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2020年10月

SUPER FORMULA

SF:第3戦SUGO公式予選 #50セッテ・カマラが来日初戦でいきなりのPP獲得!!

2020全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦の公式予選が10月18日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、今大会から参戦した#50セルジオ・セッテ・カマラ(Buzz Racing SF19)がいきなりポールポジションを獲得。ファンや関係者を大いに驚かせた。

公式予選は午前10時20分よりノックアウト方式で行われた。天候は晴れ、路面はドライだ。予選開始時の気温は16℃、路面温度は22℃で、路面温度はハーフウェットで走行した昨日のフリー走行より10℃近く上昇している。

ポールポジションはセルジオ・セッテ・カマラ(Buzz Racing SF19) 予選2位は平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19) 予選3位はサッシャ・フェネストラズ(ORIENTALBIO KONDO SF19)

予選Q1

Q1は今回もA組、B組に分かれて走行を行った。

A組は#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)、#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)、#4サッシャ・フェネストラズ(ORIENTALBIO KONDO SF19)、#1ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)、#5山本尚貴(DOCOMO DANDELION M5S SF19)、#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)、#7小林可夢偉(KCMG Elyse SF19)、#64牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)、#12塚越広大(ThreeBond Drago CORSE SF19)の9名が出走。

まずは#12塚越が3周目に1'07.898を記録。4周目には1'05.504とタイムを更新してきた。

この間他のドライバーは慎重にタイヤに熱を入れながら走っていたが、残り時間が3分を切ったところから一斉にアタックを開始した。

まず#19関口が1'05.540で2位に浮上すると、その直後に#16野尻が1'05.039と塚越を上回ってきた。

さらにその直後、#1キャシディが1'04.613でトップに浮上し、#39坪井が1'04.859で2位に続く。#16野尻も1'04.956とタイムを更新して3位。#5山本は1'05.063で4位につけた。

以下#4フェネストラズ、#19関口、#64牧野の7名がQ2進出を果たし、#12塚越と#7小林がここでノックアウトされた。

B組は#36中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)、#3山下健太(ORIENTALBIO KONDO SF19)、#6福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)、#18国本雄資(KCMG Elyse SF19)、#14大嶋和也(ROOKIE Racing PONOS SF19)、#15笹原右京(TEAM MUGEN SF19)、#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)、#38石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)、#65大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)、そして新型コロナウィルスの影響で参戦の遅れていた#50セルジオ・セッテ・カマラの10名が出走。午前10時40分より10分間の走行を行なった。

最初にコースインしたのは#50セッテ・カマラ。まずはユーズドタイヤでピットアウトしてそのままピットへ。改めてニュータイヤに履き替えて再び走り出す。

他のドライバーは残り時間が7分を切ったあたりで続々とコースイン、アウトラップ、ウォームアップラップに続いてタイムアタックに突入する。

まずは#65大湯が1'04.908を記録すると、#20平川が1'04.364とそれを上回る。さらに#36中嶋も1'04.591で2位に。#15笹原も1'04.868で3位に上がってきた。

ところが残り時間20秒で#65大湯がSPアウトコーナーを飛び出し、前からバリアに突っ込んでしまったために赤旗中断となってしまった。

この時点で大湯は4番手につけていたが、赤旗の原因を作ったことでタイム抹消となってしまい、Q2出走の権利を失ってしまう。クルマのダメージを考えると決勝への出走も危ぶまれる状況だ。

65号車の回収とコースの修復ののち、B組の予選Q1は午前11時04分より再開された。規定により残り時間3分だ。

コースオープンと同時に#35中嶋と#3山下、そしてクラッシュした#65大湯を除く7台が一斉にコースイン、最後のアタックに取り掛かる。中断の間に気温は20℃、路面温度は25℃まで上昇。更なるタイムアップが望めそうなコンディションとなってはいたものの、ここでタイムを更新するドライバーはおらず、中断前の順位のままQ1は終了した。

ここでノックアウトされたのは#6福住、#14大嶋、そして#65大湯の3名だ。#50セッテ・カマラはタイム上は8位だったが、大湯のタイム抹消を受けて繰り上げでQ2進出を果たした。

予選Q2

B組の走行で赤旗中断があった影響で、Q2は当初予定より17分遅れて午前11時17分に走行開始。7分間の走行で上位8台がQ3出走の権利を得る。

ここでも入念なウォームアップ走行ののち、残り時間が3分を切ったところでタイムアタック合戦が始まった。

ところがハイポイントコーナーの立ち上がりで19関口がオーバーラン。ここが黄旗区間となってしまった。残り時間は1分を切っている。

まずは#5山本が1'04.988を記録。続いて#64牧野が1'05.209、#20平川は1'06.843、そして#15笹原が1'04.678、#4フェネストラズ1'04.621、#50セッテ・カマラも1'04.631を叩き出した。

この大接戦を制したのは#16野尻。1'04.565でトップタイムを記録した。2位は1'04.611を記録した#20平川。3位#4フェネストラズ、4位に#50カマラが続き、以下#15笹原、#1キャシディ、#36中嶋、そして#3山下がQ3進出を果たした。

オーバーランを喫した#19関口は9位。タイムは1'04.975で8位の山下にわずか0.091秒及ばなかった。昨年1'03.953のコースレコードを記録した山本も10位でまさかのQ2落ち。前回優勝の#39坪井も13位で予選を終えている。

ポールポジションを獲得したセルジオ・セッテ・カマラ(Buzz Racing with B-Max) ポールポジションを獲得したセルジオ・セッテ・カマラとBuzz Racing with B-Max

予選Q3

上位8台でポールポジションを争うQ3は午前11時34分より7分間で行われた。

まずは#16野尻が1'04.424、続いて#4フェネストラズが1'04.235を記録。

3連続ポールの期待がかかる#20平川は他のドライバーたちより少し遅れて残り時間5分でコースイン。1'04.288でトップに躍り出た。残り時間はあとわずかだ。

しかしその直後、なんと#50セッテ・カマラが1'04.235を叩き出し、来日初戦でいきなりポールポジションをもぎ取ってみせた。FIA-F2で何度も好成績を残しているとはいえ、スーパーフォーミュラでは充分なテストもできていない、まさにぶっつけ本番での快挙だ。

この結果#20平川は0.053秒遅れの2位となってしまい、連続ポールポジション記録は2で途絶えた。3位には#4フェネストラズ、#1キャシディが4位につけた。

第3戦決勝は今日の午後1時55分より53周で行われる。果たして#50カマラのデビューウィンはあるのか、要注目だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Hiroyuki MINAMI

SUPER FORMULA LIGHTS

SFL:第7戦SUGO決勝会見 「今日はドライコンディションでガチンコの勝負ができると思いました」(阪口晴南)

第7戦優勝 #50阪口晴南(B-MAX RACING TEAM)
決勝記者会見: 優勝した阪口晴南(B-MAX RACING TEAM) ポールからのスタートで昨日はすごく悔しい思いをしましたが、今日はドライコンディションでガチンコの勝負ができると思いました。宮田選手のスタートが良くて1コーナーで並ばれましたが、宮田選手はクリーンだったので、自分がトップで1コーナーを抜けられました。今日の結果には満足しています。SUGOはポールと2番手の有利さがあまり変わらないと思うので、2番手でもチャンスはあると思いますし、前に出たら絶対抜かれない自信があります。第8戦もスタートで前に出て、ファステストラップも取って帰りたいと思います。今回のレースは序盤、中盤と良かったのですが、後半はまだ詰めれる部分があると思うので。あと何をすれば良いかチームと話し合って第8戦に臨みたいです。
第7戦決勝2位 #36宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TEAM TOM'S)
決勝記者会見: 2位の宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TEAM TOM\'S) スタートにかけて臨んだんですけど、縁石に乗ってジャンプしてしまいました。あのまま引かなければぶつかっていたと思います。序盤はペースが良かったんですが、(阪口選手に)追いつくとダウンフォースが抜けてしまって思うように走れませんでした。後半は僅差のタイムで周回を重ねていましたが全然余裕はありませんでした。(トップから)離れてからは走りやすくなったんですが、ファステストを狙える状況ではありませんでした。第8戦はファステストと優勝を狙わないといけないと思っています。
第7戦決勝3位 #2名取鉄平(TODA RACING)
決勝記者会見: 3位の名取鉄平(TODA RACING) 岡山大会からスタートに改善点が見つかって、今回それを試したらすごく良かったです。SUGOに来てからトラブル続きで昨日の決勝も走れなかったので、ここで表彰台に上がれたことで最低限戦えるベースができたのかなと思います。クルマは全然問題なく直っています。チームに方々には感謝していますし、第8戦ではその頑張りに応えたいと思います。SUGO自体がレースをするのが2回目なので不安もありましたが、ここまでにいろんなことが学べたので、それを生かして第8戦でも良い結果を残したいと思います。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER FORMULA LIGHTS

SFL:第7戦SUGO決勝 #50阪口がポール・トゥ・フィニッシュで今季2勝目を獲得

全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦の決勝が10月18日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、#50阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX)がポール・トゥ・フィニッシュで今季2勝目を挙げた。

19周の決勝がスタートした 阪口晴南がスタートでトップに立つ スタート直後、マスタークラスの争い 阪口晴南と宮田莉朋のトップ争い 名取鉄平と河野駿佑の3位争い 優勝は阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX) 決勝2位は宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TOM\'S 320) 決勝3位は名取鉄平(TODA FIGHTEX ) マスタークラス優勝はDRAGON(TEAM DRAGON SFL ) 優勝した阪口晴南(B-MAX RACING TEAM) 表彰式 マスタークラスの表彰式

第7戦決勝は午前9時より19周で行われた。公式予選はウェット路面での走行となったが、この日の天候は晴れ。路面はドライ。気温は13℃という絶好のコンディションとなった。

スタートでトップに立ったのはポールポジションの#50阪口。予選2番手の#36宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)が2位で続き、予選4番手の#2名取鉄平(TODA FIGHTEX )が3位に浮上した。

2周めの1コーナーでは#37小高一斗(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)がアウトから#2名取に並びかけて3位に浮上するが、すかさず名取もレインボーコーナーで抜き返す。小高はバックストレートで再び名取をアウトから抜き返しに行くが、馬の背の立ち上がりで惜しくもオーバーラン、#35河野駿佑(RS FINE K&N 320)の先行を許してしまった。

こうして名取、河野、小高が激しい接近戦を展開する中、トップの#50阪口は#36宮田を従えてハイペースで周回を重ねていく。阪口は5周目にファステストラップを記録して宮田との差を1.335秒とやや広げると、6周め、7周目と立て続けにタイムを更新、8周終了時点で1.873秒、10周終了時点で2.924秒と着実にリードを築き上げていった。

15周を過ぎると#36宮田が徐々に間隔を詰めてくるが、阪口は最後まで付け入る隙を与えず、第5戦岡山に続いて今季2勝目をものにした。

2位は#36宮田。#35河野の追撃を退けた#2名取が3位で表彰台を獲得した。

マスタークラスは#30DRAGON(TEAM DRAGON SFL )が昨日に続いて2連勝を飾っている。

第8戦決勝は今日の12時35分より19周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER FORMULA LIGHTS

SFL:第6戦決勝会見 「決勝はスタートしかないと思っていたので、自分のできることは全部準備してスタートしました」(宮田莉朋)

優勝した宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TEAM TOM\'S) 予選で大失敗というか、雨の中では全然いいところがありませんでした。過去4年間で全然成長できていなくて、(阪口選手に)タイム差をつけられてしまいましたが、不幸中の幸いで2番手で終えることができました。決勝はスタートしかないと思っていたので、自分のできることは全部準備してスタートしました。前回は阪口選手にスタートで抜かれてしまいましたが、今回は阪口選手を抜いてトップに立つことができて嬉しかったです。第7戦でも(阪口選手に)ポールをとられてしまって2番手からのスタートですが、スタートに集中していきたいと思います。明日も自分のできることを最大限やってポイントを重ねていきたいです。
第6戦決勝2位 #50阪口晴南(B-MAX RACING TEAM)
決勝2位の阪口晴南(B-MAX RACING TEAM) 全日本F3からスーパーフォーミュラライツに変わって初めてポールポジションが取れました。もちろん勝つつもりでしたし、明日の第8戦をポールからスタートするためにも勝たなければいけないレースでした。でもスタートではアウト側が不利なんじゃないかという路面で、案の定ホイールスピンをさせてしまって(宮田選手の)先行を許してしまいました。中盤は小高選手を抑える展開になりました。中盤以降は離すことができましたが、序盤のペースが良くないことが今後に向けての課題です。
第6戦決勝3位 #37小高一斗(COROLLA CHUKYO Kuo TEAM TOM'S)
決勝3位の小高一斗(COROLLA CHUKYO Kuo TEAM TOM\'S) 僕もスタートでホイールスピンさせてしまって、河野選手に並ばれてしまいました。河野選手が紳士的にレースしてくれたので僕がこの位置にいられると思います。阪口選手を追い上げる展開になりましたが、仕留めることができず、後半は離されてしまいました。木金とテストしてきて良いところ悪いところがわかってきたので、良いところを明日のレースに生かせればと思います。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER FORMULA LIGHTS

SFL:第6戦SUGO決勝 #36宮田が独走で今季5勝目を挙げる

全日本スーパーフォーミュラライツ選手権第6戦の決勝が10月17日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、#36宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)が今季5勝目を挙げた。

決勝レースがスタートした 優勝は宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TOM\'S 320) 決勝2位は阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX) 決勝3位は小高一斗(COROLLA CHUKYO Kuo TOM\'S 320) マスタークラス優勝はDRAGON(TEAM DRAGON SFL ) 優勝した宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TEAM TOM\'S) 表彰式 マスタークラスの表彰式

第6戦決勝は午後3時20分にフォーメーション開始。25周で行われた。天候は曇り。路面はハーフウェット。ウェットタイヤでの走行となった予選とは異なり、全車スリックタイヤを装着しての戦いとなった。

予選2番手の#36宮田はスタートでポールの#50阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX)を退けてトップに浮上すると、そこから一気に後続を突き放しにかかり、1周めで1.802秒、2周目には2.971秒と着実にリードを築き上げていく。5周を終えた時点で2位#50阪口との差は5.260秒。10周を終えると7.287秒にまで広がった。

1分12秒台のハイペースで周回を重ねる#36宮田に対して#50阪口はペースが上がらず1分13秒台での走行となり、一時は3位#37小高の追撃を受けることになるが、15周を過ぎると徐々にその差を広げて行った。

しかしその後もトップの宮田は15周終了時点で8.783秒、20周終了時点では9.050秒と着実にリードを広げて25周を走り切り、今季5勝目を挙げた。2位は#50阪口、#37小高が3位となった。

なお今大会を前にエンジンを載せ替えた#2名取鉄平(TODA FIGHTEX )は5グリッド降格となり9番手からスタート、7位でコントロールラインに戻ってきたがコースインの時から電気系のトラブルに悩まされており、2周目で早々とピットイン、そのままガレージに直行することになった。

名取は終盤コースに復帰したものの、すでに完走扱いとなるには周回数が不足しており、明日に向けてクルマのチェックを行うに留まった。

マスタークラスは#30DRAGONが優勝。総合でも5位入賞を果たしている。

第7戦決勝は明日18日の午前9時より19周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER FORMULA

SF:第3戦SUGOフリー走行 トヨタエンジン勢がトップ3を独占 トップタイムは#20平川

全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦のフリー走行が10月17日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、開幕戦優勝の#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)がトップタイムだった。

フリー走行: トップタイムは平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19) フリー走行: 2位は小林可夢偉(KCMG Elyse SF19) フリー走行: 3位はニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19) フリー走行: 本邦初登場のセルジオ・セッテ・カマラ(Buzz Racing with B-Max) フリー走行: ピンチヒッターの笹原右京(TEAM MUGEN) フリー走行: ピンチヒッターの塚越広大(ThreeBond Drago CORSE)

フリー走行は午後1時40分より60分間の予定で行われたが、開始からわずか7分で赤旗中断となる。コース上に車載カメラのカバーが落下したためだ。

この日は朝から雨が降っていたが、午後の専有走行が始まる頃には天候が回復。このためコースオープンの時点では多くのドライバーがウェットタイヤ を装着していたが、走行が午後1時51分に再開されると、相次いでスリックタイヤを投入することになった。

赤旗中断の時点でのベストタイムは#3山下健太(ORIENTALBIO KONDO SF19)の1'11.650だったが、午後1時51分に走行が再開されてすぐに#36中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)がスリックタイヤで1'06.972を記録してトップに浮上した。#3山下もその直後に1'06.384を記録、中嶋を上回って再びトップに浮上する。
さらに山下は1'06.019までタイムを縮めるが、#4サッシャ・フェネストラズ(ORIENTALBIO KONDO SF19)が8周めに1'05.971を記録してトップに。続いて#7小林可夢偉(KCMG Elyse SF19)も1'05.999で2位に浮上してきた。

そして走行開始から25分が経過したところで#5山本尚貴(DOCOMO DANDELION M5S SF19)が1'05.552でトップに。路面コンディションが良くなるにつれてラップタイムはどんどん上がっていった。

しかし開始から30分が経過したところで#18国本雄資(KCMG Elyse SF19)が馬の背とSPコーナーの間でクラッシュしたため2度目の赤旗中断となった。

国本はガードレールに前から突っ込み、フロント部分に大きなダメージを負ったが、国本は自力で脱出、大事には至っていない模様。なお、このアクシデントの直前に前回優勝の#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)が1'05.966を記録して2位に浮上している。

走行は午後2時25分に再開。残り時間は15分。ここからは各ドライバーが相次いでベストタイムを更新する緊迫した展開となった。

まず残り時間が11分を切ったところで#64牧野が1'05.785で2位に。続いて#1ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)が1'05.140でトップに躍り出た。

さらに残り時間が10分を切ったところで#20平川亮が1'05.179で2位に食い込む。

そして残り時間8分30秒で#7小林が1'04.852と初めて1分5秒の壁を破り、続いて#20平川が1'04.745でトップに立った。

そして残り時間が7分を切ると各ドライバーが相次いでニュータイヤを投入、明日の予選に向けて最後のアタックに飛び出して行ったが、4コーナーで#50セルジオ・セッテ・カマラ(Buzz Racing SF19)がスピン、そのままランオフエリアでストップしたため、残り時間5分で3度目の赤旗が提示され、これをもってフリー走行は終了となった。

これによりトップタイムは#20平川。#7小林が2位につけ、#1キャシディが3位と上位をトヨタエンジン勢が独占。ホンダエンジンのトップは#5山本の5位だった。

スーパーフォーミュラ第3戦の公式予選は明日の朝10時20分よりノックアウト方式で行われる。フリー走行2回目で殆どのドライバーがニュータイヤでのアタックをしていないため、全く先の読めない状況だ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Hiroyuki MINAMI

SUPER FORMULA

SF:第3戦SUGO JRPサタデーミーティング 「F1撤退の影響はないものと伺っております」(倉下社長)

全日本スーパーフォーミュラ選手権を運営する日本レースプロモーション(JRP)は10月17日、第3戦の行われているスポーツランドSUGOにて恒例のサタデーミーティングを開催した。

今回のサタデーミーティングは新型コロナウィルス対策としてZOOMを用いたリモート形式で行われ、倉下明JRP社長と上野禎久JRP取締役が出席、今後のイベント開催の方向性や将来に向けての展望を語った。

ー 今シーズンのこれまでを振り返って

(上野取締役)
今シーズンのスーパーフォーミュラは、8月の第1回大会からお客様をお招きして開催するいうことで、様々な感染対策を講じてやってきました。

具体的には主に関係者エリアとお客様のエリアが混在しないように区別してクラスタの発生を防いできました。もし感染者が出ても地元公共団体と協力してクラスタを防ぐよう取り組んでおり、これまでのところ感染者は出ておりません。

SUGO大会についても同様のガイドラインに則って進めており、今後一年間は同様の対策をとっていきます。

ただ社会情勢としてはイベントに対する規制を緩和する傾向にあるので、我々も状況をしっかり見据えて進めていきたいと考えております。

ー 来季のスケジュールについて

(倉下社長)
来季のスケジュールにつきましては、JAFのモータースポーツ審議会で今まさに暫定カレンダーの審議中でありまして、まもなく発表される見込みです。

WRCやWECとの重複が予想されておりますが、FIAのカレンダーが年末に出るはずなので、最終的にはそれを踏まえたものになります。すでにバッティングが明らかなものは調整を始めていますが、まだ明らかにできることはありません。

- スーパーフォーミュラ としてイベント開催の要項を変更する予定は

観客数など具体的なプランはありませんが、お客様の入れるエリアは広げていこうと考えております。オートポリス大会ではピットビルの一部を解放し、ピット正面からレースをみていただけるようにしていく予定です。

ー ホンダのF1撤退について倉下社長はどう受け止めておられるのか。またカーボンフリーなど、将来の生き残りについてはどう考えておられるのか。

(倉下社長)
ホンダのF1撤退には驚きました。私もホンダさんとこの件で会話していますが、2050年のカーボンニュートラルに向けてF1のリソースを振り向けるということであって、スーパーフォーミュラなどへの影響はないと伺っています。

将来に向けての話は私がここへきてからの積年の課題ですが、現行のSF19が健在なうちは今のスタイルに近い形で維持していくだろうと思います。それ以降についてはいろんな議論があり、5年先あるいはもう少し大きなビジョンを見据えよう、ということになっています。その中では今の内燃機関のエンジンを続けていくのかということも含めて議論しています。しかし今はまさに検討中でありまして、具体的に発表できるものはありません。

ー 今後のイベント開催について。ヨーロッパで感染拡大が広がっており、ロックダウンには至らないものの外出禁止などの方向に進んでいる。日本でも今後感染拡大の方向に状況が変われば臨機応変に対応するのか

(上野取締役)
社会情勢というのはもちろんプラスの方向だけでなく、感染の拡大というマイナスの方向も含めて想定しているところです。

まとめ: Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:第5戦富士優勝会見 「終盤『No Fuel』のインフォメーションが出て焦りました」(中山雄一)

GT500クラス優勝 #39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra

ヘイキ・コバライネン

僕が優勝したのは昨年のオートポリス以来で、本当に久々の優勝だったから、今日優勝できてとても嬉しいです。今シーズンは新型コロナウイルスの影響で世界中が大変な状況になっていますが、僕自身も開幕から2レースをパスすることになり、第3戦の鈴鹿からの参戦になりました。シーズン前半、僕たちは好調なスープラ勢の中では苦戦していましたが、チームの皆ががんばってクルマを速くしてくれました。

僕のレースではハード目のタイヤでスタートしたのですが、タイヤを上手く温めるのが大変でした。ですが温めたらペースもよくなり上位陣に近いところで中山選手に繋ぐことができました。ピットワークが速かったことに加えて、ピットインのタイミングもベストでしたね。

今、世界中が新型コロナで苦しんでいます。しばらくは一緒に生きて行かなければならないと思います。そんな中、スーパーGTでは、最初は無観客で、この第5戦からは制限付きでお客さんを迎え入れるというステップ・バイ・ステップでレースを盛り上げようとしています。今大会は今年初めてファンの前で走ることができ、とても嬉しかった。今後も多くのファンが見ている前でパフォーマンスを見せることができたらいいですね。この優勝でチャンピオンシップの争いに残ることができたと思うので、次戦の鈴鹿でも多くのファンの目の前でがんばりたいと思います。

中山雄一

ルーティンのピットインはARTAと同じタイミングで入ったのですが、僕たちのチームの作業が早く、ピットインのタイミングで抜くことができました。タイヤを温めるのは大変でしたが、僕以上にARTAも大変そうでしたね。僕のスティントは40周と長くて、燃費もきつそうで、トップに立ってから燃費走行で走ったラップもありました。そうしたら燃費は大丈夫だろうとピットから連絡があり、あとはドライビングを楽しめるかと期待したのですが。

でも終盤に10秒ほどマージンを築いたところでパネルに『No Fuel』のインフォメーションが出て焦ってしまいました。残り2周だったからそわそわしながら走っていたんですが、最終ラップの最終コーナーでガス欠症状が出てしまいました。そこからコントロールラインまで、GT300のクルマも抜けないくらいゆっくりとしたペースでチェッカーを受けました。本当ならライトをパッシングしたかったのですが、とてもそんな余裕はなかったですね。クーリングラップはできましたが、レーシングスピードではもう1周も走れなかったと思います。

今日はお客さんの前で優勝することができ、本当に気持ちよかったです。前戦のもてぎではミーティングで『そろそろ結果を出さないとチャンピオン争いは厳しくなる』と話したのに結果が出せませんでしたが、今回勝ったことでトップとは8ポイント差。チームのモチベーションもさらに上がり、次の鈴鹿がとても楽しみになりました。

GT300クラス優勝 #56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R

藤波清斗

今シーズン初めて観客を迎え入れての大会となり、ワクワクしながらモチベーションの高い状態でサーキット入りしました。僕らは、ここまで何度も上位に食い込んではいましたが、優勝はおろか表彰台にも届かず、とても悔しい思いをしてきました。そこでチームではミーティングを重ねて、今回を仕切り直しの1戦と思って走りました。

スタートしたらすぐにセーフティカーが入ったのですが、リスタートしてすぐには上手くタイヤを温めることができず、数周はポジションキープ。温まったところでプッシュしました。上手くJPさんに繋ぐことができてよかったです。

このレースのようにお客さんが見ている前だと、本当にモチベーションが上がりますね。この優勝でランキングも上がったと思いますが、今回はあくまでも仕切り直し。これで満足することなく、チームと一緒になってがんばり、チャンピオンを目指したいと思います。

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ

優勝ができて、とても嬉しいです。前半では清斗さんのペースが良くて上位のクルマがどんどん近づいてきてトップに立ってから交代することになりました。でもピットアウトしたらトップのクルマとは約15秒も差がついていました。ピットタイムを短縮するためにタイヤ無交換の作戦だったようですが、僕らのクルマはタイヤ4本を交換していたので、安心してプッシュし続けました。

このレースは、ヨコハマさんが今日のコンディションに合わせた素晴らしいタイヤを用意してくれていて、トップに立った後も大きなギャップを保って走り続けることができました。

今大会では、今シーズン初めてファンの前で走ることができました。本当にファンの皆さんがいてこそのスーパーGTだと、改めて思いました。僕もファンの周りに漂っているエネルギーをもらって、良いレースができたように思います。実は自分にとって、GT300ではこれが初優勝なんです。なかなか優勝できなくて、今日やっと優勝できたので、GT500で優勝した時よりも、とても印象深いです。これからもがんばって素晴らしいレースを続けたいですね。

SUPER GT

SGT:第5戦富士決勝 波乱の高速バトルを制したのは#39デンソーサードスープラ!!

