本雄資(WedsSport ADVAN GR Supra)がTOYOTA GR Supra GT500勢の最上位の5番手となった。
通算最多ポール獲得を誇る#38立川祐路(ZENT GR Supra)は計測2周目から2周連続でアタックを行う作戦に出たが、1'37.204、1'37.173とホンダ勢には一歩及ばず、6番手で予選を終えている。
GT300クラスは計測3周目に1'46.200を叩き出した#61山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)がトップ。GT500、GT300ともにダンロップタイヤユーザーがポールポジションを獲得する快挙を成し遂げた。
#244久保凜太郎(たかのこの湯RC F GT3)が1'46.430で2番手に入り、自身が引き起こしたクラッシュで欠場を余儀なくされた第6戦の雪辱を果たした。
ドライバーズランキング2位の#11平中克幸(GAINER TANAX GT-R)も1'46.433と2番手と僅差の3番手。ここで勝ってチャンピオンに王手をかけたいところだ。
第7戦決勝は11月8日午後1時より63周で行われる。例年250kmで行われてきた秋のもてぎ大会だが、今回は300kmの通常フォーマットでの戦いとなる。
FIA-F4選手権第7戦の決勝が11月7日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、ポールポジションからスタートした#35平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)がそのまま逃げ切って連勝記録を6に伸ばした。
第7戦決勝は午前11時40分より13周で行われた。天候は晴れ。路面はドライだ。
スタートを制したのはポールの#35平良。予選4番手の#80伊東黎明(OTG DL F4 CHALLENGE)が2位にジャンプアップし、予選2番手の#62平木玲次(HELM MOTORSPORTS F110)は3位に後退するが、90度コーナーで#80伊東のインをついて2位を奪い返した。
しかし2周目の1コーナーで#56YUTAKA TORIBA(BIRD)、#4佐々木祐一(Sendai Day Dream F110)が接触、#4佐々木がコース脇でストップしたためにセーフティーカーが導入されることになった。
車両回収ののち、レースは4周めから一旦再開されたが、6周目の90度コーナーで#18堀田誠(アドヴィクスムータレーシング)と#98IKARI(BJ Racing F110)が接触、#18堀田がコース上にストップしたために7周目から再びSCが導入される。予選ではインディペンデントカップのトップだった#98IKARIだが、決勝では1周目にも#39中村賢明(SACCESS RACING ES)するアクシデントを起こしており、散々な結果に終わった。
レースは10周目に再びリスタート。ところがその直前の最終コーナーで3位を走行していた#80伊東がまさかのスピン。#77小川颯太(WARMTECH Skill Speed)が3位でコントロールラインを通過するが、続く1-2コーナーで#36野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)が#77小川を抜いて3位に浮上する。
一方、#35平良と#62平木は序盤から接戦を展開。コンマ6秒からコンマ8秒差でトップに食い下がる#62平木だったが、#35平良は最後まで付け入る隙を与えずに13周を走り切り、第2戦から続く連勝記録を6に伸ばした。2位は#62平木、3位には#36野中が入った。
インディペンデントカップは、予選トップの#98IKARIが相次ぐアクシデントで後退を余儀なくされるなか、#2仲尾恵史(TCS Racing Team)が代わってトップに浮上するが、11周目の5コーナーで#3佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ)が#2仲尾をパスしてトップに立ち、今季3勝目を獲得している。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
2020オートバックス スーパーGT第7戦「藤巻グループもてぎGT300kmレース」の公式練習が11月7日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、#38立川祐路/石浦宏明組(ZENT GR Supra)がGT500クラスのトップタイムを記録。GT300クラスは#11平中克幸/安田裕信組(GAINER TANAX GT-R)がトップだった。
2020シーズンもいよいよ残り2戦。今大会では全戦参加チームのウェイトハンデが第6戦終了時点の獲得ポイント数x1kgに減らされる。これまで重いウェイトや燃料流量の制限を受けながら戦ってきたランキング上位のチームも、ここでやや本来の速さを取り戻してチャンピオン争いに臨む。
また、これまで平川亮とともに#37KeePer TOM'S GR Supraをドライブしてきたニック・キャシディがフォーミュラEへの参戦準備のためにチームを離脱することが11月2日付でチームトムスより発表されており、今大会からは山下健太が第2ドライバーとして平川のタイトル獲得を後押しすることになった。山下自身にとってはヘイッキ・コバライネンの代役として#39DENSO KOBELCO SARD GR Supraをドライブした開幕戦富士以来のスーパーGT参戦となる。
GT300クラスでも、先週岡山国際サーキットで行われたスーパーGT第3戦で負傷した高木真一に代わり、松下信治が#55ARTA NSX GT3の第2ドライバーを務めることとなった。松下は今季途中までヨーロッパでFIA-F2を戦ってきたが、今回初めてハコのレースを経験することになる。また#6ADVICS muta MC86も小高一斗が発熱により今大会を欠場、代わって堤優威が第2ドライバーとして登録されている。
第7戦の公式練習は午前9時5分より、混走85分、専有走行各クラス10分で行われた。
この日の天候は晴れ。路面はドライ。開始時の気温は12℃、路面温度14℃、湿度は87%と、例年に比べればやや暖かい気候の中での走行となった。
序盤トップに立ったのは#37平川亮(KeePer TOM'S GR Supra)。計測4周目に1'37.883を記録した。
続いて走行開始から17分が経過したところで、#64伊沢拓也(Modulo NSX-GT)が1'37.673を記録。結局これが混走セッションでのトップタイムとなった。
混走時間が半ばを過ぎたところで#36サッシャ・フェネストラズ(au TOM'S GR Supra)が1'37.784で2番手に浮上。37号車は計測16周目に1分37秒793までタイムを縮めたものの3番手に後退、ポイントリーダーの#14大嶋和也/坪井翔組(WAKO'S 4CR GR Supra)が4番手。#3平手晃平/千代勝正組(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)が5番手、6番手には#100山本尚貴/牧野任祐組(RAYBRIG NSX-GT)が続いた。
