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2020年3月

SUPER GT

SGT:公式テスト岡山セッション1 駆動方式を一新したホンダNSXが1-2

2020スーパーGT公式テストが3月14日、岡山国際サーキットで始まった。

セッション1は午前10時より120分間で行われ、#8ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)がトップタイム。#17KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)が2位で続き、今季新たにフロントエンジン-リヤドライブ方式を採用したホンダNSX勢が1-2という結果になった。

例年岡山国際サーキットのファン感謝デーとして開催されてきた岡山テストだったが、今回は新型コロナウィルスの影響から、観客を入れずに行われることになった。

第一日目の朝はあいにくの雨となったが、走行が始まる午前10時には薄日が射すほどに天候は回復。路面も次第に乾いていき、最後の数分間はスリックタイヤに履き替えるチームが相次いだ。

トヨタ、ニッサン、ホンダの3メーカーが揃って2020クラス1規定に車両を一新したGT500クラスは、ニスモの開発車両である#230を加えた全16台が走行。その中で最初にスリックを投入してきたのは#12カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴組)。今季ついにGT500クラスへステップアップを果たした平峰が快調にタイムを上げ、終了13分前に1'19.658を叩き出してみせる。その後、#8野尻が1'19.203、#17塚越が1'19.638とタイムを上げたため、結局12号車はこのセッションを3位で終えることになった。

GT300クラスは#88JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/アンドレ・クート/手塚祐弥組)がトップで1'27.086、#21Hitotsuyama Audi R8 LMS(クリストファー・ミース /川端伸太朗組)が2位に続き、#9PACIFIC NAC D'station Vantage GT3(藤井誠暢)が3位とFIA-GT3勢が上位を独占。マザーシャシーでの参戦を諦め、新たにポルシェ911GT3を投入してきた#25HOPPY Porsche(松井 孝允/佐藤公哉/土屋武士組)も5位につけた。JAF-GT勢最上位は#61SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)で10位だった。

スーパーGT公式テストはこのあと午後2時よりセッション2が145分間で行われる。このセッションでは今年から採用されることとなったフルコースイエロー(FCY)の訓練も実施される予定だ。

公式テスト岡山1回目: GT500クラストップタイムの野尻智紀/福住仁嶺組(ARTA NSX-GT) 公式テスト岡山1回目: GT500クラス2位の塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT) 公式テスト岡山1回目: GT500クラス3位の佐々木大樹/平峰一貴組(カルソニックIMPUL GT-R) 公式テスト岡山1回目: GT300クラストップタイムの小暮卓史/アンドレ・クート/手塚祐弥組(JLOCランボルギーニGT3) 公式テスト岡山1回目: GT300クラス2位のクリストファー・ミース/川端伸太朗組(Hitotsuyama Audi R8 LMS) 公式テスト岡山1回目: GT300クラス3位の藤井誠暢(PACIFIC NAC D\'station Vantage GT3) 公式テスト岡山1回目: 武藤英紀/笹原右京組(MOTUL MUGEN NSX GT) 公式テスト岡山1回目: NISMO TEST Car 公式テスト岡山1回目: クリストファー・ミース/川端伸太朗組(Hitotsuyama Audi R8 LMS) 公式テスト岡山1回目: 佐々木大樹/平峰一貴組(カルソニックIMPUL GT-R) 公式テスト岡山1回目: 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM\'S GR Supra) 公式テスト岡山1回目: 塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT) 公式テスト岡山1回目: 塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT) 公式テスト岡山1回目: 山本尚貴/牧野任祐組(RAYBRIG NSX-GT) 公式テスト岡山1回目: 野尻智紀/福住仁嶺組(ARTA NSX-GT) 公式テスト岡山1回目: 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM\'S GR Supra) 公式テスト岡山1回目: 藤井誠暢(PACIFIC NAC D\'station Vantage GT3) 公式テスト岡山1回目: 藤井誠暢(PACIFIC NAC D\'station Vantage GT3) 公式テスト岡山1回目: 武藤英紀/笹原右京組(MOTUL MUGEN NSX GT) 公式テスト岡山1回目: 佐々木大樹/平峰一貴組(カルソニックIMPUL GT-R) 公式テスト岡山1回目: 山本尚貴/牧野任祐組(RAYBRIG NSX-GT)

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:SGTxDTM特別交流戦レース2決勝会見 「やっと夢が叶いました」(ナレイン・カーティケヤン)

レース2優勝 No.64ナレイン・カーティケヤン(Modulo Epson NSX-GT)
SGTxDTM交流戦レース2記者会見: 優勝したナレイン・カーティケヤン(Modulo Nakajima Racing) 木曜日のタイヤテストからクルマとハンコックタイヤの相性が非常に良くて、いい週末になる予感がしていました。実際に勝つことができて最高です。やっと夢が叶いました。このような交流戦に参加できたことは大変嬉しかったし、スーパーGTやDTMにとっても非常にいいことだと思います。 日本のレースはレベルが高くて非常にタフなので、勝つことは容易ではありません。スーパーフォーミュラでは何度か表彰台に立っていますが、一度も優勝はできませんでした。今年のスーパーGTでは苦戦したこともありますが、長い時間がかかっても願いが叶う日はやってくるものなんですね。ともかく今日は優勝することができて最高の1日になりました。
レース2決勝2位 No.11マルコ・ヴィットマン(BMW M4 DTM)
SGTxDTM交流戦レース2記者会見: 2位のマルコ・ヴィットマン(BMW Team RBM) 今週末は金曜日の公式練習、土曜日のレース1とずっと苦戦をしていたので、今日は作戦を変えてみたところ、非常にうまくいきました。決勝は7番手からのスタートでしたが、インディカー方式のリスタートをやるごとにポジションアップすることができ、非常にエキサイティングなレースになりました。最終ラップのロイックとのバトルは楽しかったです。普段のDTMのレースでもなかったぐらいに激しかったし、特に最後の3つのコーナーは最高でした。彼にペナルティが出たのは残念ですが、ファンにとってもエキサイティングなレースだったんじゃないでしょうか?
レース2決勝3位 No.28ロイック・デュバル(BMC Airfilter Audi RS 5 DTM)
SGTxDTM交流戦レース2記者会見: 3位のロイック・デュバル(Audi Sport Team Phoenix) 昨日に比べたら随分気分の良い1日になりましたよ。今日の予選は難しいコンディションでしたが、最終的にポールポジションを獲得できて良かったです。昨日のスーパーGT勢のパフォーマンスを見ていると、敵わないと感じるポイントもいくつかあり、あまり無理をしちゃいけないなとも感じました。決勝では100Rでタイヤがパンクしてしまいましたが、その後セーフティーカーが入り、コースに復帰できてからはペースを取り戻すことができました。非常にエキサイティングでクールなレースになりました。特に最後のラップは最高でしたね。最後にペナルティをもらったのは残念でしたが、今回はエキジビジョンレースですし、僕らはそもそも優勝を目指して頑張っているのだから、2位か3位かはどうでもいいことですよ。何よりこのドリームレースを開催するにあたっての目標は達成できたんじゃないかと思うので、嬉しく感じています。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:SGTxDTM特別交流戦レース2決勝 白熱のスプリントバトルを制したのは#64カーティケヤン!

スーパーGTxDTM特別交流戦「SUPER GT x DTM Dream Race」レース2の決勝が11月24日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、2番グリッドからスタートした#64ナレイン・カーティケヤン(Modulo Epson NSX-GT)が接戦を制して待望の勝利を挙げた。

(天候:曇り コース:ドライ 観客動員数:11月22日5,100人/11月23日22,600人/11月24日24,100人/大会総入場者数51,800人)

SGTxDTM交流戦レース2: スタートシーン SGTxDTM交流戦レース2: マルコ・ヴィットマン(BMW M4 DTM)を先頭としたバトル SGTxDTM交流戦レース2: 優勝はナレイン・カーティケヤン(Modulo Epson NSX-GT) SGTxDTM交流戦レース2: 決勝2位はマルコ・ヴィットマン(BMW M4 DTM) SGTxDTM交流戦レース2: 決勝3位はロイック・デュバル(BMC Airfilter Audi RS 5 DTM) SGTxDTM交流戦レース2: 決勝4位は日本人最上位の山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT) SGTxDTM交流戦レース2: このレースで引退する中嶋大祐(MOTUL MUGEN NSX-GT)は6位でレースを終えた SGTxDTM交流戦レース2: DTMチャンピオンのレネ・ラスト(Audi Sport RS 5 DTM)は振るわず9位でチェッカー SGTxDTM交流戦レース2: 表彰式

レース2決勝は午後2時26分より55分+1周で行われた。天候は曇りで路面はドライ。全車スリックタイヤを装着。1周目からファイナルラップまで、コースの至る所で熾烈なドッグファイトやアクシデントの相次ぐ激しい戦いとなった。

スタートでトップに立ったのはポールシッターの#28ロイック・デュバル(BMC Airfilter Audi RS 5 DTM)だったが、2番手スタートのカーティケヤンが2周目の1コーナーでアウトからデュバルを抜き去り、そのままトップを快走する。

3番手スタートの#1山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)、朝の予選でトップタイムを叩き出しながら、車両交換により5グリッド降格となった#16中嶋大祐(MOTUL MUGEN NSX-GT)らも3周目にはデュバルを捉え、レース序盤にホンダ勢が1-2-3体制を築き上げる。

さらにデュバルは7周目に左後輪のパンクチャーに見舞われてスローダウンを余儀なくされ、予定外のピットインを強いられることに。これで一旦は上位争いから脱落したかに見えたデュバルだったが、このタイヤトラブルにより損傷を受けたリヤフェンダーの一部がピットアウト後に脱落したため、これを除去するためにセーフティーカーが導入されたため、彼のタイムロスは最小限に留められることとなった。

さらにこの機に乗じて#4アレッサンドロ・ザナルディ(BMW M4 DTM)、#21ノワ・トレルイエ(Audi Sport Japan RS5 DTM)らが10周目に早めのタイヤ交換を行ったため、レース中盤に他のドライバーがルーティンのタイヤ交換を行った時点でこの3名は上位進出のチャンスを得ることとなった。

レースは12周目にリスタート。#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)、#16中嶋大祐らが1コーナーで相次いで#1山本に並びかけ、それぞれ2位、3位に浮上するが、山本もこの周のダンロップコーナーで中嶋大祐のインをつき、3位を奪い返す。

その後3位の山本は15周目、トップのカーティケヤンと塚越は16周目、中嶋大祐は17周目にタイヤ交換に入ったため、早めのタイヤ交換を行ったトレルイエが18周目に一時的にトップに立つことになった。デュバルも4位まで順位を挽回、5位にはザナルディが続く状況に。

しかし20周目に2019DTMチャンピオンの#33レネ・ラスト(Audi Sport RS 5 DTM)の左後輪がデュバルと全く同じ状況でパンクチャーを起こし、コース上にボディパーツの破片をばら撒いたため、この日2度目のセーフティーカーが導入される。

ここで#19国本雄資(WedsSport ADVAN LC500)、#00小林可夢偉(BMW M4 DTM)らがピットイン。#1山本、#28デュバルらは2度目のタイヤ交換を敢行、フレッシュタイヤで2度目のリスタートからジャンプアップを図る作戦に出る。

2度目のリスタートは27周目。この時点でのトップはトレルイエ、2位はザナルディだったが、彼らはすぐに2度目のタイヤ交換を行ったため、27周目には再びカーティケヤンがトップに浮上することになった。

その後方では序盤から好走を続けていた塚越が100Rで#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)と接触、惜しくもここでレースを終えることに。さらにその後方でも#3平手晃平(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)、#6大嶋和也(WAKO'S 4CR LC500)、#36中嶋一貴(au TOM'S LC500)、#39中山雄一(DENSO KOBELCO SARD LC500)、#12ジェームス・ロシター(カルソニックIMPUL GT-R)らがセクター3で相次いで多重クラッシュに巻き込まれて脱落したため、直ちにこの日3度目のセーフティーカーが導入された。

これにより2位には予選7位スタートの#11マルコ・ヴィットマン(BMW M4 DTM)が浮上、序盤に後退したデュバルが3位まで挽回してきた。

レースは30周目に入ったところで規定の55分に達したため、31周目がラストラップ。ここでセーフティーカーがピットに戻り、たった1周だけの超スプリントバトルが行われることになる。

懸命に逃げるカーティケヤンの後方では、ヴィットマンとデュバルの激しい2位争いが繰り広げられ、両者はぶつかり合いながら最終コーナーを立ち上がり、デュバルが僅かに先行してチェッカー受けたが、デュバルはこの時コースを大きくはみ出していたために終了直後に1秒加算のペナルティが下り、3位。ヴィットマンが2位を獲得することになった。

優勝はカーティケヤン。フォーミュラニッポン、スーパーフォーミュラなどでも活躍しながら、これまでただの一度も勝利に恵まれていなかったが、この特別戦でついに念願の勝利をモノにした。

2019年のスーパーGTはこれで全ての日程を終了。2020シーズンは4月11-12日に岡山国際サーキットで開幕。GT500クラスは新たなクラス1規定の車両に生まれ変わることが決まっている。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:スプリントカップ富士レース2決勝 #60吉本/宮田組が独走で2連勝を達成

スーパーGT×DTM交流戦のサポートレース「auto sport Web スプリントカップ」レース1の決勝が11月24日、静岡県・富士スピードウェイで行われ、6番手からからスタートした#60吉本大樹/宮田莉朋(SYNTIUM LMcorsa RC F GT3)が中盤にトップに立ち、昨日のレース1に続いて連勝を飾った。

スプリントカップレース2: スタートシーン スプリントカップレース2: 優勝は吉本大樹/宮田莉朋組(SYNTIUM LMcorsa RC F GT3) スプリントカップレース2: 決勝2位は脇阪薫一/吉田広樹組(埼玉トヨペットGBマークX MC) スプリントカップレース2: 決勝3位は武井真司/笹原右京組(BH AUCTION CORVETTE GT3) スプリントカップレース2: 決勝4位は河野駿佑/菅波冬悟組(LMcorsa Ferrari 488 GT3) スプリントカップレース2: 決勝5位は永井宏明/織戸学組(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT) スプリントカップレース2: 最終レースとなった松井孝允/佐藤公哉組(HOPPY 86 MC)はペナルティーで8位 スプリントカップレース2: 表彰式 スプリントカップレース2: シャンパンファイト

レース2決勝は午前11時35分より50分間で行われた。天候は晴れ。コースは所々濡れた箇所が残っているものの、ほぼドライで、全車スリックタイヤでの走行となった。

またレース1の終了後に吉本が担当したくじ引きの結果により、今回はレース1の上位6台がリバースグリッドでスタートすることになった。ポールポジションは今回スポット参戦の#37武井真司/笹原右京組(BH AUCTION CORVETTE GT3)。スタートは笹原が担当した。

2位以下が序盤から激しい順位争いを見せるなか、ポールの笹原は1周目から一気に後続を突き放しにかかり、3周終了時点で13秒、5周終了時点では14秒以上もの大量リードを築き上げると、その後はタイヤを労わりつつペースを維持するという難しいミッションをこなしていった。

一方、レース1で優勝しながらも6番手スタートとなった#60吉本は1周めに他車に押し出されてタイムをロスする不運に見舞われつつも、2周目には2位まで順位を上げ、笹原の追撃にかかるが、なかなかタイム差を縮められないでいた。

しかし14周目に60号車がピットインし、吉本から宮田に交代すると形勢は逆転する。

今回の特別規則ではピット入り口からピット出口までの滞在時間が最低70秒と定められている上、ジャッキアップを行うとさらに30秒が加算される。それでもウェットからドライにコンディションが変わったレース1では100秒ストップを選択するチームがあったが、今回は最初からドライということで上位陣はいずれもタイヤ無交換作戦を敢行することになった。

宮田は昨シーズンからこのチームに参戦して経験を積み重ねており、タイヤを労りながらもかなりのハイペースで周回を重ねることができる。

一方、18周目にトップでコースインした武井はコルベットでの富士の走行もヨコハマのスリックタイヤも今週末初めて経験するという状況。特に木曜から土曜まで完全なドライコンディションの走行がなかったため、ぶっつけ本番の状態だ。ポルシェカレラカップジャパンなどで豊富な経験を持つ武井にとってもこの状況は厳しい。

実際、冷えたタイヤに苦戦する武井を尻目に宮田は一気に差を縮め、18周終了時点で0.7秒差にまで急接近。19周めの100Rで武井のインに飛び込むと、そのまま一気にヘアピン進入でトップに立ち、リードを広げにかかった。

武井はその後、24周目の1コーナーで#52脇阪薫一(埼玉トヨペットGBマークX MC)にも抜かれて3位に後退するが、なんとか踏みとどまって31周を走り切り、表彰台の一角を得る大健闘を見せた。

一方、トップの宮田は2位に15.559秒もの大量リードを築いて50分で31周を走り、昨日に続いて連勝を飾った。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:GTA&ITR共同会見 「この大会が、日本の、世界のモータースポーツが変わる第一歩です」(坂東正明GTA代表)

スーパーGTを運営するGTAとDTMを運営するITRは11月24日、特別交流戦「SUPER GT x DTM Dream Race」の行われている静岡県の富士スピードウェイで共同会見を行った。

SGTxDTM交流戦: 坂東正明氏(GTA代表取締役)とゲルハルト・ベルガー氏(ITRチェアマン)の記者会見

会見には坂東正明GTA代表取締役とゲルハルト・ベルガーITRチェアマンが出席。今回の交流戦開催についての感想と将来のビジョンなどについて語った。

ゲルハルト・ベルガーITRチェアマンのコメント
坂東さんに感謝します。今週末のイベントを作り上げるにあたり、彼の協力は素晴らしかったし、この2年間のGTAとITRの関係者みんなの努力で5つのマニファクチャラーがグリッドに集まることができたことが素晴らしいと思います。昨日のレース1のグリッドを歩いていて大変感動しました。本当に素晴らしいクルマたちが並んでいて、我々の歩んできた方向が正しかったことを確信しました。クラス1規定について話し合いを重ねてきた結果の第一歩がこの大会です。これからのスーパーGTやDTMの将来が楽しみになりました。
まだまだ解決すべきことはたくさんありますが、今回の結果をもとに、互いに素晴らしい将来を築き上げていきたいと思います。その思いは坂東さんも同じだと思います。
坂東正明GTA代表のコメント
我々は10月にホッケンハイムで行われたDTMの最終戦に3メーカーのGT500車両3台で参加しました。今回のような特別戦でなく、通常のシリーズ戦に出させていただく格好になりました。チャンピオンは既に決まっていたとはいえ、シリーズ最終戦にITRの皆さんが暖かく迎えてくださったことに感謝しています。
それから短い期間の中で、ITRとGTA、そして富士スピードウェイの皆さんの協力で準備を進めてまいりました。開催が実現したことを嬉しく思いますし、日独の関係者の努力が実りました。日本のファンの皆さんに見ていただくこの大会が、日本の、世界のモータースポーツが変わる第一歩だと思っています。ファンの皆さんにもその気持ちを伝えたいです。
このように全く別のカテゴリーが統一の技術規則を作って一緒に走れるようにするという例は過去にありません。我々の夢であったし、ここからマニファクチャラーのマーケティングや営業戦略、そしてレース界が変わっていくはずです。
クラス1の規則の違いはまだまだありますが、そこもきちんと作り上げていかないといけないと思います。
まとめ & Photo: Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:SGTxDTM特別交流戦レース2公式予選 #16中嶋がトップタイムを記録するも、グリッド降格により6番手スタートに

スーパーGTxDTM特別交流戦「SUPER GT x DTM Dream Race」レース2の公式予選が11月24日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、#16中嶋大祐(MOTUL MUGEN NSX-GT)がトップタイムを記録。しかし金曜のクラッシュの影響でTEAM MUGENはレース1。2ともに5グリッド降格となることが既に決まっており、予選2番手の#28ロイック・デュバル(BMC Airfilter Audi RS 5 DTM)がポールポジションからスタートすることになった。

大会最終日の富士スピードウェイは朝から小雨の降ったり止んだりを繰り返す状況で路面はウェット。このため午前9時から20分間で行われたレース2の公式予選は全車ウェットタイヤでの走行となった。

序盤トップに立ったのは4周目に1分47秒118を記録した#1山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)。これを残り時間1分で中嶋大祐が上回り、1分47秒003でトップに立つ。

チェッカーフラッグが提示された直後にデュバルが1分46秒940で一時トップに立つが、中嶋は最後の最後に1分46秒696を叩き出して再びトップを奪い返した。

#64ナレイン・カーティケヤン(Modulo Epson NSX-GT)も終盤1分47秒034までタイムを縮めて3位に食い込み、山本は結局4位。ホンダNSX-GTが予選1位、3位、4位を獲得した。

しかしTEAM MUGENは金曜日の公式練習で、武藤英紀のドライブ中に起きたクラッシュの影響で車両交換を余儀なくされており、競技会審査委員会から5グリッド降格を条件にレース1、2の出走を許可されている。

このため残念ながら中嶋は6番手から午後のレースをスタートすることになる。

また中嶋は予選後のインタビューで「最後のレース」と引退をほのめかす発言をしており、今後の動向が気になるところだ。

レース2決勝はこの後午後2時26分より55分+1周で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:SGTxDTM特別交流戦レース1決勝 #37キャシディが雪辱のポール・トゥ・ウィン

スーパーGTxDTM特別交流戦「SUPER GT x DTM Dream Race」レース1の決勝が11月23日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、#37ニック・キャシディ(KeePer TOM'S LC500)が見事ポール・トゥ・ウィンを飾った。

SGTxDTM交流戦レース1: スタートシーン SGTxDTM交流戦レース1: レースをリードするニック・キャシディ(KeePer TOM\'S LC500) SGTxDTM交流戦レース1: 山本尚貴と塚越広大の争い SGTxDTM交流戦レース1: ロニー・クインタレッリとマイク・ロッケンフェラーの争い SGTxDTM交流戦レース1: 優勝はニック・キャシディ(KeePer TOM\'S LC500) SGTxDTM交流戦レース1: 決勝2位は塚越広大(KEIHIN NSX-GT) SGTxDTM交流戦レース1: 決勝3位は山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT) SGTxDTM交流戦レース1: 表彰式にてニック・キャシディ(LEXUS TEAM KeePer TOM\'S) SGTxDTM交流戦レース1: 表彰式