2020オートバックス スーパーGT第5戦「たかのこのホテル富士GT300kmレース」の決勝が10月4日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは#39ヘイッキ・コバライネン/中山雄一組(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)、GT300クラスは#56藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)が優勝した。

(天候:晴れ コース:ドライ)

GT500クラス優勝はヘイッキ・コバライネン/中山雄一組(DENSO KOBELCO SARD GR Supra) GT500クラス決勝2位は大嶋和也/坪井翔組(WAKO\'S 4CR GR Supra) GT500クラス決勝3位は野尻智紀/福住仁嶺組(ARTA NSX-GT) GT300クラス優勝は藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(リアライズ 日産自動車大学校GT-R) GT300クラス決勝2位は高木真一/大湯都史樹組(ARTA NSX GT3) GT300クラス決勝3位は蒲生尚弥/菅波冬悟組(LEON PYRAMID AMG) GT500クラスで優勝したヘイッキ・コバライネン/中山雄一組( TGR TEAM SARD) GT500クラスの表彰式 GT300クラスで優勝した藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(KONDO RACING) GT300クラスの表彰式

第5戦決勝は午後1時30分より66周で行われた。

スタート直後の1コーナーでは#12佐々木大樹(カルソニックIMPUL GT-R)がアウトから#8福住仁嶺(ARTA NSX-GT)に並びかけたが、#8福住はトップを死守。アウトに膨らんだ12号車は5位に後退してしまった。しかしこの周のダンロップコーナーで#24高星明誠(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)がアウトから#8福住をパスしてトップに立った。

しかしその後方では、1コーナーでスピンした#16武藤英紀(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)を避けきれずに#3千代勝正(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)が軽く接触。この影響で2コーナー立ち上がりで3号車のフロントカウル外れて宙を舞い、コース上に大量のデブリを撒き散らしてしまうアクシデントが発生していた。3号車は100Rのアウト側にウォールに接触してストップ。エンジンルームから出火したが、すぐにコースマーシャルによって消火されている。千代はここでクルマを降り、平手晃平のスーパーGT参戦100戦目は1周も決勝を走ることなく終わることになった。

これにより2周目からセーフティーカーが導入されることになり、車両とデブリの回収ののち、レースは5周めから再開となった。

トップの#24高星はここから後続を引き離すことができず、10周を終える頃にはトップ3がテール・トゥ・ノーズの状態となる。2位は#8福住、3位には6周目のホームストレートで#23クインタレッリを抜いて3位に順位を挽回した#12佐々木が続く。

レースが動いたのは13周目。#24高星が周回遅れに詰まったのを#8福住は見逃さず、1コーナーでアウトから#24高星を抜き去ってトップを奪還すると、その後は徐々に差を広げにかかった。

そして16周目に入ったところで12号車に対してドライビングスルーペナルティの裁定が下る。#12佐々木は1周目の13コーナーで#19国本雄資(WedsSport ADVAN GR Supra)を抜いて4位に浮上していたが、その時すでにポストからはSCボードが提示されていたのだ。これで#12カルソニックIMPUL GT-Rは一気にクラス最後尾に後退してしまった。

代わって3位に繰り上がったのは#39ヘイッキ・コバライネン(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)だった。コバライネンは予選5番手からスタートで一つ順位を落としたものの、11周目に#19国本を捉えて5位、14周目には#23クインタレッリをも抜き去って4位に浮上していたのだ。

さらに24号車が25周目にピットインしたことで39号車は2位に。この時点での8号車との差は5.498秒であったが、26周目に8号車と同時に行ったピットストップでチームクルーの迅速な作業によりその差を縮めることに成功。24号車の前でコースに復帰すると、アウトラップでペースの上がらない8号車をもオーバーテイク。一方8号車は同じ周でピット作業を行なった#100RAYBRIG NSX-GTや24号車にも抜かれてしまった。

こうしてGT500クラスの全車がピット作業を終えた32周目に#39#39ヘイッキ・コバライネン/中山雄一組(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)はトップに浮上。そこから着実に後続との差を広げていった。終盤にはガス欠症状に見舞われたものの、一度も順位を落とさずに66周を走破、2019年の第6戦オートポリス以来の優勝を飾った。

2位に入ったのはなんと予選12位からスタートした#14大嶋和也/坪井翔組(WAKO'S 4CR GR Supra)だ。

スタートドライバーの大嶋が6周目に#17ベルトラン・バゲット(KEIHIN NSX-GT)を抜いて11位、10周目に#64伊沢拓也(Modulo NSX-GT)を抜いて10位、17周目に12号車の後退を受けて9位、そして19周目に#19国本を抜いて8位と着実に順位を上げて25周目にピットイン、後半を担当した坪井も27周目に#23松田次生(MOTUL AUTECH GT-R)、29周目にアウトラップの#36関口雄飛(au TOM'S GR Supra)、38周目に#100山本、そして52周目には#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)と#37平川亮(KeePer TOM'S GR Supra)を相次いで抜き去ってみせた。

これにより大嶋/坪井組はドライバーズポイントを47とし、ランキングのトップに浮上した。しかし#37平川/キャシディ組も4位に入ったため、わずか1ポイント差の2位となっている。

ポールシッターの#8野尻智紀/福住仁嶺組(ARTA NSX-GT)はアウトラップで大きく順位を落としたものの、野尻が3位まで挽回して今季初の表彰台をものにしている。

なお、序盤トップを快走した#24高星明誠/ヤン・マーデンボロー組(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)は36周目に突如電気系のトラブルに見舞われて予定外のピットストップを強いられ、14位でレースを終えている。

GT300クラスは予選6位スタートの#56藤波清斗(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)がレース序盤に圧巻のオーバーテイクショーを展開した。

まず5周目の再スタートで#52川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)、#65菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG)らを次々に抜いて4位に浮上すると、9周目の1コーナーで#61山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)を捉えて3位、12周目には#31中山友貴(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)を抜いて2位に浮上する。

そして15周目の1コーナーでポールシッターの#6阪口良平(ADVICS muta MC86)をアウトから抜き去ってトップに躍り出た。

レース中盤にはタイヤ無交換作戦を採った#52埼玉トヨペットGB GR Supra GTの先行を許したものの、47周目の2コーナー立ち上がりで#56ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが#52吉田広樹を抜いてトップを奪い返し、昨年からGT300クラスに参戦を始めたKONDO RACINGに初の勝利をもたらした。

2位には#55高木真一/大湯都史樹組(ARTA NSX GT3)、3位には#65蒲生尚弥/菅波冬悟組(LEON PYRAMID AMG)が入った。

これにより、ドライバーズランキングは#65蒲生/菅波組がトータル40ポイントでトップに浮上している。

次戦の舞台は今季2度目の鈴鹿サーキット。10月25日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第3戦富士決勝 #35平良が2連勝を達成

FIA-F4選手権第3戦の決勝が10月4日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、#35平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)が第2戦に続いて連勝を飾った。

14周の決勝がスタートした 優勝は平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4) 表彰式 インディペンデントカップの表彰式

第3戦決勝は午前9時より14周で行われた。この日の天候は晴れ。コースはドライだ。

このレースのスターティンググリッドは前日の第1戦決勝でのベストラップ順。ポールポジションは第1戦を制した#62平木玲次(HELM MOTORSPORTS F110)。以下#36野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)、#31神晴也(ATEAM Buzz Racing F110)、#35平良という順番で14州の戦いは始まった。

スタートでトップに立ったのは#36野中。ポールの平木は動き出しはよかったものの、1コーナーで#36野中にインを刺されてしまい、#35平良、#31神らの先行をも許してしまった。

オープニングラップを終えた時点での順位は#36野中、#35平良、#31神、そして#62平木。しかし2周めの1コーナー手前で#35平良が#36野中を抜いてトップに浮上する。

1秒以内の間隔を保って追い上げる#36野中だったが、最後まで#35平良を攻略することができずにフィニッシュ。#35平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)が第2戦に続いて2連勝を飾ることになった。

一方#62平木は3周目の1コーナーで#28古谷悠河(TOM'S YOUTH)にインから抜かれて5位に後退してしまうが、4周目の1コーナーでは逆に#28古谷をインから抜きかえして再び4位に。11周めには#31神をアウトからパスしたものの、コカコーラコーナーで#31神に抜き返されて4位でレースを終えている。

インディペンデントカップはクラス2位スタートの#56YUTAKA TORIBA(BIRD)が5周めにクラストップスタートの#96齋藤真紀雄(CS Marketing AKILAND)を捉えてトップに浮上し、そのまま逃げ切って今季初優勝を達成している。

次戦の舞台は三重県の鈴鹿サーキット。10月24-25日に第4、5、6戦が行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第2戦富士決勝 #35平良が待望の初優勝!!

優勝は平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)で初

2020FIA-F4選手権第2戦の決勝が10月3日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、ポールポジションからスタートした#35平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)が待望の初優勝を獲得した。

2位は荒川麟(ZAP SPEEDスカラシップ) 3位は野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4) インディペンデントカップ優勝は齋藤真紀雄(CS Marketing AKILAND)

第2戦決勝は午後4時より14周で行われた。めまぐるしく順位が入れ替わった第1戦とは打って変わり、第2戦はポールシッターの#35平良がスタートから一気に後続を引き離しにかかる。

予選2位の#31神晴也(ATEAM Buzz Racing F110)がそれに続くが、スタートで3位に浮上した荒川麟(ZAP SPEEDスカラシップ)が2周めのダンロップコーナーで神を抜き去って2位に浮上する。

しかし#35平良は3周めに1.765秒までリードを広げると、その後も後続に全く付け入る隙を与えずに14周を走り切り、FIA-F4参戦2年めで初の勝利をものにした。

2位には#14荒川、3位には平良のチームメイトの#36野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)が入り、第1戦優勝の#62平木玲次(HELM MOTORSPORTS F110)は4位に終わった。

インディペンデントカップは#2仲尾恵史(TCS Racing Team)とのバトルに競り勝った#96齋藤真紀雄(CS Marketing AKILAND)が優勝している。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI

SUPER GT

SGT:第5戦ポールポジション会見 「ファンの皆さんに見てもらっていると思ったら、達成感もとても大きくなりました」(小高一斗)

GT500 Class #8 ARTA NSX-GT

野尻智紀

今回はクルマのセットを前回から大幅に変えて持ち込んでいたので、どんな仕上がりになっているのか、楽しみなような不安もあるような、複雑な気持で朝の公式練習に臨みました。実際、どの辺りと限定するのが難しいくらい、ほぼ全部変えてきました。自分と福住選手はドライビングスタイルが違っていて、その中間で走るように相談しているのですが、今回はアンダー好みの自分よりに少しアジャストしてもらいました。それで、最初に福住選手に乗ってもらい、彼と交代して乗り始めた途端に、大きな手応えを感じました。なので公式予選には少しだけ修正して臨むことになりました。

その公式予選で自分は2番手でQ1を突破してQ2を担当する福住選手に繋ぐことができ、さらにQ1で走った時に感じたことをインフォメーションとして伝えることができました。そこから福住選手が素晴らしいアタックでポールを獲ってくれたのですが、自分としても、やるべき仕事ができたとホッとしています。今回、福住選手にとっては初のポールポジションとなりましたが、若い彼がこうしてポールを獲ったことで、彼自身にとってはもちろん、チームにとっても大きな自信になると思います。

今回は観客を迎えての大会となりましたが、ファンの皆さんに直接応援してもらっていることでモチベーションも上がっています。華やかな舞台に戻ってきたことを実感しました。ここまで結果を残せていないので、自分たちは今回どんな好成績でも燃料流量リストリクターを絞られるまではいかないので、それはポジティブに考えて、明日の決勝でもやるだけのことをやるしかないです。

福住仁嶺

第2戦富士ではポールポジションを獲ることができましたが、ここまでのレースでは好結果を残すことができずに来たので、“ここで仕切り直しを”と思ってサーキット入りしました。公式練習で乗った感じは良く、専有走行を野尻さんに走ってもらって、午後の公式予選には僅かにアジャストしたセットで臨みました。

Q1を走った野尻さんのインフォメーションを聞き、それを信じて自信をもってアタックしたらポールを獲ることができました。自分にとっては初のポールポジションですが、野尻さんやチームへの感謝の気持ちでいっぱいです。アタックを終えてパルクフェルメに戻り、そこから僕らのピットまでピットロードを歩いて帰ってきたんですが、スタンドのファンから大きな拍手が沸いて。ポールを獲ったことをより実感できました。ここまでのレースでは速さを見せることはできたと思うのですが、それを結果に結びつけることはできませんでした。だから明日の決勝レースでは、きっちり走って完走し、大きなポイントを持ち帰りたいと思います。

GT300 Class #6 ADVICS muta MC86

阪口良平

チームとしては第2戦富士に続いて今季2度目のポールですが、まずはポールを獲ることができて嬉しいです。今回、午前の公式練習は違ったセットで走ったのですが、あまり調子が良くなくて。期待したほどの手応えもなかったので、午後の公式予選に向けて、セッションが始まるギリギリまでクルマのセットを変更してもらいました。エンジニアと相談し、メカニックさんたちにもがんばってもらったのですが、その甲斐あって予選までにクルマのフィーリングが一変していました。自分として、もうついて行けないほどの速さでブレーキも思いっきり奥まで突っ込める感じでしたね。だから、いろんなインフォメーションを伝えて、あとは一斗に任せようと。そうしたら素晴らしいアタックでポールを獲ってくれました。

今大会はコースサイドで写真を撮っている人も多く見かけられ、長い望遠レンズで追っかけてくれているのも感じられました。サポートレースのFIA-F4も始まり、サーキットに活気が戻ってきたことが嬉しいです。

前回の富士では自分が前半のスティントを担当し、ポールポジションからのスタートだったのに10周しかトップを守れずじりじりと後退してしまいましたが、今回はその対策もクルマにしてきました。まだどちらが(スタートを)担当するか決めてないのですが、しっかりとバトンを繋ぎ、またここに呼ばれたいと思っています。

小高一斗

前回の富士に続いて2回目のポールポジションを獲ることができ、すごく嬉しいです。午前の公式練習では、クルマの調子があまり良くなくて、予選までにセットアップを変更してもらいました。

ただ、自分ではどんなクルマに仕上がっているのかまったく見えてないのが少し不安でした。でもQ1を走ってくれた阪口さんからのインフォメーションで、セッティングを少しアジャストするとともに、自分のドライビングにもアドバイスをもらいました。それを信じてアタックしたらポールを獲ることができたんです。

無観客だった前戦までは、コーナーの外を見ても何もなかったのですが、お客さんを迎え入れた今大会は、コーナーの外側に観客のクルマが止めてあったり、ファンたちが応援してくれている姿が見えたりもしました。ファンの皆さんに見てもらっていると思ったら、達成感もとても大きくなりました。ただ明日の決勝が最も大事な仕事だということも分かっています。ここまでの4戦は厳しいレースが続きました。前回の富士ではポールを獲ったのに決勝は散々で。だから明日の決勝レースこそは、きっちりリベンジしたいと思っています。

SUPER GT

SGT:第5戦富士公式予選 ルーキー#8福住がGT500初のPPを獲得 GT300は#6小高が今季2度めのPP

2020オートバックス スーパーGT第5戦「たかのこのホテル富士GT300kmレース」の公式予選が10月3日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは#8野尻智紀/福住仁嶺組(ARTA NSX-GT)、GT300クラスは#阪口良平/小高一斗組(ADVICS muta MC86)がポールポジションを獲得した。

公式予選は午後2時よりノックアウト方式で行われた。上空を雲が覆い始めた影響もあってか、予選開始時の気温は22℃路面温度は32℃、湿度63%と、公式練習とほぼ同じコンディションでの走行となった。

予選Q1
GT500クラスのQ1は午後2時33分より10分間で行われた。

残り8分で#23松田次生(MOTUL AUTECH GT-R)を筆頭にコースインが始まり、まずはミシュラン、ヨコハマ、ダンロップ勢が一勢にコースイン、少し遅れてブリヂストン勢が走行を始めるという展開となり、残り6分30秒を切ったところで#14大嶋和也(WAKO'S 4CR GR Supra)が最後にピットを離れた。

路面温度が上がってこないこともあり、各ドライバーともアウトラップに続いて2周のウォームアップを行ってからタイムアタックに取りかかった。

まずは#23松田が1’29.764,続いて#3千代勝正(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)が1'28.731を記録、これを上回って#19宮田莉朋(WedsSport ADVAN GR Supra)が1'28.111でトップに立つが、#12平峰一貴(カルソニックIMPUL GT-R)が1'28.032と、公式練習でチームメイトの佐々木大樹が記録したのと全く同じタイムを叩き出してQ1をトップで通過した。

最後の最後に1'28.063を記録した#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)が2位、#19宮田は3位でQ2進出を果たした。

一方、第4戦で今季2勝目を挙げてドライバーズランキングトップに浮上している#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)はウェイトハンデに苦しんでタイムが上がらず、クラス最下位で予選を終えた。同2位の#36関口雄飛(au TOM'S GR Supra)は10位、同3位のニック・キャシディ(KeePer TOM'S GR Supra)は3位とトムス勢も揃ってQ1落ちを喫している。

GT300クラスは今回もポイントランキング順でA組、B組に分かれてQ1を実施した。

A組はチェッカー直前に1'36.914を記録した#31中山友貴(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)がトップタイム。#56藤波清斗(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)が2位につけ、青木孝行(RUNUP RIVAUX GT-R)が3位。

その一方で#10石川京侍(TANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-R)は8位の#96阪口晴南(K-tunes RC F GT3)にわずか0.009秒及ばず、ここで予選を終えることになった。この他、#5坂口夏月(マッハ車検GTNET MC86マッハ号)、#244久保凜太郎(たかのこの湯RC F GT3)、#34ジェイク・パーソンズ(Modulo KENWOOD NSX GT3)らがQ1敗退。

朝の公式練習でギヤボックストラブルに見舞われた#30TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTは修復が間に合わず、ノータイムに終わっている。

B組は午後2時18分に走行を開始。#55大湯都史樹(ARTA NSX GT3)が1'37.009でトップタイム。2位は#6阪口良平(ADVICS muta MC86)、3位に#7荒聖治(Studie BMW M6)が続いた。今季苦しい戦いが続いている#4片岡龍也(グッドスマイル初音ミクAMG)も最後の最後に1'37.468を記録して8位に滑り込んだ。

この4号車にはじき出される格好で#18小林崇志(UPGARAGE NSX GT3)は9位に後退、#21川端伸太朗(Hitotsuyama Audi R8 LMS)、#35堤優威(arto RC F GT3)らもトップから1秒以内のタイムを記録しながらここで予選を終えている。

予選Q2

GT500のQ2は午後3時11分から10分間で行われた。

最初にコースインしたのは#24ヤン・マーデンボロー(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)。Q1同様にアウトラップに続いて2周のウォームアップ走行を行ってタイムアタックに入り、1'27.809を記録する。これを国本雄資(WedsSport ADVAN GR Supra)が1'27.688で上回る。

さらに#12佐々木大樹(カルソニックIMPUL GT-R)が計測2周めに1'27.649、3周めに1'27.620と2周連続のアタックを敢行するが、ウォームアップを3周走る作戦を採った#8福住仁嶺(ARTA NSX-GT)が1'27.130をたたき出し、自身初のGT500クラスでのポールポジションを獲得してみせた。

2位は佐々木大樹/平峰一貴組(カルソニックIMPUL GT-R)、3位は国本雄資/宮田莉朋組(WedsSport ADVAN GR Supra)だった。

GT300は午後2時53分より10分間で行われ、#6小高一斗(ADVICS muta MC86)が1'36.131、1'36.090と立て続けに他を圧倒するタイムを記録して第2戦富士に続いて今季2回めのポールポジションを獲得した。2位は#31嵯峨宏紀(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)で1'36.475、3位には100kgのウェイトハンデを物ともせずに1'36.803を叩き出して#65菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG)がつけた。

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIAF4:第1戦富士決勝 接戦を制し、#62平木が待望の初勝利!!

2020FIA-F4選手権がついに開幕。第1戦決勝が10月3日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、参戦5年目の#62平木玲次(HELM MOTORSPORTS F110)待望の初優勝を達成した。

ポールポジションの一についた神晴也(ATEAM Buzz Racing F110) 14周の決勝がスタートした 優勝は平木玲次(HELM MOTORSPORTS F110) 初優勝の平木玲次(HELM MOTORSPORTS) 表彰式 インディペンデントカップの表彰式

第1戦決勝は12時30分より14周で行われた。天候は曇り。コースはドライだ。

スタートでトップに立ったのはポールポジションの#31神晴也(ATEAM Buzz Racing F110)。2位に#35平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)が続き#62平木は3位。

しかしその後方でクラッシュが発生。予選4位の岩澤優吾(Rn-sports SEIDO-YA)がグリッド上でエンジンストールしてしまい、予選6位の荒川麟(ZAP SPEEDスカラシップ)がこれを避けきれずに追突してしまったのだ。

二人はここでリタイヤとなり、ホームストレート上に残った車両を回収するため、2周めからセーフティーカーが導入されることになった。

レースは5周目に再開。すかさず#35平が1コーナーでインから#31神を抜き去ってトップに立つが、後続を引き離すには至らず、#35平良、#31神、#62平木、#36野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)が一団となってトップ争いを展開することになった。

7周終わりのホームストレートで#62平木がアウトから#31神を抜いて2位に浮上。そのままトップの#35平良との車間を詰めにかかる。

12周終わりのホームストレートで#62平木は#35平良を抜き去ってトップに立つが、#35平良も負けじと1コーナーのブレーキングで#62平木のインをつく。両者は並走のまま2コーナーを立ち上がるが、コカコーラコーナーでは#62平木が前に出た。#62平木はそのままトップでファイナルラップを走り切り、参戦5年目にして初の勝利を物にした。

#35平良は13周目のダンロップコーナーで#31神、#36野中の先行をも許して4位に後退するが、最終ラップで#36野中、#35平良が相次いで#31神を抜き去り、それぞれ2位、3位でフィニッシュした。

インディペンデントカップは#2仲尾恵史(TCS Racing Team)が予選トップの#86大阪八郎(Dr. Dry F110)を11周目の1コーナーで抜いてトップに浮上、そのまま逃げ切って今季初勝利を挙げた。

2位は#3佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ)、3位には#86齋藤真紀雄(CS Marketing AKILAND)と終わってみればインディペンデントカップの上位常連組が表彰台を占める結果となった。

なお#86大阪は13周目の最終コーナーで#73塙瞬佑(カローラ新茨城レオンキッズレーシング)と絡んで順位を落とし、クラス11位に終わっている。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI

SUPER GT

SGT:第5戦富士公式練習 トップタイムは#12カルソニックGT-R

2020オートバックス スーパーGT第5戦「たかのこのホテル富士GT300kmレース」の公式練習が10月3日、静岡県の富士スピードウェイで行われた。今季初の有観客開催となり、朝早くから多くの観客が詰めかけるなか、トップタイムを記録したのは#12佐々木大樹/平峰一貴組(カルソニックIMPUL GT-R)だった。

公式練習は午前9時15分にコースオープン。空は晴れているものの、気温22℃、路面温度30℃、湿度は76%という涼しさだ。

走り始めてすぐに#福住仁嶺(ARTA NSX-GT)が1'38.751を記録。それを上回って#36サッシャ・フェネストラズ(au TOM'S GR Supra)が1'38.063、#100山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)も1'36.001を出してきた。
さらに#36フェネストラズは計測2周目に1'30.986までタイムアップするが、#8福住は計測3周目に1'28.511で再びトップに立った。

#100山本は4周目の計測で1'29.634を出して2位に、#14大嶋和也(WAKO'S 4CR GR Supra)が計測4周目に1'29.793を出して3位に続くが、走行開始から20分が経過したところで#12平峰一貴(カルソニックIMPUL GT-R)が1'28.994を出して2位に浮上、#3千代勝正(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)も1'29.052で3位に上がってきた。

走行開始から25分が経過したところで#36フェネストラズが1コーナーでタイヤスモークを上げてコースオフ。ダメージはなく、すぐにコースへ復帰したが、その10分後に今度は#37ニック・キャシディ(KeePer TOM'S GR Supra)が1コーナーでオーバーラン。コース上にはブラックマークが大きく残り、フロントタイヤがブローしてしまったため、キャシディはそのままピットへ。トムス勢は36号車82kg、37号車76というウェイトハンデに苦しんでいるようだ。

走行開始から10分が経過したところで#24高星明誠(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)が1'28.860で2位に浮上。これでGT500クラスの順位は8-24-12となった。

混走残り25分を切ったところで#30永井宏明(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)がギヤボックストラブルに見舞われて1コーナーでスピン、コースのイン側に停止してしまったため、午前10時24分に赤旗が提示され、走行は約10分間の中断となった。

午前10時35分に走行は再開されたが、上位陣に目立った動きはなく、#8ARTA NSX-GTがトップのまま専有走行に移行する。

GT500クラスの専有走行は午前10時55分より10分間で行われた。まずは混走トップの#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)が1'28.356とタイムを更新すると、#14坪井翔(WAKO'S 4CR GR Supra)が1'28.647で2位に浮上してきた。

そして#12佐々木大樹(カルソニックIMPUL GT-R)が1'28.032を記録してトップに浮上したところでチェッカーフラッグ。1位カルソニックIMPUL GT-R、2位ARTA NSX-GT、3位WAKO'S 4CR GR Supraと3メーカーがコンマ6秒以内にひしめく接戦で公式練習は終了した。

GT300クラスは荒聖治/山口智英組(Studie BMW M6)が1'37.138でトップタイム。山口は第4戦もてぎ決勝でセーフティーカーラン中に接触事故を起こしたペナルティとして公式練習に出走できなかったため、荒が一人で周回を重ねた。

2位には#56藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)、3位に#34道上龍/ジェイク・パーソンズ組(Modulo KENWOOD NSX GT3)が続き、上位6台をFIA-GT3が占めた。

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第1、2戦富士公式予選 第1戦は#31神、第2戦は#35平良がPPを獲得

2020年のFIA-F4選手権がついに開幕。第1戦、第2戦の公式予選が10月3日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、第1戦は#31神晴也(ATEAM Buzz Racing F110)、第2戦は#35平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)がポールポジションを獲得した。

公式予選は午前8時20分より30分間で行われた。この日の天候は晴れ。コースはドライ。残念ながらSRSコチラレーシングは今シーズンの参戦休止を6月の時点で発表していたものの、エントリー台数は32台とほぼ例年通りだ。

また今シーズンは全ての大会で3レース開催となるため、第1戦のスターティンググリッドはこの予選のベストタイム順、第2戦はセカンドベストタイム順、第3戦は第1戦決勝でのベストラップ順で行われる。

序盤は多くのドライバーが1分51~52秒台で走り始めたが、その中で#80伊東黎明(OTG DL F4 CHALLENGE)が計測1周目に1'49.862を記録してトップに立つ。

計測2周目には#25堀尾風允(SAMURAIサポーターズF4)が1'48.131でトップに。堀尾は次の周で1'48.051にタイムアップするが、予選開始から10分が経過したところで#62平木玲次(HELM MOTORSPORTS F110)が1'46.466を記録してトップに立った。

なおも平木は1'46.228、1'46.021、1'45.996と着実にタイムを縮めていくが、平木が1分45秒台のタイムを記録した直後に#11岩澤優吾(Rn-sports SEIDO-YA)が11岩澤1'45.995と平木を0.001秒上回るタイムを記録、さらに#31神が1'45.732でトップに立った。

#35平良も1'45.910、1'45.853、1'45.752と好タイムを連発、上位陣が残り時間4分あたりで続々と走行を切り上げるなか、最後まで懸命のアタックを続けるが、#31神にはわずかに及ばず2位に終わった。しかしセカンドベストタイムでは#35平良がトップとなったため、第1戦決勝は#31神、第2戦決勝は#35平良がポールポジションからスタートすることになった。

なお、インディペンデントカップはFIA-F4発足当初から参戦を続けている#86大阪八郎(Dr. Dry F110)が初めてのトップタイムを記録している。

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SF:第2戦岡山決勝会見 「チェッカーを受けた時には号泣していました」(坪井翔)