ところが走行開始から32分が経過したところで#100RAYBRIG NSX-GTはトラブルによりS字コーナー脇のグラベルでストップ。これにより公式練習は残り時間52分、混走残り32分で赤旗中断となった。
車両回収ののち、公式練習は午前10時10分に再開された。残り時間40分、混走の残り時間は20分だったが、ここでは上位陣に順位変動は見られず、そのまま専有走行に移行する。
GT500クラスの各チームはこの中断の直前あたりから専有走行に備えて相次いでドライバー交代を行っており、#37 KeePer TOM'S GR Supraもここで山下健太が走行を開始。山下は1分40秒前半のタイムでコンスタントに周回を重ね、このあとに行われる専有走行に備えた。
GT500クラスの専有走行は午前10時40分より10分間で行われ、混走後半を担当したドライバーたちが予選シミュレーションを行った。
まずは#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)が1'37.571でトップに浮上。これを#14坪井翔(WAKO'S 4CR GR Supra)が1'37.546で上回ったが、その直後に#38石浦宏明(ZENT GR Supra)が1'37.526を記録してトップに立った。
専有走行終了直前には#16武藤英紀(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)が1'37.544を出して2番手に食い込み、#14WAKO'S 4CR GR Supraは3番手、#8ARTA NSX-GTは4番手で公式練習を終えた。
#37山下健太(KeePer TOM'S GR Supra)は1'37.605で5番手。NISSAN GT-R NISMO GT500の最上位は前回優勝の#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)で8番手。松田が専有走行を担当して1'37.861を記録している。
なお赤旗の原因となった#100 RAYBRIG NSX-GTは残念ながら修復作業が間に合わず、最後までガレージに留まることになった。
GT300クラスは序盤から#11GAINER TANAX GT-Rが好調ぶりを見せた。
まずは平中克幸が開始10分過ぎに1'46.951を記録。平中はさらに開始30分過ぎにも1'46.906までタイムを縮めてみせる。さらに専有走行を担当した安田裕信も1'46.900とさらにタイムを短縮し、他のチームを全く寄せつけない速さでクラストップとなった。
これに対して2番手以降は#34道上龍/ジェイク・パーソンズ組(Modulo KENWOOD NSX GT3)、#244久保凜太郎/三宅淳詞組(たかのこの湯RC F GT3)、#61井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT)、#25松井孝允/佐藤公哉組(HOPPY Porsche)らが接戦を展開。結局混走時間中に1'46.976を記録した#61SUBARU BRZ R&D SPORTが2番手、1'47.003の#25HOPPY Porscheが3番手、#244たかのこの湯RC F GT3は4番手という結果となった。244号車は第6戦鈴鹿の公式練習中のクラッシュで車体に深刻なダメージを負ったために予選決勝を欠場しており、今回はTRDの展示車両を借りての参戦となっている。
FIA-F4選手権第7戦、第8戦の公式予選が11月7日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、ここまで5連勝中の#35平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)が第7戦、第8戦ともにポールポジションを獲得した。
公式予選は午前8時20分より30分間で行われ、第7戦のスターティンググリッドをベストタイム順、第8戦のスターティンググリッドをセカンドベストタイム順で争った。天候は晴れ。路面はドライだ。
今季絶好調の#35平良は開始7分で1'59.893を記録してトップに立つと、その後も1'58.251、1'58.130、1'58.120、1'57.740と周回を重ねるごとに着実にタイムを縮めていく。
これに対して第1戦優勝の#62平木玲次(HELM MOTORSPORTS F110)も残り時間12分30秒で1'57.655を叩き出してトップを奪うが、平良は残り時間7分30で1'57.649を記録してトップを奪い返した。
その後公式予選は、S字コーナーでアクシデントにより停止した車両があったために赤旗中断となり、そのまま終了とされたため、その時点でトップだった#35平が第7戦のポールポジションを獲得。2位に#62平木、3位には#77小川颯太(WARMTECH Skill Speed)がつけた。
セカンドベストタイムでも1'57.740の#35平良がトップとなり、第8戦のポールポジションを獲得。2位は1'57.922の#77小川、#62平木は1'58.064で3位となった。
インディペンデントカップのトップタイムは第7戦が#98IKARI(BJ Racing F110)、第8戦は#2仲尾恵史(TCS Racing Team)となっている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2020FIA-F4選手権第6戦の決勝が10月25日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、予選2番手からスタートした#35平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)がここでも速さをみせて優勝、連勝記録を5に伸ばした。
第6戦決勝が午前9時45分より11周で行われた。この日の天候も晴れ、やや肌寒さを感じさせる中、ドライコンディションでの戦いとなった。
スタートでは予選2番手の#35平がポールポジションの#14荒川麟(ZAP SPEEDスカラシップ)を捉えてトップで1コーナーに飛び込んだ。2位に後退した#14荒川は3周めのS字コーナーで痛恨のクラッシュを喫してレースを終え、スタートで3番手にジャンプアップした#36野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)もこの周のデグナーで飛び出して大きく順位を落とした。代わって#62平木玲次(HELM MOTORSPORTS F110)が2位に浮上、3位に#7太田格之進(VEGAPLUS DOME F110)、4位に#40嶋成弥(SACCESS RACING ES)が続く。