記念すべき交流戦のレース1決勝は、スタート前からいきなりの波乱に見舞われた。

フロントローを確保していた#28ロイック・デュバル(BMC Airfilter Audi RS 5 DTM)がレコノサンスラップのダンロップコーナーでまさかのコースアウト、アウト側のタイヤバリアに前から突っ込んでしまったのだ。28号車はマーシャルカーでピットに戻ってきたものの、スタートまでに修復が間に合わないとチームは判断。惜しくもリタイヤとなってしまった。また#4アレッサンドロ・ザナルディ(BMW M4 DTM)もトランスミッショントラブルに見舞われてグリッドにつくことができず、ピットスタートに。結局午後2時26分から行われた決勝レースは参加22台中20台が隊列を組んでスタートに臨むことになった。

さらにスタート進行の時点で雨は上がっていたものの、路面は完全には乾いていなかったため、スタート前のタイヤ選択に各チーム頭を悩ませる状況。結局#24ヤン・マーデンボロー(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)、#64牧野任祐(Modulo Epson NSX-GT)、#11マルコ・ヴィットマン(BMW M4 DTM)らがウェットタイヤ を選択、他のドライバーはスリックタイヤを装着して55分+1周の戦いは始まった。

ポールポジションのキャシディはそのままトップで1コーナーに飛び込むと、その後は順調に後続との差を広げながら周回を重ねていく。

その後方では#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)が2周目の1コーナーで#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)、#1山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)を次々に抜き去って2位に浮上、さらに予選9位からスタートした#19坪井翔(WedsSport ADVAN LC500)がみるみる順位を上げ、7周目には#36関口雄飛(au TOM'S LC500)を抜き去って4位に浮上してきた。今シーズンのドライバーズタイトルを手にした#6山下健太(WAKO'S 4CR LC500)も関口の背後から何度もアタックを仕掛けるが、関口はこれをことごとく退ける。シリーズ戦とは全く異なる激しいバトルがコースの至る所で展開された。

トップのキャシディは19周目にピットイン。タイヤ交換を行ってそのまま実質トップでコースに復帰、その後も順調に周回を重ねて2位以下を引き離し、29周を終えた時点で8.099秒ものリードを築き上げた。

ところがその直後、#12佐々木大樹(カルソニックIMPUL GT-R)がマシントラブルに見舞われてホームストレート上にストップしたため、セーフティーカーが導入されることになり、キャシディのリードは失われてしまった。

レースは33周目に2列縦隊のインディカー方式でリスタート。残り時間は3分あまりだったが、ここでもキャシディはトップを守り、塚越に全く付け入る隙を与えずに35周を走り切り、見事レース1を制してみせ、10月にホッケンハイムで行われ、予選16位、決勝リタイヤに終わったDTM最終戦の雪辱を果たした。

2位に塚越、3位には山本がつけ、終わってみれば上位5台がスーパーGT勢という結果に。しかしDTM勢の最上位は予選16位の#21ブノワ・トレルイエ(Audi Sport Japan RS5 DTM)だったことを考えれば、スタート前にリタイヤを喫したデュバルがあのままスタートしていれば、また違った展開になったのかもしれない。

注目の第2レースは明日午前9時より公式予選が、午後2時26分より決勝が、同じく55分+1周で行われる。DTM勢の巻き返しにも期待したい。

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:SGTxDTM特別交流戦レース1公式予選 GT500とDTMがフロントローを分け合い、#37キャシディがPP獲得

スーパーGTxDTM特別交流戦「SUPER GT x DTM Dream Race」レース1の公式予選が11月23日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、#37ニック・キャシディ(KeePer TOM'S LC500)がポールポジションを獲得した。

レース1の公式予選は午前9時25分より20分間で行われた。前日の公式練習では激しい雨に見舞われた富士スピードウェイだが、この日は時折弱い霧雨が落ちてくる程度。路面はハーフウェットと言った状況で、スリックタイヤを履くほどのグリップはまだない様子だった。

今回は全車がDTM指定のハンコックタイヤを使用するということで、こうした難しいコンディションではスーパーGT勢に不利に働くものと思われたが、キャシディは計測3周目に1分41秒827を叩き出してセッション開始早々にトップに浮上。その後もこのタイムが更新されることはなく、キャシディがそのままレース1のポールポジションを獲得することになった。

DTM勢では#28ロイック・デュバル(BMC Airfilter Audi RS 5 DTM)がキャシディと同じく3周目に1分42秒158を記録、0.331秒差で2位につけた。日本のトップカテゴリーで長年活躍した経験が生かされた結果というべきか。

3番手にはセッション終盤に1分42秒215を記録した#1山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)が続き、#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)がGT-R勢最上位の4番手。9番手の#19坪井翔(WedsSport ADVAN LC500)までがトップから1秒以内といういつもながらの接戦となった。

レース1決勝は午後2時26分より、55分+1周で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT | その他

K2 R&Dが2019/2020アジアンルマンシリーズ参戦を発表 第1ドライバーは黒澤治樹

K2 R&D UCHIDA RACINGが使用するオレカ 07 LMP2の車両イメージ

スーパーGTにK2 R&D LEON RACINGとして参戦している有限会社K2R&Dは11月7日、レース用の歯車製造などで知られる株式会社内野製作所とタッグを組み、「K2 UCHINO RACING」として2019/2020アジアンルマンシリーズに参戦することを発表した。

カーナンバーは96、マシンはオレカ07LMP2。内野製作所の代表取締役である内野徳昭氏がチーム代表を務め、日本レース界の草創期にトップドライバーとして活躍した黒澤元治氏が監督として指揮を執る。LPM2クラスに日本チームが参戦するのはこれが初めてのことだ。

第1ドライバーはスーパーGT第5戦まで#65LEON PYRAMID AMGをドライブした黒澤治樹が担当、第2ドライバーにはショウン・トン(香港)を起用した。トンは黒澤と同じく今シーズンGT300クラスに参戦、#33エヴァRT初号機X Works GT-Rをドライブしている。

富士スピードウェイでのシェイクダウンの様子

アジアンルマンシリーズは今月22-24日に上海国際サーキットで開幕。2020年1月10-12日にザ・ベンドサーキット(オーストラリア)、2020年2月14-15日 セパン国際サーキット(マレーシア)、 2020年2月21-23日 ブリーラム国際サーキット(タイ)の全4戦で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:第8戦もてぎチャンピオン会見 「チャンピオンのかかったレースなので、引くつもりもありませんでした」(山下健太) 「ああ17年前からいいドライバーを選んでたんだなと思って(笑)」(鈴木亜久里)

GT500クラスドライバーズチャンピオン 大嶋和也(#6WAKO'S 4CR LC500)
シリーズ記者会見: GT500クラスでチャンピオンを獲得した大嶋和也(LEXUS TEAM LEMANS WAKO\'S) とにかくほっとしました。GT500に参戦して11年目のシーズンでやっとチャンピオンを取ることができました。今までにいつ愛想を尽かされてもおかしくないような、結果を残せないシーズンもありましたが、そんな中でみんなが僕のことを信じて、ずっとチームルマンのエースとして走らせてくれたことに本当に感謝しています。ルマンに来てからずっと(山田)健二さんと戦ってきたんですけど、健二さんを失ってここからどうなってしまうのかなあと思った時期もありましたが、チームには本当に感謝しています。(山下)健太も本当にいい仕事をしてくれました。本当に嬉しい。ここに来るまではめちゃめちゃ不安でした。やれることは全部やっておこうと思って、お酒も飲まなかったし、体重も2kg落としてきました。家を出る前に見た占いでも「一番運勢がいいのは4月生まれ。ラッキーカラーは青」ってなっていたので、「これはいける」と思いました。ちょっとでも都合の良いことは信じて気分を盛り上げていました。7点差あるといっても毎年最終戦でいろんなことが起きるので。今回はみんなで力を合わせてチャンピオンを取れて良かったです。岡山で開幕したときはまさかチャンピオン争いをできるとは思っていませんでした。そこからみんなが頑張ってくれて、「勝てそうだな」という印象を鈴鹿で感じることができ、「タイは絶対勝ちたい」と思っていたら勝つことができ、次の富士も勝てました。最後の3戦は37号車に前でフィニッシュされたのが悔しいですけどチャンピオンを取れて良かったです。これで重圧から解放されたので、来年は結果を気にせずにリラックスしてレースしたいなと思います。
GT500クラスドライバーズチャンピオン 山下健太(WAKO'S 4CR LC500)
シリーズ記者会見: GT500クラスでチャンピオンを獲得した山下健太(LEXUS TEAM LEMANS WAKO\'S) 僕は今日後半を乗らせてもらったんですけど、展開的に非常に厳しかったです。ああなる(トムスがチームオーダーを出す)ことは予想していたんですけど実際なってみると「ああやられたなあ」って。でも36号車を抜かないとチャンピオンはない、とよくわかっていたし、関口選手がすごいブロックがうまいのもわかっていたので、少しでも気の迷いがあったら絶対抜けないな、と思って、強い気持ちを持って。(36号車を抜いたときは)ちょっと強引だったかなと思いましたが、最終コーナー全開で行けるわけないんですけど、最終戦で、チャンピオンのかかったレースなので引けないし、引くつもりもありませんでした。関口選手も絶対引かないな、という気配を感じたので、とりあえず全開で並んでいきました。そのままぶつかって、すごい衝撃がありました。でも僕の方が前に出ていたし、二人で外に出ていたんで、譲る必要もないと思いました。あそこで並んでなかったら抜けないし、チャンピオンを取れてなかったと思います。それから一年間支えてくれたチームに感謝しています。大嶋さんと、寿一監督にも。(エンジニアの)阿部さんも毎回毎回いいクルマを用意してくださって、乗りやすくて。今回もぶつかった後は不安でしたが、そのあとのペースも悪くなかったです。スタート前は思ったほど緊張はしませんでした。自分の番が回ってきたときは追う立場だったので「やるしかねえな」みたいな感じでしたし。僕はスーパーGTが大好きです。こんなに接戦で、勝負強さを鍛えられるカテゴリーは世界的にもなかなかないと思うんですが、来年は出られないと思うので、それが残念です。天候のことなど、今年は難しいシーズンでしたが、それぞれの局面で常に正しい選択ができていました。皆さんの判断が完璧だったことが結果につながったと思うので、本当にチームに感謝です。
GT500クラスチームチャンピオン 山田淳監督(#37LEXUS TEAM KeePer TOM'S)
シリーズ記者会見: GT500クラスでチャンピオンを獲得したチーム監督の山田淳氏(LEXUS TEAM LEMANS WAKO\'S) この場にいるのがなんか微妙な感じです。昔一緒にF3を戦った二人がドライバーズチャンピオンとして隣にいる、というのが。チャンピオン会見の場に来られたことをとても光栄に思っていますし、ドライバー、チームスタッフには非常に感謝しています。開幕戦からいろんなレース展開がありましたが、最後は優勝で終われたということを嬉しく思っています。来年も頑張ってまたチャンピオン会見に来たいと思います。
GT300クラスドライバーズチャンピオン 高木真一(#55ARTA NSX GT3
シリーズ記者会見: GT300クラスでチャンピオンを獲得した高木真一(ARTA) 昨日(福住)仁嶺が予選ですごく頑張ってくれて、5位というポジションを作ってくれたので、本当にそれがレースで凄く大きかったと思っています。それによって前の方の集団でレースをすることができたのはよかった。僕自身のペースはそこそこ良かったと思いますが、クルマをちょっと攻め気味というか、オーバーステアのセッティングにしたことで、そのあとのスティントで仁嶺がタイヤカスに苦しめられる状況にしてしまいました。それは僕のミスだったし、申し訳ないと思います。そんな中で仁嶺は頑張ってくれて、4位。表彰台には上がれなかったけど、シリーズチャンピオンという大きな結果を得ることができました。17年ぶりにチャンピオンを取れたことについては、(鈴木)亜久里さんや土屋(圭市)さん、そしてスポンサーのオートバックスさんのおかげだと思います。本当に感謝しかないです。今年は車両がNSXになって、フロントタイヤのサイズが少し小さくなったんですが、それをどう活かすか、本当に手探りの状態で開幕を迎えたんですが、その中でも一戦も落とさずにチャンピオンを取れたのは良かったです。NSXはオールマイティなクルマだったし、ブリヂストンさんも良いタイヤを次々に持ってきてくださいました。仁嶺も初めてのシーズンにもかかわらず、鋭い走りとびっくりするようなタイムをたびたび出してきていました。GT500に抜かれながらの難しいレースでもしっかり視野を広げてぶつからずに安定したタイムを出していたのが素晴らしいと思いました。
GT300クラスドライバーズチャンピオン 福住仁嶺(#55ARTA NSX GT3
シリーズ記者会見: GT300クラスでチャンピオンを獲得した福住仁嶺(ARTA) 一年目のルーキーシーズンでしたが、亜久里さんはじめチームの皆さん、高木さんのおかげでチャンピオンシップを争うことができて。最終戦を迎えた時点で14.6ポイントのリードというのは大きく思えますが、昨年は12ポイント差を逆転されているので、怖いというか不安でいっぱいでした。今回のレースはペースが良くなくていっぱいいっぱいの状態でしたが、亜久里さんの怒った顔を見たくなかったので最後まで頑張りました。菅生で優勝したときは誰も迎えてくれなくて寂しい思いをしましたが(笑)今回は高木さんがちゃんと待っていてくださって、しかも泣いていたのでもらい泣きしそうになってうるっときました。本当に亜久里さんや応援していただいてる皆さんに感謝しています。初年度で分からないことだらけでしたが、高木さんからいろんなアドバイスをいただきました。いつも的確な指摘で、本当に教え方のうまい方だなと思いました。
GT300クラスチームチャンピオン 鈴木亜久里監督(#55 ARTA)
シリーズ記者会見: GT300クラスでチャンピオンを獲得したチーム監督の鈴木亜久里氏(ARTA) 皆さんお疲れ様でした。去年ももてぎでは悔しい思いをして帰った思い出があったんですけど、今年はクルマもNSXに変わって、(高木)真一が福住をうまくコントロールしてくれて、最終的に一年間一個もポイントを落とさない。全部のレースを完走してポイントをとってくれました。去年はいいレースとダメなレースの差が激しかったですから。福住も今まで一度もハコのレースをしたことがないのにここまで上手く乗れたのは、真一が上手く引っ張ってくれたからだと思います。ほんとうにいいコンビだったなと思います。でも福住が走っているのを見るといつもなんだか不安で胃が痛くなっちゃうんですよね。でも終わってみると「大丈夫ですよ」って本人はけろっとしている。彼の場合はまだ若いし、これから長いレース人生があるんで、どんどんステップアップしてってもらいたい。ARTAとしては17年ぶりにチャンピオンを取れましたが、そのチャンピオン争いをしたのが17年前に真一とパートナーを組んでた新田(守男)だというのがね。ああ17年前からいいドライバーを選んでたんだなと思って(笑)おじさんまだまだ頑張れるなあと。おじさんたちの代表みたいなレースをしてくれたんで、また来年も頑張って、またチャンピオン会見に来られるように、これからも頑張ります。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

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SGT:第8戦もてぎ優勝会見 「チャンピオンを逃したことが悔しいです」(平川亮) 「ラッキーもありましたが、今まで年間2勝したことがなかったので嬉しいです」(安田裕信)

GT500クラス ニック・キャシディ(KeePer TOM'S LC500)
決勝記者会見: GT500クラス優勝のニック・キャシディ(LEXUS TEAM KeePer TOM\'S) 本当に難しいレースでした。予選4位からのスタートで、前のクルマはどこも強いところばかりでしたが、僕のスタートはパーフェクトだったと思います。今回の目標はピットインのタイミングを見極めることでしたが、それもうまくいってレースをリードすることができました。僕らのクルマが今日一番スピードがあったと思っています。6号車とは同じタイヤを履いていて、同じようにウォームアップには苦労したと思いますが、僕はタイヤが冷えた状態でのペースには自信があったし、今までにも6号車とバトルをして何度も勝っているので、序盤で追い抜く自信はありました。
GT500クラス 平川亮(KeePer TOM'S LC500)
決勝記者会見: GT500クラス優勝の平川亮(KeePer TOM\'S LC500) アウトラップは良かったんですが、そのあとペースが上がらなくなりました。36号車の後ろを走っている間はずっとフロントのグリップが厳しかったです。トップに立ってからはペースもよく、後ろを離すことができました。結果的に優勝できましたが、チャンピオンを逃したことが悔しいというか、あまりうまく言葉にできません。
GT300クラス 安田裕信(GAINER TANAX GT-R)
決勝記者会見: GT300クラス優勝の安田裕信(GAINER) 予選4番手からのスタートでしたが、序盤にポジションを上げる自信はありました。マクラーレンと56号車の後ろにいて、2台が接触した隙に2番手に上がることができました。そのあと56号車に追いつきたかったんですが、向こうのほうがペースが良かったです。56号車と同じタイミングでピットに入って平中選手に代わりました。最後はラッキーもあって優勝できましたが、今まで年間2勝したことがなかったので、それが嬉しいです。
GT300クラス 平中克幸(GAINER TANAX GT-R)
決勝記者会見: GT300クラス優勝の平中克幸(GAINER) 今週末は走り始めからクルマのフィーリングが良かったです。特に今回ダンロップさんが新しいタイヤを持ち込んでくれて、全くテストしたことのないタイヤで不安がありましたが、しっかり作り込んであって、走り始めから気持ちよく走ることができました。予選順位も優勝を狙える位置でしたし、レースも期待していましたが、LEONが常に速くて、流石に今回は無理かなあと思っていました。ところが最終コーナーを立ち上がってチームの方に寄って行こうとしたら、LEONが思いの外近くにいたので、改めてアクセルを踏み直してLEONを抜いてチェッカーを受けることができました。勝ったことを無線で言ったら、チームはわかってなかったみたいです。棚ぼたですけど、その位置を常にキープして走れたことが優勝につながったと思うので、本当に完璧なレースができたなと思います。今シーズンは前半の早い段階で上位入賞できたことが良かったと思いますが、中盤に落とすレースが続いたのが悔しいし、残念です。それでも最終戦で優勝できたのは嬉しいです。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:第8戦もてぎ決勝 チームルマン17年ぶりの快挙!!#6大嶋/山下組がドライバーズチャンピオンを獲得 レースは#37KeePer TOM'S LC500が今季初優勝

2019オートバックス スーパーGT第8戦「もてぎGT250kmレース」の決勝が11月3日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、予選4位からスタートした#37平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S LC500)が32周目にトップに立ち、今季初勝利を挙げた。

しかしドライバーズチャンピオンは2位入賞の#6大嶋和也/山下健太組(WAKO'S 4CR LC500)が獲得。チームルマンにとっては2002年のJGTC以来、じつに17年ぶりの栄冠となった。

GT300クラスは予選4位の#11平中克幸/安田裕信組(GAINER TANAX GT-R)が終了間際に逆転、第2戦富士以来の今季2勝目を獲得。シリーズチャンピオンは4位でフィニッシュした#55高木真一/福住仁嶺組(ARTA NSX GT3)が獲得している。

(天候:曇り コース:ドライ 観客動員数:予選日20,500人/決勝日35,500人/大会総入場者数56,000人)

GT500クラスのスタートシーン GT300クラスのスタートシーン GT500クラス優勝は平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM\'S LC500) GT500クラス決勝で2位に入りドライバーズチャンピオンを決めた大嶋和也/山下健太組(WAKO\'S 4CR LC500) GT500クラス決勝3位は中嶋一貴/関口雄飛組(au TOM\'S LC500) GT300クラス優勝は平中克幸/安田裕信組(GAINER TANAX GT-R) GT300クラス決勝2位は蒲生尚弥/菅波冬悟組(LEON PYRAMID AMG) GT300クラス決勝2位は新田守男/阪口晴南組(K-tunes RC F GT3) GT300クラス決勝で4位に入りドライバーズチャンピオンを決めた高木真一/福住仁嶺組(ARTA NSX GT3)

第8戦決勝は午後1時30分より53周で行われたが、スタート前に行われたウォームアップ走行で#3平手晃平/フレデリック・マコヴィッキィ組(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)にエンジントラブルが発生。スタート前にリタイヤ届が提出されるという事態に。ニッサン勢では前日の公式練習でも#12佐々木大樹/ジェームス・ロシター組(カルソニックIMPUL GT-R)にもエンジントラブルが発生しており、12号車は予選出走が叶わず、出走嘆願によりこのレースは最後尾からスタートすることになっていた。

スタートでトップに立ったのはポールシッターの#36中嶋一貴(au TOM'S LC500)。ポイントリーダーの#6大嶋和也(WAKO'S 4CR LC500)はタイヤの熱入れが充分でなく、1周目に#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)、#37ニック・キャシディ(KeePer TOM'S LC500)、#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)らに相次いで抜かれ、5位まで順位を落としてしまった。

しかし大嶋はタイヤが作動領域に入るとともに息を吹き返し、7周目にクインタレッリ、17周目には塚越をも抜き返して3位に浮上、20周目にトップの中嶋とともにピットインし、山下にバトンタッチした。

大嶋らとタイトルを争うキャシディは6周目の3コーナーでクインタレッリを抜いて2位に浮上すると、19周目にピット作業を行い、平川に交代した。

#6大嶋/山下組との7ポイント差を逆転しなければならない平川は懸命に追い上げ、#36関口雄飛(au TOM'S LC500)に何度もオーバーテイクを試みる。関口も当初押さえ込む動きを見せていたが、32周目の3コーナーで周回遅れに詰まったところで平川にインを明け渡し、その後は後方から迫ってくる山下と熾烈な2位争いを展開することになった。多分にチームオーダーの疑われるシーンではあるが、もちろんチームがそのことを公式に認めることなどない。

このままの順位で終われば平川/キャシディ組が83ポイント、大嶋/山下組は81ポイントとなり、平川/キャシディ組が逆転でチャンピオンを獲得する。山下には到底受け入れられない状況だ。後続との差を広げながらトップを快走する平川の後方で、関口の執拗なブロックに行手を阻まれる山下。

しかし転機は38周目にやってきた。

ヘアピン進入で関口が周回遅れのGT300車両に詰まったところを山下は見逃さず、続くダウンヒルストレートでフェイントを入れながら関口のインに車体をねじ込んだ。90度コーナーへの進入ではブレーキを遅らせすぎてアウトに膨らみ、コーナー出口で失速、すかさず関口がクロスラインをとってアウトから並び返してきたが、山下もここは絶対に引くことはできない。両者は激しくぶつかりながら最終コーナーをショートカット、そのまま山下が前に出てホームストレートに戻ってきた。関口にはもう山下を追う余力は残っていなかった。

これによりGT500クラスは37号車が優勝、6号車が2位、36号車が3位で決着。ポイントランキングは平川/キャシディ組が83ポイント、大嶋/山下組が85ポイントとなり、大嶋/山下組がドライバーズチャンピオンを獲得。チームタイトルはLEXUS TEAM KeePer TOM'Sが107ポイント、LEXUS TEAM LEMANS WAKO'Sが106ポイントで、こちらはトムスが獲得することになった。