第2戦優勝 #39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
最高です。今年始まって、だいぶ速さが出てきた中で、もてぎでは決勝を走れず、気持ちが折れかけていました。8番手スタートでしたが、アクシデントに巻き込まれずに2位に上がれたのが大きかったです。ピットアウトのタイミングで平川選手と石浦選手を抜くことができました。石浦選手はフレッシュタイヤで手強かったんですが、なんとか最後まで押さえ切る事ができました。平川選手の前に出られたのはタイヤ交換が早かったのも大きかったです。
予選Q3もちゃんとアタックできていれば上位からスタートできる手応えがあったので、今朝は悔しかったし気持ちはボロボロでした。それでも次につながるレースをしようという思いでスタートしましたが、こうやって勝てるチャンスが巡ってきました。巡ってきたチャンスをものにできたのは大きいですね。チェッカーを受けた頃には号泣していましたが、1周を走り終える頃にはおさまってきたので、泣き顔を見られなくてよかったです。
第2戦決勝2位 #38石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
SF14の頃はしょっちゅう表彰台に乗っていましたが、昨年SF19になってから苦労してきました。今年に入って少しずつ光明が見えてきた中で、こういう結果で終われたのは自分にとってもチームにとっても大きかったです。序盤にセーフティーカーが入った事で当初予定していた作戦と違ってきましたが、チームと無線でやりとりして判断しました。2台ともがハイペースで走れた事でこういう結果に終われたと思います。クルマを仕上げてくれたチームに感謝しています。やはり予選が重要になるので、ポールをとれるクルマを目指していこうと思います。3台でエントリーしているメリットをどうやって生かせるか考えていきたいです。
第2戦決勝3位 #1ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)
複雑な気持ちです。10位からのスタートだったので3位まで上がれるとは思っていませんでした。でも勝利も見えていたので、その点は残念です。レースを振り返ると、坪井とのギャップをキープしながら計算をしていました。石浦さんのピットの後、勝てるかもしれないと思って戦略を考えましたが、トラフィックに引っかかってペース上がらなかった事が原因の一つです。なかなかブルーフラッグが振られませんでしたね。その後は平川との差をキープしてピットアウト後に彼に前に出られるようにと頭を切り替えました。3位に入れたのは最高ですけど、優勝を逃した悔しさももちろんあります。
優勝チーム監督 立川祐路(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
(2018年の第5戦もてぎ以来の勝利となったが)
何年か前の絶好調だった時に優勝は何度かしましたが、その時にできなかったワンツーフィニッシュを今回達成できました。チームのみんなに感謝していますし、ドライバーの二人も異なる戦略をこなしてくれて、すごく頑張ってくれました。坪井は初優勝ですが、今回は自分の力で勝ち取ったなと。本当に嬉しい限りです。もてぎとは違い、予選からいい位置につけられたのが大きかったです。序盤からセーフティーカーが入ったので、どうしようかなと思いましたが、スタートで2位、3位につけられたので、石浦には引っ張ってもらおうと決めました。昨年からクルマやタイヤの変更に苦戦してきましたが、これを機会にチャンピオン争いに加われるように頑張りたいと思います。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO

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SF:第2戦岡山決勝 波乱の戦いを制し、#39坪井が涙の初勝利! セルモインギングが初のワンツーフィニッシュを達成

2020年全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦の決勝が9月27日、岡山国際サーキットで行われ、予選8位からスタートした#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)が参戦2年目にして待望の初優勝を達成した。

50周の決勝レースがスタートした スタート直後に飛び出したサッシャ・フェネストラズ(ORIENTALBIO KONDO SF19) スタート直後にスピンしてリタイアした牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19) セーフティーカーが早々に導入された セーフティーカー離脱後の序盤にレースをリードする平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19) 坪井翔と石浦宏明、JMS P.MU/CERUMO・INGINGチーム同士の争い 優勝は坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19) 決勝2位は石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19) 決勝3位はニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19) 優勝した坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING) 優勝した坪井翔(右)と健闘をたたえる石浦宏明(左) 表彰式

第2戦決勝は開幕戦とは違い、10周目から最終周までの間に最低一回のタイヤ交換が義務付けられた。ただし給油は禁止。タイヤのスペックはソフトのみの使用が許される。まだ完全ではないものの、昨年までのレースフォーマットに少し近づいた形だ。

ところがこのレースはスタート前から波乱が相次いだ。

まず午後2時30分より行われた8分間のウォームアップ走行で、予選13位の#15笹原右京(TEAM MUGEN SF19)がトラブルによりピットレーン入口で停止してしまった。自力でピットに戻ってくることができなかった笹原はグリッド整列に間に合わなかったため、ピットスタートとなってしまう。一方、予選Q3でコースアウトした#39坪井は修復が間に合ってウォームアップ走行に参加、無事8番グリッドに収まった。

笹原がスタートするはずだった13番グリッドを欠いたまま、第2戦決勝は午後3時15分にフォーメーションラップを開始。ところが今度は予選11位の阪口晴南(ORIENTALBIO KONDO SF19)がアトウッドカーブでクラッシュ。クルマのダメージは甚大で阪口はそのままクルマを降りた。

これによりスタートはディレイとなり、午後3時30分に再びフォーメーションラップが笹原と阪口を除く全17台によって開始された。これに伴い周回数も1周が減算され、全50周で行われることに。笹原は修復が間に合ってピット出口でエンジンを始動、最後尾でレースに加わった。

スタートでトップに立ったのはポールポジションの#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)。予選2位の#36宮田莉朋(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)は出遅れて後続に飲み込まれてしまう。

ところがその宮田をかわした#64牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)に#65大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が1コーナーで追突、押された牧野が予選3位の#4サッシャ・フェネストラズ(ORIENTALBIO KONDO SF19)を巻き込んでコースアウトしてしまったため、2周目からいきなりセーフティーカー(SC)が導入されることになった。

牧野とフェネストラズはここでレースを終えたが、大湯は走行を再開して2周目にタイヤ交換を行い、そのままコースに戻っていった。

1周目を終えた時点の順位は#20平川、#39坪井、#38石浦、#1キャシディ、#5山本、#19関口、#36宮田は7位でオープニングラップを終了。以下#16野尻、#7中山、#14大嶋、#18国本、#12塚越、#6福住、#50高星、#15笹原と続いて#65大湯が最後尾だ。

SCは7周終わりでピットイン。レースは8周目から再開された。

序盤から後続を引き離しにかかる#20平川の後方では#1ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)が9周めのヘアピンでアウトから#38石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)に並びかける。しかし石浦は一歩も引かずにこれを退けた。

続いて規定の10周目に入ったところで#5山本尚貴(DOCOMO DANDELION M5S SF19)、#36宮田、#65大湯がタイヤ交換を行った。続いて39坪井、#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)、#6福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)が11周目にタイヤ交換。さらにトップの平川も12周目にピットイン。これで隊列は#38石浦、#1キャシディ、#16野尻、#7中山、#14大嶋、#18国本、#12塚越、#20平川、#39坪井.....となったが、13周目のヘアピンで#39坪井がオーバーテイクシステムを使ってタイヤの冷えている#20平川をかわして8位に。この時点でタイヤ交換を終えたドライバーの中ではトップに浮上した。

14周目の1コーナーで#65大湯が#50高星のインをついて14位に。しかし大湯はこの周終わりで3度目のピットイン。最後尾に後退してしまった。この周で#7中山雄一(KCMG Elyse SF19)もピット作業を行った。

15周目に#12塚越広大(ThreeBond Drago CORSE SF19)がピットイン。これでタイヤ交換を済ませていないのは#38石浦、#1キャシディ、#16野尻、#14大嶋、#18国本の5人となった。6位の#39坪井と#38石浦の差は18周を終えた時点で35.789秒だ。

19周目には#16野尻と#14大嶋がピットイン。まだ#38石浦は動かない。20周を終えて#39坪井との差は36.421。タイヤの冷えた野尻はダブルヘアピンから最終コーナーにかけての区間で#6福住と#36宮田に抜かれて10位でコントロールラインに戻ってきた。

22周を終えた時点で#38石浦と#39坪井の差は36.960。坪井は追い上げるどころがじりじりと#38石浦に差を広げられていく。規定周回のちょうど半分となる25周終了時点でその差は37.280まで広がった。

しかしこの周を境に二人の差は縮まり始める。

27周目37.188秒、28周目36.809秒、29周目は36.186秒。

そしてついに#38石浦は30周目にピットイン。8.4秒でタイヤ交換を済ませてコースに戻っていった。すかさず間合いを詰めていく#39坪井。両者はオーバーテイクシステムを作動させながらサイド・バイ・サイドでバックストレートを駆け下るが、ここではタイヤに充分熱の入っている坪井に軍配が上がった。しかし坪井のオーバーテイクシステムの残量はすでに10%を切ってしまった。

#38石浦は35周目のバックストレートでオーバーテイクシステムを再び作動させて#39坪井に並びかける。坪井は懸命にこれを押さえ込むが、ここでオーバーテイクシステムを使い果たしてしまった。しかし石浦の残量もここで10%を切ってしまった。こうなればあとはギミックなしのガチンコ勝負あるのみだ。

しかしまだこれは3位争い。トップの#1キャシディと2位の#18国本は37周を終えてもまだピットに入る気配を見せない。この時点でキャシディと坪井の差は33.073秒。38周目32.517秒、39周目32.266秒、40周目32.044秒、41周目32.472秒、42周目32.770秒、43周目32.592秒、44周目32.375秒、45周目32.009秒、47周目32.548秒と坪井はキャシディとの差を32秒あまりに留めて追い上げていく。

そしてついに#1キャシディと#18国本は48周目にピットイン。作業時間10秒でピットアウト。しかし時すでに遅く、#39坪井と#38石浦はキャシディの鼻先をかすめて1位、2位に浮上した。オーバーテイクシステムの残量を充分に残していたキャシディだったが、冷えたタイヤではペースを上げることもままならず、#39坪井は0.782秒後方に#38石浦を従えたままトップでチェッカーフラッグを受け、自身通算初の勝利をものにするとともに、セルモインギングにチーム創設以来初のワンツーフィニッシュをプレゼントした。最終的なキャシディとの差は3.103秒だった。

全日本スーパーフォーミュラ選手権はこのあと宮城県のスポーツランドSUGOにて第3戦を開催する。10月18日決勝だ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

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SF:第2戦岡山予選会見 「走りもクルマもまとめられたのが差につながったと思います」(平川亮)

ポールポジション 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
Q1ではハーフスピンしてしまいましたが、なんとかQ2に進むことができました。Q1での僕の感触だとウォームアップが2周だと温まり過ぎるように感じてQ2はウォームアップ1周でアタックしましたが、日が陰って温度が下がったのでうまくいきませんでした。そこでQ3はウォームアップを2周でアタックしました。Q3では走りもまとめられたし、クルマもまとめられたのが2位との差に繋がったのかなと思います。
予選2位 #36宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)
レースウィークが始まった時にはこんな結果は予想できませんでした。トップ10にも入れないかなと思っていましたので。Q1、Q2とトップになったことで、その気になりました。
SFではまだ長距離を走ったことがないので51周体力が持つのか不安ですが、頑張ります。F3で一緒に戦ったサッシャとトップ争いができたのは嬉しいし、ライバルとしていてくれたことに感謝しています。Q3では僕のミスがあり、セット変更も裏目に出てしまいました。そのせいで12秒台もポールも逃してしまいました。
予選3位 #4サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
最高の気分です。チームは本当によく頑張ってくれました。昨日の時点ではまさかこんなポジションにいられるとは思いませんでした。Q3はオーバープッシュしてしまい、タイヤを使い切ってしまったことが悔しいです。それがなければ2位になれたかもしれませんね。決勝では初めてタイヤ交換を経験しますが、平川選手や宮田選手に負けないように頑張ります。宮田選手のことはいいライバルだと思うので、SFでも共に戦えることを嬉しく思います。
ケンタがここにいないのは辛いですね。彼の情報は非常に参考になるし、互いに刺激を受けながら普段は頑張っているので。もちろんセナからも刺激は受けていますけどね。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO

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SF:第2戦岡山公式予選 #20平川が2戦連続ポールを達成 #36宮田も殊勲のフロントロー獲得

2020全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦の公式予選が9月27日、岡山国際サーキットで行われ、開幕戦優勝の#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)が2戦連続でポールポジションを獲得。ルマン24時間レースに参加した影響で今回欠場となった中嶋一貴に代わってスポット参戦した#36宮田莉朋(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)も予選2位と大健闘をみせた。

ポールポジションは平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19) 予選2位は宮田莉朋(VANTELIN KOWA TOM’S SF19) 予選3位はサッシャ・フェネストラズ(ORIENTALBIO KONDO SF19)

公式予選は午前10時40分よりノックアウト方式で行われた。天候は晴れ。コースはドライだ。

予選Q1

予選Q1はA、B二つの組に分かれて実施された。今回は全てのセッションでソフトタイヤの使用が義務付けられており、Q1でも全車がソフトを装着しての走行となった。
A組は#1ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)、#4サッシャ・フェネストラズ(ORIENTALBIO KONDO SF19)、#5山本尚貴(DOCOMO DANDELION M5S SF19)、#7中山雄一(KCMG Elyse SF19)、#14大嶋和也(ROOKIE Racing PONOS SF19)、#15笹原右京(TEAM MUGEN SF19)、#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)、#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)、#65大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が出走。

どのドライバーもコースオープンとなってもすぐにはコースインせず、残り時間が7分を切ってから漸く走り始める。開幕戦もてぎに比べて気温、路面温度共に下がったこともあってか、アウトラップのあとにウォームアップを2周行ってからのアタックとなった。

まずは#65大湯が1'13.359を記録。続いて#15笹原が1'13.677。その直後に#1キャシディが1'13.120でトップに立った。#39坪井が1'13.181で2位につけ、ルーキーの#4フェネストラズが1'13.316で3位。スポット参戦の#7中山は5位、開幕戦に続いて参戦の#15笹原も7位ででQ2進出を果たした。
一方、ここでノックアウトされたのはなんと#19関口と#14大嶋だった。

B組はスポット参戦の#36宮田莉朋(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)と#3阪口晴南(ORIENTALBIO KONDO SF19)の二人。そして#6福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)、#18国本雄資(KCMG Elyse SF19)、#12塚越広大(ThreeBond Drago CORSE SF19)、#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)、#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)、#38石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)、#50高星明誠(Buzz Racing SF19)そして#64牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)の10人。

こちらはコースオープン直後から#12塚越、#16野尻、#50高星のホンダ勢がピットアウト。塚越と野尻は1周してピットインしたが、高星はそのまま周回を重ねる。続いて残りの7人も相次いでコースイン。塚越と野尻もそれに続く。

高星は計測2周目に1'14.244を記録して一旦ピットイン。そのまますぐにコースへ復帰する。

残りのドライバーはA組同様にアウトラップのあとウォームアップランを2周してアタックに取りかかった。

まずは64牧野が1'13.654。これを36宮田が上回り、1'13.131でトップに立つ。16野尻は1'13.218で2位に。3阪口が1'13.230で3位につけた。宮田と阪口はスーパーフォーミュラライツとのダブルエントリーだが、25周のバトルを終えた疲れを感じさせない走りで見事Q2進出を果たした。この他、タチアナ・カルデロンに代わって出走の#12塚越も6位に入り、チェッカー直後に#20平川が7位に滑り込んでB組の走行は終了。ここでノックアウトされたのは#6福住、#18国本、そしてスポット参戦の#50高星だった。

予選Q2

予選Q2は午前11時20分開始。僅か7分間の走行ということもあり、コースオープンと同時に#20平川を除く13人が一斉にコースイン。平川は残り時間4分で走行に加わった。

#20平川はウォームアップ「1周のみで1'13.052を叩き出すが、すぐにウォームアップ2周を終えたドライバーたちがこれを上回っていく。

ここでトップに立ったのはなんと#36宮田。1'12.646をたたき出した。2位には#4フェネストラズが1'12.722でつけ、#39坪井が1'12.831で3位。他とは違う作戦を敢行した平川も7位に踏みとどまってQ3進出を果たした。

一方、SFL第5戦を制した#3阪口は1'13.175で11位と惜しくもここで予選を終えることに。#7中山、#15笹原、#12塚越らのスポット参戦勢のほか、なんと#16野尻も9位で予選を終えてしまう。8位との差は僅か0.010秒だった。

予選Q3

予選Q3は午前11時37分からの7分間。ここでもウォームアップに費やすのは2周だ。まずは#64牧野が1'13.426。#36宮田は1'13.109と自身のベストタイムを更新できず、#20平川が1'12.773でトップに立った。それでも宮田は2位につけ、フロントローで午後の決勝に臨む。3位には1'13.173を記録した#4フェネストラズが入った。

一方#39坪井はアタック中に痛恨のコースオフ。1'23.545で8位に終わっている。

スーパーフォーミュラ第2戦決勝はこのあと午後3時15分より51周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

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SFL:第5戦岡山決勝 #36宮田の連勝を止めたのは#50阪口!!

25周の決勝がスタートした スタートで阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX)が予選2位からトップに立つ オープニングラップのアクシデントで開始早々にセーフティーカーが導入された セーフティーカーが離脱し再スタートが切られた 阪口晴南と宮田莉朋のトップ争い 優勝は阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX) 決勝2位は宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TOM\'S 320) 決勝3位は小高一斗(COROLLA CHUKYO Kuo TOM\'S 320) マスタークラス優勝はDRAGON(TEAM DRAGON SFL ) 優勝した阪口晴南(B-MAX RACING TEAM) 表彰式 マスタークラスの表彰式

全日本スーパーフォーミュラライツ選手権第5戦の決勝が9月27日、岡山国際サーキットで行われた。

第5戦決勝は爽やかな秋晴れのもと、午前9時より25周で行われた。

スタートでトップに立ったのは予選2番手の#50阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX)。阪口はポールシッター#36宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)の牽制にも動じず、1コーナーでインを差して宮田を退けた。

しかしヘアピンの立ち上がりで#51片山義章(B-MAX RACING with ORC)と#2名取鉄平(TODA FIGHTEX )が接触、これに#35河野駿佑(RS FINE K&N 320)、#3神晴也(Albirex-RT)らも巻き込まれる多重クラッシュが発生したために2周目からセーフティーカーが導入されることになった。グラベルに飛び出した名取やコース上でストップした河野は自力で脱出して隊列に加わったが、神はその場で車を降り、片山はピットでクルマを降りた。

この時点での順位はトップが#50阪口、2位に#36宮田、3位には#37小高一斗(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)、そしてなんと4位にベテランの#52影山正美(MASAMI PROJECT with B-MAX)がジャンプアップしていた。

レースは5周目にリスタート。トップ争いは阪口対宮田の一騎討ちとなり、小高はやや遅れて2台についていく。セクター1、セクター2で何度もベストタイムを更新しながら逃げにかかる阪口だが、宮田もほぼ遜色ないタイムで阪口に食らいつく。

10周を終えても両者の差はわずか0.388秒。13周目、15周目にはその差が1.2秒に開くが、すかさず宮田も14周目に0.6秒、16周目には0.7秒差まで挽回し、一歩も引かない構えだ。20周を終えても阪口のリードは僅か0.422秒だ。

その後方では1周目のアクシデントで出遅れた#2名取が激しい追い上げをみせ、13周目には4位まで浮上してきた。

結局#36宮田は最後まで#50阪口を攻略する糸口を見つけられないままレースは25周を終了。#50阪口が今季初優勝を飾り、#36宮田の連勝は4でストップした。3位は#37小高、4位は#2名取が入った。

マスタークラスは昨日ペナルティで惜しくも降着となった#DRAGON(TEAM DRAGON SFL )が勝利し、見事雪辱を果たしている。

全日本スーパーフォーミュラライツ選手権はこのあと、宮城県のスポーツランドSUGOに舞台を移して第6,7,8戦を行う。10月17-18日開催だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER FORMULA LIGHTS

SFL:第4戦岡山決勝 #36宮田が磐石の走りで開幕4連勝を達成!!

2020年全日本スーパーフォーミュラライツ選手権第4戦の決勝が9月26日、岡山国際サーキットで行われ、#36宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)がポール・トゥ・フィニッシュで、今季負けなしの4連勝を達成した。

決勝レースがスタートした レースは途中セーフティーカーが導入された 優勝は宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TOM\'S 320) 決勝2位は阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX) 決勝3位は片山義章(B-MAX RACING with ORC) マスタークラス優勝は植田正幸(Rnsports320) 優勝した宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TEAM TOM\'S) 表彰式 マスタークラスの表彰式

第4戦決勝は午後4時より18周で行われた。天候は晴れ。コースはドライだ。

スタートでトップに立ったのは#36宮田。ヘアピンでアウトから#50阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX)が並びかけるが、宮田はこれを退けてトップで1周目を終えた。予選3位の#37小高一斗(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)は1コーナーで#51片山義章(B-MAX RACING with ORC)と接触し、7位まで後退してしまった。代わって3位には#51片山が浮上した。

トップの#36宮田は#50阪口を引き離しにかかり、5周を終えた時点でそのリードを2.777秒とすると、7周目には3.445秒、8周目に3.900秒、9周目に4.236秒、10周目には4.636秒と着実にその差を広げていった。

ところがここまで#52影山正美(MASAMI PROJECT with B-MAXと8位争いをしていた#5入山翔(Albirex-RT)が12周目のダブルヘアピン二つめでスピン。コース上でストップしてしまったために14周目からセーフティーカーが導入され、トップを快走していた#36宮田のリードは一旦リセットされてしまった。

しかしSCが15周目にピットインし、レースが16周目から再開されてからも#36宮田は#50阪口を全く寄せつけない走りで18周を走り切り、今季4勝目を獲得した。2位は#50阪口、3位には#51片山が入った。

マスタークラスは#30DRAGON(TEAM DRAGON SFL )が#10植田正幸(Rnsports320)の追撃を退け、トップでチェッカーを受けたが、レース後にDRAGONに対して統一規則第15条1(危険なドライブ行為)に抵触したとの判定がなされ、30秒加算のペナルティが課せられてしまった。これにより植田が1位に繰り上がり、今季初優勝をものにしている。

全日本スーパーフォーミュラライツ選手権第5戦決勝は、27日午前9時より25周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsoprts Forum

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SF:第2戦岡山フリー走行 トップタイムは#64牧野 2位、3位にはインパル勢が続く

全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦のフリー走行が9月26日、岡山国際サーキットで行われ、セッション終盤に1'12.479を記録した#64牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)がトップタイムだった。

フリー走行: トップタイムは牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19) フリー走行: 2位は関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19) フリー走行: 3位は平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)

フリー走行は午後2時より60分間で行われた。開始時点の路面温度は25℃、路面温度は28℃だ。

開始直前になって霧雨が降り、コースはハーフウェットの状態となったため、ピットシグナルがグリーンになってもコースインする車両はまばら。互いにピットイン、ピットアウトを頻繁に繰り返しながら路面コンディションの回復を待つ。

開始から15分が経過したあたりで漸くホームストレート上に明るい日差しが降り注ぐようになると、それにつれてラップタイムは徐々に縮まっていくようになる。

それまでのラップタイムは1分23〜24秒台に終始していたが、開始から20分が経過したところで#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)が1’15.111を記録、これを開始23分で#50高星明誠(Buzz Racing SF19)が上回り、1’15.092でトップに。高星はその後もタイムを上げ、残り時間が32分を切ったところで1'14.100を記録。#36宮田も1'14.233を叩き出して2位に上がってきた。3位は#38石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)で1'14.325だ。

残り時間が30分を切ると、#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)が1'13.554、1'13.498と立て続けにタイムを縮めてトップへ。#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)も1'13.836を記録して2位に。#6福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)も1'13.950で3位に上がってきた。

残り時間が23分を切ると、#64牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が1'13.422を記録してトップに浮上。

これを残り時間15分で開幕戦優勝の#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)が1'12.850を叩き出して上回ったが、牧野は終盤さらに1'12.479までタイムを縮め、再びトップに躍り出た。さらにチェッカーフラッグ直前には#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)が1'12.780を記録して2位に食い込み、平川は3位に。スポット参戦の#36宮田も終盤1'12.895までタイムを縮め、4位で走行を締めくくった。

午前中にクラッシュして最初の赤旗の原因を作った#14大嶋和也(ROOKIE Racing PONOS SF19)は残り時間が20分を切ったところで漸くコースイン。遅れを取り戻すべくチェッカーフラッグまで精力的に周回を重ねたが、ベストタイムは1'13.895に留まり、18位で走行を終えている。

また#50高星は終了間際にバックストレートでクラッシュを喫してストップ。足回りに大きなダメージを受けており、予選への影響が懸念される。高星のベストタイムは1'13.258。11位につけた。

スーパーフォーミュラ第2戦は明日27日の午前9時より公式予選をノックアウト方式で実施。決勝は午後3時15分より51周で行われる。今回は開幕戦とは異なり、タイヤ交換が義務付けられる通常フォーマットでのレースだ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER FORMULA

SF:第2戦岡山専有走行 ホンダエンジン勢が上位を独占 トップタイムは#16野尻

2020全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦の専有走行が9月26日、岡山国際サーキットで行われた。トップタイムを記録したのは#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)で1'13.741。上位5台をホンダエンジン勢が占めた。

占有走行: トップタイムは野尻智紀(TEAM MUGEN SF19) 占有走行: 2位は大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19) 占有走行: 3位は笹原右京(TEAM MUGEN SF19) 占有走行: 4位は福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M6Y SF19) 占有走行: 5位は牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19) 占有走行: 代役の宮田莉朋(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)は9位 占有走行:  代役の塚越広大(ThreeBond Drago CORSE SF19)は12位 占有走行:  代役の阪口晴南(ORIENTALBIO KONDO SF19)は16位 占有走行:  代役の高星明誠(Buzz Racing SF19)は18位

新型コロナウィルスの影響で開幕が遅れに遅れ、ようやく8月にツインリンクもてぎで第1戦を開催した今シーズンのスーパーフォーミュラ。その影響は第2戦にも及び、開幕戦に続いて欠場を余儀なくされたユーリ・ヴィップス(TEAM MUGEN)に代わって笹原右京が15号車をドライブすることになったほか、先週行われたルマン24時間レースに出走した中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)や小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)、山下健太(KONDO RACING)らも今回は出走が許されなかったため、36号車を宮田莉朋が、7号車を中山雄一が、3号車は阪口晴南がドライブすることになった。宮田と阪口晴南はスーパーフォーミュラライツとのダブルエントリーだ。また開幕戦で名取鉄平がドライブした#50(Buzz Racing SF19)は今回高星明誠が、#12ThreeBond Drago CORSEも今回はタチアナ・カルデロンに代わって塚越広大がステアリングを握る。

このように全19台中6台がスポット参戦という状況のなか、専有走行は午前10時20分開始された。天候は曇り。コースはドライだ。

序盤から好タイムを記録してきたのは#64牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)。計測2周目に1'19.441でトップに立つと、その次の周では1'14.767までタイムを縮める。

だが開始10分余りで大嶋和也(ROOKIE Racing PONOS SF19)がブレーキトラブルのため1コーナーでコースアウト、タイヤバリアに突っ込んで停止してしまったため、この日最初の赤旗が提示され、セッションは中断となった。大嶋はそのまま走行を終えることに。

車両回収ののち、午前10時43分に走行が再開されると、すかさず#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)尻が1'13.741を叩き出してトップに浮上。#65大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が1'13.838で2位、#6福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)が1'14.127で3位につける。

#15笹原も走行開始から40分が経過したところで1'14.068を記録、福住を退けて3位に浮上し、#64牧野も1'14.145までタイムを縮めて5位につけた。

トヨタエンジン勢の最上位は#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)の6位だが、5位牧野との差はわずか0.026秒だ。

