2020全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦の決勝が10月18日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、予選4番手からスタートした#1ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)がレース中盤にトップに立ち、今季初勝利をあげた。
(天候:曇り コース:ドライ)
スタート前のウォームアップ走行で#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)のコースアウトによる赤旗中断があったため、第3戦決勝は当初の予定より11分遅れて午後2時51分にフォーメーションラップを開始。53周の戦いが始まった。スタート時の気温は18℃、路面温度は22℃と予選時よりもやや下がってきた。
スタートでトップに立ったのは予選2番手の#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)。ポールの#50セルジオ・セッテ・カマラ(Buzz Racing SF19)が2位でつづき、#1キャシディが3位。予選3位の#4サッシャ・フェネストラズ(ORIENTALBIO KONDO SF19)は動き出しで出遅れて後続の#36中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)と1コーナーで絡んでしまい、1周目に予定外のピットイン強いられてそのままクルマを降りた。#36中嶋もフロントウィングを痛めて4周終わりでピットイン。ノーズ交換に手間取って大きく順位を落としてしまった。
トップの平川は#50セッテ・カマラに対して4周終わって1.617秒のリード。6周目にはその差を2.081秒、11周目には3.144秒とした。その後方では#5山本尚貴(DOCOMO DANDELION M5S SF19)が4周めの1コーナーでインから#1キャシディをかわして3位に浮上。徐々に#50セッテ・カマラとの差を縮めにかかる。
そして18周目。#5山本はペースの上がらない#50セッテ・カマラを1コーナー手前でアウトからオーバーテイク、2位に浮上した。さらに#1キャシディもこの周の馬の背手前で#50セッテ・カマラをアウトから抜き去って3位に。セッテ・カマラはたまらず19周目にピットインするが、リヤタイヤの交換に手間取って大きくタイムをロスしてしまったうえ、アウトラップの4コーナーで飛び出してしまった。このためトップが20周目に入ったところでセーフティーカーが導入されることになった。
まだタイヤ交換を終えていなかったドライバーたちはこの機を逃さず一斉にピットへ殺到。トップの#20平川も20周を終えてピットへ飛び込んだ。この時点での順位は1位が#20平川、2位は#5山本、3位#1キャシディ。以下#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)、#18国本雄資(KCMG Elyse SF19)、#3山下健太(ORIENTALBIO KONDO SF19)と続く。
セーフティーカーは27周目にピットイン。レースは28周目から再開された。
トップを守って1コーナーに飛び込んだ#20平川の後方では#1キャシディが#5山本を激しく追いあげ、28周終わりのホームストレートでアウトから抜き去って2位に浮上すると、30周目にも同じくストレートでアウトから#20平川を抜き去り、一気にトップに躍り出た。
2セット目に履いたタイヤがレース後半のコンディションにマッチしたのか、#1キャシディはその後も2位以下に全く付け入る隙を与えず、着実にリードを広げて53周を走破。今季初勝利をものにした。
2位は#20平川、3位には#5山本が入った。
全日本スーパーフォーミュラ選手権、次戦の舞台は九州のオートポリス。11月15日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIROPhoto: Motorsports Forum
Hiroyuki MINAMI