今季初勝利を挙げたとはいえ、2年連続でドライバーズタイトルを取り逃した平川とキャシディはレース後の記者会見でも悔しさを隠せない様子だった。

チームルマンがドライバーズチャンピオンを獲得するのは、2002年の全日本GT選手権で#6脇阪寿一/飯田章組(エッソウロトラフロースープラ)が獲得して以来、じつに17年ぶりのことだ。

GT300クラスは、ポールシッターの#720アレックス・パロウ(McLaren 720S)のペースが上がらず、6周目の90度コーナーで#56平峰一貴(リアライズ日産自動車大学校GT-R)にインから抜き去られ、その後もずるずると順位を落として7位でフィニッシュ。ここでトップに浮上した56号車もレース終盤に電気系トラブルに見舞われて一時コース上にストップする不運もあって最終的には6位でレースを終えた。

一方、予選3位からスタートした#65蒲生尚弥/菅波冬悟組(LEON PYRAMID AMG)はタイヤ無交換作戦をとり、ピット作業時間を短縮してトップに立ったが、攻めた燃費計算が仇になり、ファイナルラップの最終コーナーを立ち上がったところでガス欠症状に見舞われてスローダウンを余儀なくされる。その隙をついて#11平中克幸/安田裕信組(GAINER TANAX GT-R)がトップでチェッカーを受け、第2戦富士以来の今季2勝目を獲得。

ドライバーズランキング2位の#96新田守男/阪口晴南組(K-tunes RC F GT3)は予選17位から激しい追い上げをみせて3位でフィニッシュしたが、ポイントリーダーの高木/福住組が4位に入ったため、ドライバーズ部門、チーム部門の両方で#55高木真一/福住仁嶺組(ARTA)がチャンピオンを獲得することになった。これは高木とARTAにとっても17年ぶりのタイトル獲得だ。

これで2019年のスーパーGTのシリーズ戦は終了だが、今年はこのあと富士スピードウェイにてドイツツーリングカー選手権(DTM)との特別交流戦が予定されている。11月23-24日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:第8戦もてぎ ジェンソン・バトンが記者会見を開催「次のチャレンジに取り組むなら今しかない」

スーパーGT引退会見を行うジェイソン・バトン

スーパーGT第8戦「もてぎGT250kmレース」が開催されている栃木県のツインリンクもてぎで11月2日、今シーズンでスーパーGTを離脱するジェンソン・バトン(#1RAYBRIG NSX-GT)が会見を行い、日本で活動した二年間の感想と離脱の理由、そして今後の展望を語った。

ジェンソン・バトンのコメント
人生というのは色んなチャレンジがあってこそ楽しいものだと思っています。僕はF1のあとでスーパーGTにチャレンジしました。本当にエキサイティングなレースだと思います。レースの進め方やGT300の処理、チームメイトとの付き合い方など、新たに学ばなければならないことが沢山ありました。味わいながら、楽しみながら、レースに取り組みました。

チーム国光は素晴らしいチームで、一緒に仕事をしていて本当に楽しかったです。歴史の長いチームですが、スタッフはみんな若くて、彼らと頑張れたこと、チャンピオンシップを獲得できたことが本当に嬉しかったし、感動しました。

クニサンは二輪も四輪も本当に長い経験を持っていますが、チャンピオンシップを獲得した時の嬉しそうな表情が忘れられません。

山本尚貴選手は、初めて「速く走って欲しい」「頑張って欲しい」と思えたチームメイトでした。彼とは本当に良い関係でした。耐久レースは初めてだったので、チームメイトとコミニュケーションをとりながら進めること、お互いに応援することなど、彼から非常に多くのことを学びました。彼にはこれからも頑張って欲しいと思っているし、応援したいです。

(今後の予定を教えてください)僕は長年ホンダのアンバサダーとして活動してきたし、ホンダは僕のホームだと思っているので、トヨタやニッサンをドライブするということは絶対にありません。ネットではNASCARに参戦するなんて話もあるようですが、あれはホンダUSAが「将来的にNASCARに参戦したい」と発言したことに対して「僕ならいつでも準備できてるよ」と答えただけです。大きなチャレンジは好きだし、これからやってみたいと思っています。何人ものF1ドライバーが苦戦しているカテゴリーなので、まずはトラックシリーズなどの下位カテゴリーで楽しめたら良いな、位に思っていますが、来年の前半に関しては何も予定していないし、家でゆっくりしたいと思っています。ですから何も決まっていません。

(日本のレースから離脱する理由は)本当に最高な二年間を過ごさせていただきました。特に昨年はチャンピオンシップも獲得できましたし。F1を引退してから、次にどんなチャレンジをしようかと考えてスーパーGTを選びましたが、すごく良いチャレンジになりました。僕の人生にとって大きな意味のあるものになりました。僕は今39歳です。まだ次のチャレンジに間に合う年齢ですが、あと二、三年いると手遅れになるかもしれないと思ったんです。別に日本で何か気に入らないことがあったわけじゃありません。次に行けるうちに行きたいと思っただけです。

(次にチャレンジしたいカテゴリーはどんなものか)いくつか候補はあります。僕はすごくオフロードが好きで、今年の終わりにはバハ1000kmに挑戦します。それがたまたまDTM交流戦と日程が重なってしまいました。将来的にはまたル・マン24時間にも出たいと思っています。WECの新しいレギュレーションを楽しみにしています。NASCARとかバサーストとか、いろいろ考えています。体力的にもまだまだチャレンジできると思っています。それが例えばカートの世界選手権でも良いじゃないか、とね。とにかくエキサイティングなことを沢山していきたい。F1やスーパーGTで素晴らしいキャリアを積んだので、これからも頑張ります。

最後にこの場を借りて皆さんに感謝したいと思います。日本のファンの皆さんにも。僕は日本の文化や人々が大好きです。1997年に日本でカートレースに参加したときに本当にコンペティティブで素晴らしい場所だと思い、ずっと日本で走ることが夢でした。機会を与えてくださったホンダにも感謝しています。

まとめ & Photo: Kazuhisa SUEHIRO

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第14戦もてぎ決勝 王者#7佐藤が通算11勝目を達成して有終の美を飾る

2019FIA-F4選手権第14戦の決勝が11月3日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、#7佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)が通算最多の11勝を達成した。

13周の決勝がスタートした 優勝は佐藤蓮(SRS/コチラレーシング) 決勝2位は川合孝汰(DENSOルボ一セIPG F4) 決勝3位は三宅淳詞(HFDP/SRS/コチラレーシング) インディペンデントカップ優勝はDRAGON(TEAM DRAGON F4) 佐藤蓮とチーム監督の阿部正和氏(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト) 川合孝汰とチーム監督の坪松唯夫氏(Le Beausset Motorsports) 表彰式 インディペンデントカップの表彰式

第14戦決勝は午前8時15分より13周で行われた。

ポールポジションの佐藤は今回もクリーンなスタートを決めてトップで1コーナーへ。その後方では予選3位の#63川合孝汰(DENSOルボ一セIPG F4)が1周目のヘアピンで#5三宅淳詞(HFDP/SRS/コチラレーシング)のインをついて2位に浮上した。

オープニングラップだけで2秒312の大量リードを築いた佐藤だったが、2周目の4コーナー立ち上がりで#37平良響(FTRSスカラシップF4)、#77小川颯太(WARMTECH Skill Speed)、そして#60菅波冬悟(OTG DL F110)の3台が絡む多重クラッシュが発生、直ちにセーフティーカーが導入されることになってしまった。

レースは6周目に再開されたが、今度は2位の川合が佐藤と遜色ないハイペースで追い上げてきた。川合は前日の第13戦で序盤にリタイヤしていたこともあり、タイヤの消耗が少なかったことも功を奏したようだ。それでも佐藤は最後までノーミスで川合のプレッシャーを跳ね除け、第7戦富士以来の7連勝を達成。通算勝利数も歴代最多の11勝としてFIA-F4の2019シーズンを締めくくった。

2位は川合。このレースを以って活動を終了するチーム・ル・ボーセに勝利を持ち帰りたい、との願いはあと一歩のところで叶わなかった。3位には#24平木玲次(Media DoADVICS影山F110)の猛追に最後まで耐え切った三宅が入った。

またインディペンデントカップは#30DRAGON(TEAM DRAGON F4)が今季4勝目を獲得。前日の第13戦では後続に追突されてサスペンションにダメージを負い、リタイヤを余儀なくされたが、今回は慎重な走りで後続に付け入る隙を与えなかった。

FIA-F4の2020シーズンは来年4月11日に岡山国際サーキットで開幕する。

第14戦優勝 #7佐藤蓮(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
優勝した佐藤蓮(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト) スタートが完璧に決まって、後ろをかなり離してたんで、そこでSCが入ったのはちょっと嫌でしたね。再スタート後川合選手のペースが速くて、お互いプッシュしてプッシュして、ミスをするかしないかギリギリのところで、最後の方に向こうがミスをしてくれたんでちょっと楽になりました。マシンバランスはかなり良くて。ただSC解除後の数周はバランスが悪かったです。まだ来年のlことは決まってませんけど、どのカテゴリーに乗るにしても自分のできることを今まで通りやっていきたいと思います。できれば海外に行きたいと思っています。
第14戦決勝2位 #63川合孝汰(Le Beausset Motorsports)
決勝2位の川合孝汰(Le Beausset Motorsports) ちょっと昨日よりスタートが決まらなくて。序盤で早めに前に立ちたかったんですがちょっとてこずっちゃったかなと。SCが入ったのは「ついてるな」と思ったんですけど、SC明けで飛び出しちゃって。そこがもったいなかったです。後半はペースが良くなってたんですけど、最後の方にミスが出てしまったのがもったいなかったかなと。昨日の影響は感じませんでした。自分もリセットできてたし、今日は前の佐藤選手を追うだけだと思っていたんで。昨日タイヤを使ってないんでもうちょっとペースいけるかと思ってたんですけど、思った以上に上げられなかったのは今後の課題かなと思います。結構フロントを酷使しちゃった感じですね。今日でチームが最後だったんで、優勝を届けたかったんですけど、それができなくて残念です。来年については、いろいろお話しさせていただいてるんですけど、まだ何も決まっていません。このレースを終えてからいろいろ整理して来年に向けて動きたいです。もちろんフォーミュラをやりたいんですけど、来年に関してはフォーミュラに限らず、色んなカテゴリーに挑戦できたらと思います。
第14戦決勝3位 #5三宅淳詞(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
決勝3位の三宅淳詞(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト) 昨日はスタートでミスして、集団に飲み込まれて押し出されて順位を落として、という勿体ないレースだったので、メカニックさんには迷惑をかけたんですが昨夜クラッチを交換していただきました。そしたらスタートが良かったんで、このままいけるかな?と思ったんですが、佐藤選手とのタイム差が大きくて、川合選手もタイヤがフレッシュな分前に行かれてしまって防戦一方の厳しいレースになりました。木曜金曜と平木選手が速かったんで、厳しいかなと思いましたが、ここは抜きにくいコースですし、後半は落ち着いて自分のレースをしました。今シーズンは優勝といっても運がいいだけの1勝だけですが、富士以外は表彰台に乗れてるので、そう考えたら安定はしてたのかなと思います。来年どうするかは話をしていませんけど、もし出れるのなら苦手な富士でもしっかり結果を出して、もっと優勝もしていきたいです。
第14戦インディペンデントカップ優勝 #30DRAGON(B-MAX ENGINEERING)
インディペンデントカップ優勝のDRAGON(B-MAX ENGINEERING) 昨日は最初のS字のクラッシュの後にヘアピンで黄旗が出ていたんで、減速をしたところ後ろの選手に追突されてしまったんです。SCラン中は大丈夫かなと思っていたんですが、解除になってペースを上げたらアームが折れちゃいました。昨日は残念なレースだったんですが、ペース的には混乱に巻き込まれなければ追いつかれないと思ったんで、今日は慎重にいって別クラスの若い子に絡まないように、無理に押さえずにスマートに前に行かせるようにしました。その後はまあイージーに。このクラスも本当に盛り上がっていますし、おじさんの熱き闘いに来年もまた参加したいなと思っています。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI

SUPER GT

SGT:第8戦もてぎ予選会見 「レクサス同士の争いになったので、僕らも周りを気にすることなくやりたい」(中嶋一貴) 「僕らが今年どれだけ成長できたかということを証明できる結果になり、すごく嬉しい」(アレックス・パロウ)

予選フォトセッション: 両クラスのポールシッター

GT500クラス 中嶋一貴(#36LEXUS TEAM au TOM'S)
予選記者会見: GT500クラスポールポジションの中嶋一貴(LEXUS TEAM au TOM\'S) 朝は気温が低い状況でしたけど、走り始めからクルマの調子は悪くはなく、タイヤ選択に関しては不安を持っていません。予選に関してはQ1に向けてやったことが合っていなかったので、チームで話し合ってセッティングを変えた方がいいということになりました。Q1の感じからするとポールは遠いかなという感じでしたが、そこをうまく取ってくれたので、見ていて非常に盛り上がりましたね。僕らは残念ながらチャンピオン争いと関係ないところにいますけど、レクサス同士の争いになったので、僕らも周りを気にすることなくやりたいなと思います。勝てるところでしっかり勝とうというつもりでもてぎに来たので、それを達成して帰りたいと思います。
GT500クラス 関口雄飛(#36LEXUS TEAM au TOM'S)
予選記者会見: GT500クラスポールポジションの関口雄飛(LEXUS TEAM au TOM\'S) Q1で中嶋選手が走ってトップとの差が結構あったので「苦しいかな?」と感じでしたが、できることは全部やっておこう、と常に思っているので、中嶋選手やエンジニアと話し合って、Q2に向けてセッティングを変えることにしました。それがうまく行ってQ1のオーバーステアがだいぶ解消されてタイムが出ました。
GT300クラス 荒聖治(#720McLaren Customer Racing Japan)
予選記者会見: GT300クラスポールポジションの荒聖治(McLaren Customer Racing Japan) 今年の開幕戦は我々全力で走ってビリだったんです。フォーミュラでトップを争っている、本当に速いアレックス選手が走ってもビリだったんです。最終戦に来てこうして良い位置で戦えるようになったというのはすごい進化ですね。もともとクルマのパフォーマンスは高かったんですけど、なかなかそれが発揮できる状況になく、悔しい思いをしてきましたが、結果的にポールを取ることができました。僕の仕事としてはQ2に進めて良かったなあと。ほっとしています。すごく速いドライバーにパフォーマンスを発揮してもらえて感謝しています。
GT300クラス アレックス・パロウ(#720McLaren Customer Racing Japan)
予選記者会見: GT300クラスポールポジションのアレックス・パロウ(McLaren Customer Racing Japan) 完璧な1日だったと思います。オカヤマでは予選ではビリだったし、僕らは今年7レースしか参戦できなかったんですけど、その中でどれだけ成長できたかということを証明できる結果になり、すごく嬉しく思っています。低迷の原因はBOPとセッティングのマッチングだったと思いますが、ここにきてようやく結果を出せるようになりました。チームに感謝していますし、チームに貢献できたことを嬉しく思います。様々なプレッシャーの中で闘ってきましたが、それに負けず、モチベーションを高く持って常にベストを尽くしてきました。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:第8戦もてぎ公式予選 #23MOTUL AUTECH GT-Rの逆転タイトルの望み絶たれる #36au TOM'S LC500が今季2度目のPP獲得

2019オートバックススーパーGT第8戦「もてぎGT250kmレース」の公式予選が11月2日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、GT500クラスは#36中嶋一貴/関口雄飛組(au TOM'S LC500)が今季2度目のポールポジションを獲得。GT300クラスは#720荒聖治/アレックス・パロウ組(McLaren 720S)が初のポールポジションを獲得した。

公式予選は午後2時よりノックアウト方式で行われた。天候は晴れ。気温は20℃、路面温度は25℃という絶好のコンディションとなり、GT500、GT300共に激しいタイムアタック合戦が繰り広げられた。

GT500クラスポールポジションは中嶋一貴/関口雄飛組(au TOM\'S LC500) GT500クラス予選2位は大嶋和也/山下健太組(WAKO\'S 4CR LC500) GT500クラス予選3位は松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R) GT300クラスポールポジションは荒聖治/アレックス・パロウ組(McLaren 720S) GT300クラス予選2位は平峰一貴/サッシャ・フェネストラズ組(リアライズ日産自動車大学校GT-R) GT300クラス予選3位は蒲生尚弥/菅波冬悟組(LEON PYRAMID AMG)

予選Q1

GT500クラスは第7戦終了時点で上位3チームにドライバーズタイトル獲得の可能性が残されていた。しかしランキング3位の#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)に求められる最低条件はポール・トゥ・ウィン。絶対に負けられない状況の下、Q1を担当した松田は計測3周目に1分36秒353をたたき出し、トップでQ2に駒を進めた。

ドライバーズランキング2位の#37平川亮(KeePer TOM'S LC500)も松田からコンマ2秒差の1分36秒565で続き、ポイントリーダーの#6大嶋和也(WAKO'S 4CR LC500)も6位ながらQ2進出を果たす。

一方、前回のSUGOで優勝し、23号車と同じミシュランタイヤを履く#3フレデリック・マコヴィッキィ(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)はトップから0.996秒落ちの10位で惜しくもQ1落ち。#19坪井翔(WedsSport ADVAN LC500)は8位に僅か0.014秒及ばず、ここで予選を終えている。

GT300クラスは#11安田裕信(GAINER TANAX GT-R)が1分46秒601でトップ通過。#61山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)が2位でつづき、ルーキーの#65菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG)が3位。ポイントリーダーの#55高木真一(ARTA NSX GT3)も14位ながらQ2進出を果たしている。

予選Q2

GT500は絶対に負けられない#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)がコースインして3周目に1分36秒128を記録して一旦はトップに立ったが、その直後に#36関口雄飛(au TOM'S LC500)が1分35秒964を叩き出してトップを奪ったため、この時点でニスモのタイトル獲得の望みは絶たれてしまった。

続いて#6山下健太(WAKO'S 4CR LC500)もチェッカー提示直後に1分35秒999で2位に割って入り、ランキング2位の#37ニック・キャシディ(KeePer TOM'S LC500)も1分36秒228で予選2列目を確保。逆転チャンピオンに向けてまずまずの手応えを得た。

GT300クラスは先週のスーパーフォーミュラ最終戦で驚異的な速さを見せつけた#720アレックス・パロウ(McLaren 720S)が1分45秒907のコースレコードを叩き出して一気にトップに躍り出た。今シーズンから参戦を開始したMcLaren Customer Racing Japanは開幕戦で予選最下位に終わるなど苦戦続きだったが、ここ数戦はヨコハマタイヤに合わせた車体開発が進み、BOPに合わせたセットアップも機能し始めており、今回ついにその成果が実った格好だ。

一方、こちらもポール・トゥ・ウィンがチャンピオン獲得への最低条件だった#56平峰一貴(リアライズ日産自動車大学校GT-R)はパロウに僅かコンマ126秒及ばずに2位。ここでチャンピオン争いから脱諾することになった。3位には#65蒲生尚弥(LEON PYRAMID AMG)がつけ、ポイントリーダーの#55福住仁嶺(ARTA NSX GT3)は予選5位につけている。

第8戦決勝は明日の午後1時30分より53周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第13戦もてぎ決勝 王者#7佐藤が7連勝で今季通算10勝目を獲得

2019FIA-F4選手権第13戦の決勝が11月2日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、ポールポジションからスタートした#7佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)が今季10勝目をものにした。

決勝レースがスタートした

優勝は佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)

決勝2位は平木玲次(Media DoADVICS影山F110)

決勝3位は木村偉織(Silver Star Racing)

インディペンデントカップ優勝は

表彰式

インディペンデントカップの表彰式

第13戦決勝は午後1時5分より13周で行われた。天候は晴れ。コースはドライだ。

すでに今年度のシリーズチャンピオンを決めている佐藤は今回もミスなくスタートを決め、トップで1コーナーへ。その後方では予選3位の#37平良響(FTRSスカラシップF4)が1コーナーで2位に浮上したが、予選2位の#24平木玲次(Media DoADVICS影山F110)はその周の5コーナーで平良のインを差してポジションを奪い返した。

ところが隊列がS字コーナーに差し掛かったところで#63川合孝汰(DENSOルボ一セIPG F4)、#97 石坂瑞基(BJ Racing F110)、そして#77小川颯太(WARMTECH Skill Speed)が絡む多重クラッシュが発生、川合のクルマがグラベル上で横転してしまったため、これらの車両を回収するために直ちにセーフティーカー(SC)が導入されることになった。

SCは4周目にピットイン、5周目からレースは再開となったが、ここからトップの佐藤はペースが上がらなくなり、平木の追撃を受けることに。佐藤を上回るペースで追い上げを図った平木だったが、10周目の90度コーナーでわずかにダートにはみ出してしまい、佐藤の逃げ切りを許すこととなった。

3位には予選9位から着実に順位を上げ、#6太田格之進(SRS/コチラレーシング)とのバトルを制した#20木村偉織(Silver Star Racing)が入り、自身初の表彰台を獲得した。

また、インディペンデントカップは序盤トップを快走していた#30DRAGON(TEAM DRAGON F4)がアクシデントにより予定外のピットインを強いられ、代わってトップに立った#3佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ)が今季5勝目を挙げている。