今回スポット参戦することになった#36宮田は1'14.455で9位、#7中山は1'14.536で10位と健闘。#3阪口は1'14.856で16位に終わっている。

専有走行は残り時間が7分を切ったところで2度目の赤旗が提示されたため、そのまま終了となった。

第2戦岡山はこのあと午後2時よりフリー走行が60分で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER FORMULA LIGHTS

SFL:第4-5戦岡山公式予選 #36宮田が連続ポールを獲得

2020年全日本スーパーフォーミュラライツ(SFL)選手権第4戦、第5戦の公式予選が9月26日、岡山国際サーキットで行われ、#36宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)が2戦連続でポールポジションを獲得した。

第4戦、第5戦ともポールポジションの宮田莉朋(COROLLA CHUKYO Kuo TOM\'S 320) 第4戦、第5戦とも予選2位の阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX) 第4戦予選3位、第5戦予選5位の小高一斗(COROLLA CHUKYO Kuo TOM\'S 320) 第4戦予選4位、第5戦予選3位の片山義章(B-MAX RACING with ORC) レースに復帰した大ベテランの影山正美(MASAMI PROJECT with B-MAX)は第4戦9位、第5戦8位 マスタークラスは第4戦第5戦ともDRAGON(TEAM DRAGON SFL )がポールポジション

公式予選は午前9時30分より30分間で行われた。第4戦のスターテンググリッドはベストタイム順、第5戦はセカンドベスト順となる。この日の岡山の天候は曇り。コースはドライコンディションだ。

9月末の岡山は気温、路面温度ともに下がってきており、各ドライバーともコースインから2、3周をかけて入念にタイヤに熱を入れてから本格的なアタックに取り掛かる。

まずは#36宮田が計測4周めに1'21.983を記録してトップへ。しかしその直後に、やや遅れてコースインした#50阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX)がこれを上回り、計測3周めで1'21.957でトップに立った。3番手には#37小高一斗(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)が1'22.755で続く。

走行開始から10分が経過したところで各車一旦ピットへ。コース上ではマスタークラスの#10植田正幸(Rnsports320)のみが精力的に周回を重ね、1'23.854と、今回スポット参戦した#52影山正美(MASAMI PROJECT with B-MAX)の1'23.838に迫るタイムを記録する。

ピットインしていたドライバーたちは残り時間が10分を切ったあたりで徐々にコースに戻っていき、2回目のタイムアタックが始まった。暫定トップの#50阪口は残り8分を切ったところでピットを離れた。

まずは残り時間が4分を切ったところで#35河野駿佑(RS FINE K&N 320)が1'22.394で3位に浮上するが、残り3分40秒で#2名取鉄平(TODA FIGHTEX )1'22.333、その直後に#51片山義章(B-MAX RACING with ORC)も1'22.214と相次いで河野のタイムを上回る。

そして残り3分を切ったところで#36宮田が1'21.430を叩き出してトップへ浮上。宮田はその次の周でも1'21.349とさらにペースを上げてきた。

この間に#50阪口もタイムを更新するが、1'21.502と宮田には一歩及ばず、ベストタイム、セカンドベストタイムともに2位にとどまった。宮田のチームメイト、宮田のチームメイト、#37小高一斗(COROLLA CHUKYO Kuo TOM'S 320)も終盤に1'21.976と1分21秒台のタイムを記録して3位に続いた。

注目のベテラン、#52影山正美(MASAMI PROJECT with B-MAX)は1'23.271までタイムを縮めたが、9位に終わっている。

SFL第4戦決勝は今日の午後4時より18周、第5戦決勝は明日の朝9時より25周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER GT

SGT:第4戦もてぎ優勝会見 「できればファンの皆さんに、実際にサーキットに来てレースを見てほしいです。皆さんの支えがあってこそのレースですから」(塚越広大)

GT500 Class #17 KEIHIN NSX-GT

塚越広大
まずはホンダとブリヂストン、チーム、そしてもちろんバゲットに感謝します。このクルマでもてぎを走るのは、実は今回が初めてでした。しかし第2戦富士のセットがとてもイメージとして良かったので、それをベースにして持ち込み、そこから微調整して仕上げました。昨日は僕自身がコースアウトしたりして、ずいぶんドタバタしたんですが、午後の公式予選では良い流れを取り戻して、決勝レースでは2番手からのスタートになりました。決勝では「キラキラ輝くようなドライビングをしたい」と思っていましたが、最初のスティントで走ったベルトランが38号車を抜く時に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたので、僕も何とかお返ししたいと思ってスタートしました。僕のスティントでもセーフティカーが導入され、築いたギャップがなくなってしまいました。でもペースとしては決して負けてないのが分かっていたので「リスタートしたら全力で走り切ろう」と思っていました。シリーズの前半で2勝できたことは、チームにとっても、もちろん僕自身にとっても嬉しいのは言うまでもありません。ただ細かい点を見ていくと、チームやスタッフ、それぞれに課題もあります。鈴鹿での課題を見直したことが、今回の優勝に繋がっています。バゲットとは「まず1勝しよう」「もう1勝したい」などと話したわけではなく、今回の2勝目も通過点でしかないと思っています。やはり目標はチャンピオンです。荒れた天候などに翻弄されるのではなく、それを味方にするような強さを、チームとしてもドライバーとしても手に入れたい。そしてチャンピオンを獲るためにベストを尽くしたいですね。ここまで無観客のレースが続きましたが、新しい形でファンの皆さんと繋がることができたと実感もしました。でもできればファンの皆さんに、実際にサーキットに来てレースを見てほしいです。皆さんの支えがあってこそのレースですから。
ベルトラン・バゲット
素晴らしいレースになりましたね。今回は46㎏のウェイトハンデを載せていたので苦しかったのですが、その分、前回よりも嬉しい優勝になりました。僕のミッションは38号車を抜くことでした。僕のスティントは短めだったのでタイヤを使い切ってもいいと思い、スタートからプレッシャーをかけ続けたのですが、相手もノーミスで簡単に抜くことはできませんでした。ただ、相手がわずかなミスをした隙を逃さず抜くことができ、ギャップをつくって広大さんに繋ぐことができました。そうしたら広大さんもそのギャップを保ったまま走って、優勝することができました。ホンダとブリヂストン、チーム、そして広大さんに感謝します。シーズンも折り返しとなる今の時点でポイントリーダーになれたことは、チャンピオンを狙う上で非常にポジティブだと思っています。ただ、ウェイトハンディも増えてしまい、第5戦富士と第6戦鈴鹿は非常にタフな戦いになると覚悟しています。だから優勝だとか、ポディウムを狙うのではなく、着実にポイントを稼ぐようなレースを心掛けたいと思います。次戦の富士では観客が入るということで、楽しみですね。5,000人というのは少ない気もするけれど、それでもファンの皆さんの前で走れるのは最高です。そしてこれが一歩目のステップになって、少しずつでもファンを多く迎えることができるようになり、そんなファンの皆さんの前で良い結果が出せれば、なお最高ですね。

GT300 Class #65 LEON PYRAMID AMG

蒲生尚弥
今シーズンはここまで勝てそうなレースが何度もあったのですが、あと少しで勝てない状況が続いていました。今回の優勝で、その悔しさを払拭することができ、ホッとしている、というのが正直なところです。最初のセーフティカーは、自分たちにとっていい方向に働き、作戦やピットでの作業もベストでトップに立つことができたのですが、2回目のセーフティカーは、さすがにドキドキしました。作戦としてはタイヤ無交換で走り切ったのですが、これは昨日の公式練習を終えたところでブリヂストンさんと相談して決めました。充分なロングランができた訳ではなかったけれど、なんとか行けそうだということで決断しました。次戦の富士では観客を迎えてのレースとなるので楽しみです。レースで走っていても、スタンドのファンが応援してくれるのは目に入ります。そんな光景が戻ってくるのは嬉しいですね。でも次戦の富士でも気を引き締めて、全員がミスなく最後まで走り切れるようがんばります。
菅波冬悟
これが僕のスーパーGT初優勝になりますが、まずは速いクルマを用意してくれたチームと、最後まで戦うことができたタイヤを用意してくれたブリヂストンさん、そしていつも応援してくれているファンの皆さんに感謝します。今回は走り始めから調子が良かったのですが、Q2ではコンディションが変わってきて、結局、決勝レースは13番手からのスタートになりました。それでもレースではまったくミスもなく、そして蒲生選手が、まるでお手本のような素晴らしいドライビングで追い上げてくれ、優勝することができました。今回の優勝でウェイトハンディも増えてしまいましたが、ここから気持ちを切り替えます。クルマの調子が良いのは分かっているので、最善を尽くし、チャンピオンを目指してがんばっていきます。ここまでは無観客のレースで寂しい思いをしてきました。でも次回の富士からはファンの目の前で走れるということで、大変楽しみにしています。

SUPER GT

SGT:第4戦もてぎ決勝 塚越広大が悲願の地元優勝を達成!!#17ケーヒンNSXが今季2度目の独走優勝

2020オートバックス スーパーGT第4戦「もてぎGT300kmレース」の決勝が9月13日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、GT500クラスは#17塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT)が今季2勝目、GT300クラスは#65蒲生尚弥/菅波冬悟組(LEON PYRAMID AMG)が今季初優勝を達成した。

(天候:曇り コース:ドライ)

GT500クラス優勝は塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT) GT500クラス決勝2位は立川祐路/石浦宏明組(ZENT GR Supra) GT500クラス決勝3位は武藤英紀/笹原右京組(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT) GT300クラス優勝は蒲生尚弥/菅波冬悟組(LEON PYRAMID AMG) GT300クラス決勝2位は井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT) GT300クラス決勝3位は小暮卓史/元嶋佑弥組(JLOCランボルギーニGT3)

第4戦決勝は午後1時より63周で行われた。スタート時の気温は27℃、路面温度34℃、湿度61%。上空を雲が覆い尽くしているが、路面は最後までドライコンディションのままだった。

スタートでトップに立ったのはポールシッターの#38立川祐路(ZENT GR Supra)。しかし予選2番手の#17ベルトラン・バゲット(KEIHIN NSX-GT)は38号車の背後にピタリとつけてチャンスを伺う。予選5番手の#64伊沢拓也(Modulo NSX-GT)もスタートで3位にジャンプアップ、#17 KEIHIN NSX-GTのすぐ後方に続いた。

トップの38号車はペースこそ悪くなかったものの、なかなか後続を引き離すことができない。4周めに入ると64号車が徐々に遅れ始めたが、17号車は0.2〜0.3秒の間隔を保って周回を重ね。トップにプレッシャーをかける。

そして8周め。

ヘアピンで#38立川が周回遅れに詰まったところを#17バゲットは見逃さずにアウトから並びかけてトップに立つと、一気に後続を引き離しにかかり、9周めには1秒515までリードを広げた。

その後方では#19国本雄資(WedsSport ADVAN GR Supra)と#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)が4位争いを展開していたが、10周めのV字コーナー入り口でNo.8 ARTA NSX-GTが周回遅れのNo.87T-DASH ランボルギーニ GT3と接触。イン側に弾き出された87号車はコースをショートカットする形で再びコース上に飛び出し、前方を走行していた#19 WedsSport ADVAN GR Supraに激突してしまった。2台は揃ってアウト側のグラベルで停止したため、これを排除するためにこの日最初のセーフティーカーが導入されることになった。

これで17号車のリードは一旦失われてしまったが、レースが15周めに再開されると再びバゲットが後続を引き離しにかかり、20周を消化した頃には4秒546のリードを築き上げる。38号車の立川も24周めには2秒618差にまで詰め寄るが、17号車が25周め、38号車が27周めにピット作業を終えると、両者の差は4秒416となった。

その後方では予選7番手の#16武藤英紀(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)が1周めに5位に浮上。8周めには19号車の先行を許すが10周めのアクシデントにより4位に繰り上がり、18周めのホームストレートでは#64 Modulo NSX-GTを捉えて3位まで上がってきていた。

トップを快走する#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)はその後も2位の#38石浦宏明(ZENT GR Supra)に全く付け入る隙を与えずに周回を重ねていく。

44周めに入ると#36関口雄飛(au TOM'S GR Supra)に、#37ニック・キャシディ(KeePer TOM'S GR Supra)が5コーナーで追突するアクシデントが発生、2台はそのまま走行を続けたが、このトムス勢2台の接触によりコース上に多くの部品が散乱したために46周めから2度めのセーフティーカーが導入され、再び17号車のリードがリセットされたが、#17塚越は51周めにレースが再開されるや再び2位以下を引き離しにかかり、最後は38号車に7秒796の大差をつけてフィニッシュ。第2戦富士に続いて今季2勝めをあげた。栃木県日光市出身の塚越にとってはこれが初めての地元優勝。これまではむしろ相性の悪かったもてぎでの勝利に感極まったのか、クルマを降りてきた塚越の目には光るものが見てとれた。

これにより#17塚越広大/ベルトラン・バゲット組はドライバーズポイントをトータル43に伸ばし、ランキングトップに躍り出た。第3戦終了時点でドライバーズランキングトップだった#36関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組が11位でノーポイント、同2位の#37平川亮/ニック・キャシディ組が6位に5ポイントの獲得に留まったため、関口/フェネストラズ組はランキング2位、平川/キャシディ組は3位に後退した。

2位は#38 立川祐路/石浦宏明組(ZENT GR Supra)、#16武藤英紀/笹原右京組(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)が3位に入り、笹原が初の表彰台を獲得している。

またNISSAN GT-R NISMO GT500勢の最上位は#3平手晃平/千代勝正組(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)の7位。第3戦優勝の#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)は8位に終わっている。

GT300クラスはポールポジションの#360青木孝行(RUNUP RIVAUX GT-R)がスタートからトップを快走していたが、32周目にドライバー交代を行った直後に#65蒲生尚弥(LEON PYRAMID AMG)にかわされて2位に後退してしまう。後半を担当した#360柴田優作(RUNUP RIVAUX GT-R)はその後も懸命にトップに食い下がったが、56周目に入ったところでガス欠によりストップ、惜しくも勝利を逃してしまった。

65号車は予選13番手ながら、得意のタイヤ無交換作戦で大幅なジャンプアップを果たし、33周目にトップに立ってからは一度も順位を落とすことなく走り切り、今季初勝利をものにした。昨年の第6戦オートポリスからチームに加わった菅波冬悟にとっては記念すべきスーパーGT初優勝となった。

2位は井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT)。決勝前のウォームアップ走行ではエンジンが始動しないトラブルに見舞われ、一時はスタートも危ぶまれたが、予選4番手から安定したペースで最後まで上位争いに加わって今季2度目の表彰台を獲得した。3位は#88小暮卓史/元嶋佑弥組(JLOCランボルギーニGT3)。昨年後半からランボルギーニ・ウラカンの開発に苦労してきたが、シーズン半ばにしてようやく光明を見出せたようだ。

この結果、優勝した#65蒲生/菅波組はドライバーズポイントをトータル50とし、このレースを6位で終えてポイントを51に伸ばした#11平中克幸/安田裕信組(GAINER TANAX GT-R)に次ぐ2位にジャンプアップした。

次戦の舞台は今年3度目の富士スピードウェイ。これまで無観客でレースを開催してきたスーパーGTだったが、第5戦からは遂に観客を迎えての開催となる。10月4日決勝だ。

SUPER GT

SGT:第4戦もてぎPP会見 「前戦までは『活動自粛』だったので、明日の決勝では活動を再開しますよ」(立川祐路)

GT500クラス #38 ZENT GR Supra

立川祐路
今日は朝から天候が不安定で、午後の公式予選もドライなのかウエットなのか悩むところでした。僕らは開幕戦から苦戦が続いていましたが、クルマ自体は前回の鈴鹿からフィーリングが良くなっていました。今回、ライバルたちは予選の一発タイムで有利なタイヤを選んでいるようでしたが、自分たちはレースを考えてタイヤを選んでいて、ドライに関してはもう少し暖かくなった時を想定していたので温めるのが大変だろうと思っていました。ただ、実際にはウエットに変わって行って、これが自分たちにいい流れになりました。実は今回、ブリヂストンさんがダンプコンディション向けの良いタイヤを用意してくれて、これが良いパフォーマンスを見せてくれました。このタイヤが温まりも良くてペースも早く上げることができ、前を走る19号車に思いの外近づいてしまいました。でも、この周しかないと思い、彼にはちょっと申し訳なかったです。でも、自分では自信がなくて、無線で獲ったと知らされてびっくりしたほどでした。これで(通算のポールポジション最多記録は)24回ですが、“23”という数字はゲンが良くないので、24になってホッとしています(笑)。確かにいい流れになってきたので、これを逃さないようにしたいと思います。新型コロナウイルス感染予防というわけではないけれど前戦までは「活動自粛」だったので(苦笑)、明日の決勝では活動を再開しますよ。もちろん優勝を狙ってがんばります。
石浦宏明
今シーズンは開幕から流れが良くなかった。でも今回はここまで良い流れで来ることができました。予選のQ1は路面が濡れている中、スリックタイヤでスタートすることになり、精一杯アタックしました。ただ最後のアタックラップでイエローが出ていたことでアタックを中止せざるを得なくなって「通過するのはギリギリじゃないかな」と思っていました。そうしたらそのイエロー区間でペナルティからタイム抹消されたクルマがあり、繰り上がって8番手になり、Q2を担当する立川さんにバトンを渡すことができました。「ギリギリセーフ」と言ったところでしたね。イエロー区間に関してはヘアピンを立ち上がるところで、ピットから無線で知らされていたので、この周のアタックは無理だと判断して、現場も確認しました。目の前を走っていた坪井選手も慌ててブレーキを踏んでいましたね。チャンピオン争いを考えるなら、明日のレースでは絶対に勝ちたいという気持ちもありますが、いつもと同様ベストを尽くして走り、いい仕事をしたいと思います。

GT300クラス #360 RUNUP RIVAUX GT-R

青木孝行
随分久しぶりで(会見場の)風景も忘れてしまっていました。自分ではいつのことだったか忘れていましたが、11年ぶりと聞いて驚きました。本当に久しぶりのポールですが、とても嬉しいです。自分が担当したQ2は、雨が少し残った状況をスリックタイヤでアタックする状況となってしまいました。この状況ではタイヤをいかに効率よく温めるかが重要だってことは、充分に分かっていました。タイヤが温まるのに比例してタイムもよくなっていきましたが、やはり最後のラップでタイヤが十分に温まって発動領域に入り、満足できるアタックができました。今のクルマは、もともとスピードが速かった。でもトラブルとかもあって結果に結びつかなかっただけ。今日は歯車が噛み合って、ようやく結果に繋がりました。決勝レースはドライになるのかどうかわかりませんが、ドライになるとしたら、誰も走ったことがないからセットアップやタイヤのマネージメントなど分からないことは多いですね。そこで一番前からスタートできるアドバンテージを最大限に生かして、良い結果を出したいと思います。
柴田優作
今日は朝から不安定なコンディションの中、午後の予選に向けてチームが良いセットアップを見つけて素晴らしいクルマに仕上げてくれました。ランナップにとっては初となるポールポールポジションを獲ることができて嬉しいし、チームに感謝しています。昨年から新型車両を投入しているのですが、昨シーズン前半はクルマのセットアップを一生懸命やってきたので、それが速さに繋がっているのだと思います。これまで速さを見せることはできていても、予選でポールを獲ることなどなかった。それが今回、実際にポールポジションを獲ることができて、速くなったことを改めて証明できたと思います。明日の決勝レースでは最大限のポイントを獲得できるようがんばります。

SUPER GT

SGT:第4戦もてぎ公式予選 最後に笑ったのは#38ZENT GR Supra。GT300は青木が2009年以来のポールポジションを獲得!

2020オートバックス スーパーGT第4戦「もてぎGT300kmレース」の公式予選が9月12日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、GT500クラスは#38立川祐路/石浦宏明組(ZENT GR Supra)が今季初のポールポジションを獲得。GT300クラスも#360青木孝行/柴田優作組(RUNUP RIVAUX GT-R)がポールポジションを獲得した。
(天候:曇り コース:ウェット)

公式予選は午前2時30分よりノックアウト方式で行われた。予選開始を前にウェット宣言が出されているが、走行開始時点の路面はほぼドライ。GT300クラスの予選Q1が始まった時点の気温は25℃、路面温度29℃、湿度は91%だった。

予選Q1
GT500クラスの予選Q1は、GT300クラスで赤旗中断があった影響で当初予定より8分遅い、午後3時11分より10分間で行われた。コース上には霧状の雨が降り続いていたが、ほとんどのチームがスリックタイヤを装着してピットアウト。唯一の例外が#24ヤン・マーデンボロー(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)だ。24号車は一旦ウェットタイヤで走り始めたが、1周目にマーデンボローがピットイン、スリックタイヤに履き替えてコースに戻ることになった。

アウトラップ、ウォームアップラップに続いての最初のタイムアタックでは#38石浦宏明(ZENT GR Supra)が1'42.127を記録してトップ。しかし2周目のアタックで#19宮田莉朋(WedsSport ADVAN GR Supra)が1'37.499を叩き出して一気にトップへ浮上。同じヨコハマタイヤを履く#16笹原右京(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)も1'38.240を記録して2位に続くが、笹原は次の周の90度コーナーでコースオフ、グラベルに捕まってそのまま走行を終えることになった。

その間に#64大津弘樹(Modulo NSX-GT)が1'37.598を記録して2位に浮上。#17ベルトラン・バゲット(KEIHIN NSX-GT)も1'38.192で3位に上がってくるが、それでも笹原のタイムは5位に踏みとどまり、16号車はなんとかQ2進出を果たすことができた。

一方、笹原のコースアウトにより90度コーナーが黄旗区間となった影響で、終了間際に6位タイムを出した#3千代勝正(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)、9位の#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)に対しベストタイム抹消の裁定が下される。そのおかげで予選Q1を10位で終えた石浦が8位に繰り上がり、#38 ZENT GR SupraはQ2に駒を進めることになった。石浦は90度コーナーでの黄旗に反応してスロットルを緩めており、こうした冷静な判断が好結果を招いた格好だ。

GT300クラスは今回もA組、B組の2グループに分かれて予選Q1を行い、A組では#11安田裕信(GAINER TANAX GT-R)が1'47.671でトップ。2位には#65菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG)が続き、#31嵯峨宏紀(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)が3位。一方開幕戦優勝の#52吉田広樹(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)は12位、第2戦でポールポジションを獲得した#6阪口良平(ADVICS muta MC86)も10位に終わり、惜しくも敗退となっている。

B組は走行開始直後に#2柳田真孝(シンティアム・アップル・ロータス)がいきなりS字コーナーでスピンアウト、グラベルに捕まって出られなくなったために赤旗中断となってしまい、ここで2号車の予選は終わってしまう。走行再開後にトップに立ったのは#96阪口晴南(K-tunes RC F GT3)で1'51.011。2位は#244久保凜太郎(たかのこの湯RC F GT3)で1'51.486、3位には1'51.740で#9藤井誠暢(PACIFIC NAC D'station Vantage GT3)が続いた。しかし#4片岡龍也(グッドスマイル初音ミクAMG)は8位に0.147秒及ばず9位で惜しくもQ1敗退となった。

予選Q2
GT500クラスの予選Q2は午後3時49分より10分間の走行(当初の開始予定時刻は午後3時51分)。予選Q1から降り続く霧雨は遂に路面をウェットコンディションに変えてしまったため、一旦はスリックタイヤでコースインしたドライバーたちは#39中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)を先頭に相次いでピットイン。慌ただしくウェットタイヤに交換してコースに飛び出して行った。

その一方で#38立川祐路(ZENT GR Supra)だけは他のチームより1周遅れてピットへ。これにより立川はタイムアタックのタイミングを逸してしまったかのように思われた。この時点までは。

アウトラップ、ウォームアップラップに続いて1周のみのタイムアタックで、まず#8福住仁嶺(ARTA NSX-GT)が1'45.489でトップに立つと、#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)が1'44.079を記録して福住を上回る。

ところが最後に笑ったのはウェットタイヤへの交換で出遅れたはずの#38 ZENT GR Supraだった。立川は予選終了間際に1'43.878を叩き出して一気にトップに浮上。一時はQ1敗退かと思われた#38 ZENT GR Supraが見事今季初のポールポジションを獲得し、立川は自身の通算最多PP獲得記録を24に伸ばした。2位はNo.17 KEIHIN NSX-GT、3位にNo.8 ARTA NSX-GTとHonda NSX-GT勢が続いた。

これらとは対照的にNISSAN GT-R NISMO GT500勢は全車がQ1落ちというまさかの結果に終わった。GT-R最上位は#3平手晃平/千代勝正組(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)の9位だ。

GT300クラスは雨脚の強まる中で激しいタイムアタック合戦が展開されたが、終盤に入って#360青木孝行(RUNUP RIVAUX GT-R)が1'48.546と他を圧する速さを見せつけてポールポジションを獲得。青木にとっては2009年以来の久々のポールだ。東名スポーツにとっては通算2度目、RUNUPを名乗るようになってからは初のポールとなる。

2位にはこれまで苦戦の続いていた#25佐藤公哉(HOPPY Porsche)が続き、#31中山友貴(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)が3位につけた。

SUPER GT

SGT:第4戦もてぎ公式練習 GT500トップは#19ウェッズスポーツスープラ

2020オートバックス スーパーGT第4戦「もてぎGT300kmレース」の公式練習が9月12日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、GT500クラスは#19国本雄資/宮田莉朋組(WedsSport ADVAN GR Supra)、GT300クラスは井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT)がトップタイムだった。

シーズンの折り返し点となる第4戦。公式練習は午前10時より混走1時間25分、専有走行各クラス10分の計1時間45分で行われた。

走行開始時の気温27℃ 路面温度は30℃、湿度は86%。昨夜の雨の影響で路面には所々濡れた箇所が残っており、混走の序盤は霧状の小雨が降ったり止んだりを繰り返す、タイヤ選択の難しいコンディションとなったが、開始から30分が経過した頃には天候も落ち着き、曇天ながらもドライコンディションでの走行となった。

小雨の中での走行となった序盤には#12平峰一貴(カルソニックIMPUL GT-R)が開始15分すぎに1'48.757でトップに立ったが、開始25分で#36関口雄飛(au TOM'S GR Supra)が1'48.069でトップに浮上、続いて#37平川亮(KeePer TOM'S GR Supra)も1'48.542で2位に続く。

開始30分すぎには#14坪井翔(WAKO'S 4CR GR Supra)が1'48.023でトップに浮上するが、その直後に#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)がヘアピンでコースオフ、グラベルに捕まってしまったため、公式練習は赤旗中断となった。

17号車はコースマーシャルの手を借りてコースに復帰、午前10時38分に走行は再開される。開始当初から降ったり止んだ理を繰り返していた霧雨はその頃には止み、路面は次第に乾いていく。

それに合わせるかのように#38立川祐路(ZENT GR Supra)が1'44.492と一気にタイムを縮めてトップに浮上、すかさず#14坪井も1'44.171を叩き出して再びトップへ。一時は上位5台をTOYOTA GR Supra GT500が占める展開になる。

しかし開始45分で#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)が1'44.668で3位に食い込むと、その次の周で1'42.755を記録してトップに浮上。その後も1'40.881までタイムを縮めてきた。2位には#100山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)が1'41.375で続き、#12平峰が1'43.293で3位。#16笹原右京(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)も1'43.316で4位に続いた。

その後も各チームのラップタイムは着実に縮まっていき、開始から55分が経過すると#19宮田莉朋(WedsSport ADVAN GR Supra)が1'39.029でトップに。#12平峰も1'40.005、1'39.268とタイムを縮めて2位につけてきた。