平良は序盤から順調に後続との差を広げ、最後は2位に5.947秒の差をつけて11周を走り切り、今週末を3連勝。シーズン通算で5連勝を達成した。2位は#62平木、3位には#7太田が入った。
インディペンデントカップはスタートで#2仲尾恵史(TCS Racing Team)がトップに立ち、#3佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ)、#96齋藤真紀雄(CS Marketing AKILAND)らを従えて周回を重ねていたが、5周目に入ったところでジャンプスタートの裁定が下り、ドライビングするーペナルティが課せられて順位を落としてしまう。
代わって#3佐藤がトップに立ち、そのまま逃げ切って今季2勝目を獲得している。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
2020オートバックス スーパーGT第6戦「藤巻グループ鈴鹿GT300kmレース」の決勝が10月25日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、GT500クラスは予選最後尾からスタートした#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)が奇跡の逆転劇を演じて今季2勝目を挙げた。GT300クラスは#21川端伸太朗/近藤翼組(Hitotsuyama Audi R8 LMS)が今季初優勝を達成した。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日9,500人/決勝日19,000人)
第6戦決勝は午後1時より52周で行われた。
昨日の公式予選で激しいクラッシュに見舞われた23号車ももチームスタッフの懸命の修復作業が間に合い、決勝前のウォームアップから走行に参加、クラス最後尾でスタートに臨んだ。
スタートでトップに立ったのは#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)。序盤から快調なペースで後続との差を広げていき、7周終了時点で3.233、10周終了時点では5.158のリードを築き上げる。
その後方では予選4番手スタートの#12佐々木大樹(カルソニック IMPUL GT-R)がめざましい速さをみせる。佐々木は5周終わりのホームストレートで#19国本雄資(WedsSport ADVAN GR Supra)を抜いて3位に浮上すると、続いて12周目の1コーナーでNo.64伊沢拓也(Modulo NSX-GT)をも抜き去って2位に浮上した。
#12佐々木はその後もペースを緩めず、トップの#8 ARTA NSX-GTとの差を18周終了時点で3.648まで詰めてきた。
そして20周目。
19周終わりでピット作業を行った8号車に対して、12号車は1周遅れてピットイン。ここで#12平峰一貴(カルソニックIMPUL GT-R)は#8福住仁嶺(ARTA NSX-GT)の前でピットアウトすることに成功する。
平峰は冷えたタイヤで懸命に福住を押さえ込んだまま21周目を終了。これで#12 カルソニック IMPUL GT-Rはトップに浮上するかに見えた。
ところが12号車と同じ周にピット作業を行った#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rの千代勝正がアウトラップで同じくアウトラップの#52埼玉トヨペットGB GR Supra GTと接触。この結果52号車がS字コーナーで飛び出してしまった。
ここで素早く行動を起こしたのが最後尾から11位まで順位を上げてきていたNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rだった。
スタートを担当したクインタレッリが22周目の130Rを抜けたところでチームは無線でピットインの指示を出し、急遽ピット作業を敢行。その直後にセーフティーカー導入を知らせるボードがポストから提示された。
その結果後半を担当した松田は#12 カルソニック IMPUL GT-Rの前でピットアウトすることに成功し、一気にトップに躍り出たのだった。
コースアウトした52号車はすぐに自力で走行を再開したものの、セーフティーカーランは26周目まで続き、27周目からレースは再開となる。
トップの#23松田次生を懸命に追い上げる#12平峰だったが、その背後からは#8福住が次第に接近し、35周目からテール・トゥ・ノーズの状態となる。このため平峰は8号車の追撃をかわすので手一杯の状況となってしまった。
さらにその後方からは#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rや#38石浦宏明(ZENT GR Supra)も追い上げてきて、49周を終える頃には2位争いは4台によるドッグファイトに発展する。
こうして2位以下が緊迫した戦いを繰り広げるなか、松田は次第にリードをひろげ、最後は2位に4.616の大差をつけて52周を走り切り、#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)が第3戦鈴鹿に続いて今季2勝目を達成した。
接戦を制して2位を死守した#12佐々木大樹/平峰一貴組(カルソニックIMPUL GT-R)は今季初めての表彰台を獲得、#8野尻智紀/福住仁嶺組(ARTA NSX-GT)は3位でフィニッシュし、第5戦富士に続いて今季2度目の表彰台を獲得した。
一方、ドライバーズランキングトップで鈴鹿入りした#14大嶋和也/坪井翔組(WAKO'S 4CR GR Supra)は2度のピットストップを余儀なくされたことなどもあって12位ノーポイントに終わり、ランキング2位の#37平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S GR Supra)はスタートからキャシディが着実に順位を上げたものの、ピットストップの際に#100 RAYBRIG NSX-GTにピットレーンで追突したためにドライビングスルーペナルティを課せられて後退、自身もフロントカウルにダメージを負ったため31周でレースを終えることとなった。
ランキング3位の#.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)は予選9番手から10位でフィニッシュして1ポイントを獲得。同4位のNo.36 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)は予選12番手から7位まで順位を上げて4ポイントを獲得した。
この結果ドライバーズランキングはトップが#14大嶋/坪井組の47ポイント、2位のNo.37平川/キャシディ組で46ポイントで変わらず。優勝したNo.23松田/クインタレッリ組が45で3位に浮上、同じく45ポイントの#17塚越/バゲット組は4位に後退、、そして#36関口/フェネストラズ組が44ポイントで5位という大接戦となった。