第14戦決勝は明日午前8時15分より13周で行われる。

第13戦優勝 #7佐藤蓮(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
優勝した佐藤蓮(SRS/コチラレーシング) 後半のペースがキツかったです。リヤが不安定な感じで、ブレーキングでちゃんと止まらない状態でした。それが気温によるものなのか、セットアップに起因するものなのか、帰って分析して、明日は最適なコンディション、最適なセットアップに合わせられるよう、エンジニアやメカニックと相談して、最終戦も勝って決めたいです。連勝記録を伸ばせるよう頑張ります。
第13戦決勝2位 #24平木玲次(Media Do Kageyama Racing)
決勝2位の平木玲次(Media DoADVICS影山F110) 相当悔しいですね。ペース的にはちょっと僕の方が良かったんですが、(10周目の)90度コーナーの立ち上がりでミスっちゃったのが痛かったですね。後半はペースが良かったので、あれがなければチャンスがあったかなあ、と思いますが、攻めた結果なのでしょうがないと思います。明日は2列目からのスタートですが、スタートは無難に決めて、後半のペースがいいことが分かってるので、前半のうちにトップに追いついて、後半勝負かなと。
第13戦決勝3位 #20木村偉織(Silver Star Racing)
決勝3位の木村偉織(Silver Star Racing) スタートはちょっと失敗して順位を落としましたが、そこから諦めずに最後までチャンスを待ちつつ、自分もミスをせずに走り続けた甲斐があって表彰台に上がれました。練習走行は17番手と調子が悪かったんですが、エンジニアさんやメカニックさんが頑張っていいクルマを作ってくださったのでこの順位に行けたと思います。チームの皆さんや僕を応援してくださっている方々に感謝したいです。明日はスタートポジションが一つ上なので、一つ一つの抜けるチャンスを無駄にしないように順位を上げて、今日よりも一つ上の順位でフィニッシュできるよう努力したいです。
第13戦インディペンデントカップ優勝 #3佐藤セルゲイビッチ(FIELD MOTORSPORTS)/dt>
インディペンデントカップ優勝の佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ) スタートは無難に決まって。ただ1周目コースの各所でクラッシュがあり、セーフィティーカーが入った時点で二人に抜かれていました。再スタート後もアクシデントが色々あって、DRAGONさんや仲尾(恵史)さんが後退していました。僕の前にはKARIさんがいて、かなり抜きあぐねましたがなんとかダウンヒルストレートで抜くことができました。そこからは後続を引き離すことができて優勝することができました。いい流れが来ているので、明日もスムーズなスタートをして着実に前に進めていって、勝って締めくくれれば最高ですね。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI

SUPER GT

SGT:第8戦もてぎ公式練習 トップタイムは#23MOTUL GT-R

2019オートバックス スーパーGT第8戦「もてぎGT250km」の公式練習が11月2日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)がトップタイム。GT300クラスはドライバーズランキングトップの#55高木真一/福住仁嶺組(ARTA NSX GT3)がトップだった。

公式練習: GT500クラストップタイムは松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R) 公式練習: GT500クラス2位は平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM\'S LC500) 公式練習: GT500クラス3位は大嶋和也/山下健太組(WAKO\'S 4CR LC500) 公式練習: GT300クラストップタイムは高木真一/福住仁嶺組(ARTA NSX GT3) 公式練習: GT300クラス2位は小暮卓史/元嶋佑弥組(マネパ ランボルギーニ GT3) 公式練習: GT300クラス3位は蒲生尚弥/菅波冬悟組(LEON PYRAMID AMG)

公式練習は午前8時50分より105分間で行われた。公式予選日のもてぎは快晴だが、走行開始時点の気温、路面温度はともに14℃と肌寒さを感じさせるコンディションとなった。

GT500クラスは第7戦終了時点で#6大嶋和也/山下健太組(WAKO'S 4CR LC500)が70ポイントでドライバーズランキングトップ。2位には#37平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S LC500)が63ポイントで続き、#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)が49.5ポイントで3位と、この3チームにシリーズチャンピオンの可能性がある。しかし松田/クインタレッリ組はポール・トゥ・ウィンが必須という厳しい状況だ。

ポイントリーダーの#6WAKO'S 4CR LC500は走行開始早々に1分37秒048を記録し、専有走行が始まるまではこれがトップタイムだったが、終盤の専有走行で松田が1分36秒296を叩き出し、一気にトップに躍り出ると、その直後にキャシディが1分36秒770を出して2位に。結局ドライバーズランキングのトップ3がこのセッションの上位に連なる結果となった。ホンダ勢最上位は#17塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT)の4位だった。

GT300クラスはランキングトップの#55ARTA NSX GT3が10周目に1分46秒362を記録してトップ。高木と福住はトータル32周を走り込み、上々の滑り出しを見せている。2位には#88小暮卓史/元嶋佑弥組(マネパ ランボルギーニ GT3)が続き、第6戦オートポリスから菅波冬悟が加わった#65蒲生尚弥/菅波冬悟組(LEON PYRAMID AMG)が3位につけた。

スーパーGT第8戦の公式予選はこのあと午後2時よりノックアウト方式で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第13−14戦もてぎ公式予選 2019王者の#7佐藤が貫禄の連続ポール!

2019FIA-F4選手権第13-14戦の公式予選が11月2日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、前回のSUGO大会でチャンピオンを獲得した#7佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)がここでも頭ひとつ抜け出た速さを見せて第13戦、第14戦ともにポールポジションを獲得した。

公式予選は午前8時より30分間で行われた。この日のもてぎは快晴。しかし気温、路面温度ともに低い中での走行となった。

また今回からダンロップのワンメイクタイヤは新しいロットが投入されることになった。これは本来であれば先月のF1日本グランプリのサポートレースから使用される予定だったが、このレースが台風19号の影響で中止になったため、今回が初めての実戦投入となる。グリップ性能に大きな差異はないとのことだが、それでも若干の運動特性の違いやウォームアップ特性の変化があったようで、各ドライバーとも昨日の専有走行からその対策に追われることになった。

そうした中、事前テストを実施してもてぎ入りしたHFDP勢は専有走行から好調で、2回目の走行で佐藤がトップタイムを記録したほか、総合でも#5三宅淳詞(HFDP/SRS/コチラレーシング)が2位、#6太田格之進(SRS/コチラレーシング)が3位につけた。

公式予選では佐藤がクリアラップの確保に苦労したと言いながらも中盤以降に立て続けの1分57秒台の好タイムを連発、ベストタイム1分57秒438、セカンドベストタイム1分57秒531でトップに。第10戦オートポリス以来のポールポジションを獲得した。

予選2位は専有走行で総合トップの#24平木玲次(Media DoADVICS影山F110)。しかし終盤トラフィックに捕まったため、さらなるタイムアップを果たすことができず、セカンドベストでは4位に留まった。

ベストタイム3位は#37平良響(FTRSスカラシップF4)。平良も先週テストを行なってセットアップを見直して今週末を迎えたが、セカンドタイムでは9位に終わった。

セカンドベストタイム2位は三宅。2016年にここで優勝している#63川合孝汰(DENSOルボ一セIPG F4)が3位につけたが、川合は予選終盤にシフトトラブルに見舞われており、決勝への影響が懸念される。

第13戦決勝はこのあと午後1時5分より13周で行われる。

第13戦、第14戦ポールポジション(#7佐藤蓮 SRS/コチラレーシング)
走り始めはクリアラップが取れなくて。前車との間合いを調整しているうちにタイヤ性能のピークが過ぎてたと思うんですよ。それがなければコースレコードも狙えたのかなあと。そんな失敗した中でもポールポジションで、後ろとのマージン結構あるんで、昨日メカさんと煮詰めたセットアップとか、今朝のコンディションに合わせたセッティングが決まったのかなと思うんで、そこはポジティブな結果だと思います。タイヤのロットが変わり、少し特性も変わってて。僕らのチームは比較的早い時点からテストをしてきたので、新しい特性も掴んで予選に臨んだので。最後は2連勝して堂々と卒業したいと思います。
第13戦予選2位(#24平木玲次 Media DoADVICS影山F110)
序盤からずっとベストが出てて。ベストタイムを出した次の周に前のクルマに引っかかってしまいました。あそこでタイムを更新できていたらまた変わってきたと思うんですけど、それはまあ仕方ないですね。でも昨日から調子がいいんで。コンスタントに良いタイムが出ているので、午後の決勝は早めに前に出て逃げ切るレースができれば、と思います。もてぎは地元ですし、走っている回数も多いので慣れてるサーキットではあります。
第13戦予選3位(#37平良響 FTRSスカラシップF4)
路面温度と気温が低くて、タイヤが暖まりにくかったので、最初からアタックし続けて最後にばちっと出す、というつもりでした。ですから周回数も多めにしていました。最後は自分のミスを連発して、なかなかセカンド行ききれませんでした。これからは自己ベストを出した後も集中を切らさずにタイムが出せるようにしたいです。タイヤのロットが変わり、マシンの動きも変わっているのを感じています。先週テストをやってセッティングや自分の走り方を見直してここにきました。決勝は「打倒佐藤蓮」「打倒ホンダ」ということで、優勝目指して頑張ります。
第14戦予選2位(#5三宅淳詞 SRS/コチラレーシング)
今までになく気温が低かったので、「どうなるかなあ」不安が大きくて。クルマのセッティングは決まっていましたが、ここはブレーキばっか踏んでるコースなので、ブレーキングがうまく決まった時に限って最後にミスをしてしまう、みたいなことがあり、セカンドベストは2位ですが、ベストタイムをうまくまとめることができませんでした。チームメイトがあんなに良いタイムが出ているので、自分もあのぐらいのタイムを出していなければいけなかったと思います。これから決勝まで時間がありますし、データロガーを見直して研究したいと思います。決勝では苦手なスタートをしっかり決めて、上位で戻ってこられるように頑張ります。
第14戦予選3位(#63川合孝汰 DENSOルボ一セIPG F4)
昨日の練習走行からかなり僅差の接戦になっています。今回から使っているロットのタイヤが、一旦冷やしちゃうとタイムが出ない印象があったので、今日の予選は最初からフロントタイヤにしっかりと熱を入れるイメージで、少しずつペースを上げていくやり方をしていました。それはうまくいっていたと思います。前方を37号車平良(響)君がずっと走っていて、スターティンググリッドも彼の方が前だったんですが、僕も燃料タンクが軽くなればタイムが出ると思っていました。ところが残り10分くらいのところでシフトチェンジの不具合が出てしまいました。セカンドタイムが3番手というのはラッキーだったと思いますが、その最後の一発のタイムがもっと出ていれば、と、そこは残念ですね。ここはホームコースなので、決勝では久々に勝ちたいですね。
Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER FORMULA

SF:2019年チャンピオン会見 「フィニッシュしてから1周の間ずっと泣いてましたよ」(ニック・キャシディ)

2019年度のドライバーズチャンピオンとチームチャンピオン

2019ドライバーズチャンピオン #37ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)
2019年度ドライバーズチャンピオンの 今の気持ちを表す言葉が見つかりません。レースをフィニッシュしてから1周の間ずっと泣いてました。この前いつ泣いたかわからないぐらい久々のことです。無線でも訳のわからないことを言っていたようです。レース中はチャンピオンシップのことを考えないようにして、目の前のことに集中していました。ノジリサンがいいペースで走っていて、僕は周回遅れのビップス選手に1周半の間引っかかってしまったので、少し焦りましたが、僕はずっとペースをキープすることにしました。
2019チームチャンピオン 村岡潔チーム代表(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
2019年度チームチャンピオンの村岡潔監督 一年間戦ってチームタイトルを取れるっていうことですから、これ以上のことはありませんし、本当に皆さん、応援してくださる皆さんや、ずっと変わらずに協賛してくださっている企業様のおかげです。自動車メーカーの直系のチームでないインディペンデントのチームでこれまでやってこれているということに意義とやりがいを感じています。最後のレースで(山本)尚貴がタイトルを取れなかったのもチームの責任ですが、やり切ったと思っています。今回は週末を通じてうちのクルマに速さがなかったなというのが感想です。その意味ではドライバーに申し訳なかったなと思います。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA

SF:第7戦鈴鹿決勝会見 「優勝っていうのがこんなに素晴らしいんだと実感しました。やはりレースしている以上は優勝しかないなと思いました」(野尻智紀)

決勝フォトセッション: トップ3のドライバーとチーム監督

第7戦優勝 #16野尻智紀(TEAM MUGEN)
決勝記者会見: 優勝した野尻智紀(TEAM MUGEN) 本当に、本当に嬉しいです。2014年のデビューイヤーで優勝してから本当に長い間勝てなくて。こうやってチームも移籍させていただいて、心機一転頑張ろうと思ってチーム無限で走り始めましたが、自分のミスもあったりでなかなかうまくことが進みませんでした。その中でもチームの皆さんと、応援してくださる皆さんにサポートしていただいて、毎戦強い気持ちを持って戦ってこられました。少し優勝するのが遅かったとも思いますけど、最後にすごくいい形でチーム無限の力を多くの皆さんの前で見せられたのは非常に良かったです。また、優勝っていうのがこんなに素晴らしいんだと実感しました。やはりレースしている以上は優勝しかないなと思いました。
(タイヤ選択について)結構みなさんSCリスクを嫌ってミディアムスタートが多かったと思いますが、僕らはいつもソフトスタートで行って外しまくってたんで、そろそろソフトが当たるんじゃないか、ってのもありました。今回はソフトとミディアムの差がそれほどなかったので、それも踏まえてソフトで引っ張って最後はミディアムでもいける手応えをウォームアップで感じていました。
第7戦決勝2位 #37ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)
決勝記者会見: 2位のニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S) 今日のレースは完璧でした。この日曜日は特別な1日になると思って、全ての力を尽くして頑張りました。それが実ってチャンピオンを獲得することができました。
第7戦決勝3位 #5福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
決勝記者会見: 3位の福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING) 今シーズンは毎戦のようにタイヤ選択に悩んできました。山本選手がチャンピオン争いをしていたので、なるべくタイヤ選択は同じにしないようにと思っていましたが、自分のレースもしたいということで、今回は尚貴さんと同じミディアムタイヤを選択しました。そのあとはうまくレースできたと思います。チームもいいクルマを仕上げてくれましたので、レースペースも悪くありませんでした。優勝できるようにプッシュはしましたが、あとちょっと足りず、この3位は嬉しいような悔しいような結果です。ですがまずはチームの皆さんに感謝したいです。
第7戦優勝チーム監督 中野信治(TEAM MUGEN)
決勝記者会見: 優勝チーム監督の中野信治氏(TEAM MUGEN) 今シーズンから監督として一年目を迎え、今までと違った立場でレースに関わらせていただきました。本当に新しい経験でわからないことばかりで、チームにどれだけお役に立てたのかはわかりません。前半戦は苦しい戦いが続き、メカニックやエンジニアも本当に悩んでいました。ドライバーは素晴らしい走りを見せてくれていましたが、あと一歩何かが足りないと。それを見つけるのに時間がかかりました。本当にみんなが頑張ってくれて最終戦をこういう形で終われたのは本当に素晴らしいと思いますし、来年に向けていいスタートをきれたなと思います。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA

SF:第7戦鈴鹿決勝 43周の死闘を制したのは#16野尻智紀! そして栄冠は#37ニック・キャシディのものに!

2019全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦「JAF鈴鹿グランプリ」の決勝が10月27日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、予選2位からスタートした#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)が今季初勝利を挙げた。2位には#37ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)が入り、3位は#5福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M5Y SF19)。第6戦終了時点でポイントリーダーだった#1山本尚貴(DOCOMO DANDELION M1S SF19)は5位に終わったため、2019年のドライバーズチャンピオンはキャシディが獲得することになった。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日13,500人/決勝日22,500人/大会総入場者数36,000人)

43周の決勝がスタートした 小林可夢偉(KCMG Elyse SF19)はなんとウェットタイヤでスタートした トップに立ったアレックス・パロウと野尻智紀、ニック・キャシディのバトル アレックス・パロウをパスする福住仁嶺 優勝は野尻智紀(TEAM MUGEN SF19) 決勝で2位に入ったニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)はドライバーズチャンピオンを決めた 決勝3位は福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M5Y SF19) チャンピオンのかかっていた山本尚貴(DOCOMO DANDELION M1S SF19)は5位でレースを終えた 優勝した野尻智紀(TEAM MUGEN) 優勝した野尻智紀と監督の中野信治氏(TEAM MUGEN) 表彰式: 優勝した野尻智紀と監督の中野信治氏(TEAM MUGEN) 表彰式: 優勝・野尻智紀、2位・ニック・キャシディ、3位・福住仁 表彰式: チャンピオンを獲得したニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S) 表彰式: チームチャンピオンを獲得した決めたDOCOMO TEAM DANDELION RACING 表彰式: ルーキーオフザイヤーを獲得したアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)

第7戦決勝は午後2時より43周で行われた。天候は晴れ。コースはドライ。

スタート時のタイヤチョイスはポールポジションの#64アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING SF19)、予選4位の福住、予選5位の山本がミディアム。予選2位の野尻、予選3位の#50ルーカス・アウアー(Red Bull SF19)、そして予選6位のキャシディはソフトと、上位陣でも大きく判断が分かれた。

そして予選16位からスタートした#18小林可夢偉(KCMG Elyse SF19)はなんとウェットタイヤ を装着。これにより特別規則書の「決勝レース中にウェットタイヤを使用した場合は、これらのタイヤ交換義務規定は適用されない」という条文を逆手にとり、ミディアムタイヤの使用を回避して一気に挽回を図ろうという目論見だ。

スタートでトップに立ったのはポールのパロウ。2位に野尻が続いて山本が3位。予選3位のアウアーは痛恨のエンジンストールで一気に最後尾に後退してしまった。

序盤は順調に後続を引き離して8周目にピットに飛び込んだパロウだったが、ソフトタイヤに交換した途端にペースが上がらなくなり、代わってトップに立った野尻との差は広がる一方に。さらに17周目には福住、19周目には山本の先行を許し、その後もずるずると順位を落として28周目に再びピットへ。ここで完全にレースから脱落してしまった。

野尻は2位以下との差を広げながら周回を重ね、33周目にミディアムタイヤに交換、その後も2位のキャシディに全く付け入る隙を与えずに43周を走り切り、スーパーフォーミュラにデビューした2014年の第6戦SUGO以来、じつに5年ぶりの勝利をものにした。

3位はスーパーフォーミュラ 2年目の福住。チームメイトの山本はソフトタイヤでスタートして28周目にピットインした#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)の後塵を拝して5位に終わったため、シリーズポイントはキャシディ36ポイント、山本は33ポイントに留まり、キャシディが山本を逆転して2019年のドライバーズタイトルを獲得した。

レース後は悔し涙を隠さない山本だったが、チームタイトルはDOCOMO TEAM DANDELION RACINGが50ポイント、VANTELIN TEAM TOM’Sが48ポイントとなり、こちらはダンデライアンが獲得することになった。

2020年の全日本スーパーフォーミュラ選手権は4月4-5日に同じく鈴鹿サーキットで開幕する。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER FORMULA

SF:第7戦鈴鹿フリー走行2回目 ポールシッターの#64パロウがここでもトップタイム #15ビップスは4番手タイムを記録

全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦「JAF鈴鹿グランプリ」の2回目のフリー走行が10月27日朝、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、昨日の予選でポールポジションを獲得した#64アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING SF19)がトップタイムを記録した。

フリー走行2回目: トップタイムはアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING SF19) フリー走行2回目: 2位は野尻智紀(TEAM MUGEN SF19) フリー走行2回目: 3位は国本雄資(ORIENTALBIO KONDO SF19)

決勝日を迎えた鈴鹿サーキットの天候は曇り。気温、路面温度ともに19℃というやや肌寒さの感じられるなか、フリー走行は午前8時10分より30分間で行われた。

ポールシッターのパロウはミディアムタイヤで走り始めて9周を消化してソフトタイヤに交換してトータル17周を走行、13周目に1分39秒602を記録。これがこのセッションでのベストタイムとなった。

予選2番手の#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)もミディアムで走り始めて7周したのち、ソフトタイヤに履き替えて10周目に1分39秒799の2番手タイムを記録。トータルで16周を消化している。

このフロントローの二人とは対照的に、ポイントリーダーの#1山本尚貴(DOCOMO DANDELION M1S SF19)はソフトタイヤで走り始めて10周目にミディアムに交換、トータル18周を消化して4周目に自己ベストである1分40秒511を記録した。

前戦岡山の結果を受けて、今大会の特別規則では「決勝レース中に先頭車両が7周回目を完了した時点から先頭車両が最終周回に入る前までに異なる種別のドライタイヤを使用しなければならない」とされている。

このことから、序盤にミディアムタイヤを使ってしまう作戦であればパロウや野尻がここで見せたような走り方になる可能性は大いにあるが、グリップの低いミディアムで序盤を凌ぎ切るのはかなり難しいと思われる。パロウのミディアムタイヤでのベストタイムは1分40秒956。野尻は1分41秒455がベストだった。両チームがこの結果をどう評価したかが大いに気になるところだ。

また今回スポット参戦することになった#15ユーリ・ビップス(TEAM MUGEN SF19)はこのセッションの序盤に1分40秒150を記録して4番手につけ、その後も安定したペースで17周を消化とまずまずの結果を残している。

果たしてタイトルを獲得するのは山本かパロウか。あるいはキャシディなのか。注目の第7戦決勝は午後2時より43周で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

TCR JAPAN SUNDAY

TCRJ-Sun:第5戦鈴鹿決勝 #18ホーソンが今季初優勝 チャンピオンは#25松本のものに

2019TCRジャパンサンデーシリーズの決勝が10月26日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。レースは序盤からアクシデントが相次ぎ、2度のセーフティーカーが入る荒れた展開となり、予選5位からスタートした#33前嶋秀司(ALFA ROMEO GIULIETTA TCR)がトップでフィニッシュしたものの、危険なドライブ行為により40秒加算のペナルティを受けることに。これにより#18マシュー・ホーソン(Honda CIVIC TCR)が繰り上げで今季初勝利を達成。シリーズチャンピオンはこのレースで2位に入った#25松本武士(Volkswagen Golf GTI TCR)のものとなった。

決勝のスタートシーン 2度もセーフティーカーの入る荒れたレースとなった 金丸悠とマシュー・ホーソンのトップ争い 金丸ユウと前嶋秀司のトップ争い 優勝はマシュー・ホーソン(Honda CIVIC TCR) 決勝2位の松本武士(Volkswagen Golf GTI TCR) 決勝3位、ジェントルマンクラス優勝のヒロボン(Volkswagen Golf GTI TCR) ジェントルマンクラス決勝2位の塩谷烈州(Honda CIVIC TCR) ジェントルマンクラス決勝3位のフィリップ・デベサ(Volkswagen Golf GTI TCR) 表彰式 ジェントルマンクラスの表彰式

第5戦決勝は当初予定より5分遅れの午後4時20分より23分+1周で行われた。

予選3位の#5金丸悠(Honda CIVIC TCR)が見事なスタートでトップに立ち、ホーソンが2位につけ、ポールの松本は3位に後退したが、1周目のスプーンカーブで#52密山祥吾(Volkswagen Golf GTI TCR)のスピンに#72ユーク・タニグチ(Honda CIVIC TCR)、#23YOSHIKI(Audi RS 3 LMS)が巻き込まれるアクシデントが発生、すぐさまセーフティーカー(SC)が導入されることに。

SCは4周終わりでピットインし、5周目から追い越し可能となったが、リスタート直前の130Rで#10佐藤潤(Volkswagen Golf GTI TCR)がコースオフし、グラベルに捕まって出られなくなったため、再びSCが導入されることになった。