#19宮田は1時間10分すぎに1'38.183までタイムを短縮。1時間21分すぎには#64伊沢拓也(Modulo NSX-GT)が1'38.950で2位に上がってきた。

2クラスの混走は1位#19 WedsSport ADVAN GR Supra、2位#64 Modulo NSX-GT、3位に#23 MOTUL AUTECH GT-Rと3メーカーが互角の状態で上位を占めて午前11時25分に終了。GT500クラスの専有走行は午前11時35分から10分間で行われた。

専有走行が始まってすぐに#No.64伊沢拓也(Modulo NSX-GT)が1'37.972と一気にタイムを縮めてトップに浮上。#24ヤン・マーデンボロー(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)も1'38.494で3位に浮上するが、すぐに#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)が1'38.291とこれを上回って3位に。

そして混走でトップだったNo.19 WedsSport ADVAN GR Supraの国本雄資も1分37秒923とタイムを縮めて再びトップに。#64伊沢拓也/大津弘樹組(Modulo NSX-GT)が2位につけ、#16武藤英紀/笹原右京組(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)の武藤が1'38.078で3位に浮上したところで専有走行は終了。

NISSAN GT-R NISMO GT500勢の最上位は#12佐々木大樹/平峰一貴組(カルソニックIMPUL GT-R)の5位。前回の鈴鹿で2基目のエンジンを投入した23号車に続いて、今回は#3佐々木大樹/平峰一貴組(カルソニックIMPUL GT-R)が新エンジンを搭載してきたが、公式練習の結果は8位。しかしトップとの差は0.675秒とまずまずのタイムを記録している。

GT300クラスは序盤#9藤井誠暢(PACIFIC NAC D'station Vantage GT3)が1'52.754でトップに立ち、2位に新田守男(K-tunes RC F GT3)、3位には#60吉本大樹(SYNTIUM LMcorsa RC F GT3)が続いた。

赤旗中断の後は路面コンディションの回復に合わせてGT300クラスでも大幅なタイムアップが見られ、#9アストンマーチン、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)らが相次いで1分49台のタイムを記録。それに続いて#61山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)が1'48.509を叩き出してトップに浮上、#31中山友貴(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)が1'48.716で2位につけ、#96阪口晴南(K-tunes RC F GT3)が1'48.930で3位に続いた。

午前11時25分より行われた専有走行では上位陣にタイム更新は見られず、GT300クラスは1位#61BRZ、2位#31プリウス、3位#96RC Fの順で公式練習を終了した。

SUPER FORMULA

SF:第1戦もてぎ決勝 灼熱の開幕戦を制したのは#20平川! キャリア通算2勝目を挙げる

2020全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦の決勝が8月30日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、ポールポジションからスタートした#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)が接戦を制して開幕戦を制した。
(天候:晴れ コース:ドライ)

第1戦決勝は通常とは異なる35周または70分のスプリント戦で行われた。それに伴いタイヤ交換の義務もなく、全車がソフトタイヤを装着してグリッドへ。ただしそこに#50名取鉄平(Buzz Racing SF19)の姿はなかった。

今回スーパーフォーミュラライツとのダブルエントリーとなった名取だったが、流石にこの気候での両立は難しく、チームは大事をとってリタイヤ届けを提出せざるを得なかったのだ。

午後2時15分からのスタートでトップに立ったのは平川。3山下が2位に続いて3位にフェネストラズ。中嶋、関口と続く。

その後方では#39坪井 翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)と#65大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が接触。#39坪井は5コーナーでコースオフしてグラベルでストップ。残念ながらここでレースを終えることになった。

#65大湯もフロントウィングにダメージを負い、スローダウン。そのままピットへ向かう。大湯の受けたダメージはフロントウィングのみに止まらなかったようで、修復に手間取って5周遅れでレースに復帰した。

タイヤ交換義務がないとはいえ、スタート時の気温は40℃、路面温度は46℃に達しており、この猛暑の中でソフトタイヤを35周持たせるのは容易ではなかった。そのため、16周目に#15笹原 右京(TEAM MUGEN SF19)がピットインしたのを皮切りに#5山本 尚貴(DOCOMO DANDELION M5S SF19)、#7小林 可夢偉(KCMG Elyse SF19)らの5人がタイヤ交換を強いられることになった。

それとは対照的にトップ3台は巧みにタイヤをマネジメントしながら周回を重ねていく。

トップ#20平川のリードは5周終わって1.215秒。しかしその後は思うようにペースが上がらず、10周を終えてもその差は1.305秒にとどまる。それどころか20周を過ぎると#3山下が徐々に差を詰め始め、23周めには0.953、28周目には0.944と1秒を割り込んできた。するとすかさず#20平川はペースを上げて引き離しにかかり、30周を終えたところでは1.214秒差まで盛り返して見せた。

しかし#3山下は執拗に食い下がり、33周目には0.964秒差、さらに34周目には0.521秒差にまで接近してホームストレートに戻ってきた。

そこから両者は互いにオーバーテイクシステムを稼働させたままファイナルラップへ突入するが、先に残弾が尽きたのは#3山下だった。これを見て#20平川は悠々と#3山下を突き放してフィニッシュ。今季初、自身通算2勝目を挙げた。

ルーキーの#4サッシャ・フェネストラズ(ORIENTALBIO KONDO SF19)はデビュー戦を3位で終え、見事表彰台を獲得して非凡な速さをアピールした。

次戦の舞台は岡山国際サーキット。9月27日決勝だ。

第1戦優勝 #20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)のコメント
レースはきついだろうなと予想していましたし、実際後ろから追い上げられる展開になりました。でも自分がミスしなければ抜かれない自信はありました。去年のGT最終戦のもてぎでの記憶があったので、絶対に抜かれたくたいという気持ちが強かったです。それで最後まで集中して走りました。
序盤からタイヤがキツかったので、なんとかマネジメントして走っていました。後ろの2台がペース良さそうでしたが、失敗をしなければ大丈夫と、それだけを心がけて走りました。
優勝チーム監督 星野一義(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)のコメント
完璧なクルマでしたら、多分もっと差が出たと思いますが、以前山下選手が言ってたように今日は頭使ったからね。ただ速いだけじゃダメ、頭を使って勝つんだと。実際はセッティングがキツかったみたいですが、それを騙し騙しコントロールしたところが素晴らしかった。タイヤを見ても本当にキツそうだったけどね、本当にいいドライビング。これでやっと俺の弟子にしてやろうかなあと(笑)
今回はスタッフにもよくやっていただいたけど、何よりもぶっちぎって勝つより、亮のマシンを騙して走る、焦りを出さない精神的なものが素晴らしかったと思う。テクニックも凄いけどね。もうほっとしています。
Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER FORMULA

SF:第1戦もてぎ公式予選 コースレコード続出の熱い戦いを制したのは#20平川

2020全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦の公式予選が8月29日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)が1'31.083のコースレコードを記録して開幕戦のポールポジションを獲得した。

今大会はワンデー開催となったため、公式予選は日曜の朝、10時5分にスタート。予選Q1はスーパーGTと同様にA、B二つの組に分かれて行われた。開始時の天候は晴れで、気温は34℃、路面温度は42℃だったが、セッションが進むにつれて上空を雲が覆い始め、路面温度は2℃以上低下することになった。

予選Q1
A組は9台が出走し、上位7台がQ2進出の権利を得る。まずは#5山本尚貴(DOCOMO DANDELION M5S SF19)が真っ先にユーズドタイヤでコースイン、1周目ですぐにピットへ戻ってきた。他のドライバーも同様にタイム計測を行わずに相次いでピットインしてくる。この行動にはコースやクルマのチェックはもちろんあっただろうが、1周を走って一度ブレーキに熱を入れることでガレージ待機中もタイヤを加熱し続けることができるようだ。

本格的なアタックが始まったのは残り時間が5分を切ったところから。最初にピットアウトしたのは今季チームを移籍した#18国本雄資(KCMG Elyse SF19)。他のドライバーも相次いでピットを離れ、最後に#5山本が残り時間4分30秒でピットを離れた。

気温、路面温度ともに高いこともあり、全てのドライバーがアウトラップ、ウォームアップ1周に続いてすぐにタイムアタックに入った。

この組でトップに立ったのは#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)で1'31.877。最後にアタックした#5山本が1'31.895で続き、#3山下健太(ORIENTALBIO KONDO SF19)が1'32.011で3位。ルーキーの#65大湯 都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)は1'32.025で見事Q2進出を果たしたが、#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)と#50名取鉄平(Buzz Racing SF19)が惜しくもQ1敗退となった。

名取は当初参戦を予定していたセルジオ・セッテ・カマラとシャルル・ミレッシが新型コロナウィルスの影響で欠場となったために急遽参戦が決まり、今週末はスーパーフォーミュラ・ライツとのダブルエントリーとなったホンダ勢期待の若手の一人だが、その強行軍の影響もあってかこのセッション最下位に終わっている。

B組は10台が参加し、3台が脱落する。A組の走行開始時よりも幾分路面温度が下がった影響からか、1分31秒台の好タイムが相次ぐ接戦となった。B組もA組同様にピットアウトしてすぐにピットイン、という作戦を皆がとり、本格的なタイムアタックは残り時間が5分を切ったところから始まった。

ここでトップタイムを記録したのは#6福住 仁嶺(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)で1'31.440。これは昨年の第5戦でアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が1記録した1'31.442のコースレコードを上回るものだ。

2位には#20平川が1'31.461で続き、昨年度全日本F3王者の#4サッシャ・フェネストラズ(ORIENTALBIO KONDO SF19)が1'31.577で3位につける。昨年に続いて参戦を予定していたユーリ・ヴィップスに代わって参戦することになった#15笹原 右京(TEAM MUGEN SF19)も1'32.043で7位につけ、Q2進出を果たしている。

ここでQ1敗退となったのは#64牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)、#14大嶋和也(ROOKIE Racing PONOS SF19)、そして1997年のサーラ・カヴァナ以来の女性ドライバーとして今季フル参戦する#12タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE SF19)の3人となった。

予選Q2
Q2は午前10時45分より7分間の走行。ここで上位8台がQ3へ進出する。

ここでもアウトラップ、ウォームアップ1周ののち3周めに1発だけのタイムアタックという流れになり、まずは#4フェネストラズが1'31.281とコースレコードを更新してみせるが、その直後に#20平川が1'31.093という圧倒的な速さをみせてトップに。3位にはフェネストラズのチームメイト、#3山下が1'31.534で続いた。

一方、Q1のB組トップだった#6福住は1'31.706とQ1でのタイムを上回れずに9位、A組トップの#39坪井は1'31.870とベストタイムを更新したが12位に終わり、Q2敗退。他に#18国本、#1ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)、そして#15笹原、#5山本もここで予選を終えた。

その結果、ホンダ勢ではQ3に参加するのは#65大湯ただ一人だけということになった。

予選Q3
Q3は午前11時2分より7分間の走行。ここでも#20平川の速さは一歩抜きん出ており、1'31.083とさらにタイムを縮めてトップに。#4フェネストラズは少しタイムを落として1'31.396で2位。3位には#3山下が1731.535で続いた。

唯一のホンダ勢となった#65大湯は1'31.537で4位につけ、デビュー戦を2列目からスタートすることになった。

第1戦決勝は同日午後2時15分スタート。35周または70分のスプリントでタイヤ交換義務なしと、通常とは異なるレースフォーマットで行われる。

ポールシッターのコメント
#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)
クルマの方は自信ありましたし、昨年の予選でパロウに負けた悔しさを一年間ずっと持っていたので、それをどうやったら良くなるか、シーズンオフのテストでずっと色々やってきました。それがこうして実ったのですごくチームに感謝しています。
(骨折した)シーズンオフは痛くてシートベルトも閉められないほどでしたが、開幕が遅れたことで怪我も治ってよかった。もしかしたら今肩に入っているプレートがスタビリティになったかもしれませんね?
予選が僕の目標だったので、まずは安心しました。午後も集中してやっていく。暑くてタイヤがたれると思うので。しっかりマネジメントしてやっていきます。」
Text:Kazuhisa Suehiro

SUPER GT

SGT:第3戦鈴鹿 優勝ドライバーのコメント「今週知人が亡くなりましたが、ゴールまでは泣かないと決めて走りました」

GT500クラス優勝 #23MOTUL AUTECH GT-R

松田次生
今週知人が亡くなって、レースできるか不安なぐらいに悲しかったんですが、ゴールするまでは泣かないと決めていました。まさか優勝して泣けるとは思わなかったです。(亡くなった知人が)天から見守ってくれたのかなと思います。感謝しています。今まで以上にすごく集中できていたし、予選から決勝のリスタートまで集中を切らさず走れたのがこの勝利につながったと思います。 ロニー選手が気迫ある走りでトップを守ってくれたので、僕も絶対トップでゴールしてやろうという気持ちになりました。
ロニー・クインタレッリ
いろんな不安要素がありました。シケインの飛び込みでZENTに抜かれたときはすごくがっかりしました。それからセーフティーカー後のリスタートでははGT300の集団の中で、絶対もう一度2位を取り返してやろうと強い気持ちを持ってヘアピンで抜き返しました。その後64号車を抜いてトップに立ってからは、絶対にトップは譲らないぞと思って走りました。ピットストップのタイミングも完璧だったし、松田選手は絶対トップで戻ってきてくれると信じていました。最後の10秋はすごく長く感じました。 この2年なかなか勝てなくて、プレッシャーも感じていましたが、その間もファンの皆さんが励ましてくれました。この優勝は全国のファンの皆さんに捧げたいです。ありがとうございました。

GT300クラス優勝 #11GAINER TANAX GT-R

平中克幸
レース中は本当に辛かったです。チームが最高の仕事をしてくれてピットストップで前に出ることができ、セーフティーカーが出てからはトップに立つことができました。絶対にトップを守らないとチームに申し訳ないし、予選では自分のミスで失敗しているので、それを挽回したいという気持ちも強かったです。その気持ちがあったので、最後まで頑張れました。 本来だったら夏の鈴鹿はゲイナーのホームコースでもあるので、ファンシートなどたくさんのファンの皆さんの前でレースができているんですが、今はこういう状況でテレビで応援してもらっているので、テレビ越しにでも伝わるような走りを毎戦毎戦やっていこうと思っています。チーム一丸となって頑張りたいと思います。
安田裕信
この気温の中でレースをするというのは、チームスタッフ、ドライバー、そしてタイヤにもホンマに苦しい状況やったんですが、そんな中でSCを味方につけたことと、SC明けにチームが最高の仕事をしてくれたのと、平中さんのアウトラップでトップに立てました。僕も1回目に走ったからわかるんですけど、終盤はみんな本当にタイヤに厳しい状況で走っていたと思うんです。そんな中で平中選手が我慢の走りをしてくれて、見ていて僕も辛くなりました。でも今年は3回とも二人で完璧なレースができているので、このままの調子でチャンピオンを狙いたいと思います。 ファンの皆さんの前で走る日が来るのを待ち遠しく思っていまが、皆さんと一緒に戦っているという気持ちで走っているので、次戦も応援よろしくお願いします。

SUPER GT

SGT:第3戦鈴鹿決勝 猛暑の大乱戦を制したのは#23モチュールGT-R! ニッサンGT-Rが両クラス制覇の快挙

2020オートバックス スーパーGT第3戦「藤巻グループ鈴鹿GT300kmレース」の決勝が8 gatu
23日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、GT500クラスは#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)、GT300クラスは#11平中克幸/安田裕信組(GAINER TANAX GT-R)が優勝。4年ぶりにニッサンGT-Rが両クラスを制するという快挙を達成した。

(天候:曇り コース:晴れ)

GT500クラス優勝の松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)

GT500クラス決勝2位の山本尚貴/牧野任祐組(RAYBRIG NSX-GT)

GT500クラス決勝3位の関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM\'S GR Supra)

GT300クラス優勝の平中克幸/安田裕信組(GAINER TANAX GT-R)

GT300クラス決勝2位の小林崇志/松浦孝亮組(UPGARAGE NSX GT3)

GT300クラス決勝3位の加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス)

第3戦決勝は午後1時にフォーメーションラップ開始。この時点での気温は32℃、路面温度は48℃、湿度は66%。52周のアツく激しい戦いは、序盤からアクシデントが相次ぎ、途中3度もセーフティーかーが導入される大荒れの展開となった。

スタートでトップに立ったのはポールポジションの#64伊沢拓也(Modulo NSX-GT)。これに対して予選2位の#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)が背後から執拗にプレッシャーをかけ、デグナー手前でアウトから並びかけようとするが、伊沢はこれを一旦退けた。

しかしその後方で#30永井宏明(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)が#61山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)と交錯、ダンロップコーナーを飛び出してウレタンバリアに突っ込んでしまったため、車両改修のため2周目からフルコースイエローとなり、この日最初のセーフティーカーが導入された。

セーフティーカーは4周目にピットイン。5周めからレースは再開されたが、この際#16武藤英紀(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)の左後輪が脱落、16号車は最終コーナーを曲がりきれずにコースオフ、一旦はコースに戻ったが、結局このままレースを終えることになる。脱落の原因は現時点では調査中とのことだ。

再スタートから一気に後続を引き離したいトップの#64伊沢拓也だったが、ペースが思うように上がらず、後方からは6周目の日立オートモーティブシステムズシケインで#23 MOTUL AUTECH GT-Rのインをついて2位に浮上した#38立川祐路(ZENT GR Supra)が徐々に間隔を詰めてきた。

38号車に抜かれた#23クインタレッリも2台に離されずに追走、11周目に入ったときにはトップ3がテール・トゥ・ノーズの状態となった。さらに13周目に入る頃には#14大嶋和也(WAKO'S 4CR GR Supra)、#100牧野任祐(RAYBRIG NSX-GT)も加わって、トップ争いは5台の接近戦となった。

このバトルを制したのは#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)。

13周目のヘアピンで周回遅れに詰まった#38 ZENT GR Supraをアウトからパスして2位に浮上すると。さらに15周目のダンロップコーナーで#64 Modulo NSX-GTのインをこじ開けてトップに浮上。レコードラインを外さざるを得なかった64号車ははそこから相次いで後続の先行を許し、7位でコントロールラインに戻ってきた。

#100牧野も16周目のヘアピンで#14 WAKO'S 4CR GR Supraのインをついて4位に浮上すると、スプーンカーブで#38 ZENT GR Supraをも捉えて3位に浮上と力強い走りを見せた。

ところがその後方で#24ヤン・マーデンボロー(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)のフロントカウルが脱落、コース上のど真ん中に落下するというアクシデントが発生、これを取り除くためにこの日2度目のセーフティーカーが導入された。場所はバックストレート。#24マーデンボローはフロントカウルのないまま走行を続けた。

カウルをコース外に撤去したのち、セーフティーカーは22周目にピットイン。23周目にレースは再スタートとなったが、この時点ですでに規定周回数の1/3を越えていたため、再スタート直後から各チーム相次いでピット作業を行うことになった。

22周目にピットインしたのは#38 ZENT GR Supra、#64 Modulo NSX-GT、#8 ARTA NSX-GT、#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rの4台。しかし38号車はこの時点でギヤボックストラブルに見舞われて2速ギヤを失っており、そのままガレージに入れられてレースを終えてしまう。他の3台は無事コースへ復帰した。

続いて#17 KEIHIN NSX-GT、#24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R、#100 RAYBRIG NSX-GTが23周目にピットイン。トップの#23 MOTUL AUTECH GT-Rは24周目でピットに飛び込み、松田次生に交代してそのまま実質トップでコースに復帰した。

その後GT500クラスは26周目までに全車がピット作業を終えたが、トップの23号車が29周目に入ったところでNo21Hitotsuyama Audi R8 LMSとNo.244 たかのこの湯RC F GT3が接触するアクシデントが2コーナー立ち上がりで発生、スピンアウトした21号車がグラベルに捕まってしまったため、この日3度目のセーフティーカーが導入されることになった。

この時点の順位は1位No.23 MOTUL AUTECH GT-R、2位No.100 RAYBRIG NSX-GT、3位には予選12位から着実に順位を上げてきたNo.36関口雄飛(au TOM'S GR Supra)がつける。

レースは34周目に再開。第3戦で2基目のエンジンを投入した#23松田はここから着実に後続を突き放しにかかり、2位の#100山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)との差を40周目に2秒215、45周目には5秒631、50周目に7秒051として、最後は3秒725のリードを保ったままフィニッシュ。No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は開幕3戦目にして遂にNISSAN GT-R NISMO GT500勢で最初の勝者となった。

2位には#100山本尚貴/牧野任祐組(RAYBRIG NSX-GT)が続き、#36関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM'S GR Supra)が60kgのウェイトハンデを物ともせずに3位。開幕戦から3戦連続で表彰台を獲得してみせた。

NISMOの優勝は2018年の第2戦富士以来。これで松田次生の通算勝利数は21、ロニー・クインタレッリは15となった。

またドライバーズランキングは#36#36関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM'S GR Supra)が獲得ポイントを41に伸ばして依然としてトップ。2位の#37平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S GR Supra)が今回7位にとどまり、通算33ポイントとなったため、その差は8ポイントに広がった。

チームランキングもNo.36 TGR TEAM au TOM'sが50ポイント、No.37TGR TEAM KeePer TOM'sが41ポイントと、こちらも9ポイント差に広がっている。

GT300クラスはポールポジションの#31中山友貴(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)が序盤トップに立ってリードを広げると、その後方では#55高木真一(ARTA NSX GT3)、#56藤波清斗(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)、そして#244三宅淳詞(たかのこの湯RC F GT3)をかわして4位に浮上した#52川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)が2位争いを展開する。

上位陣は2度目のセーフティーカーラン終了直後に相次いでピットイン。ここで31号車は給油に時間がかかり、大きく順位を落としてしまう。これは第2戦において義務化されたGT300クラスのタイヤ交換が適用除外となり、代わってJAF-GT車両への給油リストリクターが復活した影響によるものだ。31号車はこの影響でトップ争いから脱落し、最終的に7位でフィニッシュしている。

3度目のセーフティーカーの原因となったのは#244久保凜太郎(たかのこの湯RC F GT3)と#21川端伸太朗(Hitotsuyama Audi R8 LMS)の接触だった。2コーナー立ち上がりでアウトから並びかけた#244久保がインで粘る#21川端をグラベルに押し出すような格好になり、21号車の回収のためにSC導入となった。244号車に対しては危険なドライブ行為があったとみなされてドライブスルーペナルティーが課せられている。

いくつかのチームはここまでピットインを引き延ばしていたが、この3度目のSCランをきっかけに全車がピット作業を終えることになる。その結果、タイヤ無交換作戦をとった#5坂口夏月(マッハ車検GTNET MC86マッハ号)がトップに。フルサービスながら素早いピット作業で順位を上げた#11平中克幸(GAINER TANAX GT-R)が2位に浮上してきた。

しかしタイヤに厳しい猛暑のレースでは流石にタイヤ無交換は無理があったか、#5坂口はあっさりと#11平中の先行を許し、その後も徐々に順位を落としていく。その結果、レース後半のトップ争いは#11平中、#56ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)、そして#55大湯都史樹(ARTA NSX GT3)の3人によって展開されることになった。

徐々にリードを広げる#11平中に対し、#56オリベイラは#55大湯の猛攻を退けるだけで手一杯の状態。そこへ#18松浦孝亮(UPGARAGE NSX GT3)、#61井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)らも徐々に上位3台に近づいてきて、2位争いは白熱。47周目のデグナーで姿勢を乱した
#56オリベイラに#55大湯が追突してフロント部分を破損して失速を余儀なくされると、このアクシデントに乗じて#18松浦が2台をかわして2位に浮上、この集団を抜け出してリードを広げていく。

#56オリベイラはコースに復帰してなおも後続を押さえにかかるが、#55大湯の負ったダメージは大きく、48周目のS字に入ったところでコースを外れてクルマを降りることになってしまった。#56オリベイラの背後には#61井口、そして#65蒲生尚弥(LEON PYRAMID AMG)が迫る。さらにその後方からは予選11位から追い上げてきた#2柳田真孝(シンティアム・アップル・ロータス)、そして#10石川京侍(TANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-R)も迫ってきた。

49周目に入るとダンロップ立ち上がりで#65蒲生は#61井口のインに並びかけるが、惜しくもコントロールを失ってバリアに突っ込んでしまう。続いてヘアピン立ち上がりで#61井口が#56オリベイラに並びかけ、両者併走のままスプーンへ。しかしここで2台の間を巧みにすり抜けて#2柳田が一気に3位に躍り出た。4位には#61井口が続く。

5位に後退した#56オリベイラはファイナルラップのヘアピンで#10石川と接触してスピン。なんとかコースには復帰したものの9位でレースを終えた。

こうした後続の混乱を尻目に#11平中は着実にリードを広げ、最後は2位の#18松浦に4.049秒差をつけて#11平中克幸/安田裕信組(GAINER TANAX GT-R)が今季初勝利を達成。2位には#18小林崇志/松浦孝亮組(UPGARAGE NSX GT3)が続き、第2戦優勝の#2加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス)が3位でフィニッシュ。2戦連続の表彰台を獲得した。

ニッサンGT-RがGT500、GT300のダブル優勝を達成するのは2016年5月の第2戦富士以来。この時の優勝はGT500クラスが#1松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)、GT300クラスは#3星野一樹/ヤン・マーデンボロー組(B-MAX NDDP GT-R)だった。

次戦の舞台は栃木県のツインリンクもてぎ。9月13日決勝だ。

SUPER GT

SGT:第3戦鈴鹿ポールポジション会見 「テストで手応えがあり、鈴鹿はチャンスだと思っていた」(伊沢拓也)

GT500 Class No.64 Modulo NSX-GT

伊沢拓也
6月に(鈴鹿で)行われたタイヤメーカーテストでも良い手応えがあって『鈴鹿はチャンスだな』と思っていました。でも想像していた以上に調子が良くて、気合が入ると同時にプレッシャーも大きくなっていきました。実は長いこと走ってきてQ1でトップタイムをマークしたことは何度かありましたが、Q2でトップタイムをマークしたのは今回が初めてなんです。
これもチームが良いクルマを用意してくれたから。もちろんダンロップさんが用意してくれたタイヤが素晴らしかったのも大きかった。このクルマとタイヤが、鈴鹿にピッタリ合っていました。このクルマに乗ったら誰でもポールが獲れる、そんなクルマに仕上がっていました。ここまでの富士2戦でも100Rのような高速コーナーではダンロップタイヤは速かった。ただその分、低速コーナーが犠牲になっていました。逆にその特性を活かして、鈴鹿サーキットとぴったりマッチした感じですね。
明日の決勝ではクルマの速さを見せる展開にしたいです。レースをどのように組み立てるのかは、まだ決まっていません。でも自分がスタートを担当するなら、そのままリードを広げていって20秒くらいリードして大津選手に繋げたい。そう思っています。
大津弘樹
ポールポジションを獲ることができて、嬉しい気持ちでいっぱいです。僕は今シーズンからGT500にステップアップしてきたので、なるべく早いうちに速さを印象付けたいと思っていました。そのためにも自分が走ったセッションでトップタイムをマークし、決勝レースで優勝したいと思っていました。今回、3レース目でセッションのトップタイムをマークすることができ、目標の一つを達成することができました。とても嬉しい公式予選になりました。
朝の公式練習から伊沢さんが速いタイムをマークしていて、僕自身もクルマのポテンシャルを信じ切って、持っているものすべてを引き出そうとアタックしました。鈴鹿サーキットはSRSのころから走り込んでいて得意なコースなので、いいアタックができました。今回セッションのトップタイムをマークできて、自分の速さをアピールできたと思いますし、自信にもつながりました。
ただ、明日の決勝レースが一番大事です。コースコンディションがどうなるのか、そして自分たちのレースペースも未知数ですが、明日は決勝での強さを発揮して、表彰台の中央を目指して、ベストを尽くしたいと思います。