GT300クラスも中盤のセーフティーカーが状況を一変させる結果となった。
スタートからトップを快走していた#96新田守男(K-tunes RC F GT3)を山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)が8周目の1コーナーでインからパスしてトップに浮上、#96RC Fはペースが上がらず#6阪口良平(ADVICS muta MC86)にもこの周のバックストレートで捉えられてしまい、その後もジリジリと順位を下げてしまった。
その結果3位には#11安田裕信(GAINER TANAX GT-R)、4位に#21近藤翼(Hitotsuyama Audi R8 LMS)が続くことに。#18小林崇志(UPGARAGE NSX GT3)も一時3位につけ,6号車を僅差で追っていたが、残念ながらマシントラブルに見舞われて4周目のスプーンカーブでストップしている。
そしてトップが19周目に入ったところで2位の6号車がピットイン。これを皮切りに相次いでピット作業を行うチームが出てきたが、その中の1台がセーフティーカー導入のきっかけを作った#52川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)だった。
このため、まだピット作業を終えていなかった61号車、11号車らがSC解除後にピットインせざるを得なくなって順位を落とすことになり、すでにピット作業を済ませていた#6小高一斗(ADVICS muta MC86)がトップに浮上。しかし27周目の1コーナーで#21川端伸太朗(Hitotsuyama Audi R8 LMS)が#6小高を抜き去ってトップを奪い取った。
この時点で3位を走行していたのは#5坂口夏月(マッハ車検GTNET MC86マッハ号)。しかし#4谷口信輝(グッドスマイル初音ミクAMG)が次第に接近してきて36周目に5号車を抜き去ると、2位を走る#6小高の背後にも迫ってきた。
こうしてレース終盤は6号車と4号車による激しい2位争いがコースの各所で展開されることになったが、この間にトップの21号車は着実に後続との差を広げて49周でチェッカーを受け、#21川端伸太朗/近藤翼組(Hitotsuyama Audi R8 LMS)今季初優勝をものにした。若手の川端と近藤にとっては嬉しいスーパーGT初優勝だ。そしてチーム一ツ山にとっては2016年の第3戦もてぎ以来の勝利となった。
#6阪口良平/小高一斗組(ADVICS muta MC86)は今季初表彰台の2位。3位には#4谷口信輝/片岡龍也組(グッドスマイル初音ミクAMG)が続いた。
次戦の舞台は今季2度目のツインリンクもてぎ。11月8日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
GT500クラス #8ARTA NSX-GT
- 野尻智紀
-
今回もクルマのセットを少し変えて持ち込んでいました。Q1では、それがあまり良い結果を生まなかったので、Q2に向けてどう変えたらいいのか、自分なりにフィードバックしてチームのフィーリングや福住選手にドライビングのインフォメーションを伝えました。するとQ2で福住選手がいい走りをしてくれて、それはピットでモニターを見ていても十分に伝わってきました。自分のフィードバックが正解だったかどうかはわからないですが、福住選手がこうしてポールポジションをとってくれたことで、決して間違ってはいなかった、と安心しています。
ここまでいい流れで来ることができたので、このまま明日の決勝もいい流れでレースを戦いたいです。今回を含めて残り3レースは、ウェイトハンディがだんだん軽くなってくるから優勝してもそんなに不利にはならないと皆さんに言われますが、僕たちはいつも優勝を目指して走っていて、普段から、どうやったら自分たちのクルマを速く走らせることができるか? そればかりを考えています。だから、条件が変わろうが、目いっぱい走らせるのはいつも通りです。
今シーズンはこれまで公式予選から決勝レースに向けて大きくセットを変えていなくても、いざ決勝レースになると想定外の状況が生まれて苦戦することが続きました。今回はリアのグリップを出す方向でセットアップしてきたのですが、公式練習でのロングランでは良いところと良くないところがあって、その辺りを明日の決勝レースに向けてアジャストしていこうと思っています。
- 福住仁嶺
-
クルマの状態をフィードバックすることは難しくて、僕はまだまだ上手くフィードバックできていないのですが、今日は野尻選手のアドバイスを活かしてポールポジションを獲ることができました。僕はアドバイスを信じてQ2では走りをうまくまとめただけです。
こうしてポールを獲ることができて嬉しいのですが、予選直後にも言ったように本番は明日の決勝です。周りを意識しすぎることなく自分たちのレースをすれば、結果はついてくると思っています。
今回の鈴鹿ではファンの皆さんを迎え入れてのレースとなりましたが、皆さんに観られていることでパワーをもらい、調子も良くなったような気がしています。明日の決勝でも、皆さんからパワーをもらい、チーム一丸となって戦い、いい結果につなげたいと思っています。
GT300クラス #96 K-tunes RC F GT3
- 新田守男
-
自分たちは今年からダンロップタイヤを使っていますが、クルマをタイヤに合わせ込むのが難しくて、ここまで苦労してきました。今回は、午前の公式練習から午後の決勝に向けてセット変更したのですが、それがいい方向に向かっていました。Q1でもそこそこいいタイムがマークできたのですが、Q2を走る晴南にインフォメーションを伝えたら、彼が素晴らしいアタックをしてくれました。
これまで、Q1を走ることの多かった晴南ですが、今回は『自分をQ2で走らせてください!』と訴えていたので、彼に任せました。結果的に、Q2は晴南のパフォーマンスが冴え、チームにもいいクルマに仕上げてもらったおかげでポールを獲ることができました。でも、それで自信をもってレースに臨めるのかといえば、少し見えてない部分、不安もあるというのが正直なところです。今年からダンロップタイヤになり、ベースというか評価基準から自分たちで作っていかなくちゃいけない、ということですね。だから明日の決勝レースでは安定したペースでレースラップを積み重ね、データを採れるようにきっちりレースをする必要があります。ポールポジションを獲れたから、それで簡単に優勝できるほどGT300のバトルは甘くないです。
新型コロナの影響で、シーズン前半は無観客開催が続きましたが、シリーズ後半戦になってファンを迎え入れての開催になりました。サーキットに足を運んでくれたファンには、ぜひとも感動できるレースをお見せしたいです。SUPER GTだけじゃなく日本のスポーツが見ている皆を笑顔にする、元気にする。明日はそんなレースをしたいですね。