2度目のSCは6周を終えたところでピットイン。最初のSC明けに3位に浮上していた前嶋が7周目の1コーナーでホーソンをアウトから抜き去り、一気にトップの金丸に迫った。

しかし前嶋はS字で金丸を押し出してしまい、金丸はバリアに接触して大きく順位を落とすことになる。そのままトップでチェッカーを受けた前嶋だったが、この行為に対して競技団は直ちに40秒加算の裁定を下した。これにより2位でフィニッシュしたホーソンが今季初勝利を達成。2位でフィニッシュした松本がサンデーシリーズのチャンピオンを獲得することになった。

ジェントルマンクラスは総合でも3位に入った#19ヒロボン(Volkswagen Golf GTI TCR)が優勝している。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA

SF:第7戦鈴鹿予選記者会見 「チームと話し合い、Q3に向けてセッティングを変えたら、それがバッチリ決まりました」(アレックス・パロウ)

予選フォトセッション: トップ3のドライバー

第7戦ポールポジション #64アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)
予選記者会見: ポールポジションのアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING) 大変嬉しいです。Q1ではクルマの調子が良かったんですが、Q2ではみんなが非常に速くなっていたので、「何が起きてるんだろう?」と思いました。それでチームと話し合い、データを見直してQ3までにセッティングを変更しました。Q3ではそれがバッチリ決まってポールポジションを取ることができました。ルーキーイヤーで3度もポールが取れたことを大変嬉しく思っています。第1戦から比べると見違えるようにクルマが良くなりました。明日はチームのためにも、なんとしても勝ってチャンピオンを取りたいですね。
第7戦予選2位 #16野尻智紀(TEAM MUGEN)
予選記者会見: 2位の野尻智紀(TEAM MUGEN) 開幕戦の鈴鹿では僕らは非常に苦戦していて、Q2で落ちてしまうような状態でした。そこから時間はかかりましたが、一歩一歩チームと話し合いながら、こうやって記者会見の場に戻ってこられるとこまで来たことが自分としては嬉しいですし、自分たちのやってきた方向性が間違っていないんだと確認できました。もちろん悔しさもありますけど、チームには感謝していますし、嬉しくも思います。明日はチャンピオンシップに関係ない人にボーナスポイントを持ってって欲しいと思ってる人もいると思うので、僕がそれを取れるように、いいレースをできる準備をしていきたいです。
第7戦予選3位 #50ルーカス・アウアー(B-Max Racing with motopark)
予選記者会見: 3位のルーカス・アウアー(B-Max Racing with motopark) とても嬉しいです。チームは本当に成長したと思いますし、ホンダ勢が上位3位を占めたことは本当に素晴らしいと思います。最高の土曜日になりました。明日はできるだけ多くのポイントを獲得できるように頑張ります。今回は今まででも最高の予選になったと思います。一度走ったことのあるコースなので、データの蓄積もありました。やはり経験は重要だと実感しました。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA

SF:第7戦鈴鹿公式予選 驚速#64パロウが今季3度目のPP獲得 ポイントリーダー#1山本は5番手に

2019全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦の公式予選が10月26日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、#64アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が予Q3で1分35秒972を記録して今季3度目のポールポジションを獲得した。

公式予選は午後0時25分よりノックアウト方式で行われた。天候は晴れ。路面コンディションはドライだった。

予選Q1

ピットで待機するアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)

ピットで待機する野尻智紀(TEAM MUGEN)

ピットで待機するルーカス・アウアー(B-Max Racing with motopark)

ポールポジションはアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING SF19)

予選2位は野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)

予選3位はルーカス・アウアー(Red Bull SF19)

ポールポジションを獲得したアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)

今大会も第6戦岡山に続いてQ1はA、B二つのグループに分かれ、各組10分間で実施されることになった。

Aグループは#64パロウが1分37秒871を記録してトップに。フリー走行1位の#1山本尚貴(DOCOMO DANDELION M1S SF19)が2位で続いた。またフリー走行でクラッシュし、リヤ周りに大きなダメージを負った#51ハリソン・ニューウェイ(GOLDEX TAIROKU RACING SF19)も何とか修復を間に合わせ、終了間際に6位に滑り込んでQ2進出を果たしている。一方、#4国本雄資(ORIENTALBIO KONDO SF19)、#18小林可夢偉(KCMG Elyse SF19)らの有力ドライバーがこのセッションで脱落。#38石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)もデグナーで痛恨のコースオフを喫してここで予選を終えた。

Bグループは#5福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M5Y SF19)が1分37秒296でトップ通過を果たし、第1戦鈴鹿でポールポジションを獲得した#65牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が2位。ドライバーズランキング2位の#37ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)も3位でQ2進出を果たした。その一方で19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)、#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)らがここで脱落。今回初参戦の#15ユーリ・ビップス(TEAM MUGEN SF19)もトップから1秒落ちの10位に終わっている。

予選Q3

12台で争われたQ2は7分間のQ2は、Bグループトップの福住が1'36.124と2位以下をコンマ2秒以上引き離してトップに。終了間際に1分36秒392を出した#50ルーカス・アウアー(Red Bull SF19)が2位、山本が1分36byou486で3位につけ、上位8台中7台がホンダエンジンユーザーという結果になった。またソフトタイヤでの走行が許されるこのセッションではトップ3がいずれもウォームアップを1周行ったのみでアタックに入っており、2周を費やしたパロウは5位に終わっている。

予選Q3

ポールポジションを決める最後の7分間で速さを見せつけたのはQ2で5位に終わったパロウだった。Q2でのライバルたちがとった作戦に合わせてセッティングを変更し、2周目にアタックを行って1分35秒124とこの日唯一の1分35秒台のタイムを記録。第5戦もてぎに続いて今季3度目のポールポジションを獲得して1ポイントを加算、ランキングトップの山本との差を3ポイントに縮めた。

2位には終了間際に1分36秒084を叩き出した#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)が続きアウアーが1分36秒236で3位。ポイントリーダーの山本は5位に終わり、山本を1ポイント差で追うキャシディは6位だった。

第7戦決勝は明日午後2時より43周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

TCR JAPAN SATURDAY

TCRJ-Sat:第5戦鈴鹿決勝 #5金丸がポール・トゥ・ウィンで今季2勝目 チャンピオンは#18ホーソーンのものに

TCRジャパンサタデーシリーズ第5戦の決勝が10月26日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#5金丸悠(Honda CIVIC TCR)が今季2勝目を挙げ、2位に入った#18マシュー・ホーソン(Honda CIVIC TCR)がシリーズチャンピオンを獲得した。

レースは途中セーフティーカーが導入された 優勝は金丸悠(Honda CIVIC TCR) 決勝2位はマシュー・ホーソン(Honda CIVIC TCR) 決勝3位、ジェントルマンクラス優勝は前嶋秀司(ALFA ROMEO GIULIETTA TCR) ジェントルマンクラス2位はヒロボン(Volkswagen Golf GTI TCR) ジェントルマンクラス3位は塩谷烈州(Honda CIVIC TCR) 表彰式 ジェントルマンクラスの表彰式

第5戦決勝は午前11時30分より23分+1周で行われた。天候は晴れ。ドライコンディションでの戦いとなった。

スタートでは予選2位のホーソーンが1コーナー手前で金丸のインを差し、二人は並走状態のまま2コーナーを立ち上がったが、3コーナーで金丸がねじ伏せてトップを死守した。

その後レースは3周目の130Rで#190植田正幸(Audi RS 3 LMS)がコースアウトしたことによりセーフティーカーが入り、5周目から追い越し可能となった。

無難にリスタートを決めて後続を引き離しにかかる金丸の背後では、2位のホーソーンに#25松本武士(Volkswagen Golf GTI TCR)、#52密山祥吾(Volkswagen Golf GTI TCR)、#33前嶋秀司(ALFA ROMEO GIULIETTA TCR)、#19ヒロボン(Volkswagen Golf GTI TCR)らが急接近し、激しいバトルを展開したが、デグナーカーブでホーソーン、松本、蜜山の3台が接触してしまった。

これにより松本と蜜山は上位争いから脱落することになり、1位金丸、2位ホーソーン、3位前嶋の順でチェッカー。金丸が第3戦
富士に続いて今季2勝目を獲得した。

また、第4戦終了時点で82ポイントを獲得してランキングトップだった#21篠原拓朗(Audi RS 3 LMS)はチームの事情により今大会を欠場したため、2位に入ったホーソーンが通算獲得ポイントを88として篠原を上回り、サタデーシリーズのチャンピオンを獲得している。

TCRジャパンシリーズはこのあと午後4時15分よりサンデーシリーズの最終戦決勝を23分+1周で行って2019シーズンを締めくくる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER FORMULA

SF:第7戦鈴鹿フリー走行1回目 ランキングトップの#1山本が好発進 ホンダ勢が上位を独占

2019全日本スーパーフォーミュラ選手権最終戦「JAF鈴鹿グランプリ」のフリー走行1回目が10月26日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。トップタイムを記録したのは#1山本尚貴(DOCOMO DANDELION M1S SF19)で1分36秒907だった。

フリー走行1回目: トップタイムは山本尚貴(DOCOMO DANDELION M1S SF19)

フリー走行1回目: 2位はルーカス・アウアー(Red Bull SF19)

フリー走行1回目: 3位は野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)

フリー走行1回目: 初登場のユーリ・ビップス(TEAM MUGEN SF19)は17位

昨日の専有走行が雨に見舞われたこともあり、1回目のフリー走行は開始時刻を当初予定より20分前倒しし、午前9時より80分間で行われた。天候は晴れだが、路面にはまだ昨日の雨によるウェットパッチが各所に見られる難しいコンディションでの走り出しとなり、途中にどの赤旗中断が入る荒れた展開となった。

最初の赤旗は開始25分で#7中山雄一(UOMO SUNOCO SF19)の空力パーツ脱落によるもの。二度目の赤旗は走行再開直後に#51ハリソン・ニューウェイ(GOLDEX TAIROKU RACING SF19)が右リヤタイヤのパンクのため130Rでスピン状態に陥り、激しくクラッシュバリアに突っ込んだことによるものだ。ニューウェイは自力でクルマを降り、大きなダメージはない模様だが、クルマの損傷は激しく、午後の予選への出走が危ぶまれる状況だ。

そうしたなか、ドライバーズランキングトップで鈴鹿入りした山本はソフトタイヤで走り始め、3周目に1分38秒758でトップに立つと、その後も順調にタイムを縮めて13周目に1分36秒907を記録、15周目以降はミディアムタイヤに履き替え、18周目に1分37秒734を叩き出すなど、終始順調にメニューをこなして行ったようだ。

2番手につけたのは#50ルーカス・アウアー(Red Bull SF19)で1分37秒215、チェッカー提示後に1分37秒319を記録した#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)が3位につけ、序盤から好タイムを連発していた#64アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が4位とホンダエンジンユーザーが上位を独占。トヨタ勢の最上位は#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)の5位だった。

なお今回からパトリシオ・オワードに代わってユーリ・ビップスが無限の15号車をドライブしている。ビップスは今季FIA-F3に参戦して3勝を挙げ、ドライバーズランキングでも4位に入った新進気鋭のドライバーだ。このセッションでは27周を走行して1分39秒100を記録。17位につけた。

スーパーフォーミュラ最終戦の公式予選はこのあと12時25分よりノックアウト方式で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Motorpsorts Forum

SUPER FORMULA | SUPER GT | その他

F1日本GPに2018ダブルチャンピオンの山本尚貴が参加。ガスリーの8位入賞に貢献

F1世界選手権第16戦「F1日本グランプリ」が10月11〜13日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された。

台風19号の接近に伴い、サポートレースとして予定されていたFIA-F4特別戦「鈴鹿ラウンドスペシャルステージ」とポルシェカレラカップ第11戦は残念ながら中止となり、メインレースのF1も12日土曜日の全日程が中止となったが、11日のフリー走行と13日の決勝は予定通り実施され、公式予選も日曜朝10時に予定を変更して行われた。

11日のフリー走行1回目では、2018年にスーパーフォーミュラとスーパーGT500クラスのダブルチャンピオンを獲得した山本尚貴がトロロッソ・ホンダの一員として参加。カーナンバー38をつけてこのセッション最多の30周を走り、ベストタイム1分32秒018を記録。チームメイトのダニール・クビアトとはわずか0.098秒差の17位につけた。山本は事前にシミュレータには載っていたものの、実車で走行したのはこの日が初めて。それでもチームに多くの貴重なセッティングデータをもたらしたようで、同じクルマで予選、決勝を走ったピエール・ガスリーは予選9位、決勝は8位に入る健闘を見せた。

台風の去った13日の鈴鹿は好天に恵まれ、昨年より多い8万9千人が来場。朝の予選ではセバスチャン・ベッテル(Ferrari)がポールポジションを獲得、決勝ではバルテリ・ボッタス(Mercedes AMG)が優勝した。ホンダ勢最上位はアレックス・アルボン(Red Bull Racig Honda)の4位だった。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER FORMULA

SF:第6戦岡山決勝会見 「スーパー良いタイミングでSCが入ってきたので、今日はもってんなあ、と」(山下健太)

決勝フォトセッション: トップ3のドライバーとチーム監督

第6戦優勝 #3山下健太(KONDO RACING)
決勝記者会見: 優勝した山下健太(KONDO RACING) 3年参戦してきて、今年勝たないと迷宮入りしちゃうんじゃないかと心配してたので、勝ててホッとしています。今年からクルマが新しくなり、僕らはQ1を通るのに本当に苦労したんですけど、チームが色々頑張って、解析とかしてくれたので、今回の大会でクルマが一段階良くなりました。普通に走ってれば上位争いできるぐらいに仕上がったので、あとは自分がうまく走ることと、戦略が重要でしたね。ソフトとミディアム、どっちでスタートするかすごい迷ったんですけど、ミディアムを選んで正解だったなと。平川選手はソフトでスタートするだろうと考えていたので、同じことをやっても前に出る可能性は少ないなと。そう考えるとミディアムしかねえなと。守りに入る立場でもなかったし、本当に一発逆転狙いに行くんだったら、トップと逆のことをやらないといけないってのは今までのスーパーフォーミュラ見ても分かってたんで。今回はそれが正解だったなと。運もありますね。スーパー良いタイミングでSCが入ってきたので「今日はもってんなあ」と
第6戦決勝2位 #36中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)
決勝記者会見: 2位の中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S) 僕もヤマケンと同じような感じで、今年なかなかQ1通ることに苦労していました。金曜日の走り出しも良くなかったんですけど、金曜から土曜日にかけて変えたことがいい方向に行ったのか、ミディアムでも戦える速さを得て、予選でも前に行けました。終わってみれば予選の結果がレースの結果に直結したような形なので、少し悔しい思いもありますけど、ここまで苦労してきたので、ある程度の結果を出せてホッとしています。ただいつもヤマケンが前にいるような気がするので、最終戦は負けないように頑張りたいと思います。
第6戦決勝3位 #51ハリソン・ニューウェイ(B-Max Racing with motopark)
決勝記者会見: 3位のハリソン・ニューウェイ(B-Max Racing with motopark) 先ずはケンタとカズキにおめでとうと言いたいです。彼らと一緒にポディウムに上がれて光栄です。今年はなかなか運が良くなくて、ポイントを獲得することもできませんでした。いろんな問題を抱えていましたが、チームが朝早くから夜遅くまで一生懸命頑張ってクルマを仕上げてくれました。それでやっと今回は表彰台に上がることができました。この場を借りてスポンサーの皆さん、B-MAXの皆さん、そして日本のファンの皆さんにありがとうと言いたいです。
優勝チーム監督 近藤真彦(KONDO RACING)
決勝記者会見: 優勝チーム監督の近藤真彦氏(KONDO RACING) おかげさまで1勝を挙げることが出来ました。健太を預かって3年目になりまして、いつでも勝てる速さはあるので、早く勝たせてやりたかったんですけど、なかなかクルマが仕上がらず、苦労させてしまいました。やっと勝たせてやることができてホッとしています。やったあ! 嬉しい! というよりも、ホッとした気持ちの方が大きいです。これからますます速さを磨いて、次のレースも、また来年一緒にやるようなことがあれば来年も、どんどん速い、日本を代表するトップドライバーになって貰えるように努力していきたいと思います。本当に今日はありがとうございました。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA

SF:第6戦岡山決勝 参戦3年目の#3山下が嬉しい初勝利!序盤のSCが明暗を分ける。

2019全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦の決勝が9月29日、岡山国際サーキットで行われ、予選2位からスタートした#3山下健太(ORIENTALBIO KONDO SF19)が参戦3年目にして念願の初優勝をものにした。2位には#36中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)がつけ、#51ハリソン・ニューウェイ(GOLDEX TAIROKU RACING SF19)が3位で嬉しい初表彰台を獲得している。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日6,700人/決勝日11,000人/大会総入場者数17,700人)

レースがスタートした 序盤トップに立ったのはポールポジションの平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19) トラブルでコースアウトしリタイアした福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M5Y SF19) 福住仁嶺のコースアウトによりセーフティーカーが導入された 優勝は山下健太(ORIENTALBIO KONDO SF19) 決勝2位は中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF19) 決勝3位はハリソン・ニューウェイ(GOLDEX TAIROKU RACING SF19) 優勝した優勝した山下健太(KONDO RACING) 優勝した優勝した山下健太に駆け寄り祝福する2位の中嶋一貴 優勝した山下健太と抱き合う近藤真彦監督(KONDO RACING) 表彰式: 優勝した山下健太と近藤真彦監督(KONDO RACING) 表彰式

第6戦決勝は午後3時5分にスタート。心配された天候は最後まで崩れず、終始ドライコンディションでの戦いとなった。

今回は大会特別規則により、「先頭車両が10周目の第1セーフティーカーラインを超えてから、先頭車両が最終周回に入るまでにタイヤ交換をしなければならない」と定められており、これまでのように1周目にミディアムからソフトに履き替えて最後まで走り切るような作戦や、前戦もてぎで#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)が行ったような最終周でのピットインは封じられた。

これにより、各チームがどういう作戦で決勝に臨むか。スタートでどちらのタイヤを装着するかがこれまで以上に注目されたが、ポールポジションの#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)はソフトタイヤ。予選2位の山下はミディアムを選択。予選3位の#4国本雄資(ORIENTALBIO KONDO SF19)はソフト、予選4位の#36中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)はミディアムと、上位陣の判断は真っ二つに分かれた。

スタートでトップに立ったのは平川。ソフトタイヤの#5福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M5Y SF19)は1周目のヘアピンで早くも山下を抜いて2位に浮上、4周目には予選6位の#38石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)も山下を捉えて3位に。ミディアムタイヤの山下と中嶋はどんどん順位を落としていく。

その後方ではミデイアムタイヤでスタートした#18小林可夢偉(KCMG Elyse SF19)が1周目にソフトタイヤに交換。これで「2種別のドライタイヤを使用しなければならない」規則を満たし、あとは中盤以降にもう1セットのソフトに履き替えてタイヤ交換義務を果たすという変則的な作戦を採った。前の開けた状態で2セットのソフトタイヤを使って一気にペースを上げようという訳だ。

ところが8周目のアトウッドカーブで2位の福住が痛恨のコースオフ。グラベルに捕まってそのままレースを終えたため、車両回収のためにセーフティーカー(SC)が導入される。これがソフトタイヤで先行逃げ切りを図ったチームと競技規則の盲点を突いた小林の目論見を台無しにしてしまった。

SCの率いる隊列が10周を終えたところでミディアムタイヤ勢は相次いでピットに飛び込み、給油とソフトタイヤへの交換を済ませる。

ところが#65牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)はピットロードで#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)と接触。牧野はその影響でホイールにダメージを負って1コーナーでコースオフ。なんとかコースに復帰したもののもう一度ピットでタイヤを履き替えることに。さらにこの接触によりドライブスルーペナルティまで課せられ、完全にレースからは脱落。関口も11周目に2度目のピットインを強いられ、後方に沈むことになった。

またソフトタイヤでスタートした#1山本尚貴(DOCOMO DANDELION M1S SF19)も彼らに続いてピットに入り、一旦ミディアムタイヤに履き替えて1周を消化したのちにもう一度ピットインしてソフトに戻す作戦をとる。今回スポット参戦の#7中山雄一(UOMO SUNOCO SF19)もまた山本と同じ作戦で最後尾からの追い上げを図った。

SCは12周目にピットイン。13周目から追い越し可能になった。

懸命に飛ばして後続とのギャップを広げたい平川だったが、後続の石浦や#37ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)は平川を上回るペースで食らいつく。ピットインを済ませた山下とのギャップも思ったほどには広がらない。

しかし石浦は右フロントタイヤのトラブルにより33周目にスローダウン。これが原因で足回りにもダメージを負いレースを終えることに。

キャシディも57周目のヘアピンで平川を捉え、一旦はトップに浮上したが、60周目にタイヤ交換を終えてコースに戻った後、62周目のヘアピン立ち上がりで小林と接触してスピン。まさかのノーポイントに終わってしまう。

平川も58周目にピットインし、11位に後退。その後は60周目にコースアウトを喫したため、12位でレースを終えることになった。

こうして山下を筆頭にSC中にタイヤ交換を行なったドライバーが相次いで上位に繰り上がる。

レースは序盤のSCランの影響から66周目に入ったところで最大時間の1時間30分に達したため、ここでチェッカー。山下は参戦3年目にして待望の勝利をものにした。

この結果、ポイントランキングは7位入賞の山本が29ポイントでトップに。ノーポイントのキャシディが28ポイント、朝のフリー走行で好調ぶりをみせた#64アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING SF19)はスタートでの失敗も祟って4位に終わったが、25ポイントでランキング3位に。優勝した山下も21ポイントでチャンピオン獲得の可能性を残した。規則の穴を突いた小林はファイナルラップにコースアウトしてレースを終えたが、それでも19ポイントでチャンピオン争いに踏みとどまっている。

2019年最終戦の舞台は鈴鹿サーキット。10月26日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP | SUPER FORMULA LIGHTS

SFL,F3R:スーパーフォーミュラ・ライツ、フォーミュラリージョナルの新車両が岡山で走行

全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦が行われている岡山国際サーキットで9月29日、来年から新たに始まる二つのカテゴリーで使用されるフォーミュラカーのデモンストレーション走行が行われた。

来季から始まるスーパフォーミュラライツで使用されるダラーラF320のデモラン 来季から始まるフォーミュラリージョナル選手権で使用される童夢F111/3

最初に走行したのは全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権で使用されるダラーラF320。現在の全日本F3選手権で使用されている車両を発展させ、FIAの最新の安全規定に準拠させたものだ。ドライブを担当したのは千代勝正だ。まだシェイクダウンを済ませただけの状態ながら、非常の挙動が安定していてなおかつ速い、とドライブ後に感想を語った。