GT300 Class No.31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT

嵯峨宏紀
公式練習では雲行きは怪しくて「Q1通過できるかどうか?」みたいなフィーリングでした。それでQ1は中山選手に走ってもらったんですが、そこで彼がトップタイムをマークしてくれました。これには僕もびっくりしましたが、プレッシャーも大きくなってしまいました(苦笑)。でも頭が真っ白になった状態でアタックしたらベストタイムをマークすることができました。無線では2番手と聞いていたので悔しいなあと思ったのですが、トップタイムのクルマがペナルティで後退したようでポールポジションを獲ることができました。頭が真っ白になるような状況にしてくれたチームと中山選手に感謝です(笑)。
今年は走り始めからから調子が良く、確か岡山の公式テストでも2番手だったと思います。でもここまでの2戦では上手くかみ合わずに結果が出せなくて。だからこうしてポールポジションを獲ったことは嬉しいと同時に、開発ドライバーとしてはホッとしています。
明日の決勝レースではトップからそのまま逃げ切りたいのですが、周りは猛者ばかりなので、簡単ではないでしょうね。第2戦の富士と違って今回はタイヤ交換義務はありませんが、鈴鹿はもともと荷重が大きくタイヤに厳しいコースです。しかも猛暑なので、タイヤにはとても厳しい状況だと思います。僕たちがそうだとは言わないけれど、もしタイヤ無交換でレースを走り切れるタイヤがあれば、それは大変有利になります。ただし、今回JAF-GT勢は燃料補給の際のリストリクターが絞られているので、給油には時間が掛かると思います。明日の決勝、本当なら大勢のお客さんが見ている目の前でいいレースをしたいのですが、それは無理。でもテレビの前で多くのファンが応援してくれていると思うので、応援に応えて良いレースをしたいです。
中山友貴
まずレースができることに感謝したいですし、レースできることが嬉しいです。もちろんそんな状況でポールを獲ることができて最高に嬉しいです。昨年から新型車輌を投入して、新たなチャレンジを始めたのですが、去年はシーズンを通して難しい戦いを強いられてしまいました。それでもオフの間に開発のスタッフががんばってくれて、ようやくスピードが戻ってきました。
ただ、ここまでの2戦ではトラブルもあったし、うまくかみ合わないところもあって結果が残せませんでした。それでも僕自身も鈴鹿を得意としていて、ここからいい流れをつかみたいと思っていました。公式練習ではいま一つだったのですが、公式予選では僕が担当したQ1からフィーリングも良くて、いいアタックができました。
明日の決勝レース、レギュレーション的にはタイヤ無交換でも行けることになりましたが、基本はピットインでタイヤを交換し速く走ることが重要だと思っています。久しぶりのポールポジション。優勝に最も近い位置からスタートできるので、明日は嵯峨選手と一緒に、僕らaprの底力を見せて優勝したいと思います。

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SGT:第3戦鈴鹿公式予選 #64Modulo NSX-GTが全セッショントップと圧巻の速さでPP獲得。GT300は#31プリウスが待望のPP

2020オートバックス スーパーGT第3戦「藤巻グループ鈴鹿GT300kmレース」の公式予選が8月22日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、GT500クラスは#64伊沢拓也/大津弘樹組(Modulo NSX-GT)が予選Q1、Q2ともにトップタイムを記録してポールポジションを獲得、GT300クラスは#31嵯峨宏紀/中山友貴組(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)が久々のポールポジションを獲得した。

公式予選は午後2時30分よりノックアウト方式で行われた。予選Q1開始時点の気温は33℃、路面温度は53℃、湿度は74%と公式練習よりさらに上昇。厳しいコンディションでの戦いとなった。

予選Q1

GT500クラスの予選Q1は午後3時03分開始。10分間の走行で上位8台がQ2進出の権利を得る。
まずは#36サッシャ・フェネストラズ(au TOM'S GR Supra)、#3平手晃平 (CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)が残り時間8分でコースイン。一方#23松田次生(MOTUL AUTECH GT-R)はコースオープンになってから漸くタイヤを装着するという余裕を見せる。

残り時間が7分を切る前には他のチームも続々とコースイン。23号車もここで戦列に加わった。

気温、路面温度共に高く、タイヤへの負担が大きいこともあり、今回は全てのドライバーがアウトラップに続いてウォームアップ走行を1周のみ行い、3周めにタイムアタックに入るというやり方をとった。

まずは#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)が1'46.764なかなかの好タイムを記録する。続いて#64大津弘樹(Modulo NSX-GT)が1'46.160を叩き出してトップに立つ。

#16笹原右京(Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT)も1'46.992で一時3位につけていたが、終盤に入ると#38石浦宏明(ZENT GR Supra)が1'46.631で2位に浮上、それを#23松田も1'46.秒500で上回って2位に割って入った。

最後にNo.19宮田莉朋(WedsSport ADVAN GR Supra)が1'46.931を記録したところでチェッカー。

#64 Modulo NSX-GTが1位。#23 MOTUL AUTECH GT-Rが2位、#38 ZENT GR Supraが3位とトップ3を分け合う形でQ1は終了した。

その中でもHonda NSX-GT勢は出走5台中4台がQ2進出を果たす圧倒的な速さを見せるが、唯一#8 福住仁嶺(ARTA NSX-GT)のみが14位と残念な結果に終わっている。

またポイントランキングトップの#36関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM'S GR Supra)は12位、ランキング2位の#37平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S GR Supra)は11位とトムス勢はウェイトハンデの影響もあってか揃ってQ1敗退という結果に終わった。

GT300クラスは今回もA、B二つの組に分かれてQ1を行い、各組の上位8台がQ2進出の権利を得る方式となった。

A組は午後2時30分から10分間の走行。#61井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)が1'59.921を記録したのを皮切りに、各車一斉にタイムアタックを開始した。

ここでトップに立ったのは#31中山友貴(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)で1'58.621。2位には#18小林崇志(UPGARAGE NSX GT3)、3位には#56藤波清斗(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)が続いた。公式練習トップの#55高木真一(ARTA NSX GT3)も8位でQ2進出を果たし、#61井口は惜しくも9位で予選を終えることとなったが、8位と9位の差はわずか0.067秒という接戦だった。またランキングトップの#52川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)も75kgものウェイトハンデを背負いながら5位でQ2進出を果たしている。

B組はルーキーの#244三宅淳詞(たかのこの湯RC F GT3)が1'58.959という驚きの速さをみせて序盤トップに立つが、残り時間1分で#11平中克幸(GAINER TANAX GT-R)が1'58.911を叩き出してトップを奪い、#244三宅はB組2位でQ2進出を果たすことに。#360柴田優作(RUNUP RIVAUX GT-R)が3番手タイムを記録するが、柴田は四輪脱輪でタイム抹消の裁定を受けて12位に後退、#34道上龍(Modulo KENWOOD NSX GT3)が3位。9位に終わった#65菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG)も8位に繰り上がってQ2出走の権利を得た。

予選Q2

GT500クラスポールポジションの伊沢拓也/大津弘樹組(Modulo NSX-GT)

GT500クラス予選2位の松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)

GT500クラス予選3位の立川祐路/石浦宏明組(ZENT GR Supra)

GT300クラスポールポジションの嵯峨宏紀/中山友貴組(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)

GT300クラス予選2位の高木真一/大湯都史樹組(ARTA NSX GT3)

GT500クラスのQ2は午後3時41分から10分間の走行。残り時間が8分を切ったところで#17ベルトラン・バゲット(KEIHIN NSX-GT)が最初にコースイン。続いて#100牧野任祐(RAYBRIG NSX-GT)、#64伊沢拓也(Modulo NSX-GT)、#16武藤英紀(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)とHonda NSX-GT勢が早めにタイムアタックを開始した。

一方、#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)は残り時間5分30秒、#14 坪井翔(WAKO'S 4CR GR Supra)が残り4分30秒で最後にコースインして、各車アウトラップに続いて1周のウォームアップランと、予選Q1と同じ方法でタイムアタックを行った。

最初に動いた#17は1'47.635、#100牧野も1'48.122といまひとつタイムが伸びなかったが、#64 伊沢は1'46.239を記録してトップに立つ。

少し遅れて走行を開始した#23クインタレッリは第1区間でベストタイムを更新する速さを見せたものの、トップの伊沢には僅かに及ばず1'46.699で2位に終わったため、No.64 Modulo NSX-GTが公式練習、予選Q1、Q2と、全てのセッションでトップを独り占めする結果に。

これにより第2戦のNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)に続いてHonda NSX-GTが今季2度目のポールポジションを獲得。伊沢にとっては意外にもこれが自身のアタックで獲得する初めてのPPとなった。

3位は#38立川祐路(ZENT GR Supra)で1'46.769。最後にタイムアタックを行った#14坪井は1'46.899で4位に食い込んでみせた。

GT300クラスは#244久保凜太郎(たかのこの湯RC F GT3)の1'58.889を皮切りに#55大湯都史樹(ARTA NSX GT3)が1'58.430、#31嵯峨宏紀(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)が1'58.189と1分58秒台が相次ぐ接戦となり、チェッカー寸前に#56ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)が1'58.053を叩き出してトップに躍り出たが、オリベイラはスプーン出口で四輪脱輪をしたと見做されてトップタイム抹消に。これで31号車がトップに繰り上がったが、オリベイラはセカンドベストタイムでも3位に相当するタイムを記録しており、明日の決勝をセカンドローからスタートする権利をもぎ取っている。

#31嵯峨のポールポジション獲得は通算3回目。プリウスをフロントエンジン化してから開発に苦しんできたaprにとっては久々の嬉しいポールポジションとなった。

SUPER GT

SGT:第3戦鈴鹿公式練習 GT500トップは#64Modulo NSX-GT。GT300は#55ARTA NSX GT3とNSXが両クラスを制す

2020オートバックス スーパーGT第3戦「藤巻グループ鈴鹿GT300kmレース」の公式練習が8月22日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、GT500クラスは伊沢拓也/大津弘樹組(Modulo NSX-GT)、GT300クラスは#55高木真一/大湯都史樹組(ARTA NSX GT3)と、両クラスでホンダNSXがトップタイムを記録した。

公式練習は午前10時より混走が85分間、専有走行は各クラス10分間で行われた。天候は曇り。しかし連日の猛暑の中、気温32℃、路面温度42℃、湿度70%というタイヤにもドライバーにも厳しいコンディションで行われた。

#64 Modulo NSX-GTは序盤から速さを見せつけ、走行開始から15分が経過したところで伊沢が1'47.713、1'47.165と立て続けに1分47秒台の好タイムを連発してトップに立つ。

30分経過時点の順位は1位#64Modulo NSX-GT、2位に#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)、3位にはルーキー笹原の速さが光り、#16武藤英紀/笹原右京組(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)が続く。

上位陣はここで一旦ピットイン。走行再開後に#23 MOTUL AUTECH GT-Rのクインタレッリが1’分47.664にタイムアップしているが、他のチームはここから決勝を睨んだロングランに移行したようだ。23号車もタイムアップの後は松田次生に交代して周回を重ねた。

開始から1時間10分が経過したところで#48田中勝輝/飯田太陽組(植毛ケーズフロンティアGT-R)の田中が2コーナー出口でスピンしたために赤旗が提示されて一旦セッションは中断。午前11時16分に走行は再開されたが、11時25分にGT300クラスの専有走行が始まるまでに順位の変動は見られなかった。

GT500クラスの専有走行は午前11時35分に開始。

この時点で気温は34℃、路面温度は44℃に上昇しており、タイム更新はなかなか厳しい状況となったが、#14坪井翔(WAKO'S 4CR GR Supra)が1'48.239で7位、その直後に#38石浦宏明(ZENT GR Supra)が1’47.696を記録して3位とそれぞれ順位をあげたところでチェッカーフラッグ。最後の最後に#19宮田莉朋(WedsSport ADVAN GR Supra)も1’48.372を出して8位に食い込んでいる。

しかし結局上位2台はここではタイムを更新することはなく、また彼らを上回るチームも現れなかったため、トップは#64 Modulo NSX-GT、2位に#23 MOTUL AUTECH GT-R、そして3位は#38立川祐路/石浦宏明組(ZENT GR Supra)と3メーカーがトップ3を分け合う結果となった。

第2戦優勝の#17塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT)は6位、ポイントリーダーの#36関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM'S GR Supra)はウェイトハンデの影響もあってか10位で走行を終えている。

なお#39ヘイッキ・コバライネン/中山雄一組(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)はコバライネンが専有走行を担当。新型コロナウィルスの影響で第1戦、第2戦は日本人の若手選手にシートを譲る格好となったが、第3戦になってようやく戦線に復帰してきた。しかしコバライネンのベストタイムは1'49.001。残念ながら13位に終わっている。

GT300クラスは開始早々に田中勝輝(植毛ケーズフロンティアGT-R)がS字でスピン、#25松井孝允/佐藤公哉組(HOPPY Porsche)の佐藤も前走車のディフューザーから生じた負圧でボンネットピンが外れてボンネットが開きっぱなしになる珍しいアクシデントに見舞われるなど、波乱の滑り出しとなったが、そんな中でも#55ARTA NSX GT3が序盤から速さをみせ、高木が1’58.866を記録してトップに立った。2位には#56藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)が続き、#11平中克幸/安田裕信組(GAINER TANAX GT-R)が3位。新規参戦チームの#244久保凜太郎/三宅淳詞組(たかのこの湯RC F GT3)も新人三宅が速さをみせて1'59.440で4位に続く。

セッション中盤に入ると#9藤井誠暢/ケイ・コッツォリーノ組(PACIFIC NAC D'station Vantage GT3)の藤井が1'59.412を記録して4位に浮上、その後は各チーム決勝を見据えたロングランに移行したため大きな順位変動はなかった。

11時25分から10分間の専有走行に入ってもトップ3に順位変動はなく、GT300のトップは#55ARTA NSX GT3、2位に#56リアライズ 日産自動車大学校GT-R、3位#11GAINER TANAX GT-Rの順で公式練習は終了。

第2戦優勝の#2加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス)は21位と不本意な結果に終わったが、ランキングトップの#52吉田広樹/川合孝汰組(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)は75kgものウェイトハンデを物ともせず、10位で走行を終えている。

SUPER GT

SGT:第2戦富士決勝会見 「チェッカー受けてから(勝ったのかどうか)無線で何度も確認しました」(塚越広大)

GT500クラス優勝 #17KEIHIN NSX-GT

塚越広大

決勝記者会見: GT500クラスで優勝した塚越広大(KEIHIN NSX-GT) 優勝できてうれしいです。バゲットが前半をがんばってトップで戻ってきて、まさにパーフェクトな形で繋いでくれました。でも、自分の走行の前半は、実はコントロールに苦しんでいました。単独で走っていた時には問題なかったのですが、GT300のクルマを抜いたあとで、コントロールし難くなったんです。ただ走行後半になったら、しっかりとコントロールできるようになった。ギャップもあったので、クルマとチームを信頼して走りました。僕たちは、これまでにもこんな場面で何かあることも多かったので、最後まで集中を切らさないように走りました。それでチェッカーを受けてからも、無線で何度も確認したほどです(苦笑)。

バゲットとのコンビも2年目。去年は勝てそうでなかなか勝てず、今年はまず1勝をと思ってきました。これを早い段階で実現できてよかったです。フロントエンジン車に生まれ変わったNSXーGTにとって、これが初優勝。早い段階で勝つことができたのは大きいし、価値ある1勝だと思っています。開幕戦でNSX-GT勢は予選で速かったものの、決勝では後退してしまった印象があります。僕たちもトラブルがあったけれど、それがなく走り続けていれば上位に行けたんじゃないか、と思います。それは、他のNSX-GT勢よりも僕たちの方がいいセットを見つけている、と考えています。

今大会は優勝できましたが、GR Supra勢はウェイトハンデを搭載しても速くて、どんどん追い上げてきました。僕たちも、もっともっといいセットを見つける必要があると思っています。次回の鈴鹿はハンデが重くなります。だから速さで前に行くのは難しくなりますが、強さできっちりとポイントを稼ぐ。そんなレースにしたいです。個人的には、これまで鈴鹿ではいい結果が出せてないので、今回の優勝からいい流れで臨みたいですね。

ベルトラン・バゲット

決勝記者会見: GT500クラスで優勝したベルトラン・バゲット(KEIHIN NSX-GT) 第2戦に来るまでは決してイージーではありませんでした。でも、昨日走ってみてクルマが、より決勝レースに向いていると確信できました。最前列からのスタートで、なるべく早くトップに立って先を急ぎたかった。けれど、なかなか簡単に抜くことはできませんでした。それで最初のうちはポジションをキープすることにしました。そうしているうちに(ARTAが)バックマーカーに引っかかってタイムロスしたところで抜き、トップに立つことができました。優勝できて気分は最高です。

今回は気温も路面温度も高くて、タイヤのチョイスも難しかったのですが、とても合ったタイヤと出会うことができました。これも大きな勝因です。次回の鈴鹿は、NSXにとっても僕自身にとっても相性がいいコース。今回は最前列からスタートできましたが、鈴鹿も良いポジションからスタートしたい。そのためにも予選で良いタイムが出せるようセットを詰めていくことが必要ですね。次回の鈴鹿では1ポイントでも多く稼ぐようなリザルトを目指してがんばります。

GT300クラス優勝 #2シンティアム・アップル・ロータス

加藤寛規

決勝記者会見: GT300クラスで優勝した加藤寛規(シンティアム・アップル・ロータス) 久しぶりに優勝できて、自分の素直な気持ちとしては最高に嬉しいです。開幕戦でも速いことは確認できていましたが、トラブルに見舞われて結果を残すことができませんでした。それでも(トラブルから)得られる情報もあり、その対処をして今回のレースに臨むことになりました。

今回もヨコハマさんが良いタイヤを用意してくれたのですが、実はどこまで保つのか分からなくて。最初はひたすら着いて行くだけの作戦になりました。いつタイヤが終わるかわからないまま走っていったんですが、実際には後半までタイヤが保ったんです。上手く行き過ぎたくらいです。本当に勝ててよかったです。

今回はピットインではドライバー交代とともに、タイヤの4本交換が義務付けられていましたが、僕たちはもともと4本交換する予定でまったく影響ありませんでした。次回の鈴鹿ですが、実は僕たちのクルマは、ウェイトハンデを積むのはこれが初めて。今日のレースもそうでしたが、ライバルとのバトルじゃなく、タイヤとコミュニケーションを図りながら上手くマネージメントしていくのが僕たちのレースなんです。でも柳田選手も含めてチームとは良いコミュニケーションが図れているので、鈴鹿も精一杯がんばります。

柳田真孝

決勝記者会見: GT300クラスで優勝した柳田真孝(シンティアム・アップル・ロータス) この場に居ることができて嬉しいです。このチームに呼んでくれた高橋一穂オーナーや加藤さん、そしてチームとヨコハマタイヤさんにも感謝したいです。

開幕戦もそうでしたが、このクルマやチームには速さがあるんです。でも開幕戦ではトラブルに見舞われて結果を残すことができませんでした。僕自身、2年間(SUPER GTでは)走ったことなくて、やっと走れると思ったらコロナの影響でまたしばらく走れなくて、正直なところモチベーションを保つのが大変でした。それでもチームやGTA、それに富士スピードウェイの皆さんのおかげでレースができることになり、2戦目で優勝することができました。今日は無観客開催でスタンドにお客さんの姿はなかったのですが、早くお客さんに戻ってきてもらえるようになり、多くのお客さんの前で表彰台に上り、またこの場所に戻ってきたいです。

今回の優勝で、次戦の鈴鹿は重いウェイトハンデを背負うことになります。でも、開幕戦で優勝した52号車は今回も6位に入っているじゃないですか。手強いですよね。ここからはいかにシリーズポイントをコツコツ稼いでいくか、そんな戦いになってくると思います。

SUPER GT

SGT:第2戦富士決勝 #17ケーヒンNSXが独走優勝!!GT300は#2シンティアム・アップル・ロータスが10年ぶりの勝利

2020オートバックス スーパーGT第2戦「たかのこのホテル富士GT300kmレース」の決勝が8月9日、静岡件の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT)、GT300クラスは加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス)が優勝した。

(天候:晴れ コース:ドライ)

GT500クラスで優勝した塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT)

GT500クラス決勝2位の関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM\'S GR Supra)

GT500クラス決勝3位の大嶋和也/坪井翔組(WAKO\'S 4CR GR Supra)

GT300クラスで優勝した加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス)

GT300クラス決勝2位の井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT)

GT300クラス決勝3位の高木真一/大湯都史樹組(ARTA NSX GT3)

GT500クラスで4位に入った平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM\'S GR Supra)はランキング2位にドロップ

GT300クラスで6位に入った吉田広樹/川合孝汰組(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)はランキングトップを死守

開幕戦に引き続き今回も無観客での開催となった第2戦。決勝レースは午後1時より66周で行われた。天候は薄曇り。コースはドライコンデションだ。

ホールショットを奪ったのは#8福住仁嶺(ARTA NSX-GT)。#17ベルトラン・バゲット(KEIHIN NSX-GT)が2位につけ、予選4位の#12平峰一貴(カルソニックIMPUL GT-R)が3位に浮上、#39中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)はスタートで4位に順位を落とすと、その後も#36サッシャ・フェネストラズ(au TOM'S GR Supra)の先行を許して5位に後退してしまう。フェネストラズは24周目の1コーナーで平峰をも捉えて3位に浮上した。

さらにその後方では#37ニック・キャシディ(KeePer TOM'S GR Supra)と#14大嶋和也(WAKO'S 4CR GR Supra)が熾烈な7位争いを展開、そこに#100牧野任祐(RAYBRIG NSX-GT)も加わって一時は三つ巴のバトルに発展するが、キャシディは後続を押さえつつも前方の#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)を捉えて6位に浮上、大嶋、牧野も次々にクインタレッリを攻略してそれぞれ7位、8位に浮上してきた。

トップの#8福住は1周目に1.039秒のリードを築くが、#17バゲットも2周目以降は追い上げに転じ、4周終了時点で0.849秒差、5周終了時点では0.679秒差に詰め寄ってきた。2台はその後もコンマ5〜6秒の間隔を保って一進一退の攻防を続けたが、15周目のコカコーラコーナで遂に#17バゲットが#8福住を捉えてトップに浮上した。

バゲットはその後着実にリードを広げにかかり、25周目にはその差を4秒以上として30周目にピットイン。塚越に後半を託す。3位の#36フェネストラズ、4位の#12平峰もこの周でピット作業を行った。

これにより再びトップに立った#8福住は35周目にピットイン。#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)はトップのままコースへ復帰するが、ダンロップコーナー二つ目の立ち上がりで痛恨のスピンを喫し、コースアウト側にストップ。すぐにエンジンを再始動して走行を再開したものの、8号車は周回遅れとなってしまい、レース半ばにして完全に勝負の権利を失った。

これで#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)はトップを取り戻した。2位は#36関口雄飛(au TOM'S GR Supra)、3位は#12佐々木大樹(カルソニックIMPUL GT-R)、#14坪井翔(WAKO'S 4CR GR Supra)が4位となった。

この時点で2位以下に20秒以上の大差をつけてトップを快走する#17塚越の後方では#12佐々木と#14 坪井が熾烈な3位争いを展開、42周目のダンロップで坪井が佐々木を捉えて3位に浮上すると、さらにその後方から追い上げて来た#37平川亮(KeePer TOM'S GR Supra)も佐々木を捉えて4位に浮上して来た。

佐々木はその後も#100山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)の先行を許した上、GT300車両と接触。この件でレース後にスポーティングレギュレーション13条1項a「危険なドライブ行為」に抵触したとして40秒加算のペナルティが科せられ、#12佐々木大樹/平峰一貴組(カルソニックIMPUL GT-R)は11位でレースを終えている。

一方トップ争いは、#36関口がトップと差を詰めようと奮闘し、61周目にはその差を14秒597とするが、#17塚越は最後まで手綱を緩めず、最後は36号車に15.762秒の差をつけてフィニッシュ。#17塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT)がフロントエンジン化されたHONDA NSX-GTに初の勝利をもたらした。

この勝利はKEIHIN REAL RACINGと塚越にとっては2018年の開幕戦岡山以来で通算3勝目。バゲットにとっては2017年の第6戦鈴鹿以来(No.64 Epson Modulo NSX-GT)で通算2勝目となる。

惜しくも2位に終わった#36関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM'S GR Supra)だが、開幕戦に続いての2戦連続の2位入賞によりドライバーズランキングでは30ポイント、チームランキングでは36ポイントでいずれもトップに立つことになった。

3位は坪井がレース中盤激しい追い上げをみせた#14大嶋和也/坪井翔組(WAKO'S 4CR GR Supra)が獲得。優勝こそ逃したものの今回もTOYOTA GR Supra GT500の決勝での強さを改めて証明したレースとなった。

前回優勝の#37平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S GR Supra)はこのレースを4位で終えたことにより、ドライバーズランキングでは29ポイント、チームランキングは34ポイントでそれぞれ2位につけている。

GT300クラスは今回からタイヤ4本交換を義務化するという規定変更があり、2本交換やタイヤ交換を常套手段として来たチームはそれへの対応を迫られた。

決勝はスタートから#6阪口良平(ADVICS muta MC86)が逃げる一方、予選2位の#55高木真一(ARTA NSX GT3)は順位を落とし、代わって#2加藤寛規(シンティアム・アップル・ロータス)と#61山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)が2位、3位に浮上。熾烈なバトルの末3周目のセクター3で#61山内が#2加藤を捉えて2位に浮上した。

#61山内はその勢いのまま#6阪口に接近、6周終わりには0.417秒差にまで迫り、9周目のダンロップコーナーで遂に6号車にアウトから並びかけ、トップに浮上。#2加藤もそれに続き、6号車は一気に3位に後退してしまった。

4位を走っていた#55高木は15周目の最終コーナーで#65菅波の先行を許し、5位に後退。#65菅波は19周目にピットイン。規定通りタイヤ4本を交換して蒲生に後半を託す。

その後方では前回優勝の#52川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)が予選9位スタートながら着実に順位を上げ、4位までポジションアップして来ていた。

#6阪口は20周目に早めのピットイン。#6小高一斗(ADVICS muta MC86)に後半を任せる。

#61山内は26周終わりでピットイン。#61井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)に交代した。

これにより再びトップに立った#2加藤は30周目にピットインして#2柳田真孝(シンティアム・アップル・ロータス)に交代、そのままトップでコースに復帰した。

#2柳田はその後も安定した走りで#61井口の追撃を退けてトップでチェッカーを受け、#2加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス)が今季初優勝。チームと加藤にとってこれは2010年の第5戦SUGO以来、実に10年ぶりの優勝となった。当時の車両は紫電。マザーシャシーを投入してからは初めての優勝ということになる。

2位は#61井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT)。3位にはレース後半に大湯の追い上げで順位を挽回した#55高木真一/大湯都史樹組(ARTA NSX GT3)が入った。

なお、ポールポジションの#6阪口良平/小高一斗組(ADVICS muta MC86)は早めのドライバー交代が裏目に出たか、レース終盤に大きく順位を落とし、9位でレースを終えた。

また前回優勝の#52吉田広樹/川合孝汰組(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)は60kgものウェイトハンデを物ともせずに6位でフィニッシュしている。

この結果を受けてシリーズポイントは依然として#52吉田広樹/川合孝汰組(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)がドライバーズ、チーム共にランキングトップ。#2加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス)がいずれも2位となった。