- 阪口晴南
-
今回は公式練習からフィーリングが悪くはなくて、こことここを直せばポールポジションを獲ることができるんじゃないかと、そんな自信もありました。公式予選が始まる前に、Q2を走りたいと言ったら、新田さんが快く了承してくれました。でも言った以上、ちゃんとタイムを出さなくちゃいけないし、しかもQ1で新田さんが素晴らしいアタックでトップタイムをマークしたことで、プレッシャーは大きくなりました。でも新田さんが好タイムをマークしたことでクルマとタイヤのパフォーマンスが確認でき、それを信じて一生懸命走ったらQ2でもトップタイムをマークすることができました。
昨年の鈴鹿では優勝することができましたが、ポールポジションを獲ることができなくて。だから忘れ物を取り戻すことができたと思っています。新田さんは強気に訴えた様に言いますが、今回の鈴鹿はウェイトハンディが大きく効いてくる最後のレースなので“チャレンジしたい”という気持ちがありました。それと少しだけですが自分も目立ちたいな、と(苦笑)。でも影山監督と新田さんが、自分のような新人の意見も聞いてくれるチームにしてくれていたので、お願いすることができました。
昨年からこのチームでGT300を走らせることができて、今年は第2戦でピンチヒッターとしてGT500をドライブすることもできたし、いろいろなフォーミュラでレースに出ることもできた。このチームに来たことから始まった、それらすべてがいい経験になっています。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
2020FIA-F4選手権第5戦の決勝が10月24日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、#35平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)が今季4勝目を獲得した。レースは序盤のアクシデントによりセーフティーカーが導入され、そのまま規定時間に達したために終了となった。
スーパーGTの公式予選で赤旗中断があった影響から、第5戦決勝は当初予定より10分遅れの午後4時10分にフォーメーションラップが開始された。第4戦決勝のアクシデントでクルマにダメージを負った、インディペンデントカップの#86大阪八郎(Dr. Dry F110)は出走を見合わせ、全31台がスタートに臨んだ。
スタートではポールポジションの#35平良、予選2番手の#7太田格之進(VEGAPLUS DOME F110)、予選3番手の#62平木玲次(HELM MOTORSPORTS F110)はそのままの順位で東コースを通過したが、その後方で#38奥住慈英(TGR-DC RSフィールドF4)、#97澤龍之介(BJ RacingスカラシップJSS)、#55土屋祐輔(Liaison DM F110)、#31神晴也(ATEAM Buzz Racing F110)らが絡むアクシデントがS字コーナーで発生。31号車がグラベルで横転する事態となったため、レースは赤旗中断となってしまった。
ストップした車両たちを回収したのち、レースは午後4時37分にセーフティーカーの先導で再開されたが、この時点で規定の30分まで残り7分となっていたため、レースはフルコースイエローが解除されないまま3周をもって終了という後味の悪い結末を迎えた。
この結果、#35平良は第2戦からの連勝記録を4に伸ばし、#7太田が今季初表彰台を獲得、第1戦優勝の#62平木が3位に入った。
インディペンデントカップはスタートでトップに立った#96齋藤真紀雄(CS Marketing AKILAND)が今季2勝目を獲得している。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
2020オートバックス スーパーGT第6戦「藤巻グループ鈴鹿GT300kmレース」の公式予選が10月24日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、GT500クラスは#8野尻智紀/福住仁嶺組(ARTA NSX-GT)、GT300クラスは#96新田守男/阪口晴南組(K-tunes RC F GT3)がポールポジションを獲得した。
公式予選は午後2時よりノックアウト方式で行われた。
天候は晴れ。コースはドライ。冷たい風が吹く中での走行となった。
予選Q1
GT500クラスのQ1は午後2時39分にコースオープン。GT300で赤旗中断があったため、予定より6分遅れて走行を開始した。
ドライバーたちはアウトラップに続いて1周のウォームアップ走行を行なってタイムアタックに入ったが、#100山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)が1'46.005を記録した直後に#23松田次生(MOTUL AUTECH GT-R)がダンロップコーナーの立ち上がりでコースを飛び出し、前からウォールに激突。これにより赤旗中断となってしまった。
23号車の改修ののち、走行は午後2時58分に残り5分間で再開された。
各車一斉にコースに飛び出す中で、#37ニック・キャシディ(KeePer TOM'S GR Supra)は残り3分37秒まで待機してピットアウト。#3千代勝正(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)も少し遅れてピットを離れた。
すでにタイムを出している#100山本はガレージに残って他のドライバーのアタックを見守った。
まずは#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)が1'46.529を記録。
続いて公式練習トップの#64大津弘樹(Modulo NSX-GT)が1'45.218でトップに立つ。
#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)は1'45.478でこの時点で2番手。
#38石浦宏明(ZENT GR Supra)は1'46.251で100号車に次ぐ4番手タイムを記録した。
そしてチェッカーフラッグが提示される直前に#19宮田莉朋(WedsSport ADVAN GR Supra)が1'45.036でトップに立つと、そこからはQ2進出を巡る激しい戦いが展開された。
最後の最後に#12佐々木大樹(カルソニックIMPUL GT-R)が1'45.698をたたき出して4番手に食い込み、Q2進出を果たす一方で、#17塚越は0秒275及ばず9位に終わる。このほか、ランキングトップの#14坪井翔(WAKO'S 4CR GR Supra)、同2位の#37キャシディ、前回優勝の#39中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)らがここでノックアウトされている。
再開後に走行しなかった#100 RAYBRIG NSX-GTは6位でQ2進出を果たした。