続いて、フォーミュラリージョナル選手権で使用される予定の童夢F111/3が片山善章のドライブで走行。今年FIAが制定したF3R規定に準じて作られた全く新しいフォーミュラカーであり、アルファロメオの1750cc直列4気筒ターボを搭載して280馬力のハイパワーを誇る。エンジン込みで1200万円という破格の値段も大きな特徴だ。

フォーミュラリージョナル選手権は来年6月27-28日に富士24時間耐久レースとの併催で開幕し、岡山、SUGO、オートポリスをはじめ全6大会が開催される見込み。スーパーフォーミュラ・ライツについては現在日程調整中だが、6大会16戦が予定されている。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI

Japanese F3

JF3:第20戦岡山決勝会見 「昨年よりレベルの高いシリーズになりましたが、僕自身は成長できたと思います」(宮田莉朋)

決勝フォトセッション: トップ3のドライバーたち

第20戦優勝 #36宮田莉朋(カローラ中京Kuo TEAM TOM'S)
決勝記者会見: 優勝した宮田莉朋(カローラ中京Kuo TEAM TOM\'S) スタートと1周目が一番重要だと思っていました。シーズン後半戦はサッシャ選手がいつもいいスタートを切っていたので僕は自信がなかったんですけど、なんとか抑え切れて1周目を逃げ切れました。それが決め手だったと思います。昨日のレースを振り返り、クルマの改善とそれに対するドライビング面での対応を考えて臨みましたが、難しいコンディションのレースになり、タイム差は昨日より少なかったですが、クルマは昨日と同じく素晴らしかったです。3年目のシーズンを迎え、チームもスポンサーさんも期待されていたと思いますが、トムスが全勝した昨年のようにはうまくいきませんでした。全日本F3が昨年よりレベルの高いシリーズになり、簡単にはいかないなと思っていましたが、サッシャ選手やエナム選手と競り合って戦うことができ、今シーズンの最多勝を取れて僕自身は成長できたと思います。シリーズチャンピオンを取れなかったのは本当に申し訳ないと思いますが、今までで一番いい年を送れたと思います。来シーズンのことは何もわかりませんが、僕の希望としてははステップアップしてスーパーフォーミュラやGT500で活躍したいです。
第20戦決勝2位 #11サッシャ・フェネストラス(B-Max Racing with motopark)
決勝記者会見: 2位のサッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark) 今日もとてもタフなレースでした。昨日よりギャップは縮まりましたが、なかなか抜くことができませんでした。レース序盤にペースが上がらなかったことが敗因だと思います。でもいいレースができたと思いますし、満足はしています。チームも昨夜からすごく頑張ってくれました。毎戦いろんなことをやってくれるので大変感謝しています。来年のことはまだ何も決まっていません。いろんなところと話をさせていただいてますが、まだ先は長いし、今季いい結果を残せているので期待はしています。できればスーパーフォーミュラやGT500に乗れたらと思います。日本で長くキャリアを積み重ねていくことが僕の希望ですから。
第20戦決勝3位 #37阪口晴南(カローラ中京Kuo TEAM TOM'S)
決勝記者会見: 3位の阪口晴南(カローラ中京Kuo TEAM TOM\'S) 昨日と同じようにスタートと1周目が勝負だと思っていました。スタートはうまくいったと思いますが、2台を捉えるほどではなかったです。宮田選手もミスをしなくて、淡々とレースは進みました。サッシャ選手も昨日より格段にペースが良くなっていて、ついていけず、チャンスは全くありませんでした。まだ来年のことは決まってませんが、横に座ってる二人と同じレースに参戦できればと思っています。宮田選手とはずっと一緒に戦ってきていますし。次同じカテゴリーや同じチームで戦うことになった時は、僕が前にいたいなと、そういう強い気持ちで今後もレースを戦っていきたいです。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

Japanese F3

JF3:第20戦岡山決勝 #36宮田がポール・トゥ・ウィンで今季8勝目を達成。

全日本F3選手権第20戦の決勝が9月29日、岡山国際サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#36宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F317)がスタートから終始トップを守りきり、今季通算8勝目を挙げた。

25周の決勝がスタートした レースをリードする宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM\'S F317) 優勝は宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM\'S F317) 決勝2位はサッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3) 決勝3位は阪口晴南(カローラ中京Kuo TOM\'S F317) マスタークラス優勝はDRAGON(TEAM DRAGON F3) 優勝した宮田莉朋(カローラ中京Kuo TEAM TOM\'S) 優勝した宮田莉朋と3位の阪口晴南(カローラ中京Kuo TEAM TOM\'S) 2019年のシリーズチャンピオンサッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark) 優勝した宮田莉朋(カローラ中京Kuo TEAM TOM\'S) 表彰式 マスタークラスの表彰式

1979年から続いてきた全日本F3選手権。FIAの規定変更に伴い、来年からはスーパーフォーミュラ・ライツとして行われることがすでに決まっており、「F3」の名称で戦われるのは今日のレースが最後となる。

その最終戦決勝は午前11時20分より25周で行われた。天候は晴れ。路面はドライだ。

ポールの宮田はスタートで予選2位の#11サッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3)とのバトルに競り勝ってトップで1コーナーに飛び込むと、その後は安定したペースでリードを広げ、4周目には1分23秒352のファステストラップを記録するなど、まさに圧勝で25周を走りきった。2位のフェネストラズとは5.160秒差。3位も昨日に続いて#37阪口晴南(カローラ中京Kuo TOM'S F317)が入った。

マスタークラスは#30DRAGON(TEAM DRAGON F3)が2連勝を達成している。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

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SF:第6戦岡山フリー走行2回目 トップタイムは#37キャシディ。しかし平均ペースでは#64パロウが他を圧倒

全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦のフリー走行2回目は#37ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)で1分14秒389。2位は#64アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING SF19)で1分15秒252だった。

フリー走行2回目: ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S) フリー走行2回目: アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING) フリー走行2回目: 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING) フリー走行2回目: トップタイムはニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19) フリー走行2回目: 2位はアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING SF19) フリー走行2回目: 3位は福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M5Y SF19)

フリー走行は当初予定より5分遅れの午前9時10分より30分間で行われた。これはこの前に行われたTCRJサンデーシリーズの予選で赤旗中断があった影響。スーパーフォーミュラの走行は大きなアクシデントもなく順調に進行した。決勝日の天候は晴れ。路面はドライだ。

トップタイムのキャシディは走り始めて4周目にベストタイムを記録。しかしその後は1分16秒台で周回を重ねており、これが決勝でのペースになると思われる。昨日の予選Q2で10位と不本意な結果に終わっただけに、燃料搭載量少なめで一発のタイムアタックを試みたのであろう。

これとは対照的だったのがパロウだ。ミディアムタイヤで走り始めたパロウは5周目にソフトに交換。その後は7周目から16周目までと20周目に1分15秒台のタイムを記録している。

ポールの#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)を始めとする上位陣は一発のタイムこそ1分15秒台を記録しているものの、殆どの周が1分16秒台にとどまっている。

勿論どのドライバーがどれだけの燃料を積んでいたかは不明だが、このタイム差だけをみれば予選8位のパロウがレースをリードする可能性は大いにあると考えられる。

果たして他のドライバーはどういう戦略でこれに対抗するのか。注目の決勝レースは午後3時5分より68周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

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SF:第6戦岡山予選会見 「今年に入って前厄と本厄と後厄の厄払いを3回やったら結果が出ました」(平川亮)

予選フォトセッション: トップ3のドライバー

第6戦ポールポジション #20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
予選記者会見: ポールポジションの平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) ポールを取れて嬉しいですけど、実は昨日の走行から自信があって。ソフトを履いて2番手でしたが、周りの状況を聞くと「悪くないな」って思っていました。でもミディアムの出来が微妙で、昨日や今朝の感触が良くなかったので、Q1だけ突破できればポール争いができるかなと思っていました。Q1はコンマ1差くらいで危なかったんですが、ラッキーでした。Q2からQ3にかけてタイムを上げられたのは良かったと思います。明日はとりあえず天気がいいことを祈って。スタートを決めて普通のレースができればいいなと思います。10周目までピットに入れないってことでタイヤ選択には悩みますし、ちょっと油断するとアンダーカットされてしまう可能性もあるので、今夜しっかり作戦を練ろうと思います。今年が後厄で、厄除けをしてなかったんですよ。それで今年に入って前厄と本厄と後厄の厄払いを3回やってから結果が出たので、今まで僕のレースに対する姿勢が良くなかったのが原因だったのかなと思います。
第6戦予選2位 #3山下健太(KONDO RACING)
予選記者会見: 2位の山下健太(KONDO RACING) 僕らは今季ずっとQ1で苦労していて、Q1を通ったのは鈴鹿以来ですかね? ずっとミディアムタイヤに苦労していましたが、岡山に向けてチームがセッティング変更などをすごく色々やってくれたので、Q1通れるぐらいのクルマに仕上がりました。今回はQ1通過が目標だったので、そこが達成できたのが嬉しいです。ソフトには自信があったので、このぐらいにはこれるかなと思ってました。Q3のアタックはすごく決まっていたんですけど、最終コーナーを立ち上がってずっとハンドルのタイム表示を見ていたら、知らないうちに芝生の上を走っていて、気づくのが遅かったです。自分がしょうもないなと思いました。そこだけでコンマ2は失っていたはずです。
第6戦予選3位 #4国本雄資(KONDO RACING)
予選記者会見: 3位の国本雄資(KONDO RACING) 僕らはミディアムタイヤにすごく苦労していましたが、今回はすごくいい準備ができたので、いい週末が送れると思って岡山に入りました。金曜のフリー走行からずっと下位に沈んでましたが、今までできなかったようなテストメニューを淡々とこなしていました。今朝のフリー走行でもずっとミディアムでメニューをこなしていました。Q1通ったのが一番嬉しかったです。ソフトは履けば速いのは感じていました。ソフトのフィーリングはすごく良くて、Q2もトップを狙えそうな感触でした。Q3に向けてさらにアジャストしていったんですけど、それが行き過ぎてしまって、3番手になりました。すごく悔しい3位ですが、熱い気持ちで戦える予選になったのは久々だったので、すごく楽しかったです。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

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SF:第6戦岡山公式予選 第5戦優勝の#20平川が今季初ポールを獲得

2019全日本スーパーフォーミュラ 選手権第6戦の公式予選が9月28日、岡山国際サーキットで行われ、前戦もてぎで初優勝を達成した#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)が今季初、通算2度目のポールポジションを獲得した。

ピットで待機する平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) ピットで待機する山下健太(KONDO RACING) ポールポジションは平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19) 予選2位は山下健太(ORIENTALBIO KONDO SF19) 予選3位は国本雄資(ORIENTALBIO KONDO SF19) ポールポジションを獲得した平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

公式予選は午後2時25分よりノックアウト方式で行われた。今回は第3戦SUGOと同様にA、Bの2グループに分かれてQ1を実施することとなった。心配された天候は晴れ。路面は終始ドライ。開始時の気温は30℃、路面温度34℃という絶好のコンディションでの走行となった。

予選Q1
Aグループのトップタイムは#37ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)で1分14秒972。#51ハリソン・ニューウェイ(GOLDEX TAIROKU RACING SF19)が2位で続き、今シーズンを通じてミディアムタイヤでの走行を苦手としていたKONDO RACINGの#3山下健太(ORIENTALBIO KONDO SF19)は今大会に向けたセッティング変更がうまく決まって3位でQ2進出。今季途中から参戦の#15パトリシオ・オワード(TEAM MUGEN SF19)もチェッカー直後に1分15秒722を記録して6位でQ2へ。

一方、昨年のチャンピオン#1山本尚貴(DOCOMO DANDELION M1S SF19)や第2戦優勝の#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)らのトップ常連組がここでまさかの脱落となった。

BグループもVANTELIN TEAM TOM’Sの#36中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)が1分14秒540でトップ。#5福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M5Y SF19)が2位、3位にはもてぎ大会優勝の#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)が続いた。

しかし#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)や#17塚越広大(REAL SF19)といったホンダ勢のトップドライバーがここで脱落。アーテム・マルケロフに代わって7号車をドライブした#7中山雄一(UOMO SUNOCO SF19)も10位で予選を終えた。

予選Q2
ソフトタイヤの使用が許されるQ2ではトップから12位までのタイム差がわずか0.606秒という大接戦が展開されたが、A組のQ1でトップタイムを記録していたキャシディがセクター3で痛恨のミスを犯し、1分13秒362でまさかの10位に終わることに。

一方、トップタイムを叩き出したのは平川で1分12秒951。#4国本雄資(ORIENTALBIO KONDO SF19)が1分12秒971の2位につけ、#38石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)が1分12秒977で3位だった。

予選Q3
上位8人によって争われる最後のセッションも残り1分を切ったところで激しいタイムアタック合戦が展開され、トップから8位が0.682秒差の接戦となった。そうした中、終了間際に1分12秒700を叩き出した平川が今季初のポールポジションを獲得してみせる。平川は昨年の第2戦オートポリスでも予選トップタイムを記録したが、前戦鈴鹿2&4での「危険なドライブ行為」により3グリッド降格が言い渡されていたため、ポールポジションから決勝を戦うのは今回が初めてとなる。2位には山下、3位には国本とKONDO RACING勢が続いた。ホンダ勢最上位は福住の5位だった。

第6戦決勝は明日午後3時5分より68周で行われる。タイヤ交換義務に周回数の制限が加わった今大会、各チームは一体どんな戦略で臨むのかにも注目だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP | SUPER FORMULA LIGHTS

SFL:F3協会がSFL開催について会見を実施。2020シーズンは6大会16レースに

来シーズンから始まるスーパーフォーミュラライツのロゴが発表された

日本フォーミュラスリー(F3)協会は9月28日、岡山国際サーキットで会見を行い、来年より新たにスタートする全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権について、現時点の進捗状況を明らかにした。

来年度より使用されるシャシーはダラーラF320に更新される。ドライバーの技能向上に役立てるべく、スーパーフォーミュラと同じく「クイック・アンド・ライト」のコンセプトを掲げ、HALOや前後左右の衝撃吸収構造などF1の2018安全規定に準拠した最新のものを採用する。

またコスト削減の一環として、今季の8大会20レースから来季は6大会16レースに縮小。その代わり木曜日から専有走行を実施して、ドライバーの走行距離は充分に確保するとのこと。

その他、チームスタッフの人数制限やエンジン、パーツの価格抑制いやタイヤの使用セット数制限などを行い、大幅なコスト削減に取り組む。

F320のシェイクダウンは8月30日にイタリアのヴァラーノで実施しており、ダニエル・ティクトゥムのドライブで順調にメニューを消化している。日本でも今週の25-26日に岡山国際サーキットで現行のF3との混走でテスト走行を実施しており、すでに現段階でF3のトップと遜色のないタイムが出ている。セッティングを煮詰めていけばまだまだタイムの向上が見込めるという。

また会見では来季から使用されるスーパーフォーミュラ・ライツのロゴマークも発表された

F320は明日の決勝日、ピットウォークの行われる12時20分頃よりデモンストレーション走行が予定されている。なお、昨日開催が発表されたフォーミュラリージョナル選手権で使用される童夢F111/3の走行も、この時間に実施される予定だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

Japanese F3

JF3:第19戦岡山決勝会見 「2周目の1コーナーでハーフスピンしかけました。ちょっと反省点のあるレースですね」(宮田莉朋)

決勝フォトセッション: トップ3のドライバーたち

第19戦優勝 #36宮田莉朋(カローラ中京Kuo TEAM TOM'S)
決勝記者会見: 宮田莉朋(カローラ中京Kuo TEAM TOM\'S) 予選がうまく決まってポールポジションが取れました。練習走行では手応えがなかったので、コンディションと周りの選手のスピード次第では難しい予選になると思っていましたから、ダブルポールが取れるとは思っていませんでした。決勝はスタートから1周ずっと結構スリリングな戦いになり、2周目の1コーナーで自分のミスからハーフスピンしかけました。それまでにギャップを作れていたので勝てましたが、それがなかったら負けていましたね。ちょっと反省点のあるレースでした。中古タイヤに関しては調子が良さそうだったので、決勝には自信がありました。コースコンディションの変化に自分が合わせていければ勝てると思っていました。明日は今日と同様優勝とファステストラップを目指してやるだけです。まずはフルマーク目指して。来シーズンにつながるレースをしたいです。
第19戦決勝2位 #11サッシャ・フェネストラス(B-Max Racing with motopark)
決勝記者会見: 2位のサッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark) いいレースでした。自分としては予選からベストを尽くしたつもりでしたが、クルマにスピードが足りませんでした。いつもそうなんですが、決勝では1周めが大変重要です。僕は今回1コーナーでミスをしてしまってオーバーテイクできず、2周目以降は差を広げられてしまいました。明日は気持ちを切り替えて、もう少しクルマをインプルーブして、さらにステップアップできるように頑張ります。明日のレースは勝ちたいです。今シーズンのチャンピオンとしてここにきましたが、今日の結果はそれにふさわしくないと感じています。クルマをさらに改良して、最後のレースではチャンピオンらしく締めくくりたいですね。
第19戦決勝3位 #37阪口晴南(カローラ中京Kuo TEAM TOM'S)
決勝記者会見: 3位の阪口晴南(カローラ中京Kuo TEAM TOM\'S) 今回もチャンスをいただけたことに感謝しています。走り出しから雰囲気よく、とてもやりやすい体制でレースさせていただいてます。練習走行ではポジションは良くありませんでしたが、トップとの差はそれほど大きくなかったし、前回参戦した時とは違ったアプローチをしてきたので、自分にとってはすごくプラスになりました。予選に向けていい練習になったと思います。予選は1回目のアタックはすごく良かったんですが、2回目の上がり幅が他の二人ほど良くありませんでした。そこは自分の足らないところが出ちゃったなと思います。決勝は前に出られるのはスタートと1周目しかないと思っていました。スタートはうまく決まりましたが前には行けませんでした。2周目に宮田選手がミスをして上位3台の差がつまり、またチャンスが巡ってきましたが、裏ストレートが短くて。あと15メートルくらいあればサッシャ選手の前に行けたかなと思いました。そこが残念でした。明日も(宮田)莉朋にペースでは叶わないと思います。そこは一日でどうなるものでもありませんが、スタートでなんとか前に出て初優勝を飾りたいです。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

Japanese F3

JF3:第19戦岡山決勝 ポールの#36宮田が今季7勝目

全日本F3選手権第19戦の決勝が9月28日、岡山国際サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#36宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F317)がそのまま逃げ切って今季7勝目を挙げた。

18周の決勝がスタートした サッシャ・フェネストラズと阪口晴南の2位争い 優勝は宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM\'S F317) 決勝2位はサッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3) 決勝3位は阪口晴南(カローラ中京Kuo TOM\'S F317) マスタークラス優勝はDRAGON(TEAM DRAGON F3) 優勝した宮田莉朋(カローラ中京Kuo TEAM TOM\'S) 表彰式 マスタークラスの表彰式

第19戦決勝は午後1時25分より18周で行われた。心配された天候は晴れ。終始ドライコンディションでの戦いとなった。

スタートでトップに立った宮田に対し、予選2位の#11サッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3)はアトウッド、ヘアピンと立て続けに仕掛けていったが、宮田は冷静にこれを押さえ込み、そのままトップでコントロールラインに戻ってきた。

その後は2周目の1コーナーでハーフスピンを喫するミスはあったものの、宮田は終始快調なペースで後続との差を広げていき、最後は2位に7秒の大差をつけてフィニッシュ。今季7勝目を挙げてファステストラップも獲得している。

2位はフェネストラズ。6月の第6,7,8戦に続いてのスポット参戦となった#37阪口晴南(カローラ中京Kuo TOM'S F317)が3位につけた。

第20戦決勝は明日朝11時20分より25周で行われる。このレースが「全日本F3選手権」として開催される最後のレースだ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

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SF:第6戦岡山JRPサタデーミーティング 今大会より1周目のタイヤ交換が無効に。JRPが新ルール導入を発表

9月28日に岡山国際サーキットで行われた日本レースプロモーション(JRP)主催のサタデーミーティングでは、第6戦の特別規則の概要と狙いについても発表された。

今大会では、第3戦SUGOに続いて公式予選Q1をA組、B組の2グループに分けて実施する。これはコース上の混雑を避けるための措置であり、組み分け抽選に際しては同じチームのドライバーが別々の組で走るように考慮したという。

またこの方式はコース全長の長い最終戦鈴鹿での実施も現在検討されているとのこと。これは日立オートモーティブシステムシケインでの渋滞を考慮してのものだが、現時点では実施するかどうかは未定とのことだ。

また、決勝レースにおいては今回も最低1回のタイヤ交換義務が課せられるが、これは「先頭車両が10周目の第1セーフティーカーラインを交差した時点から、最終周回に入る前までに完了すること」と新たに定められた。

言い換えると、スタートから10周以内のピット作業は禁止されないが、ここでタイヤ交換を行っても、これは交換義務を果たしたとは見なされない。また、前回のもてぎ大会で#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)が行ったようなファイナルラップでのピットインも無効ということになる。

今シーズン目立ってきた、ミデイアムタイヤでスタートし、1周目にソフトタイヤに履き替えて燃費走行で最後まで走りきる作戦に対し、プロモーターとしてレースの面白さを損なわない形に是正したいとの狙いがそこにはあるという。またチームからも何かしらの方法でこうした傾向に待ったをかけて欲しいとの要望があったという。

当初は燃料タンク容量の縮小やレース距離の延長なども検討されたようだが、短期間での導入が可能な方法ということで今回の特別規則が採用されたとのこと。ハード面の対応については来シーズンに向けて引き続き検討していくという。

また、この規定は最終戦での導入も検討されており、現在鈴鹿サーキットに対し申し入れをおこなっているとのこと。コース全長が異なるため、対象となる周回数は今回とは違うものになりそうだ。

まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA

SF:第6戦岡山JRP定例会見 JRPが2020年の開催日程を変更。開幕戦は4月4-5日鈴鹿に

JRPサタデーミーティング: 上野禎久氏(株式会社日本レースプロモーション取締役)

全日本スーパーフォーミュラ選手権を運営する日本レースプロモーション(JRP)は9月28日、シリーズ第6戦が行われている岡山国際サーキットで恒例のサタデーミーティングを行い、すでに発表されている2020シーズンの日程変更について、その経緯を説明した。