次戦の舞台は三重県の鈴鹿サーキット。8月23日決勝だ。

SUPER GT

SGT:第2戦富士ポールポジション会見 「決勝に重きを置いたセットでポールを獲ることができ、本当に嬉しいです」(野尻智紀)

GT500クラスポールポジション #8ARTA NSX-GT

野尻智紀

予選記者会見: GT500クラスポールポジションの野尻智紀(ARTA NSX-GT) 開幕戦では予選でポールポジションを獲り逃がしただけでなく、チームメイトの福住選手にも予選のタイムで負けてしまい、個人的にはとても悔しい思いをしてしまいました。決勝でもズルズルと後退してしまい、まったくいいところなくレースを終えていたので、福住選手やチームと一緒に第2戦に向けてがんばってきました。今回のセットは予選よりも決勝レースに重きを置いたものですが、それでこうしてポールポジションを獲ることができ、本当に嬉しいです。

開幕戦の決勝レースでペースが上がらなかったのは、僕たちとしてはタイヤではなくクルマのセットアップや、それをドライバーがどう合わせ込むか、どう走らせるか、に問題があったと分析しています。タイヤに関しては、前戦に比べて気温が上がるだろうから、固めのタイヤを選んでいます。だから明日の決勝レースで路面温度が上がっても、あまりネガティブな要素にはならないと思っています。

前戦と違って今回は2デイ開催なので、少しだけポールを獲った喜びに浸ることができると思います。でも、本当の仕事はこれから。気持ちを切り替えて明日の決勝レースを全力で戦い、ここに戻って来られたらいいですね。

福住仁嶺

予選記者会見: GT500クラスポールポジションの福住仁嶺(ARTA NSX-GT) 開幕戦のレースでは苦しいところが多かったので、その反省も込めて今回はチームや野尻さんと一緒にミーティングを重ねてクルマをセットアップして持ち込みました。でも午前中の公式練習では不安要素も多く、午後の公式予選に向けてセッティングをもう一度見直すことになりました。

予選Q1での僕のアタックは第1コーナーでタイヤをロックさせ、右のフロントタイヤにわずかにフラットスポットをつくってしまいました。一瞬『これで終わりかな』とも思いましたがエンジニアさんから励まされ、最後の最後まで諦めずに走り、Q1を突破してQ2の野尻さんに繋ぐことができました。そうしたら野尻さんが素晴らしいアタックでポールを獲ってくれて。ホンダやチーム、もちろん野尻さんにも感謝しています。

前戦は上位を独占したGR Supra勢だけじゃなく同じブリヂストンを履くNSX-GT勢にも出し抜かれてしまいました。本当にコテンパンにやられてしまった印象があるので、今回はリベンジしたい。前回はワンデーだったので決勝に向けて立て直す時間はなかったのですが、今回は明日まで時間があります。ここからが本当の勝負と思い、チームとミーティングして、よりいいクルマに仕上げて決勝レースに臨みたいと思います。

GT300クラスポールポジション #6ADVICS muta MC86

阪口良平

予選記者会見: GT300クラスポールポジションの阪口良平(ADVICS muta MC86) 開幕戦では歯車がかみ合わずに、良いところなく終わってしまいました。今回はそれを反省して、持ち込みのセットも仕様を変えてきました。僕はクルマのセットアップ担当で、速く走るのは一斗に任せているのですが、公式練習のうちに仕上げることができ、午後の予選でもQ2の一斗に繋ぐことができました。時間内にセットアップをまとめることができたのはチーム力のたまものだと思っています。

公式練習から速かった2号車は、タイヤも違うのですが同じマザーシャシー車両なので当然意識していました。ただ公式練習では『とても速くて公式予選でも届かないかもしれない』と思っていました。でも、Q2では一斗のがんばりもあって逆転することができました。僕はQ2をコカ・コーラ コーナーで見ていて、ピットに戻ってようやくポールを獲ったことが分かり、喜ぶまでタイムラグがありましたが。

明日の決勝レースですが、僕たちのクルマが速いところも遅いところも分かっています。だから速いところでマージンをつくり、このまま逃げ切って勝ちたいという気持ちはあります。でも、SUPER GTがそんな簡単なレースじゃないことも分かってます。だから明日の決勝レースでは、ノーミス・ノートラブルで、そして全力で戦うだけですね。

小高一斗

予選記者会見: GT300クラスポールポジションの小高一斗(ADVICS muta MC86) SUPER GTフル参戦の2戦目でポールを獲ることができて嬉しいです。でも、僕はただクルマに乗っていただけ。良平さんがチームと一体になって、このクルマを仕上げてくれたから。

公式予選を走るまでは、2号車が速くて正直言ってとても勝算なんかありませんでした。ただ、決勝に向けて『一つでもいいポジションに就けるようがんばろう』とだけ思っていました。今回は無線の調子がよくなくて、アタックを終えてピットロードに帰ってきてパルクフェルメにクルマを止めた時に、初めてポールを獲ったんだと分かりました。

開幕戦では後方集団に埋もれてしまい、影の薄いレースにしてしまい、まったくいいところを見せることができませんでした。だから明日のレースでは、どちらがスタートするかまだ決まっていませんが、何とかがんばっていいレースにしたいと思います。

SUPER GT

SGT:第2戦富士公式予選 NSXがフロントロー独占!!#8野尻が通算6度目のPP

2020オートバックス スーパーGT第2戦「たかのこホテル富士GT300kmレース」の公式予選が8月8日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは#8野尻智紀/福住仁嶺組(ARTA NSX-GT)、GT300クラスは#6阪口良平/小高一斗組(ADVICS muta MC86)がポールポジションを獲得した。
(天候:晴れ コース:ドライ)

公式予選は午後2時30分よりノックアウト方式で行われた。GT300クラスは今回もA組とB組に分かれてQ1を走行する。

予選Q1
GT500クラスの予選Q1は午後3時3分より10分間で行われた。出走15台中上位8台がQ2進出の権利を得る。

今回もコースオープンからやや遅れて、残り8分を切ったあたりから#64大津弘樹(Modulo NSX-GT)を先頭に各チーム続々とコースイン。残り6分で#17ベルトラン・バゲット(KEIHIN NSX-GT)が走行を開始して全車がコース上に。

アウトラップののち2周をウォームアップに充てて4周目からアタックに入るドライバーが多い中、最後にコースインしたNo.17バゲットは3周目に1'28.135でトップに立つ。

しかしその直後に#100牧野任祐(RAYBRIG NSX-GT)が4周目のアタックで1'27.328を叩き出してトップに浮上、#12平峰一貴(カルソニックIMPUL GT-R)が1'27.634で2位につけ、#36サッシャ・フェネストラズ(au TOM'S GR Supra)が1'27.887で3位に続く。

#17バゲットは4周目にも1'27.952とタイムを縮めたものの、上位3人にはわずかに及ばなかった。

ルーキーの#16 笹原右京(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)はチェッカーフラッグ提示直前までQ2進出ラインギリギリの8位という状況だったが、最後の最後に#39中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)が1'27.602で2位に飛び込んできたため9位に後退、惜しくもQ1敗退となった。

前回優勝のNo.37平川亮(KeePer TOM'S GR Supra)も10位で予選を終えている。

午前中の公式練習で二度目の赤旗原因を作ったNo19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)は、宮田の健闘虚しく14位と残念な結果に終わっている。

GT300クラスのA組は#61井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)が1'37.011でトップ。#5坂口夏月(マッハ車検GTNET MC86マッハ号)が1'37.368で2位、#31中山友貴(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)が1'37.446で3位と、JAF-GT300勢がトップ3を占める結果となった。開幕戦を制して60kgのウェイトハンディを積む#52吉田広樹(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)も7位でQ2進出を果たしている。

B組は#2柳田真孝(シンティアム・アップル・ロータス)が1'36.775という圧倒的なタイムでトップ。2位には1'37.240で#65菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG)が、3位には1'37.560で#56藤波清斗(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)がつけた。

一方、B組の8位でチェッカーを受けた#18松浦孝亮(UPGARAGE NSX GT3)はQ1終了後にコース外走行があったと判定されてベストタイムが抹消になり、#244三宅淳詞(たかのこの湯RC F GT3)が8位に繰り上がってQ2進出を果たしている。


予選Q2
続いて予選Q2は午後3時41分より10分間の走行。
コースオープンから1分が経過したところで#39阪口晴南(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)が最初にコースイン。#36関口雄飛(au TOM'S GR Supra)、No.14坪井翔(WAKO'S 4CR GR Supra)がそれに続き、TOYOTA GR Supra GT500勢は早めに動いた格好だ。

各車2周のウォームアップを終え、残り2分を切ったところで本格的なタイムアタックが始まった。
まずはNo.100山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)が1'28.119を記録すると、#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)が1'27.300でトップに浮上。続いてNo17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)が1分27秒481で2位につけ、まずはホンダ勢が速さを見せる。

一方開幕戦では苦戦したニッサン勢も#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)が1'27.811、#12佐々木大樹(カルソニックIMPUL GT-R)も1'27.795とここではHonda NSX-GTと遜色ないタイムを記録してきた。

ところがQ2終了間際に#39阪口晴南(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)が1'27.729を叩き出して一気に3位に食い込んできた。阪口は昨年から今年の開幕戦まで#96K-tunes RC F GT3をドライブしてGT300クラスを戦ってきたが、新型コロナウィルスの影響で日本への入国が叶わないヘイッキ・コバライネンの代役として、開幕戦の山下健太に続いて抜擢された期待の若手だ。

しかし結局野尻のタイムを上回るものは現れず、#8野尻智紀/福住仁嶺組(ARTA NSX-GT)が2018年の最終戦茂木以来のポールポジションを獲得。野尻のPP獲得はこれで通算6回となった。2位は#17塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT)で公式練習に続いてHonda NSX-GTがフロントローを独占するという結果となった。

3位は阪口の健闘が光った#39中山雄一/阪口晴南組(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)。ニッサン勢の最上位は#12佐々木大樹/平峰一貴組(カルソニックIMPUL GT-R)の4位だが、トップから4位までの差は僅か0.495秒と3メーカーがほぼ互角という結果だった。

GT300クラスは#2加藤寛規(シンティアム・アップル・ロータス)が1'36.634とQ1の柳田に続いて1分36秒台のタイムを刻んできたが、#6小高一斗(ADVICS muta MC86)が1'36.270を叩き出して加藤を上回り、トップに立つ。小高は昨年の第2戦、第5戦のいずれも富士大会で第3ドライバーを務めたが、フル参戦は今年が初めて。今季はスーパーフォーミュラ・ライツやスーパー耐久、86/BRZレースにも参戦するトヨタ勢期待の若手だ。

さらに同じくルーキーの#55大湯都史樹(ARTA NSX GT3)も1'36.378と加藤のタイムを上回り、2位に食い込んできた。

加藤はその後1'36.419までタイムを上げるが、若者二人には及ばなかった。

その結果ポールポジションは#6阪口良平/小高一斗組(ADVICS muta MC86)、2位は#55高木真一/大湯都史樹組(ARTA NSX GT3)、3位に#2加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス)となった。

前回優勝の#52吉田広樹/川合孝汰組(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)は9位、繰り上げで初のQ2進出となった#244久保凜太郎(たかのこの湯RC F GT3)は12位で9日の決勝に臨む。

SUPER GT

SGT:第2戦富士公式練習 開幕戦に続いてNSXが1-2!! トップは#100レイブリックNSX

2020オートバックス スーパーGT第2戦「たかのこのホテル富士GT300kmレース」の公式練習が8月8日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは#100山本尚貴/牧野任祐組(RAYBRIG NSX-GT)、GT300クラスは加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス)がトップタイムを記録。GT500クラスは2位にも#17塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT)が入り、ホンダNSX-GTが1-2と好調な滑り出しを見せた。

開幕戦に引き続き第2戦も無観客での開催となったスーパーGT。しかし1デイ開催だった開幕戦とは違い、今大会は土曜日予選、日曜日決勝というほぼ通常フォーマットに近い形。そのため公式練習は午前9時45分より混走90分間、専有走行各クラス10分間で行われた。天候は曇り。コースはドライ。開幕戦では濃霧により開始時刻が大幅に遅れるハプニングがあったが、今回は絶好のコンディションのもとでの走行となった。開始時点の気温は28℃、路面温度は39℃だった。

GT500クラスで序盤トップに立ったのは#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)で1'28.446。#3平手晃平(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)が1'28.771で2位に続き、#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)も1'28.859、No.12平峰一貴(カルソニックIMPUL GT-R)も1'28.885と開幕戦では苦戦したNISSAN GT-R NISMO GT500勢がタイムを上げてきた。

開始25分すぎは#8福住仁嶺(ARTA NSX-GT)が1'28.790で3位に浮上、#16笹原右京(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)も1'29.160で6位とホンダNSX-GT勢の若手も好調だ。

その後公式練習は開始35分過ぎに13コーナー手前で#21川端伸太朗(Hitotsuyama Audi R8 LMS)がストップしたために赤旗中断となり、車両改修ののち午前10時24分に走行が再開された。

この間に#17KEIHIN NSX-GTはベルトラン・バゲットに、#8ARTA NSX-GTは野尻智紀にドライバー交代。多くのチームがロングランに入る中、8号車の野尻は残り時間が40分を切ったところで1'28.578を記録して2位に浮上してきた。

また、今大会も新型コロナウィルスの影響により日本への入国が叶わなかったヘイッキ・コバライネンに代わり#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraの第2ドライバーに抜擢された阪口晴南は赤旗中断後に39号車をドライブ。ベストタイム1'29.389を記録してこの時点で10位につけ、専有走行終了まで走り続けた。

2クラス混走は残り時間が5分を切ったところで#19宮田莉朋(WedsSport ADVAN GR Supra)がホームストレート上でストップしたため、2回目の赤旗が出されてそのまま終了となった。19号車はエンジンの警告灯が点灯したために大事をとって自らエンジンをストップさせたとのことだが、車両回収ごにエンジン内部を点検したところ、異常は見られなかったという。なぜセンサーが反応したのかは今後調査するという。

19号車の車両回収を行った影響で、専有走行は当初予定より3分遅れて午前11時18分よりGT300クラスから開始され、GT500クラスの走行は午前11時28分より10分間で行われた。

最初にタイムを更新してきたのは平峰一貴。1'28.464を記録して#12佐々木大樹/平峰一貴組(カルソニックIMPUL GT-R)が2位に。その直後、牧野任祐が1'28.062を叩き出して#100山本尚貴/牧野任祐組(RAYBRIG NSX-GT)が一気にトップに躍り出た。混走トップの17号車はバゲットが専有走行を担当したがタイム更新ならず。#17塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT)は2位で走行終了。12号車が3位という結果となった。

TOYOTA GR Supra GT500勢の最上位は1'28.873を記録した#38立川祐路/石浦宏明組(ZENT GR Supra)で8位。開幕戦では上位5台を独占する強さを見せたTOYOTA GR Supra GT500だが、それによって搭載されたウェイトハンデの影響がそのまま順位に反映された格好となった。

なお二度目の赤旗の原因となった#19国本雄資/宮田莉朋組(WedsSport ADVAN GR Supra)も専有走行に参加。タイムアップはならなかったが12位で走行を終えている。

GT300クラスは序盤#360青木孝行(RUNUP RIVAUX GT-R)が1'38.247でトップに立つが、すぐに#2柳田真孝(シンティアム・アップル・ロータス)が1'37.441を記録してトップに浮上。2号車は専有走行でも加藤寛規が1'37.327、1'37.229と着実にタイムを縮めてトップで公式練習を終えた。

2位には序盤に青木がベストタイムを記録した#360青木孝行/柴田優作組(RUNUP RIVAUX GT-R)、3位に#61井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT)という結果に。

前回優勝の#52吉田広樹/川合孝汰組(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)は60kgのウェイトハンデを負いながらも10位で走行を終えている。

SUPER GT

SGT:第1戦富士優勝会見 「今日は集中しすぎて汗をかかなかったのかもしれませんね(笑)」(平川亮)

GT500 Class #37KeePer TOM'S GR Supra

平川亮
GT500クラスで優勝した平川亮  優勝できて、すごく嬉しいです。僕自身も去年からクルマの開発に携わってきましたがTOYOTA GAZOO Racingやブリヂストン、皆で苦労してきたのをよく分かっているから、その苦労がこうして実ってよかったです。 でも、ニックも言っているように、シーズンはまだ始まったばかり。次回も今回と同じ富士だけど、今度はウェイトを積んでいるので条件が違ってくる。ウェイトは苦しいと思います。でも今回で優勝できただけじゃなく、その一方で課題も見つかっています。だからそれらに対処して、GR Supra GT500をもっともっと速いクルマに仕上げていきたいです。 汗もかかずに勝てたように見えましたか? まぁ今日はエアコンが効きづらく集中して…、集中しすぎて汗をかかなかったのかもしれませんね(笑)。予選まではNSX-GT勢と互角だったと思いますが、決勝ではタイヤの選択が違っていて、それが僕たちには有利でしたね。同じブリヂストンなので、相手が履いているタイヤは分かっていて、2,3周踏ん張れたら、あとは引き離せる、と思っていました。一方、36号車とは同じタイヤだったので、シビアな戦いになりました。でもGT300車両とのかかわり方が自分たちの方が良かったみたいで、運にも味方してもらいました。 これでウェイトハンディでは厳しくなりますが、次戦はその重い状況でもパフォーマンスを発揮できるよう、GR Supra GT500のポテンシャルを伸ばして行きたいです。
ニック・キャシディ
GT500クラスで優勝したニック・キャシディ  今日は本当に完ぺきな1日になりました。予選ではポールポジションを獲ることができ、決勝ではポール・トゥ・ウインで、しかもベストラップもマークすることができましたから。今の気分? スーパー・スーパー・ハッピーですよ。クルマを開発してくれたTOYOTA GAZOO Racingやクルマを仕上げてくれたTOM'S、そして素晴らしいタイヤを用意してくれたブリヂストン、皆の努力が今日の結果に結びついたんだと思います。 でも、これで終わりじゃなくシーズンは始まったばかり。このペースでポイントを積み重ねていきたいです。ただ、今回はタイヤのチョイスで僕らが有利な面がありましたが、NSX-GT勢とのバトルはこれからも続くと思います。

GT300 Class #52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT

吉田広樹
GT300クラスで優勝した吉田広樹  優勝できて素直に嬉しいです。この富士では、これまでにも勝てそうで勝てないレースが続いていました。それで、自分たちに足りないものは何だろうと考えるようになりました。今年はエンジニアもメカニックも全員、社員で揃えたんです。それに孝汰が乗ることになって、ここに来るまでは優勝できるなんて思ってなかった。でも普段、ディーラーで車検整備などをやっていて、皆で集まって練習もなかなかできないから、タイヤ交換に関してはリスクがあると考えていました。それでテストの時からタイヤ無交換でいけないか考えるようになって、ロングのテストを多くやってきました。今回選んだタイヤは最後の最後まで安定したパフォーマンスを発揮してくれました。ブリヂストンさんに感謝しています。 65号車がピットインでタイムロスして遅れたようですが、それがなければ彼らとの勝負になっていたと思います。だから運も味方してくれたんじゃないかな? 個人的には自分の師匠である服部さんに、まだまだ足りないんですけど、少しだけ恩返しできたんじゃないかな。それも嬉しかったです。
川合孝汰
GT300クラスで優勝した川合考汰  公式テスト富士から今日まで好調さを保ってきて、この結果に結びつけることができました。でも、それもこれも周囲の皆さんに支えてもらったからこその結果です。 午前中の公式予選はQ1を担当させてもらって、がんばってQ2の吉田さんに繋いだら、吉田さんが良いポジションにつけてくれました。決勝レースでも自分にスタートを担当させてもらって。本当は緊張したかもしれないのですが、吉田さんに「がんばりすぎるなよ」と言われたことで少し緊張もほぐれていきました。 去年まで前座のFIA-F4選手権に出ていたのですが、1回勝ってからそのあとは優勝することができなかったのに、今年はこうしてSUPER GTに出させてもらって…。チーム代表の平沼さんやメカの人たち、皆さんに感謝しています。決勝レースでも平沼さんがスポッターをしてくれて、前後の間隔やGT500が接近してきていることなどを、事細かに指示してくれたのも大きかったです。しかし何よりも大きな勝因は、やはりタイヤ無交換の作戦が上手くいったことだと思いますね。

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SGT:第1戦富士決勝 GRスープラが上位を独占!!優勝は#37KeePer TOM'S GR Supra GT300も#52埼玉トヨペットGB GR Supra GTが制す

2020オートバックス スーパーGT第1戦「たかのこホテル富士GT300kmレース」の決勝が7月19日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、#37平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S GR Supra)がポール・トゥ・フィニッシュを達成。なんと上位5台がすべてGRスープラという驚きの結果となった。GT300クラスも#52吉田広樹/川合孝汰組(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)が優勝。トヨタGRスープラが両クラスを制した。川合にとってはデビューウィン、吉田にとってもSGT初優勝という記念すべきレースとなった。
(天候:晴れ コース:ドライ 無観客開催)

第1戦決勝は午後3時にフォーメーションラップを開始。上空は晴れ上がり、昨日の練習日とは打って変わって夏の汗ばむ陽気の中、66周(300km)の戦いの火蓋が切られた。

スタートでトップに立ったのはポールポジションの#37ニック・キャシディ(KeePer TOM'S GR Supra)。予選2位の#8福住仁嶺(ARTA NSX-GT)がそれに続き、その後方で予選3位の#36 au サッシャ・フェネストラズ(au TOM'S GR Supra)と#100山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)が1コーナーで激しいバトルを演じた結果、100号車が3位に浮上した。

しかしその直後、#12佐々木大樹(カルソニックIMPUL GT-R)と#64伊沢拓也(Modulo NSX-GT)が100Rで接触するアクシデントが発生。12号車は車体後部を大きく破損してコースアウトし、佐々木はそのままクルマを降りた。64号車も左フロント周りにダメージを負っており、そのままピットガレージに直行、修復ののち3周遅れでレースに復帰することとなった。

このアクシデントによりコース上は2周目からセーフティーカー(SC)が導入された。SCは12号車の回収を待って5周目終わりでピットイン。6周目からレースは再開された。

するとすかさず#8福住が再スタート直後の1コーナーでアウトから#37キャシディに並びかけるが、キャシディはトップを譲ず、その後は徐々に後続を引き離しにかかり、20周目には8.8秒ものリードを築き上げた。逆に#8福住は12周目の1コーナーで#100山本と#36フェネストラズに相次いで抜かれると、#38立川祐路(ZENT GR Supra)の先行をも許して、5位に後退。25周目にピットインして野尻智紀に後半を託すことになった。

その後、23周目には#36フェネストラズが1コーナーでアウトから#100山本に挑みかかり、コカコーラコーナーの進入で抜き去って2位に浮上した。36号車は29周目にピットイン。関口雄飛に交代した。100号車も30周目にピットイン。牧野任祐に交代した。

トップの37号車は31周目にピットイン。キャシディから平川亮に交代して暫定3位でコースに復帰、全車がピット作業を終えると再びトップに浮上した。2位の#36関口とは34周終了時点で18秒8の大差がついていた。

ここまでは順風満帆に見えた37号車だったが、後方で#360青木孝行(RUNUP RIVAUX GT-R)と#23松田次生(MOTUL AUTECH GT-R)が絡むアクシデントがが第13コーナーで発生、スピンした360号車がコース上にストップしてしまったため、38周目に二度目のSCが導入されることになり、37号車がこれまでに築き上げたリードは失われてしまった。

SCは42周目にピットイン。43周目からレースは再開となる。#37平川と#36関口が1秒前後の差を保って緊迫したトップ争いを展開するその後方では、#19坪井翔(WAKO'S 4CR GR Supra)がめざましい追い上げを見せる。まずは49周目の最終コーナーで#38石浦宏明(ZENT GR Supra)のインをついて4位に浮上すると、50周終わりのホームストレートで#100牧野任祐(RAYBRIG NSX-GT)をも抜いて3位に浮上。さらにその後方からは#39山下健太(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)が上位集団に追いつき、63周目の1コーナーで100号車を抜き去って5位に浮上。レース終盤に来てTOYOTA GR Supraがトップ5を独占する状況になった。

リスタート直後こそ2位36号車と接戦を演じていた37号車だったが、50周を過ぎたあたりから徐々に後続との差を開げ始め、60周を終えた頃にはその差は5秒となった。その後も#37平川は全く後続を寄せ付けない走りで66周を走り切り、#37平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S GR Supra)が今季初勝利をものにした。

#36関口は終盤#14坪井の追撃にさらされ、64周目には0.6秒差にまで迫られたがものの、最後まで坪井に付け入る隙を与えずに2位でフィニッシュ。チームトムスが1-2フィニッシュを達成した。

公式練習、予選と俊足ぶりを見せつけたHONDA NSX GT勢だったが、決勝での最上位は#100山本尚貴/牧野任祐組(RAYBRIG NSX-GT)の6位という、大いに悔いの残る結果に終わった。7位には#3平手晃平/千代勝正組(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)が入り、これがNISSAN GT-R NISMO GT500の最上位となった。

GT300クラスは、ポールポジションからトップを快走していた#65蒲生尚弥/菅波冬悟組(LEON PYRAMID AMG)が24周目に行ったピット作業でリヤタイヤが外れないというアクシデントが発生。このため65号車は大幅なタイムロスを喫して大きく順位を落とすことになった。

代わってトップに立ったのは予選4位からスタートした#52吉田広樹/川合孝汰組(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)。昨年まで使用したマザーシャシーのマークXに代わって新たに製作したJAF-GT使用のトヨタGRスープラは、新人川合と吉田の若手コンビで終始安定したペースで62周を走行、GRスープラの初戦、そして川合のデビュー戦を見事勝利で飾った。吉田にとってもこれがスーパーGT初優勝となる。
2位には#11平中克幸/安田裕信組(GAINER TANAX GT-R)、3位には#5坂口夏月/平木湧也組(マッハ車検GTNET MC86マッハ号)が入り、ポールポジションの65号車は6位に終わっている。

次戦の舞台もこの富士スピードウェイ。8月9日決勝だ。

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SGT:第1戦富士ポールポジション会見 「自分にとっては追加の3か月を有効に使えた、ということになると思います」(平川亮)

GT500 Class #37 KeePer TOM'S GR Supra

平川亮
GT500クラスでポールポジションを獲得した平川亮  クルマが新しくなっただけでなく、開幕戦が富士に変更されたことも含めて、今シーズンのSUPER GTはいつもと違っています。でも、年間4戦ある富士で速さを見せることができ良かったですね。ただ、これまでと違って予選が終わっても午後には決勝レースが控えているので気分を切り替える必要があります。オフはずっと家にいました。実は1月に骨折していて(3月の公式テスト岡山では)走っていても少し痛みが出ていたんです。だから(本来の開幕戦は)ちょっと厳しいなと思っていました。でも、3か月経って6月の公式テスト富士ではまったく問題がありませんでした。だから自分にとっては追加の3か月を有効に使えた、ということになると思います。今日は7月本来の天気に戻ったみたいで、昨日に比べて5度から10度くらい気温や路面温度が上がっています。Q2用には少しハード目のタイヤを選んだのですが、それがぴったり合っていたようで、運も味方してくれました。決勝レースではもちろん、ポール・トゥ・フィニッシュを狙ってがんばります。
ニック・キャシディ
GT500クラスでポールポジションを獲得したニック・キャシディ  開幕戦でポールポジションを獲ることができて最高な気分です。午後のレースに向けても準備はバッチリです。ただ午後の決勝レースまで、あまり時間がないのでこの会見が長引いたら(スタートに)間に合わないかもしれない。それが心配ですね(笑)。長くなったオフですが、個人的にはのんびり過ごすことができ、随分リラックスできました。そして新たなスケジュールが決まってからは、レースに向けて自分のペースを取り戻すようにしてきました。平川選手は骨折していましたが、実は僕も体調を崩してマレーシアのテストは参加できなかったんです。それで37号車はテスト不足ということになってしまった。だから今回はもうベストをつくだけと思う存分に走って、クルマの特徴をつかみ、クルマに慣れよう、そう富士に来ました。昨日は気温も路面温度も予想した以上に低かったのですが、それでも良いタイムをマークできました。今日は朝の8時にタイヤをチョイスしたのですが、自分が担当したQ1ではちょっと厳しかったかな。でもQ2に向けてはバッチリのタイヤが選べたと思います。午後に行われるレースが、とても楽しみです。

GT300 Class #65 LEON PYRAMID AMG

蒲生尚弥
GT300クラスでポールポジションを獲得した蒲生尚弥  開幕戦でポールポジションを獲ることができ、幸先良いスタートが切れたと思います。テストからチームと一緒に準備をしてきたことが、このポールに繋がっているのだと思います。 オフには、長い間何も考えずにゆっくり休んでいました。マスク着用などの新しい生活様式も、慣れてしまえばまったく苦じゃなかったですね。 今日は昨日に比べて暖かくて、7月の普通の天気になったみたいですね。自分たちにとっては、よりベターなコンディションになりました。決勝ではいつものように、最後の最後まであきらめることなく走り切ることを目指しています。
菅波冬悟
GT300クラスでポールポジションを獲得した菅波冬悟  Q1では(スピンして)チームの皆をヒヤッとさせてしまいましたが、結果的にポールが獲れてよかったです。これもチームが良いクルマを作ってくれ、ブリヂストンさんが良いタイヤを用意してくれたおかげです。そしてQ1を突破することができて、先輩の蒲生選手が見事なフォローでポールを獲ってくれました。ポールからスタートするのは初めてなので、落ち着いてスタートしたいです。開幕が遅くなって、行動が制限される中でも、いつ開幕してもいいようにトレーニングを進めてきました。マスクの着用と手指の消毒、そしてソーシャルディスタンス。これらも慣れればまったく問題なかったですね。昨日に比べて今日はずいぶん暖かくなりました。自分たちにとっては、温かい方が良いパフォーマンスを見せられると思うので良かったです。富士ではSUPER GTレースに参戦すること自体が初めてなので、笑って終われるようにしたいです。

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SGT:第1戦富士公式予選 スープラの逆襲!!#37KeePer TOM'S GR SupraがPP獲得

2020オートバックス スーパーGT第1戦の公式予選が7月19日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは#37平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S GR Supra)、GT300クラスは#65蒲生尚弥/菅波冬悟組(LEON PYRAMID AMG)がが今季最初のポールポジションを獲得した。
(天候:曇り コース:ウェット>ドライ)

午前に公式予選、午後に決勝レースという1デイ開催となった今大会だが、予選は従来通りノックアウト方式で行われた。
この日の天候は曇り。昨夜の雨は上がっていたが、路面はまだ濡れたところが残っていた。予選開始時の気温は24℃、路面温度29℃と7月とは思えない涼しさだ。

予選Q1

GT500の予選Q1は午前10時03分より10分間の走行。天候は曇り。昨夜からの雨によりコースの各所に濡れた箇所が残っていた路面もGT300の走行が進行するに従って乾いていき、GT500の走行が始まる頃には完全なドライコンディションに回復した。

GT500のQ1は、普段なら路面状況が少しでも良くなるのを待って走り始めるチームが多いが、気温の低い午前中の走行ということもあってか、今回はコースオープンと同時に#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)を先頭に各車続々とコースイン。序盤から積極的にタイムアタックに取りかかった。

2周、3周と周回を重ねるにつれてペースは上がっていく。まずはルーキーの#12平峰一貴(カルソニックIMPUL GT-R)が3周目に1'28.350でトップに立つ。4周目には1'27.968までタイムを縮める平峰だったが、やや遅れてコースインした#100山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)が3周目に1分26秒937と平峰を遥かに上回るタイムを記録。更に終了1分前には#8福住仁嶺(ARTA NSX-GT)が1分26秒433と従来のコースレコード上回るタイムを叩き出してトップに躍り出た。2台のNSX勢に続いたのは#3平手晃平(CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rで1分27秒022。これがNISSAN GT-R NISMO GT500勢の最上位となった。4位にはNo.37 KeePer TOM'S GR Supra(ニック・キャシディ)が1分27秒052で続く。

このセッションはトップから1秒以内に9台が犇き、3位から14位までが1分27秒台という接戦となったため、予選Q2進出をかけた終盤の争いは実に熾烈なものとなった。そうした中、スーパーGTルーキーの#16笹原右京(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)が終了間際に1'27.306をたたき出し、見事5位で生き残った。コロナウィルスの影響で入国できず不参加となったヘイッキ・コバライネンに代わって参戦した#39山下健太(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)も最後のアタックで1’27.356をマーク。7位でQ2進出を果たしている。

GT300クラスは昨年同様A組、B組に別れてQ1を行うことになった。Q2に進出できるのは核組の上位8台だ。

A組の走行は午前9時30分より10分間で行われた。まだ路面に濡れた箇所があり、タイヤ選択が難しい状況での走行となった。多くのチームはスリックを選択したものの、ごく一部ウェットを履いたところもあった模様。それでも周回を重ねるにつれて路面はみるみる乾いていったので、ここはスリックが正解だったというべきだろう。A組のトップは#56ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)で1'37.401。#10石川京侍(TANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-R)が1'37.475で続き、#61山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)が1'37.497で3位につけた。ベテラン柳田真孝を迎えた#2シンティアム・アップル・ロータス)は5位、今季からポルシェ911GT3に車両を変更した#25佐藤公哉(HOPPY Porsche)は7位で無事Q2進出を果たしたが、その一方で#4片岡龍也(グッドスマイル初音ミクAMG)が9位に終わり、まさかのノックアウト。早々と予選を終えることになってしまった。

B組は午前9時48分から同じく10分間でQ1を行い、#11安田裕信(GAINER TANAX GT-R)が1'36.581と堂々のトップタイム。#65菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG)も途中コカコーラコーナーでスピンをするなど危うい場面もあったが、終わってみれば1'36.648で2位につけた。3位は#5坂口夏月(マッハ車検GTNET MC86マッハ号)で1'36.651。久々の参戦となった#7荒聖治(Studie BMW M6)も1'36.898で6位と無事Q2に駒を進めている。その一方、#34道上龍(Modulo KENWOOD NSX GT3)は1'37.448の9位に終わり、Q2進出はならなかった。

予選Q2

GT500の予選Q2は午前10時41分からの10分間の走行。Q1に続いて熾烈なタイムアタック合戦が展開された。

まずは#100牧野任祐(RAYBRIG NSX-GT)が2周目のアタックで1'26.905と、最初に1分26秒台のタイムを記録すると、その直後に#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)が1'26.665をマーク。このままHONDA NSX GT勢が公式練習に続いてフロントローを独占するかに思われたが、チェッカーフラッグ提示直前に#37平川亮(KeePer TOM'S GR Supra)が1'26.550を記録して今季最初のポールポジションを獲得した。さらにGT500ルーキーの#36サッシャ・フェネストラズ(au TOM'S GR Supra)も5周目に1'26.794を記録して3位に食い込み、TOYOTA GR Supra GT500勢が逆襲に転じた格好だ。

結局、終わってみれば上位4人が1分26秒台。そのうちの上位3人が昨年までのコースレコードを更新という結果となったが、それでもQ1で#8福住仁嶺(ARTA NSX-GT)が記録したタイムはそれを上回るものだったため、福住が新たなコースレコード保持者となった。

GT300クラスは#65蒲生尚弥(LEON PYRAMID AMG)が貫禄の速さをいせて1'36.236でポールポジションを獲得。一方2位となった#11平中克幸(GAINER TANAX GT-R)は残り時間2分を残して走行を切り上げ、タイヤを温存する作戦に出た。3位は#2加藤寛規(シンティアム・アップル・ロータス)で1'36.399。実績充分なパートナーを得て決勝でどこまで活躍できるか、今季は#2ロータス_エヴォーラに注目したい。

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SGT:第1戦富士公式練習 フロントエンジンのNSX-GTが1-2!トップは#100山本/牧野組

2020オートバックス スーパーGT第1戦「たかのこホテル富士GT300kmレース」の公式練習が7月18日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは#100山本尚貴/牧野任祐組(RAYBRIG NSX-GT)がトップタイム。GT300クラスは#2加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス)がトップだった。

今週末最初の走行となる公式練習は、富士名物の濃霧の影響で開始時刻が1時間15分遅れて午後5時15分にスタート。これにより混走時間も当初予定された90分間から20分短い70分間とされた。ただし各クラスの専有走行は予定通り10分間で行われた。
開始時の気温は20℃、路面温度22℃。ウェット宣言、ライトオンの指示はでていたものの路面はほぼドライだった。

新たなクラス1規定のもとでシャシーを一新したGT500クラスは、フロントエンジンに改められたホンダNSX勢が6月の公式テストに続いて好調ぶりを見せる。

開始12分すぎにGTに初めてレギュラー参戦を果たした#16笹原右京(Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT)が1'28.910でトップに浮上すると、すぐさま昨年度GT300チャンピオンの#8福住仁嶺(ARTA NSX-GT)が1'28.214を記録して笹原を上回る。

その後はベテラン勢がタイムを上げ、開始30分で#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)が1'28.192、#100山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)も開始45分過ぎに1'27.818を記録するが、#8福住はすかさず1'27.596を叩き出して再びトップに。

この時点でスープラ勢のトップは#14大嶋和也/坪井翔組(WAKO'S 4CR GR Supra)の3位。坪井が開始60分で1'28.146を記録した。ニッサンGT-R勢では序盤に平手が1'28.580を記録した#3平手晃平/千代勝正組(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)の7位が最高位と、公式テストに続いて苦しい滑り出しとなった。

終盤の専有走行に入るとスープラ勢が相次いで1分27秒台のタイムをマークしてNSX勢に割って入らんとするが、#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)は1'27.279までタイムを縮めて一歩も譲らず、今季チームを移籍した#100牧野任祐(RAYBRIG NSX-GT)もチェッカー直前にに1'27.248を叩き出してトップに浮上、ホンダNSXが1-2で公式練習を終えた。
3位は#39中山雄一/山下健太組(DENSO KOBELCO SARD GR Supra) 。ヘイッキ・コバライネンに代わって起用された山下が1'27.370を記録。#36関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM'S GR Supra) が1'27.408で4位で続いた。
一方ニッサンGT-R勢はNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rの11位が最高という結果に終わっている。

GT300クラスは混走から#96新田守男/阪口晴南組(K-tunes RC F GT3)、今季からポルシェ911 GT3 Rにクルマを変更した#25松井孝允/佐藤公哉組(HOPPY Porsche)、#30永井宏明/織戸学組(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)、#11平中克幸/安田裕信組(GAINER TANAX GT-R)、#65蒲生尚弥/菅波冬悟組(LEON PYRAMID AMG)らがタイムを競い合う白熱した展開となった。
しかし専有走行に入ると今季からカーズ東海ドリーム28に加入したベテランの柳田真孝が1'36.719を叩き出し、#2加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス)がトップで走行を終えている。

スーパーGT第1戦はこのあと7月19日午前9時30分より公式予選、午後3時より決勝レースを行う。

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SGT:公式テスト岡山セッション4 トップタイムは#38ZENT 15日総合順位ではGRスープラが1-2-3を占める。

2020スーパーGT公式テスト岡山の最後の走行となるセッション4が3月15日午後に行われ、#38ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明組)が1'18.193でトップタイム。2位には#23MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が1'18.409つけ、この週末初めて異なるメーカーの車両が1-2位を占めた。

しかし15日の総合順位では午前中に坪井翔が1'18.123を記録した#14WAKO'S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔組)がトップとなり、午前中2位の#36au TOM'S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組)が1'18.351で3位に続き、GRスープラがこの日全体では1-2-3という結果になった。

GT300クラスは午前、午後を通じて井口卓人がステアリングを握った#61SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)が1'25.773でトップ。#31TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴組)が1'25.871で2位。15日総合では午前中に1'25.595を出した#2シンティアム・アップル・ロータス(加藤寛規/柳田真孝組)がトップとなり、総合順位は#2-#61-#31となった。

セッション4は午後1時30分より150分間で行われ、冒頭には全車参加でのスタート練習が行われた。

当初はダミーグリッド上に並んだ状態から1時30分にパレードランを開始する予定だったが、3月とは思えない低い気温と路面温度から午前中にアクシデントが相次いだことを受けて、手順を変更。最初の15分間をウォームアップ走行に充てて一旦チェッカーを提示し、その後ダミーグリッドに整列してパレードランを行い、そのままスタートすることになった。

また午後2時15分からは今週末3度目のFCY訓練を実施。開幕に向けて新システムのチェックを入念に行っている。

午後のコンディションは晴れ。二日間を通じて初めて終始スリックタイヤでの走行となったことも幸いしたか、最後まで大きなアクシデントもなく進行した。

序盤に好タイムを記録したのは#23モチュールGT-R。クインタレッリが1'18.409を記録し、これがそのまま同車のベストタイムとなった。#38ZENTスープラはセッション中盤に1'18.193を記録してトップに立った。

しかし待望のドライコンディションということもあり、このセッションでは各チームともロングランを優先する傾向が目立ち、午後4時のチェッカーフラッグ提示まで大きな順位変動はなく淡々と進行することになった。

GT300クラスもこのセッションでは序盤に好タイムを出した後はコンスタントに周回を重ねてデータ収集に専念したり、ルーキードライバーや第3ドライバーの習熟に利用するチームが多く、終盤に入っても予選シミュレーションのような走り方をしてくるチームはほとんどなかった。

そのため#61BRZのベストタイムは44周走った中の12周めに。#31プリウスも38周中の15周め、午前中トップの#2アップルロータスも57周中14周目にセッション3番手のタイムを記録している。

2020オートバックス スーパーシリーズはこのあと3月28-29日に富士スピードウェイにて2回目の公式テストを行い、4月10-11日に岡山国際サーキットに戻って第1戦を行う予定だ。

公式テスト岡山4回目: GT500クラストップタイムの立川祐路/石浦宏明組(ZENT GR Supra) 公式テスト岡山4回目: GT500クラス2位の松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R) 公式テスト岡山4回目: GT500クラス3位の関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM\'S GR Supra) 公式テスト岡山4回目: GT300クラストップタイムの井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT) 公式テスト岡山4回目: GT300クラス2位の嵯峨宏紀/中山友貴組(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT) 公式テスト岡山4回目: GT300クラス3位の加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス) 公式テスト岡山4回目: スタート練習 公式テスト岡山4回目: GT500クラスのスタート練習 公式テスト岡山4回目: GT300クラスのスタート練習 公式テスト岡山4回目: 藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(リアライズ 日産自動車大学校GT-R) 公式テスト岡山4回目: 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM\'S GR Supra) 公式テスト岡山4回目: 阪口良平/小高一斗/堤優威組(ADVICS muta MC86) 公式テスト岡山4回目: 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM\'S GR Supra) 公式テスト岡山4回目: 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM\'S GR Supra) 公式テスト岡山4回目: 立川祐路/石浦宏明組(ZENT GR Supra) 公式テスト岡山4回目: 立川祐路/石浦宏明組(ZENT GR Supra) 公式テスト岡山4回目: 松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R) 公式テスト岡山4回目: 嵯峨宏紀/中山友貴組(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT) 公式テスト岡山4回目: 嵯峨宏紀/中山友貴組(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT) 公式テスト岡山4回目: 井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT) 公式テスト岡山4回目: 立川祐路/石浦宏明組(ZENT GR Supra) 公式テスト岡山4回目: 新田守男/阪口晴南組(K-tunes RC F GT3) 公式テスト岡山4回目: 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM\'S GR Supra) 公式テスト岡山4回目: 松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R) 公式テスト岡山4回目: 加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス) 公式テスト岡山4回目: 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM\'S GR Supra) 公式テスト岡山4回目: 立川祐路/石浦宏明組(ZENT GR Supra) 公式テスト岡山4回目: クリストファー・ミース/川端伸太朗組(Hitotsuyama Audi R8 LMS) 公式テスト岡山4回目: 嵯峨宏紀/中山友貴組(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT) 公式テスト岡山4回目: 嵯峨宏紀/中山友貴組(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

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SGT:公式テスト岡山セッション3 今度はGRスープラが1-2! トップは#14WAKO'S 4CR

3月14-15の二日間、無観客で開催されている2020スーパーGT公式テスト岡山。二日目午前のセッション3は#14WAKO'S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔組)がトップタイム。2番手に#36au TOM'S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組)が続き、トヨタGRスープラが1-2という結果になった。GT300クラスは#2シンティアム・アップル・ロータス(加藤寛規/柳田真孝組)がトップだった。

二日目を迎えた岡山公式テストは朝から好天に恵まれたが、昨日の雨の影響で路面はまだウェットのまま。このため午前9時から行われたセッション3は各車ウェットタイヤを装着して走り始めることになったが、開始から1時間もするとスリックタイヤで支障なく走行できるレベルまで路面コンディションは回復してきた。

しかしそれでも気温、路面温度ともになかなか上がってこなかったため、アウトラップでのスピンやコースアウトが相次ぎ、計5回の赤旗中断が発生。

2回目の赤旗の原因となった#19WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組)はモスエスでバリアに突っ込んだことでフロント周り、リヤ周り共に大きなダメージを負うことになり、早々と走行を断念せざるを得なくなっている。ドライブしていた国本も一時メディカルセンターに運び込まれたが、幸い大きな怪我もなく、自ら歩いてピットガレージに戻ってきている。

一方、昨日の午後に大きなクラッシュを喫した#6ADVICS muta MC86(阪口良平/小高一斗/ 堤優威組)も修復が間に合い、コースオープンと同時に阪口が精力的に周回を重ねた。

そうしたなか、GT500クラスは昨日総合トップとなった#17KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)は序盤から好タイムを連発、何度もタイミングモニターの最上段に躍り出る。昨日総合2位となった#8ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)も17号車と争うようにタイムを上げ、走行開始から2時間余りが過ぎたところで1'18.486を記録してトップに浮上。すると17号車もその数分後にバゲットが1'18.358を叩き出してトップを奪い返してみせた。

しかしセッション終盤には#36au TOM'S GR Supraが関口の果敢なドライブで1'18.351を記録。終了間際には#14WAKO'S 4CR GR Supraの坪井が1'18.123を叩き出してトップに。終わってみればGRスープラの1-2という結果となった。

なおニッサン勢の最上位は#23MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)の6位。しかしトップとのタイム差は僅か0.602。終わってみれば上位10台がトップから1秒以内という接戦になった。

GT300クラスは#2シンティアム・アップル・ロータスが序盤から好調。#34Modulo KENWOOD NSX GT3(道上龍/ジェイク・パーソンズ組)とタイムを争い、最終的に加藤が1'25.595を記録してトップで走行を終えている。道上が1'26.144を記録して2位の34NSXに続いたのは今季マザーシャシーベースのマークXからJAF-GT規定のGRスープラに車両を変更した#52SAITAMATOYOPET GB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)。ベストタイム1'26.235と、トップからコンマ3秒差につけている。

岡山公式テストはこのあと午後1時30分より最後の走行となるセッション4を150分間の予定で実施する。セッション冒頭にはスタート練習、2時15分からは3度目のFCY訓練も予定されている。

公式テスト岡山3回目: トップタイムの大嶋和也/坪井翔組(WAKO\'S 4CR GR Supra) 公式テスト岡山3回目: GT500クラス2位の関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM\'S GR Supra) 公式テスト岡山3回目: GT500クラス3位の塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT) 公式テスト岡山3回目: GT300クラストップタイムの加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス) 公式テスト岡山3回目: GT300クラス2位の道上龍/ジェイク・パーソンズ組(Modulo KENWOOD NSX GT3) 公式テスト岡山3回目: GT300クラス3位の吉田広樹/川合孝汰組(SAITAMATOYOPET GB GR Supra GT) 公式テスト岡山3回目: 今シーズンからスープラに更新されたセーフティーカー 公式テスト岡山3回目: 大嶋和也/坪井翔組(WAKO\'S 4CR GR Supra) 公式テスト岡山3回目: 道上龍/ジェイク・パーソンズ組(Modulo KENWOOD NSX GT3) 公式テスト岡山3回目: 井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT) 公式テスト岡山3回目: 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM\'S GR Supra) 公式テスト岡山3回目: 塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT) 公式テスト岡山3回目: 大嶋和也/坪井翔組(WAKO\'S 4CR GR Supra) 公式テスト岡山3回目: 塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT) 公式テスト岡山3回目: 道上龍/ジェイク・パーソンズ組(Modulo KENWOOD NSX GT3) 公式テスト岡山3回目: 道上龍/ジェイク・パーソンズ組(Modulo KENWOOD NSX GT3) 公式テスト岡山3回目: 吉田広樹/川合孝汰組(SAITAMATOYOPET GB GR Supra GT) 公式テスト岡山3回目: 加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス) 公式テスト岡山3回目: 塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT) 公式テスト岡山3回目: 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM\'S GR Supra) 公式テスト岡山3回目: 道上龍/ジェイク・パーソンズ組(Modulo KENWOOD NSX GT3) 公式テスト岡山3回目: 道上龍/ジェイク・パーソンズ組(Modulo KENWOOD NSX GT3) 公式テスト岡山3回目: 加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス) 公式テスト岡山3回目: 道上龍/ジェイク・パーソンズ組(Modulo KENWOOD NSX GT3) 公式テスト岡山3回目: 吉田広樹/川合孝汰組(SAITAMATOYOPET GB GR Supra GT) 公式テスト岡山3回目: 加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス) 公式テスト岡山3回目: 道上龍/ジェイク・パーソンズ組(Modulo KENWOOD NSX GT3) 公式テスト岡山3回目: 道上龍/ジェイク・パーソンズ組(Modulo KENWOOD NSX GT3) 公式テスト岡山3回目: 加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス) 公式テスト岡山3回目: 大嶋和也/坪井翔組(WAKO\'S 4CR GR Supra)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:公式テスト岡山セッション2 またもホンダNSXが1-2!!トップは#17ケーヒン

岡山国際サーキットで行われている2020スーパーGT公式テスト。セッション2は午後2時より145分間で行われた、GT500クラスは上位10台が1秒以内という接戦となり、#17KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)が1'17.850でトップ。2位にも#8ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)が続き、午前に続いてホンダNSXが1-2という結果になった。GT300クラスは#21Hitotsuyama Audi R8 LMS(クリストファー・ミース/川端伸太朗組)がトップだった。

午前中のセッションが終わると再び雨が岡山国際サーキットに降り始めたため、セッション2も開始時点での路面はウェットだったが、走行が進むにつれて天候は再び回復、終盤には午前中同様スリックタイヤでのアタックが可能となった。

また午後2時30分からは今シーズンから導入されることになったフルコースイエロー(FCY)の訓練が実施され、各チームともポストの指示に合わせて減速、加速を繰り返してシステムの動作確認を行なっていた。

GT500クラスは序盤から#8ARTA、#100RAYBRIG、#17KEHINのNSX勢が好タイムを連発、ここに#12カルソニックGT-R、#23MOTUL GT-R、36au GR SUPRAそして#14WAKO'S 4CR GR SUPRAらが絡む接戦となり、開始78分で#100山本尚貴が1'19.411を記録してトップに立つと、その30分後に#23ロニー・クインタレッリが1'19.235、その10分後に#36サッシャ・フェネストラズが1'18.950、その直後に#23クインタレッリも1'18.942とタイムを縮めてきた。

専有走行に入ってからは、さらに激しいタイムアタック合戦が展開され、#100山本が1'18.289、#14大嶋和也が1'18.466までタイムアップ、最後に#17ベルトラン・バゲットが1'17.850とこの日唯一の1分17秒台に入り、トップで走行を終えた。2番手は昨年参戦1年目でGT300クラスを制し、GT500クラスへステップアップしてきたばかりの福住。1'18.147を叩き出して非凡な速さをみせつけた。3位には昨年の全日本F3を制したサッシャ・フェネストラズが1'18.235で続いた。

またセッション序盤から佐々木大樹が好タイムを連発していた#12カルソニックIMPUL GT-Rは混走終了間際にプロペラシャフト破損に見舞われて赤旗の原因を作ったが、専有走行までに早々と修理を終えて、こちらもGT500ルーキーの平峰一貴が1'18.644とまずまずのタイムを記録して走行を終えている。

GT300クラスは午前中に2回の赤旗原因を作った#6ADVICS muta MC86(阪口良平/小高一斗/堤優威組)がまたしてもクラッシュ。赤旗の原因を作ったばかりか、フロントに大きなダメージを負って走行を終えてしまうことに。

一方、カラーリングを一新し、アウディのワークスドライバーであるクリストファー・ミースを迎えた#21Hitotsuyama Audi R8 LMSは専有走行が始まるや否や、ミースが1'25.649を記録してトップに。2位には#96K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組)がつけ、#2シンティアム・アップル・ロータス(加藤寛規/柳田真孝組)が続いた。

スーパーGT公式テストは明日も同じく岡山国際サーキットでセッション3、セッション4を行う。

公式テスト岡山2回目: GT500クラストップタイムの塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT) 公式テスト岡山2回目: GT500クラス2位の野尻智紀/福住仁嶺組(ARTA NSX-GT) 公式テスト岡山2回目: GT500クラス3位の関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM\'S GR Supra) 公式テスト岡山2回目: GT300クラストップタイムのクリストファー・ミース/川端伸太朗組(Hitotsuyama Audi R8 LMS) 公式テスト岡山2回目: GT300クラス2位の新田守男/阪口晴南組(K-tunes RC F GT3) 公式テスト岡山2回目: GT300クラス3位の加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス) 公式テスト岡山2回目: 山本尚貴/牧野任祐組(RAYBRIG NSX-GT) 公式テスト岡山2回目: クリストファー・ミース/川端伸太朗組(Hitotsuyama Audi R8 LMS) 公式テスト岡山2回目: 野尻智紀/福住仁嶺組(ARTA NSX-GT) 公式テスト岡山2回目: 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM\'S GR Supra) 公式テスト岡山2回目: 新田守男/阪口晴南組(K-tunes RC F GT3) 公式テスト岡山2回目: 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM\'S GR Supra) 公式テスト岡山2回目: 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM\'S GR Supra) 公式テスト岡山2回目: 阪口良平/小高一斗/堤優威組(ADVICS muta MC86) 公式テスト岡山2回目: 塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT) 公式テスト岡山2回目: NISMO TEST Car 公式テスト岡山2回目: 加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス) 公式テスト岡山2回目: クリストファー・ミース/川端伸太朗組(Hitotsuyama Audi R8 LMS) 公式テスト岡山2回目: 蒲生尚弥/菅波冬悟組(LEON PYRAMID AMG) 公式テスト岡山2回目: 塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT) 公式テスト岡山2回目: 加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス) 公式テスト岡山2回目: クリストファー・ミース/川端伸太朗組(Hitotsuyama Audi R8 LMS) 公式テスト岡山2回目: 加藤寛規/柳田真孝組(シンティアム・アップル・ロータス) 公式テスト岡山2回目: 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM\'S GR Supra)

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

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