GT300クラスは今回もA、Bの二組に分かれてQ1を行い、A組では#96新田守男(K-tunes RC F GT3)が1'56.459でトップタイム。#30永井宏明(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)が2番手、#7荒聖治(Studie BMW M6)が3番手という結果に。前回優勝の#56リアライズ 日産自動車大学校GT-Rも藤波清斗が8番手でQ2進出を果たしている。
一方、ドライバーズランキングトップの#65蒲生尚弥(LEON PYRAMID AMG)は13番手に終わり、ここでノックアウトされてしまった。また公式練習でクラッシュした#244久保凜太郎/三宅淳詞組(たかのこの湯RC F GT3)はダメージの大きさから予選出走を取り止めている。
B組では#31嵯峨宏紀(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)が1'57.034でトップタイム。#360青木孝行(RUNUP RIVAUX GT-R)が2番手につけ、#52吉田広樹(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)が3番手でQ2進出を果たした。
一方、#25松井孝允(HOPPY Porsche)は10番手、#10星野一樹(TANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-R)は11番手で惜しくも敗退した。
予選Q2
GT500クラスの予選Q2は午後3時31分開始。ここでも各ドライバーともアウトラップに続いて1周のウォームアップ走行を行なってタイムアタックに取り掛かる。
まずは#12平峰一貴(カルソニックIMPUL GT-R)が1'49.932を計測2周目に記録。続いて#100牧野任祐(RAYBRIG NSX-GT)が1'45.907、そして#8 福住仁嶺(ARTA NSX-GT)が1'44.963と、唯一1分44秒台のタイムを記録してトップに躍り出た。
Q1トップの#64 Modulo NSX-GTは伊沢拓也がセクター1で8号車を上回るタイムを記録したが、最後のセクターをまとめきれずに1'45.054で2番手に終わった。
12号車の平峰は2周連続のタイムアタックを敢行して1'45.615までタイムを削り、4番手に入った。
通算24回のPPを誇る#38立川祐路(ZENT GR Supra)もセクター1で全体ベストを更新するも、最後のシケインで痛恨のオーバーラン。その結果1'46.664で7番手に終わった。
この結果、#8野尻智紀/福住仁嶺組(ARTA NSX-GT)が今季3度目のポールポジションを獲得。福住自身にとっては第5戦富士に続いて2戦連続のPP獲得となった。2番手は#64伊沢拓也/大津弘樹組(Modulo NSX-GT)、#19国本雄資/宮田莉朋組(WedsSport ADVAN GR Supra)が3番手だった。
GT300クラスは自らQ2出走を願い出たという#96阪口晴南(K-tunes RC F GT3)が1'55.838をたたき出し、今季初のポールポジションを獲得した。また100kgのウェイトハンデを課せられながら1'56.076を記録した#61山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)が2番手で続き、ダンロップタイヤユーザーがフロントローを独占するという結果になった。
第2戦と第5戦でポールポジションを獲得している#6小高一斗(ADVICS muta MC86)も1'56.156の好タイムを記録し、3番手につけている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2020FIA-F4選手権第4戦の決勝が10月24日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、#35平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)がポール・トゥ・フィニッシュで第2戦富士からの3連勝を達成した。
第4戦決勝は12時50分より11周で行われた。当日の天候は晴れ。やや肌寒さを感じさせる気候の中、ドライ路面での戦いとなった。
スタートでトップに立ったのは#35平良、予選3位の#7太田格之進(VEGAPLUS DOME F110)が2位に浮上し、予選2位の#14荒川麟(ZAP SPEEDスカラシップ)は順位を一つ落とすことに。
しかし1周めのシケインで#2仲尾恵史(TCS Racing Team)、#86大阪八郎(Dr. Dry F110)、#1886大坂、#18堀田誠(アドヴィクスムータレーシング)が絡むアクシデントが発生したため2周めからセーフティーカーが導入されることになった。
車両回収ののち、SCは4周終わりでピットイン。レースは5周目にリスタートとなる。
すると6周目の1コーナーで#14荒川が#7太田を抜き2位に浮上する。その後も太田はこの周のシケインで#36野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)、さらに7周目の1コーナーでは#62平木玲次(HELM MOTORSPORTS F110)にも捉えられて5位に後退してしまった。
その一方でトップの#35平良は8周終わって1.085リードを築くと、その後も後続に全く付け入る隙を与えずにフィニッシュ。第2戦富士からの連勝記録を3とした。
2位は#14荒川、3位は#36野中が獲得。トムススピリット勢が1-3という結果になった。
なお、インディペンデントカップは#3佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ)が今季初勝利を挙げている。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
2020オートバックス スーパーGT第6戦、「藤巻グループ 鈴鹿GT300kmレース」の公式練習が10月24日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、GT500クラスは#64伊沢拓也/大津弘樹組(Modulo NSX-GT)、GT300クラスは#61井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT)がトップタイムを記録した。
有観客開催となって2戦目となる第6戦鈴鹿。新型コロナウィルスの影響でF1日本グランプリや鈴鹿8時間耐久ロードレースなどが中止になったこともあり、東海地方のレースファンにとってはこれが今年初めてのビッグレースとなる。そうした背景もあってか、公式予選日の朝から多くの熱心なファンがスタンドに詰めかけた。