2020シーズンの日程については当初4月4〜5日に富士スピードウェイで開幕、第2戦を4月25〜26日に開催となっていたが、今回の発表では開幕戦は4月4〜5日に鈴鹿、第2戦を4月18〜19日に富士で開催することになっている。

これは世界耐久選手権(WEC)のベルギー大会が4月25日に開催されることが決まったため。また鈴鹿大会は2&4として例年開催されており、併催されるJSB1000クラスが鈴鹿8時間耐久ロードレースのトライアウトも兼ねていることから、4月19日に開催される二輪のルマン24時間耐久レースとのバッティングを回避するために開幕戦を鈴鹿に持ってくることにしたという。

ただしこのカレンダーはあくまでも暫定のものであり、年末に日本自動車連盟(JAF)が開催するカレンダー会議にて正式決定されるとのことだ。

9月28日現在のカレンダーは下記のとおり。

2020年全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズスケジュール(暫定)

第1戦 4月 4~ 5日 鈴鹿サーキット
第2戦 4月18~19日 富士スピードウェイ
第3戦 5月16~17日 オートポリス
第4戦 6月20~21日 スポーツランドSUGO
第5戦 8月29~30日 ツインリンクもてぎ
第6戦 9月26~27日 岡山国際サーキット
第7戦 10月31日~11月1日 鈴鹿サーキット

まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA

SF:第6戦岡山フリー走行1回目 トップタイムは#65牧野。スポット参戦の#7中山は5位

2019全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦の1回目のフリー走行が9月28日、岡山国際サーキットで行われ、#65牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)がトップタイムを記録。2番手にはディフェンディングチャンピオンの#1山本尚貴(DOCOMO DANDELION M1S SF19)が続いた。

フリー走行1回目: トップタイムは牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)

フリー走行1回目: 2位は山本尚貴(DOCOMO DANDELION M1S SF19)

フリー走行1回目: 3位は野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)

フリー走行1回目: 久々参戦の中山雄一(UOMO SUNOCO SF19)は5位

フリー走行1回目は午前9時20分より60分間で行われた。この日の岡山は曇り。午後には雨の予報も出ているが、朝の走行は終始ドライコンディションで行われた。

序盤トップに立ったのは、#7中山雄一(UOMO SUNOCO SF19)で1分13秒458。アーテム・マルケロフが今週末ソチで開催されるFIA-F2に出場するため、急遽参戦が決まった中山だが、2016年以来というブランクを感じさせない走りで最終的には5位で走行を終えた。

セッション中盤には#18小林可夢偉(KCMG Elyse SF19)が電気系トラブルによりコース上にストップしたために赤旗中断となったが、予選への影響は大きくなさそうだ。この時点で上位11人までがソフトタイヤでの走行。ミディアムタイヤでのトップは#38石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)で1分15秒370だった。

終盤に入り、各ドライバーが予選シミュレーションに入ると、残り2分で牧野が1分13秒185でトップに。終了間際には山本が1分13秒355を記録して2番手に続き、#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)が1分13秒409で3番手につけた。

なおセッション終了後に小雨が降り始めており、午後の予選はウェットコンディションで行われる可能性が高くなってきた。

公式予選は午後2時25分よりノックアウト方式で行われる。
なお今回は第3戦SUGOと同様に、参加全20台をA組、B組の2グループに分けて予選Qを実施する。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER GT

SGT:第7戦SUGO決勝 タイヤ選択が勝負のカギ。#3CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが今季初優勝

2019オートバックススーパーGT第7戦「SUGO GT 300kmレース」の決勝が9月22日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、GT500クラスは予選7位からスタートした#3平手晃平/フレデリック・マコヴィッキィ組(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)がレース後半にトップに浮上して今季初優勝を達成。GT300クラスは予選2位の#55高木真一/福住仁嶺組(ARTA NSX GT3)が序盤からトップを快走し、こちらも今季初優勝をものにした
(天候:雨 コース:ウェット 観客動員数:予選日12,000人/決勝日25,100人/大会総入場者数37,100人)

GT500クラス優勝は平手晃平/フレデリック・マコヴィッキィ組(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R) GT500クラス決勝2位はナレイン・カーティケヤン/牧野任祐組(Modulo Epson NSX-GT) GT500クラス決勝3位は松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R) GT300クラス優勝は高木真一/福住仁嶺組(ARTA NSX GT3) GT300クラス決勝2位は谷口信輝/片岡龍也組(グッドスマイル 初音ミクAMG) GT300クラス決勝3位は新田守男/阪口晴南組(K-tunes RC F GT3)

第7戦決勝は午後2時より81周で行われた。スタート直前に雨が降り始めたため、セーフティーカーの先導によるスタートとなったが、GT500、GT300の両クラスともここでのタイヤ選択が明暗を分けることになった。

GT500クラスは、降り出した雨が上がると読みスリックタイヤを選んだ、ポールポジションの#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)、5番手スタート#19国本雄資(WedsSport ADVAN LC500)、11番手#38立川祐路(ZENT CERUMO LC500)、12番手#24ヤン・マーデンボロー(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)の4台は、すぐに後悔することになる。

SCランが4周目に解除されると、スリックを履く4台はまったくペースが上がらず、堪え切れずに8~9周目にピットに滑り込んだ。前回惜しくも勝ちを逃した#17KEIHINだったが、判断は完全に裏目となり、今回は早々に勝負の権利を失ってしまった。

悔しさを味わうマシンを尻目に快走を見せたのが、2番手スタートの#1ジェンソン・バトン(RAYBRIG NSX-GT)。20周を終え2位#37ニック・キャシディ(KeePer TOM'S LC500)に9秒のマージンを築き、その後も快走を続けた。前半の主役は間違いなく#1バトンだった。

2位#37キャシディは、このままでは逆転は厳しいと27周目に早めのピットイン。タイヤ交換をせずに作業タイムの短縮を図り、平川亮に逆転を託すことになる。

レースの潮目が変わったのは、#12佐々木大樹(カルソニックIMPUL GT-R)のコースアウトで40周目から始まったSCラン。これが解除されると、思惑どおり#37平川がトップに浮上。SCラン前にバトンからトップを引き継いだ#1山本はタイヤ選択を誤ったためペースダウン。徐々に順位を落としてしまった。

レース中盤の主役となった#37平川は53周までトップを守ったが、無交換のタイヤが徐々にグリップを失い、54周目にその座を#3フレデリック・マコヴィッキィ(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)に明け渡すことになる。上位の脱落はあったものの、コンディションにマッチしたミシュランタイヤで#3平手晃平が3位まで上げた順位を、#3マコヴィッキィはさらに押し上げ、ついにトップに立った。

これ以降のレースは#3マコヴィッキィが完全にコントロール。同じく快走を見せ終盤2位に上がった#64牧野任祐(Modulo Epson NSX-GT)、荒れたレースには定評のあるニスモチームの#23松田次生(MOTUL AUTECH GT-R)を従え、残る周回を危なげなく走り切り、GT-Rにとって今季初優勝、チームにとってスーパーGT初優勝のチェッカーをかいくぐった。

GT300クラスもポールポジションの#61山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)、予選3位の#25佐藤公哉(HOPPY 86 MC)らがスリックタイヤを選択。これが裏目に出て大きく順位を落とす一方で、ウェットタイヤを選択した予選2位の#55高木真一(ARTA NSX GT3)は序盤からトップを快走する。

その後方では、前戦オートポリス大会でスーパーGTデビューを果たした#65菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG)が予選13位スタートながらトップの高木と遜色のないハイペースでの追い上げをみせ、14周目には#56平峰一貴(リアライズ日産自動車大学校 GT-R)を捉えて3位まで浮上すると、24周目には2位の#4片岡龍也(グッドスマイル 初音ミクAMG)まで0.4秒差にまで迫り、35周目に遂に片岡をも抜き去って2位に躍り出た。

上位3台は12号車のコースアウトによるセーフティーカー導入の直前に相次いでピットに飛び込む好判断をみせ、僅差を保ったまま42周目のリスタートを迎えると、すかさずこの周の最終コーナーで#4谷口信輝(グッドスマイル 初音ミクAMG)が大外から#65蒲生尚弥(LEON PYRAMID AMG)を抜き去って2位を奪い返し、トップの#55福住仁嶺(ARTA NSX GT3)に襲いかからんとする。

しかしタイヤに熱が入るまでの4周あまりを懸命に耐え忍んだ福住は、そこから次第にペースを上げ、谷口との差を広げていった。その後は燃費の心配を抱えながらの走行だったとレース後に福住は語ったが、それでも後続には全く付け入る隙を与えずに今季初優勝をものにした。

2位は谷口信輝/片岡龍也組(グッドスマイル 初音ミクAMG)。3位には69周目に阪口晴南が蒲生尚弥を抜き去って#96新田守男/阪口晴南組(K-tunes RC F GT3)が入った。

次戦の舞台は栃木県のツインリンクもてぎ。11月3日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Shigeru KITAMICHI
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第12戦SUGO決勝 盤石の走りで#7佐藤が今季9勝目。インディペンデントカップのタイトルは#3佐藤に

9月22日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われたFIA-F4第12戦の決勝は、予選2番手からスタートした#7佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)が昨日に続いて盤石の走りでトップを快走し、今季9勝目を挙げた。

17周の決勝がスタートした 優勝は佐藤蓮(SRS/コチラレーシング) 決勝2位は三宅淳詞(HFDP/SRS/コチラレーシング) 決勝3位は平良響(FTRSスカラシップF4) インディペンデントカップ優勝はDRAGON(TEAM DRAGON F4) 優勝した佐藤蓮(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト) 表彰式 インディペンデントカップの表彰式

第12戦決勝は午前8時55分より17周で行われた。心配された天気は曇りで、スタート前には薄日が射すこともあるほど。完全なドライ路面での戦いとなった。

昨日の第11戦ではスタートでホイールスピンをさせてしまい、佐藤の先行を許してしまったポールポジションの#5三宅淳詞(HFDP/SRS/コチラレーシング)だったが、今回は会心のスタートを切ることに成功した。しかしそれでも佐藤を押さえることはできず、2位に後退して1コーナーを立ち上がる。

トップに立った佐藤はその後も安定したペースで周回を重ね、6周目から入ったセーフィティーカーラン、12周目のリスタートも無難にこなして今季通算9勝目を獲得した。

2位は三宅。3位には#37平良響(FTRSスカラシップF4)が入った。チームメイトの#36野中誠太(FTRSスカラシップF4)とのバトルを制し、久々の表彰台となった平良だが、トップ2のペースに対抗できなかった悔しさの方が大きかったようだ。

インディペンデントカップは予選トップの#30DRAGON(TEAM DRAGON F4)が優勝。昨年の菅生で優勝した#4佐々木祐一(Sendai DayDream F110)に終盤迫られる場面もあったが、最後まで押さえきって今季3勝目を獲得した。

また前日の第11戦で優勝した#3佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ)がこのレースで3位に入ったため、2019年のインディペンデントカップは佐藤がタイトルを獲得することになった。

次戦の舞台は栃木県のツインリンクもてぎ。11月2-3日開催だ。

第12戦優勝 #7佐藤蓮(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
優勝した佐藤蓮(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト) いつも通りのレースをして。スタートも完璧に決まったんで。ペースが良いことも分かっていたので、いつも通り落ち着いて、1位でゴールすることができました。タイヤも全然大丈夫でした。もてぎでは11勝を目指して頑張ります。
第12戦決勝2位 #5三宅淳詞(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
決勝2位の三宅淳詞(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト) 個人的にはスタートはすごく決まったなあと思ったんですけど、それ以上に佐藤選手が決まってたような感じで。レースペースも全然良くなかったので、もしスタートが決まっててもダメだったかもしれません。昨日の反省で、リヤが踏ん張る方向にセッティングを変えたんですけど、今日のコンディションが良かったので曲がらなくなっちゃって。乗り方もあるかもしれませんけど。今日は完敗ですね。最近表彰台にに乗れてるし、予選1位も取れてるので、もてぎでは決勝で1位を取りたいです。
第12戦決勝3位 #37平良響(TOM'S SPILIT)
決勝3位の平良響(TOM\'S SPILIT) 無理。(佐藤)蓮が速すぎて。僕が全然乗れてなくて、メンタル的に守りに入ったかな、という感じでちっちゃい走りをしてしまったのでこういう結果になってしまいました。(野中選手とのバトルは)ミラーで後ろをしっかり見ながら、向こうの速いところ、こっちの速いところを考えて、押さえるところは押さえて、行くところは行きました。そこら辺の駆け引きはうまくいきましたが、途中から前が逃げちゃったことで守りに入っちゃいました。自分の弱いところもあったと思います。今回の結果を踏まえて、次のもてぎでは大きく構えていけるようにしたいです。
第12戦インディペンデントカップ優勝 #30DRAGON(B-MAX ENGINEERING)
インディペンデントカップ優勝のDRAGON(B-MAX ENGINEERING) 昨日の予選でミスがありまして、それで沈んじゃいましたが、決勝のペースは自信があったので、前に出られれば勝てると思っていました。1周目は混乱するんで気をつけてたんですが、自分の不注意で接触してしまいました。セルゲイ選手はそのまま行けたんで幸いだったんですが、僕は最後尾まで落ちましたが、追い上げてポイント圏内まで行けたんでそれはそれで良かったかなと。今日の朝は気持ちを切り替えて。ポールスタートだったんで、第1戦と同じように1周目だけ気をつけてればいけると。ただSC以降はタイヤが消耗してペースが苦しく、佐々木選手に最終コーナーで詰められましたが、一生懸命押さえました。チャンピオンはセルゲイ選手に取られちゃったんで、残り2戦全部勝つつもりで頑張ります。
2019インディペンデントカップチャンピオン #3佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ)
インディペンデントカップでチャンピオンを獲得した佐藤セルゲイビッチ(FIELD MOTORSPORTS) 今日は5位以内に入ればチャンピオン決定だと分かっていましたが、やっぱり表彰台に上がってチャンピオンを祝いたいと思っていました。今シーズンは開幕前に岡山国際サーキットで特訓をやり、その成果もあって開幕戦から表彰台に上がることができました。そうやってスムーズにシーズンを始められたのがまずは良かったのだと思います。安定感とリタイヤしないこと、ぶつけないことが大事だとシーズンを通して考えてきましたが、第4戦の富士でペナルティを受けたのと、第7戦の富士で4位に終わったの以外は全て表彰台に上がっているので、それができて良かったです。チャンピオンは取りましたが次のもてぎでも気を緩めずにポールポジションをとって勝つことを目標に頑張ります。来シーズンもF4に出ようと思っています。2年目のインディペンデントカップがこうやって盛り上がっているのを全国のジェントルマンドライバーが見ていると思います。腕に覚えのある方は是非参戦して僕に挑戦していただきたいと思います。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第11戦SUGO決勝 #7佐藤が今季8勝目を挙げて2019年のチャンピオンを獲得

FIA-F4選手権第11戦の決勝が9月21日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、#7佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)が今季通算8勝目を挙げ、最終戦を待たずして早々とシリーズチャンピオンを決めてみせた。

17周の決勝がスタートした 佐藤蓮と三宅淳詞のHFDP同士のトップ争い 優勝は佐藤蓮(SRS/コチラレーシング) 決勝2位は三宅淳詞(HFDP/SRS/コチラレーシング) 決勝3位は川合孝汰(DENSOルボ一セIPG F4) インディペンデントカップ優勝は佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ) 表彰式 インディペンデントカップの表彰式

第11戦決勝は12時50分より17周で行われた。スタート時の天候は曇り、路面はドライ。レース終盤にはコースの一部で小雨が降っていたと上位入賞したドライバーはコメントしているが、終始スリックタイヤでの戦いとなった。

予選2番手からスタートした佐藤はポールポジションの#5三宅淳詞(HFDP/SRS/コチラレーシング)との先陣争いに競り勝ち、トップで1コーナーへ。前回のオートポリスではスタート時にエンジン回転を落としすぎて失速したと語った三宅だったが、今回はホイールスピンをさせてしまって佐藤の先行を許してしまった。僅差で佐藤を追う三宅だったが、オーバーテイクのチャンスはなかなか巡ってこない。

その後方では3位を走行していた#6太田格之進(SRS/コチラレーシング)にジャンプスタートの裁定が下り、ドライビングスルーペナルティを課せられて大きく後退することに。

代わって3位に浮上した#20木村偉織(Silver Star Racing)の背後には#24平木玲次(Media DoADVICS影山F110)、#63川合孝汰(DENSOルボ一セIPG F4)が迫る。

そして9周目。

平木のスリップストリームにうまく潜り込んだ川合がホームストレートで平木に並びかけ、続く1コーナーでは一気に木村をも攻め落として3位に浮上するが、その直後に2コーナー立ち上がりでコントロールを乱した木村が平木に接触するアクシデントが発生。この影響で木村がコース脇にストップしてしまったためにセーフティーカーが導入されることになった。

レースは14周目に追い越し可能となったが、このリスタートでも佐藤は後続を引き離して1コーナーに飛び込み、後続に全く付け入る隙を与えずに17周を走りきって今季8勝目を挙げる。

同時に、第10戦終了時点でランキング2位にいた太田が結局18位に終わり、同3位の#60菅波冬悟(OTG DL F110)も6位に終わったため、佐藤は今季3レースを残して2019年のシリーズチャンピオンを獲得した。

またインディペンデントカップは予選トップからスタートした#3佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ)が今季4勝目を達成。前戦オートポリスで「上位の脱落の結果ではなく、予選から前にいて逃げ切りたい」と語った通りのレース展開を実現してみせた。

次戦第12戦決勝は明日午前8時55分より17周で行われる。

第11戦優勝 #7佐藤蓮(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
優勝した佐藤蓮(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト) スタート決まって、あとは自分のレースをするだけでした。完璧でした。ロングのペースが良いのはわかってたんで、あとは自分の走りをしてチャンピオンを決めようと思って。SCはちょっとやだなと思ったんですが、SC明けも落ち着いて走れたんで良かったです。チャンピオンは勝ってる結果でついてきたって感じで、あまり実感はないんですけど、ここで去年の雪辱を果たすことができて、チャンピオンもここで決めることができたんで、本当に嬉しいです。
第11戦決勝2位 #5三宅淳詞(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
決勝2位の三宅淳詞(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト) オートポリスと一緒のような感じですかね。スタートで抜かれて前に行けないような。今回はオートポリスと逆に後輪が空転してしまって、全く前に進まないような感じでしたね。スタートがうまくいかないですね最近は。SC明けはついていけてたんですけど、序盤のペースが良くなかったんで、そこは原因を追求しないとですね。やっぱりダウンフォースとかもあるんで、前にいないと思うように走れませんね。悔しいです。明日もポールですけど、もしかしたら雨でSCスタートになるかもしれないんで、ちゃんとスタートできるように頑張ります。
第11戦決勝3位 #63川合孝汰(Le Beausset Motorsports)
決勝3位の川合孝汰(Le Beausset Motorsports) スタートはまあ普通でした。周りもミスしてなかったんでそのまんま。そのあと1コーナーやヘアピンで絡んでるドライバーがいたんでそこで前に行けて。3番手の太田選手がいなくなってからは、前の平木選手のペースが良くてきつかったんですけど、木村選手に追いついてからはなんとかついていけました。SPコーナーで木村さんがミスしたところで「このチャンスしかない」と思って、で最終コーナーからうまく合わせて抜きに行きました。木村選手までは届かないかな、と思ったんですけど、僕の姿をミラーに映せていたこともあり、木村選手が少しミスをしたので、抜くことができました。そのあとクラッシュしたのはわかりませんでしたけど。SCが入ったのもオートポリスと同じ展開だったので、今度こそ抜きたかったんですけど、やはり前の二人のペースが安定して速かったのと、少し雨が降ってきたのとで、あまり無理はできなかった感じですね。でも予選順位を考えたら良い結果だったと思います。明日の予報が雨っぽいんですけど、雨はドライより自信があるんで。6番手からのスタートですけどスタートで抜かれないこと、無理しないことを心がけて、前のミスを誘っていけば前半のうちにチャンスがあるかなと思います。
第11戦インディペンデントカップ優勝 #3佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ)
インディペンデントカップ優勝の佐藤セルゲイビッチ(FIELD MOTORSPORTS) ここは予選ありきかなあと思ってましたんで、予選は結構頑張って、無理して、やってみたら、その無理が「壁を超えた」みたいな感じになって、レースペースも良くなりました。FIA-F4自体、今年ルーキーですから、クルマの動かし方もレースをするたびにだんだん分かってきました。それがこの菅生の中高速コースで結果に出てきたのかなと思います。まだまだ速くなれそうですね。明日は予選順位が良くないので、確実に表彰台を狙っていきます。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI

SUPER GT

SGT:第7戦SUGO公式予選 両クラス共にコースレコード続出!#17KEHIN NSXが2戦連続ポール達成

2019オートバックススーパーGT第7戦「SUGO GT 300kmレース」の公式予選が9月21日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、GT500クラスは従来のコースレコード1分10秒248を大幅に上回る1分9秒676を叩き出した#17塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT)が前戦オートポリスに続いて2戦連続のポールポジションを獲得。GT300クラスも#61井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT)が1分16秒834のコースレコードを樹立して今季初ポールを手にしている。

GT500クラスポールポジションは塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT) GT500クラス予選2位は山本尚貴/ジェンソン・バトン組(RAYBRIG NSX-GT) GT500クラス予選3位は中嶋一貴/関口雄飛組(au TOM\'S LC500) GT300クラスポールポジションは井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT) GT300クラス予選2位は高木真一/福住仁嶺組(ARTA NSX GT3) GT300クラス予選3位は松井孝允/佐藤公哉組(HOPPY 86 MC)

公式予選は午後2時よりノックアウト方式で行われた。天候は曇り。終始ドライコンディションでの走行となった。

■Q1

GT500クラスは、朝の公式練習で好調だったNSX勢に、レクサス勢が絡む形で進んだ。若干路面温度が低く、各マシン念入りにウォームアップ走行をした後アタックに入った。

最初に1分10秒台に入れたのは#8伊沢拓也(ARTA NSX-GT)(1分10秒845)。これを皮切りに、各車続々と10秒台を叩き出し#8伊沢のタイムを塗り替えていく。

そのなかで、他を引き離すタイムを記録したのは、レクサスのなかで比較的ウエイトハンデの軽い#36中嶋一貴(au TOM'S LC500)。2位をコンマ3秒離す1分10秒281でQ1トップタイムを確定した。これに、唯一ダンロップタイヤを履く#64牧野任祐(Modulo Epson NSX-GT)、#17ベルトラン・バゲット(KEIHIN NSX-GT)、#37平川亮(KeePer TOM'S LC500)が続いた。

