2019全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦「JAF鈴鹿グランプリ」の決勝が10月27日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、予選2位からスタートした#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)が今季初勝利を挙げた。2位には#37ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)が入り、3位は#5福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M5Y SF19)。第6戦終了時点でポイントリーダーだった#1山本尚貴(DOCOMO DANDELION M1S SF19)は5位に終わったため、2019年のドライバーズチャンピオンはキャシディが獲得することになった。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日13,500人/決勝日22,500人/大会総入場者数36,000人)
第7戦決勝は午後2時より43周で行われた。天候は晴れ。コースはドライ。
スタート時のタイヤチョイスはポールポジションの#64アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING SF19)、予選4位の福住、予選5位の山本がミディアム。予選2位の野尻、予選3位の#50ルーカス・アウアー(Red Bull SF19)、そして予選6位のキャシディはソフトと、上位陣でも大きく判断が分かれた。
そして予選16位からスタートした#18小林可夢偉(KCMG Elyse SF19)はなんとウェットタイヤ を装着。これにより特別規則書の「決勝レース中にウェットタイヤを使用した場合は、これらのタイヤ交換義務規定は適用されない」という条文を逆手にとり、ミディアムタイヤの使用を回避して一気に挽回を図ろうという目論見だ。
スタートでトップに立ったのはポールのパロウ。2位に野尻が続いて山本が3位。予選3位のアウアーは痛恨のエンジンストールで一気に最後尾に後退してしまった。
序盤は順調に後続を引き離して8周目にピットに飛び込んだパロウだったが、ソフトタイヤに交換した途端にペースが上がらなくなり、代わってトップに立った野尻との差は広がる一方に。さらに17周目には福住、19周目には山本の先行を許し、その後もずるずると順位を落として28周目に再びピットへ。ここで完全にレースから脱落してしまった。
野尻は2位以下との差を広げながら周回を重ね、33周目にミディアムタイヤに交換、その後も2位のキャシディに全く付け入る隙を与えずに43周を走り切り、スーパーフォーミュラにデビューした2014年の第6戦SUGO以来、じつに5年ぶりの勝利をものにした。
3位はスーパーフォーミュラ 2年目の福住。チームメイトの山本はソフトタイヤでスタートして28周目にピットインした#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)の後塵を拝して5位に終わったため、シリーズポイントはキャシディ36ポイント、山本は33ポイントに留まり、キャシディが山本を逆転して2019年のドライバーズタイトルを獲得した。
レース後は悔し涙を隠さない山本だったが、チームタイトルはDOCOMO TEAM DANDELION RACINGが50ポイント、VANTELIN TEAM TOM’Sが48ポイントとなり、こちらはダンデライアンが獲得することになった。
2020年の全日本スーパーフォーミュラ選手権は4月4-5日に同じく鈴鹿サーキットで開幕する。
Text: Kazuhisa SUEHIROPhoto: Motorsports Forum