そうしたファンの熱い視線の中、公式練習は午前混走85分間と、専有走行各クラス10分間で行われた。天候は晴れ。コースはドライだ。
GT500クラスで序盤トップに立ったのは#12佐々木大樹/平峰一貴組(カルソニックIMPUL GT-R)。佐々木が開始16分で1'46.720を記録した。ここまで決勝レースでの不振が続き、ドライバーズランキング17位に甘んじている12号車だが、公式練習や予選では快速ぶりを見せており、上位陣のハンディキャップが最大値となる今大会こそは巻き返しを図りたいところだ。
続いて開始31分で#64伊沢拓也(Modulo NSX-GT)が1'45.986までタイムを縮めてトップに立った。
混走セッションは#244久保凜太郎(たかのこの湯RC F GT3)がシケインでクラッシュしたため、午前10時15分に赤旗中断となり、10時30分に残り15分で再開されたが、ここでは大きな順位変動はなく、公式練習はそのまま各クラスの専有走行に移行した。
GT500クラスは午前11時55分より専有走行が始まり、最初に#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)が1'45.545、続いて#19宮田莉朋(WedsSport ADVAN GR Supra)が1'45.462を記録して一旦はトップを奪ったが、すぐに#64大津弘樹(Modulo NSX-GT)が1'45.213を奪い返し、そのまま公式練習は終了した。
2番手は19号車、3番手には#8野尻智紀/福住仁嶺組(ARTA NSX-GT)が続き、#38立川祐路/石浦宏明組(ZENT GR Supra)が4番手と、公式練習はNSXとスープラが上位を分け合う結果となった。ニッサンGT-R勢最上位は#24高星明誠/ヤン・マーデンボロー組(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)の5位だ。
なお、第5戦終了時点でドライバーズランキングトップに浮上した#14大嶋和也/坪井翔組(WAKO'S 4CR GR Supra)は94kg(ウェイト44kg+燃料流量85.5kg/h)ものウェイトハンデが効いたか14位という結果に終わっている。
その一方でGT300クラスは上限一杯100kgのウェイトを搭載した#61BRZが1'57.299を記録、2番手の#30永井宏明/織戸学組(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)をわずか0.081秒上回ってトップタイムとなった。FIA-GT3勢最上位は#34道上龍/ジェイク・パーソンズ組(Modulo KENWOOD NSX GT3)の3位。今大会からルーキー大滝拓也が加入した#360青木孝行/大滝拓也組(RUNUP RIVAUX GT-R)も6位と好位置につけている。
なおクラッシュした244号車はダメージが大きかったため、午後の予選への出走を取りやめることとなった。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2020FIA-F4選手権第4戦、第5戦の公式予選が10月24日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、#35平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)が第4戦、第5戦ともポールポジションを獲得した。
10月3日にようやく開幕したFIA-F4の2020シーズン。第2大会が開催される鈴鹿サーキットには32台がエントリー。昨年までSRSコチラレーシングからエントリーしていた太田格之進と、SRS-F卒業生の小出峻らは今回からVEGAPLUSという新チームで参戦してきた。
公式予選は午前8時30分より30分間で行われた。この日の鈴鹿の天候は晴れ。コースはドライだ。今シーズンは全ての大会が3レース制となっているため、第1レースはベストタイム順、第2レースはセカンドベスト順、そして第3レースは第1レース中のベストラップタイム順でスタートすることになっている。
各ドライバー慎重にタイヤに熱を入れながら徐々にペースを上げていく中、最初に2分8秒台のタイムをマークしたのは第2戦、第3戦と連勝中の#35平良。2'08.072でトップに立つ。続いて今回から参戦の#7太田格之進(VEGAPLUS DOME F110)が2'08.446、2'08.238とタイムを縮めてくるが、#35平良は2'07.912を叩き出して太田を突き放す。
その直後、130Rでインディペンデントカップの#43吉田基良(ZAP SPEED F110)がクラッシュ。続いて#92浦田裕喜(AKILAND RACING)がS字コーナーでクルマをストップさせたため、予選は赤旗中断となってしまう。この時点での順位はトップが#35平良、2番手が#7太田。第1戦優勝の#62平木玲次(HELM MOTORSPORTS F110)が3番手だ。
予選は午前8時52分に残り時間8分で再開されたが、ここでも#35平良のタイムを上回る選手は現れず、ベストタイム、セカンドタイムともに平良がトップで予選を終了した。なお2番手には残り時間2分で2'08.229を記録した#14荒川麟(ZAP SPEEDスカラシップ)が浮上、#7太田は予選3番手、#62平木は4番手で第4戦に臨むこととなった。
また第5戦は#7太田が2番手、#62平木が3番手となった。
インディペンデントカップは第4戦が#96齋藤真紀雄(CS Marketing AKILAND)、第5戦は#2仲尾恵史(TCS Racing Team)がポールポジションとなっている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2020全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦の決勝が10月18日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、予選4番手からスタートした#1ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)がレース中盤にトップに立ち、今季初勝利をあげた。
(天候:曇り コース:ドライ)
スタート前のウォームアップ走行で#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)のコースアウトによる赤旗中断があったため、第3戦決勝は当初の予定より11分遅れて午後2時51分にフォーメーションラップを開始。53周の戦いが始まった。スタート時の気温は18℃、路面温度は22℃と予選時よりもやや下がってきた。