今シーズン、ポールポジション獲得率5割を誇る#23MOTUL AUTECH GT-Rは名手、松田次生を持ってしても10位がやっと。GT-R勢でQ2進出を果たしたのは#3平手晃平(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)の1台のみ。Q2進出マシン8台の内訳は、レクサス4台、NSX3台、GT-R1台だった。

GT300クラスは今回、参加28台を二つのグループに分け、各組の上位8台ずつが次のQ2に駒を進めるという予選方式でQ1を行なった。これはコース全長の短いSUGOのレイアウトを考慮したもので、今季は第1戦岡山でも同様の予選方式がとられている。

A組の走行では#720アレックス・パロウ(McLaren 720S)がコースインから3周目に1分18秒124を記録してトップタイム。#55高木真一(ARTA NSX GT3)が1分18秒341で2番手に続き、#61井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)が1分18秒487で3番手。今季序盤から苦戦の続いていた#30織戸学(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)も1分19秒159の8番手で初めてQ2進出を果たした。

B組は4周目に1分18秒181を記録した#34大津弘樹(Modulo KENWOOD NSX GT3)がトップタイム。#4谷口信輝(グッドスマイル 初音ミクAMG)が1分18秒357で2番手につけ、#25佐藤公哉(HOPPY 86 MC)が1分18秒404で3番手。#31嵯峨宏紀(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)もB組8番手となる1分18秒788を記録して、30号車に続いてQ2進出を果たしている。

一方、今季2勝を挙げている#96新田守男(K-tunes RC F GT3)は終了間際まで懸命のアタックを続けたが、あと一歩及ばず9番手で予選を終えている。

■Q2

GT500クラスは、いきなりのレコードラッシュに沸いた。

最初のアタックで#1山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)がコースレコードを更新する1分10秒151を叩き出し観客の喝さいを浴びる。しかし、その直後に#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)が他を圧倒する1分9秒676をマーク。いきなりの9秒台にその後のアタックは霞んでしまうほどだった。

結局、この2台のNSXが最初のアタックでフロントローを決め、終盤タイムアップを果たしたトムスチームの2台、#36関口雄飛(au TOM'S LC500)、#37ニック・キャシディ(KeePer TOM'S LC500)がセカンドローに並ぶことになった。

GT300クラスも計測3周目で#61山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)が1分16秒834を叩き出し、Q1のベストタイムを1秒以上上回っただけでなく、従来のコースレコードをコンマ6秒以上更新し、周囲を驚かせた。前戦オートポリスではトラブルによりわずか8周でレースを終えたR&D SPORTだが、今回こそは雪辱を果たさんと、チーム、ドライバー、タイヤメーカーが一丸となって開発に取り組んだという。

#55福住仁嶺(ARTA NSX GT3)も1分17秒189と従来のレコードを上回ったが、山内にはコンマ3秒も水を開けられ、予選2番手に。今季3度のポール獲得を誇る#25松井孝允(HOPPY 86 MC)も1分17秒517と山内に大きく引き離されての3番手という結果に終わっている。

第7戦決勝は明日の午後2時より81周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Shigeru KITAMICHI
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第11戦、第12戦SUGO公式予選 HFDPが1-2-3!#5三宅が連続ポール獲得

FIA-F4選手権第11、12戦の公式予選が9月21日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、#5三宅淳詞(HFDP/SRS/コチラレーシング)がベストタイム、セカンドベストタイム共にトップとなり、2連連続でポールポジションを獲得した。

第11戦、第12戦ともポールポジションの三宅淳詞(HFDP/SRS/コチラレーシング) 第11戦、第12戦とも予選2位の佐藤蓮(SRS/コチラレーシング) 第11戦予選3位、第12戦予選8位の太田格之進(SRS/コチラレーシング) 第11戦予選5位、第12戦予選3位の平良響(FTRSスカラシップF4) 第11戦インディペンデントカップポールポジションの佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ) 第12戦インディペンデントカップポールポジションのDRAGON(TEAM DRAGON F4)

2019年のFIA-F4選手権もいよいよ終盤戦。ポイントランキングでは#7佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)が2位以下を大きく引き離しており、早ければ今大会中にもシリーズチャンピオンを決めそうな勢いだ。

21日朝8時10分から行われた公式予選は上空を厚い雲が覆い尽くす中、ドライコンディションで行われたが、全長約3.7kmのツイスティなレイアウトに35台ものエントリー台数ということもあり、序盤からコース上は大混雑となった。そうした中、どのタイミングでクリアラップを確保するかが大きなポイントとなったようだ。

序盤トップに立ったのは#37平良響(FTRSスカラシップF4)。赤旗中断を警戒して早めにアタックする作戦で好調な滑り出しを見せた平良だったが、同様の作戦を立てていた三宅が4周目にトップに浮上してきた。

それでも平良は開始10分で1'23.874といち早く1分23秒台に入ってトップを奪い返したが、三宅もすかさず1'23.861、1'23.560とタイムを刻んでトップの座を確保した。

さらに終盤に入ると、#7平良響(FTRSスカラシップF4)も1'23.822、1'23.783とタイムを縮めて2位に浮上。「8月の富士から流れが良くない」という#6平良響(FTRSスカラシップF4)も1'23.852を記録し、ベストタイム順でスタートする第11戦決勝はHFDPが1-2-3という結果になった。

平良はタイヤ性能がピークを迎えた肝心の周でトラフィックに引っかかったと語り、ベストタイムでは#60菅波冬悟(OTG DL F110)に次ぐ5番手に後退してしまったが、終始安定したペースで走っていたこともあり、明日の第12戦決勝では3番手からスタートすることとなった。

第11戦決勝はこのあと12時50分より17周で行われる。

第11戦、第12戦ポールポジション #5三宅淳詞(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト
昨日の練習も同じ方式でコースインするんですけど、コースが短いこともあって、すぐ前に詰まるので、タイヤ性能がピークの時にクリア取れた人がトップいく、みたいな感じでした。クルマやドライバーの差は大きくないので、今日の予選もどうやってクリア取るか、を考えて作戦を立て、それがうまく成功した感じでした。前回のオートポリスではスタートを失敗して抜かれたので、今回はスタートに集中して、そこで逃げれるようにしたいです。
第11戦、第12戦予選2位 #7佐藤蓮(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
最初にロックアップさせちゃって、タイヤが何周か機能しない状態になっちゃって、ピークも使えなくてこの予選は危ういかと思ったんですけど、両方2位ということでなんとか最低限の結果は出せました。あの状況から考えればすごくいい結果だったと思います。決勝に向けてもポジティブな週末になると思います。フランスはマシンもタイヤも違う中、公式練習でトラブルが出ちゃってそのまま予選、みたいな状況になり、後方に沈んでしまいました。その状況に合わせていくスキルをもっと高めていかないとな、と痛感しました。それでも混戦を抜ける力とか駆け引きでは海外の選手に負けてないなと思ったので、これからステップアップしていく中で、いい経験になったと思います。今週末はチャンピオンを決められるよう、優勝を目指して頑張ります。
第11戦予選3位 #6太田格之進(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
全然クリアラップが取れませんでした。それが全てです。週末通してずっと調子が良くない中では決まったラップだったし、最善を尽くしたかなと思いますけど、全然アタックできていなかったので、スッキリしない予選でした。まだ時差ぼけはありますけど、今回の結果はそういうことよりも富士から良くない流れになってることが原因だと思うので、その究明に努めます。
第12戦予選3位 #37平良響(TOM'S SPILIT)
作戦としても序盤からアタックし続けようと。赤旗が怖かったので。最初は上の方にいるのを確認していて、そのままアタックを続けていこうと思っていたら、前に引っかかっちゃいました。そのタイミングでみんながいいアタックをできたので、抜かれちゃいましたと。それでも余裕を持って安定した走りができていたので、セカンドベストで3番手をゲットできたんだと思います。コースが混み合っていて大変でした。スタート以外では抜きにくいコースだと思うので、今日の決勝はスタートに集中して頑張ります。明日は雨かもしれませんが、前の方からスタートできるのは有利なので、それを活かして表彰台を目指します。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI

SUPER GT

SGT:第6戦オートポリス優勝会見 「クレイジーな天気で、2016年にSUGOでコーヘイさんと組んで勝ったレースを思い出しましたよ」(ヘイッキ・コバライネン)「ダンロップさん含めチームのみんなに『ありがとう』じゃなくて『おめでとう』が言いたいです。」(吉本大樹)

決勝フォトセッション: 両クラス優勝のドライバー

GT500クラス #39ヘイッキ・コバライネン(DENSO KOBELCO SARD LC500)
優勝記者会見: GT500クラスで優勝したヘイッキ・コバライネン(LEXUS TEAM SARD) 一年ぶりの優勝なので、とても嬉しく思っています。今シーズンはなかなかタフなシーズンで、これまでポディウムに上がることができませんでした。前回の富士はチャンスがあったのに僕がミスをして悔しい思いをしたので、それを取り返すことができて嬉しいです。今週末は走り出しからクルマの調子が良く、予選でもいい感触をつかんでいたので、いい結果が出せそうだと思っていました。今日の決勝はクレイジーな天気で、2016年に菅生でコーヘイさん(平手晃平)と組んで勝ったレースを思い出しましたよ。今回のスタートはすごく良かったと思います。ただ雨が降ってきたときにはミスをしないように慎重に走りました。慎重すぎたかもしれません。でもクルマのパフォーマンスがすごく良かったので、自分のスティントはエンジョイできました。ナカヤマさんは本当に素晴らしい走りを見せてくれました。途中17号車が追い上げてきていたので、無線で「気をつけて」と言っていたんですが「問題ありません。大丈夫」と返事してきました。彼は本当にプロフェッショナルだと思います。 今回のレースで非常にいいステップを踏めたと思います。スーパーGTでは何が起こるかわからない、とういうことが今回のレースでもわかると思いますが、その結果僕らはランキングのトップ3に入ることができたので、最後まで諦めず、チーム一丸となってチャンピオンを狙っていきたいと思います。
GT500クラス #39中山雄一(DENSO KOBELCO SARD LC500)
優勝記者会見: GT500クラスで優勝した中山雄一(LEXUS TEAM SARD) 今シーズンはレクサスがすごく調子いい中で、サードは悪くはないんですけど思うような結果が得られなくて、あとひとつ何が足りないんだろうとヘイッキさんとコミニュケーションをとって、チームともクルマの方向性をしっかり話し合いました。今回のレースウィークが始まってから、普通スーパーGTではしないような数値のセット変更をしたらその方向性がバッチリオートポリスに合いました。昨日の予選はやってきたことが全てうまくいったなという感じました。今日はスリックで雨の中を走らなければいけない難しいスティントをヘイッキさんが担当しましたが、そういう場面でもすごく力を発揮してくれる選手だし、コールドタイヤでの走行もすごく速いし、ヘイッキさんの力でどんどん順位を上げていってくれました。 (エンジニアの)耕太郎さんもこれ以上ないタイミングでピットインの判断をしてくれたので作戦も素晴らしかったと思います。あのタイミングではピットにはすごく多くのクルマがいっぺんに入ってきて、何年か前の菅生みたいな状況で、ZENTのクルマが僕に乗っかってきたりとか結構危なかったんですが、そんな混乱した状況でもメカニックさんたちがしっかりコースに送り届けてくれたのでその点もすごく良かったです。 最後はダンプコンディションでのレインタイヤ走行で、結構難しかったんですが、GT300でブリヂストンタイヤで戦ってきた経験をうまく生かすことができました。ブリヂストンタイヤがどういうフィーリングでどのくらいもつか、ということも、下積みがすごく長かったですけど、それがすごく活きたな、と感じたレースでした。 今回優勝したことでチャンピオンに手が届く位置に来れました。2016年にサードがチャンピオンをとったときも最後の2戦で逆転したと思うので、難しいコンディションであるほど力を発揮できるチームだと思っています。今回のセットを進めていけば、菅生やもてぎでも戦っていけると思います。すごくポジティブにこの一週間を過ごしました。GT500デビューイヤーで優勝できて本当に嬉しいですし、このままチャンピオンに向けて強気で頑張っていきたいと思います。
GT300クラス #60宮田莉朋(SYNTIUM LMcorsa RC F GT3)
優勝記者会見: GT300クラスで優勝した吉本大樹(LM corsa) 今回はスタートドライバーを担当して、作戦的には引っ張る方向でした。今年ダンロップタイヤに替えてからは全レースが挑戦、という感じで戦ってきましたけども、今回は12番手からのスタートで、どのように追い上げるか、どんなペースで走ったらいいのかを考えて走りました。自分の周りではコースアウトしたり、早めにピットに入ったりするチームがいましたが、その中でチームと無線のやり取りをして、ステイアウトを選びました。結構賭けの作戦でしたが、今週に関してはクルマもタイヤも自信があったので、クルマを信頼して走りました。最初のうち吉本選手は辛い思いをしたと思うんですけど、最終的にこうやって勝てて良かったです。FIA-F4で2年連続でチャンピオンをとって、周りには期待してた人がいたと思いますが、勝つまでにちょっと時間がかかってしまいました。僕も努力してきたつもりですが、それ以前の開発期間から頑張ってきたLMコルサの皆さんと、TRDの皆さん、吉本大樹選手、飯田章監督におめでとうと言いたいですし、感謝しています。 菅生に関してはRCFが苦手という感じはありませんし、先日のテストでもいいセットが見つかっています。今回もまさか勝てるとは予想していませんでしたので、スーパーGTの面白さを体感できましたし、次の菅生でも優勝を目指して吉本選手やチームの皆さんと努力して、ともに頑張っていきたいです。
GT300クラス #60吉本大樹(SYNTIUM LMcorsa RC F GT3)
優勝記者会見: GT300クラスで優勝した宮田莉朋(LM corsa) この展開は正直想像できていなかったんですが、昨日の走り始めはコースがダスティなこともあって、持ち込みしたタイヤの選択が非常に難しく、その中でも柔らかめのタイヤでロングランをやろうと走っていたらデブリを踏んでしまって、タイヤバーストをさせてしまって結局十分な距離を走れませんでした。そのためレースがドライのまま進んだらどうなるか未知数な状態でした。予選は莉朋が良いタイムを出してくれたのに、自分がミスってしまって12番手からのスタートになりましたが、レースの途中から雨が降るという予報もあったので、それを絶対にチャンスに変えようと思っていました。莉朋はスタートからすごく順調に走ってくれましたが、我々のクルマはあまり直線が速くないので、前のGT-Rを抜けませんでした。そのうち雨が降ってきて、スリックで走っている中では多分莉朋が一番速かったんじゃないかなと思います。そのあとレインでいくのか、どうするのかというやり取りをずっとしていたのでその間は莉朋に引っ張ってもらいました。莉朋が走ってる時のコンディションはレインだったんですけど、章監督はここはスリックだと。僕としては最初少し疑問でしたが、コースから湯気が出ているのを確認したので、最初はしんどいけど乾いてくると思ってスリックをチョイスしました。セーフティーカー中に雨が降ってきたときは「これは終わったな」と思いましたが、路温が高かったためにすぐに路面は乾いてくれました。本当に全てが噛み合いました。2014年にLMコルサ立ち上げから本当に苦しい思いをして、初年度は鈴鹿1000kmで優勝できましたけども、その翌年からレクサスRC Fの開発車両で苦しい思いをして、満を時してGT3になってももう1台出ている方が沢山勝ってしまうせいでBOP的に厳しくなり、なかなか上を狙うことができず、悔しい思いをしてきました。それでもこうやって全てが噛み合えば勝つことができるとわかりました。宮田莉朋というトヨタの若手のホープを預かって、なかなか勝てないのは非常に心苦しかったんですが、最初の1勝を共に獲得することができて、本当に良かったです。ダンロップさん含めチームのみんなに「ありがとう」じゃなくて「おめでとう」が言いたいです。 もともとRCFが得意とするコースは鈴鹿、菅生、タイなんですけど、今回得意ではないコースでも優勝できることが証明できたので、得意な菅生は優勝したいですし、苦手なもてぎも雨かなんか降ってくれれば結果につながると思っています。そういう運も味方につけて、残りのレースを悔いなく戦っていきたいです。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:第6戦オートポリス決勝 スタート前から波乱続きの大混戦を制したのは#39DENSO KOBELCO SARD LC500!!

2019オートバックススーパーGT第6戦「オートポリスGT300kmレース」の決勝が9月8日、大分県のオートポリスで行われた。レース中に降った雨により序盤からアクシデントが相次ぎ、3度もセーフティーカーが導入される大荒れの展開となったが、レース中盤のピット作業でウェットタイヤを選択した#39ヘイッキ・コバライネン/中山雄一組(DENSO KOBELCO SARD LC500)が41周目にトップに立ち、そのまま逃げ切って今季初勝利をものにした。これとは対照的にGT300クラスはレース後半をスリックタイヤで戦った#60吉本大樹/宮田莉朋組(SYNTIUM LMcorsa RC F GT3)が路面の乾き始めたレース終盤に第逆転劇を演じて今季初優勝を達成した。

GT500クラスのスタートシーン

GT300クラスのスタートシーン

GT500クラス優勝はヘイッキ・コバライネン/中山雄一組(DENSO KOBELCO SARD LC500)

GT500クラス決勝2位は塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT)

GT500クラス決勝3位は平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM\'S LC500)

GT300クラス優勝は吉本大樹/宮田莉朋組(SYNTIUM LMcorsa RC F GT3)

GT300クラス決勝2位は荒聖治/アレックス・パロウ組(McLaren 720S)

GT300クラス決勝3位は小暮卓史/元嶋佑弥組(マネパ ランボルギーニ GT3)

GT500クラスの表彰式

GT300クラスの表彰式

第6戦決勝はスタート前から波乱が相次いだ。

まず7日の公式予選終了後に#12ジェームス・ロシター(カルソニックIMPUL GT-R)が急病を発症。ドクターストップがかかってしまったため、チームインパルは急遽テレビ番組の解説でオートポリスを訪れていた千代勝正を代役に起用した。この予定外のドライバー変更により、12号車には大会審査委員会から10秒ストップのペナルティが課せられることになる。

続いてウォームアップ走行で今度はポールシッターの#17塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT)がメカニカルトラブルに見舞われてコース上にストップするアクシデントが発生。一時はスタートも危ぶまれたが、チームスタッフの懸命の作業が実り、17号車は無事最前列からレースに臨むことができた。

この時点での天候は晴れ。路面はドライコンディションだったため、全車がスリックタイヤを装着して午後2時30分に65周の戦いがスタート。ポールポジションの#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)は最初の1コーナーで#8伊沢拓也(ARTA NSX-GT)に並びかけられたが、2コーナー立ち上がりでトップを奪い返した。

その後方では1周目の12コーナーで#1山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)と#16武藤英紀(MOTUL MUGEN NSX-GT)が接触、1号車がタイヤバリアに突っ込んでストップしたため、3周目に最初のセーフティーカーが導入されるが、塚越は無難にリスタートを決め、そのままレース前半をリードする

しかしレースが20周を迎える頃になると1コーナー方面から雨が降り始め、路面は次第にスリッピーになっていく。この影響で33周目には#87高橋翼(T-DASHランボルギーニ GT3)が12コーナーでスピンアウトしたため、35周目に2度目のセーフティーカー導入となる。

GT500クラスの上位陣はこれを見越して34周目に相次いでピットに飛び込んだため、ピットレーンの至る所で接触が相次ぐことに。
しかしこの時点では雨は一時的なものとみられていたため、後半のタイヤ選択はチームによってスリック、ウェットと判断の分かれることになり、これが結局この日の勝敗を左右することになった。

1周目からトップの#17KEIHIN NSX-GTはスリックを選択。30周目にピットストップを終えていた#37KeePer TOM'S LC500もスリック。しかし#39DENSO KOBELCO SARD LC500、#38ZENT CERUMO LC500、#19WedsSport ADVAN LC500はウェットタイヤを選択した。

その結果、雨の中でのリスタートとなった41周目に#17ベルトラン・バゲット(KEIHIN NSX-GT)は一気に4位にまで後退、42周目に2度目のピットインでウェットタイヤに履き替える事態に。代わって#39中山雄一(DENSO KOBELCO SARD LC500)がトップに浮上した。

その直後に2台の車両がコースアウトしたために3度目のセーフティーカーが入り、バゲットのタイムロスは最小限にとどまったが、50周目のリスタートでは周回遅れの#16中嶋大祐(MOTUL MUGEN NSX-GT)が2位の#38石浦宏明(ZENT CERUMO LC500)の前に立ち塞がる格好になり、中山が一気にリードを広げることになった。

トップ3を上回るハイペースで追い上げを図ったバゲットは51周目に#19国本雄資(WedsSport ADVAN LC500)を、53周目に#38石浦宏明(ZENT CERUMO LC500)を捉えて2位まで順位を挽回するが、レース終盤には雨が止んで路面が乾き始めたこともあり、最後まで中山を捉えることができず、2位でフィニッシュ。3位にはスリックタイヤで我慢の走りを強いられながらも終盤一気に順位を挽回した#37平川亮(KeePer TOM'S LC500)が入った。

今年GT500クラスに昇格した中山にとっては嬉しい初勝利だ。またこれによりコバライネン/中山組はドライバーズランキング3位に浮上、コバライネンはレース後の会見で2016年以来のタイトル獲得に意欲をみせた。

ウェットタイヤの選択が吉とでたGT500クラスとは対照的に、GT300クラスはスリックタイヤで後半に挑んだ#60SYNTIUM LMcorsa RC F GT3が見事な逆転劇を披露することになった。

雨雲の動きを見極めるためにスタートドライバーの宮田に40周目まで引っ張らせる作戦に出たLMcorsaは、監督の飯田章の判断でスリックタイヤをチョイス。後半を担当した吉本が路面の乾き始めた60周目に、ウェットタイヤを装着してトップに浮上していた#88小暮卓史(マネパ ランボルギーニ GT3)と2位の#720アレックス・パロウ(McLaren 720S)を一気に抜き去ってトップに立ち、念願の今期初勝利を達成した。

今は監督に転身した飯田とともに、GT300仕様のレクサスRC Fの開発に初期段階から関わってきた吉本は、長く苦しかったこれまでの戦いを振り返り、レース後のテレビインタビューでは感極まって涙ぐむ場面も。スーパーGT参戦2年目を迎えた宮田にとっても嬉しいスーパーGT初優勝となった。
2位は#720荒聖治/アレックス・パロウ組(McLaren 720S)、#88小暮卓史/元嶋佑弥組(マネパ ランボルギーニ GT3)は結局3位でレースを終えた。

次戦の舞台はスポーツランドSUGO。2週間後の9月22日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

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