スタートでトップに立ったのは予選2番手の#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)。ポールの#50セルジオ・セッテ・カマラ(Buzz Racing SF19)が2位でつづき、#1キャシディが3位。予選3位の#4サッシャ・フェネストラズ(ORIENTALBIO KONDO SF19)は動き出しで出遅れて後続の#36中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)と1コーナーで絡んでしまい、1周目に予定外のピットイン強いられてそのままクルマを降りた。#36中嶋もフロントウィングを痛めて4周終わりでピットイン。ノーズ交換に手間取って大きく順位を落としてしまった。
トップの平川は#50セッテ・カマラに対して4周終わって1.617秒のリード。6周目にはその差を2.081秒、11周目には3.144秒とした。その後方では#5山本尚貴(DOCOMO DANDELION M5S SF19)が4周めの1コーナーでインから#1キャシディをかわして3位に浮上。徐々に#50セッテ・カマラとの差を縮めにかかる。
そして18周目。#5山本はペースの上がらない#50セッテ・カマラを1コーナー手前でアウトからオーバーテイク、2位に浮上した。さらに#1キャシディもこの周の馬の背手前で#50セッテ・カマラをアウトから抜き去って3位に。セッテ・カマラはたまらず19周目にピットインするが、リヤタイヤの交換に手間取って大きくタイムをロスしてしまったうえ、アウトラップの4コーナーで飛び出してしまった。このためトップが20周目に入ったところでセーフティーカーが導入されることになった。
まだタイヤ交換を終えていなかったドライバーたちはこの機を逃さず一斉にピットへ殺到。トップの#20平川も20周を終えてピットへ飛び込んだ。この時点での順位は1位が#20平川、2位は#5山本、3位#1キャシディ。以下#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)、#18国本雄資(KCMG Elyse SF19)、#3山下健太(ORIENTALBIO KONDO SF19)と続く。
セーフティーカーは27周目にピットイン。レースは28周目から再開された。
トップを守って1コーナーに飛び込んだ#20平川の後方では#1キャシディが#5山本を激しく追いあげ、28周終わりのホームストレートでアウトから抜き去って2位に浮上すると、30周目にも同じくストレートでアウトから#20平川を抜き去り、一気にトップに躍り出た。
2セット目に履いたタイヤがレース後半のコンディションにマッチしたのか、#1キャシディはその後も2位以下に全く付け入る隙を与えず、着実にリードを広げて53周を走破。今季初勝利をものにした。
2位は#20平川、3位には#5山本が入った。
全日本スーパーフォーミュラ選手権、次戦の舞台は九州のオートポリス。11月15日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Hiroyuki MINAMI
2020全日本スーパーフォーミュラライツ選手権第8戦の決勝が10月18日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、ポールポジションからスタートした#36宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)が今季通算6勝目を挙げた。
第8戦決勝は12時35分より19周で行われた。天候は晴れ。コースはドライだ。
スタートでトップに立ったのはポールポジションの#36宮田。2位に#50阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX)、3位#37小高一斗(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)、4位に#35河野駿佑(RS FINE K&N 320)と続く。
トップの#36宮田は#50阪口を徐々に引き離し、5周終了時点で1.689秒までリードを広げる。阪口も6周目からペースを上げて差を詰めようとするが、宮田は阪口に全く付け入る隙を与えずに19周を走り切り、第6戦に続いて今週末2勝目。今季通算6勝目を挙げた。2位は#50阪口、3位には#37小高が入った。
第6戦決勝で電気系のトラブルに見舞われたために最後尾スタートとなった、#2名取鉄平(TODA FIGHTEX )は1周めで一気に6位にジャンプアップ、2周目の馬の背で#30DRAGONをアウトからかわして5位に浮上したが、河野のテールを捉えるには至らず、そのまま5位でレースを終えている。
マスタークラスは#30DRAGON(TEAM DRAGON SFL )が優勝。第5戦岡山から4連勝、今季通算6勝目を挙げている。
次戦の舞台は九州ののオートポリス。11月14-15日に第9、10、11戦を行う。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
- 第3戦ポールポジション #50セルジオ・セッテ・カマラ(Buzz Racing with B-Max)
- 全てのファンとチームに感謝します。初めての日本、初めてのSUGOでのレースでパーフェクトなスタートが切れました。チームが素晴らしいクルマを用意してくれたおかげです。最終コーナーはチームを信じて思いっきりアクセルを踏みました。
レースはトリッキーなものになるだろうし、日本で初めてのレースは簡単じゃないと思います。
僕にとっても驚きの結果でした。第1戦、第2戦と参戦できなかったし、テストできたのも富士だけで、そこにはモトパークのスタッフが参加できない状況でしたから。チームには本当に感謝しています。
Q1に出走したときは調子が良くないな、と不安を感じていましたが、赤旗中断があったおかげで仕切り直すことができました。将来振り返ったときに特別な一日だったなと思えるのではないでしょうか。
- 第3戦予選2位 #20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
- ポールは取りたかったですけど、あまり深くは考えていません。フロントローならあ前に出るチャンスはありますから。午後は速く走れると思うので、自信を持って臨みます。
コンディションは思ったより良くなかったです。昨日の午後のフリー走行の方が良かったくらいです。日が照っていた影響でしょうか。
- 第3戦予選3位 #4サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
- レース後にもここにいたいものですね。前回は残念でした。ドライで走るチャンスが少なかったので、このクルマで走るのも初めてですし、不安が少しありました。僕らのチームはレースウィーク中の滑り出しがいつも良くないのですが、今回の予選はうまくいきました。今回こそは良いスタートを切って良いレースをしたいですね。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO