スーパーGTを運営するGTアソシエイション(GTA)は9月8日、第6戦の行われている大分県のオートポリスで定例会見を行い、10月4~6日にドイツのホッケンハイムで行われる、ドイツツーリングカー選手権(DTM)第9戦に日本から参戦する予定のチームとドライバーの氏名を公表した。
参戦を予定しているのは#1RAYBRIG NSX-GT(ジェンソン・バトン)、#23MOTUL AUTECH GT-R(松田次生、ロニー・クインタレッリ)、#37KeePer TOM'S LC500(平川亮、ニック・キャシディ)の3台。既にニッサンとレクサスは船便で現地に向かっており、ホンダは後日航空便で現地に送られる。
またMOTUL AUTECH GT-Rについては、DTMで#23をつけて走っている車両が存在することから、今回は#35として参戦するとのこと。DTMで使用されているDRSについては、残念ながらGT500では対応できないためDTM第9戦には搭載せずに参戦するという。
なお、11月23-24日に富士スピードウェイで開催されるスーパーGTxDTM特別交流戦に参戦するDTM車両は6~10台になる見込みで、今月12日にGTAとITR(DTMの運営団体)の間で行われるテレビ会議で決定するという。こちらのレースではDTM車両もDRSなしでの参戦となり、激しい戦いが期待できそうだ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
- GT500クラス #17ベルトラン・バゲット(KEIHIN NSX-GT)
- 今は最高の気分です。6年間ずっとポールポジションを獲得しようと頑張ってきましたが、やっとそれが叶って嬉しいです。最高の1日になりました。Q2で素晴らしいラップタイムを刻んでくれた広大選手に感謝します。朝から少しずつクルマは良くなってきました。少し苦労した面もありましたが、色々なセットアップを試していく中でどんどん良くなっていきました。明日雨が降った場合は視界が重要なので、ポールポジションからスタートできるのはいいことだと思います。僕はブリヂストンのウェットタイヤで走った経験があまりないのが不安ですが、クルマは速いので大丈夫だと思います。もちろんドライなら今日のクルマの速さとタイヤの相性で非常にいい走りができると思います。あとはミスをしないことが大事ですね。
- GT500クラス #17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)
- フリー走行から予選にかけて、セットアップが順調に進んでいきました。バゲット選手が細かいセットを試していき、タイヤも色々試しながら、いつものレースより順調にフリー走行は進めることができました。フリー走行はバゲットが1番手タイムでクリアしていて、Q1も2位にタイム差をつけてのトップタイムだったので、クルマが調子いいのがわかったし、バゲットからのプレッシャーも感じながらQ2に臨みました。クルマのフィーリングはすごく良かったですし、自信を持って攻めることができたので。僕自身も雨とかの微妙なコンディションじゃなく、しっかりドライでタイムが出せたので良かったかなと思います。明日は天候がわからない中、ポールポジションからスタートできることは僕にとってはポジティブですし、勝つための準備をしっかりしていって、僕たち二人がベストなパフォーマンスを見せ、またここにレースの報告ができるように走りたいと思います。
- GT300クラス #25佐藤公哉(HOPPY 86 MC)
- セットアップのバランスは良かったんですけど、フリー走行の間ずっとトラブルを抱えてて、僕たち二人ともちゃんと走ることができず、ほぼぶっつけで予選ということだったんですけども。持ち込んだセットが良くて、タイヤが機能してくれたので、無事Q1を通過できて、そのままQ2にバトンを渡せたので本当に仕事できたなあと安心しました。一番いい場所からスタートできますし、ホッピーの会長さんのためにもしっかりいいレースをして、いい成績を出せるように頑張ります。
- GT300クラス #25松井孝允(HOPPY 86 MC)
- 僕らはABSのトラブルでフリーをまともに走れなかったんですけど、メカニックがちゃんと直してくれたんでこの結果があると思います。そんな中で佐藤選手がいつも大変な思いをしてQ1を突破してくれるので。特にフリー走行でニュータイヤを履けない中で予選では上位を走ってくれるので本当にありがたいことだなあと。それを受けてのQ2のこの結果というのは本当に良かったです。ヨコハマタイヤさんが毎回新しいものを持ってきてくださるので、明日はそれがうまく機能することを願っています。またホッピーの会長さんが亡くなられたので、結果も大事ですが、僕らが前に立って戦っている姿をお見せできればと思います。もちろんここに戻ってきたいとも思っているので、そういう気持ちで明日の決勝は戦っていきたいです。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
2019オートバックススーパーGT第6戦「オートポリスGT300kmレース」の公式予選が9月7日、大分県のオートポリスで行われ、#17塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT)がこの日行われた全てのセッションでトップタイムを記録するという圧倒的な速さを見せてポールポジションを獲得。2位に#8野尻智紀/伊沢拓也組(ARTA NSX-GT)が続き、ホンダNSXがフロントローを独占するという結果になった。GT300クラスは#25松井孝允/佐藤公哉組(HOPPY 86 MC)が今季3度目のポールを獲得した。
(天候:曇り コース:ドライ)
公式予選は午後2時30分よりノックアウト方式で行われた。当初は天候の悪化が心配されたものの、終始ドライコンディションでの走行となった。
予選Q1
GT500クラスは公式練習に続いて#17ベルトラン・バゲット(KEIHIN NSX-GT)が1'34.415でトップタイム。#38石浦宏明(ZENT CERUMO LC500)が1'34.733で続き、#36中嶋一貴(au TOM'S LC500)が3番手。一方、第4戦、第5戦と連勝を果たした#6山下健太(WAKO'S 4CR LC500)は上限いっぱいの100kgのウェイトハンデ(実際には50kgのウェイト+燃料リストリクター3ランクダウン)に苦しみ、14位で予選を終えることに。一方、ランキング2位の#37ニック・キャシディ(KeePer TOM'S LC500)は88kgのウェイトハンデ(38kg+燃料リストリクター3ランクダウン)を物ともせず4番手で見事Q2進出を果たした。
GT300クラスは#2加藤寛規(シンティアム・アップル・ロータス)が1'44.803でトップタイム。#360青木孝行(RUNUP RIVAUX GT-R)が2番手、#55高木真一(ARTA NSX GT3)が3番手に続いた。しかし前回優勝の#87アンドレ・クート(T-DASHランボルギーニ GT3)はペースが上がらず1'46.972の25位に終わった。#720荒聖治(McLaren 720S)もQ1終了まで懸命のアタックを続けたが、Q1突破にはコンマ3秒及ばず、19位で予選を終えることになった。
予選Q2
GT500クラスは#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)が2位以下をコンマ7秒引き離す圧巻の速さを見せ、1'33.262で今季初のポールポジションを獲得。第4戦タイで良いセッティングが見つかり、それを第5戦富士、翌週のSUGO合同テストで着実に煮詰めてきたと予選後の会見で塚越が語った通り、朝の公式練習からQ1、Q2と全セッションでトップタイムという快挙をものにした。同じくホンダNSXを駆る#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)が1'33.967で2番手。#24ヤン・マーデンボロー(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)ga
3番手につけた。
GT300クラスは#25松井孝允(HOPPY 86 MC)が第3戦鈴鹿、第4戦タイに続いて今季3度目のポールポジションを獲得。公式練習ではABSのトラブルにより、二人ともほとんど走れなかったとのことだが、メカニックの懸命の修復作業が功を奏して1'44.423を叩き出し、同じくマザーシャシーを走らせる#52吉田広樹(埼玉トヨペットGBマークX MC)を僅差で退けてみせた。3番手には#7ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(D'station Vantage GT3)が続いた。
第6戦決勝は明日午後2時30分より65周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
FIA-F4選手権第9戦の決勝が9月7日、大分県のオートポリスで行われ、ポイントリーダーの#7佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)が今季6勝目を挙げた。ポールシッターの#5三宅淳詞(HFDP/SRS/コチラレーシング)が2位、予選3位の#6太田格之進(SRS/コチラレーシング)が3位で続き、Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクトが今季3度目の表彰台独占を達成した。
第9戦決勝は午後1時15分より13周で行われた。天候は晴れ。路面はドライでの戦いとなった。
スタートではポールシッターの三宅が動き出しでエンジンストールしかかる痛恨のミス、その隙をついて佐藤がアウトから並びかけてトップを奪うと、そのまま一気に突き放しにかかった。懸命に佐藤を追う三宅だったが、佐藤はレース中盤にタイヤを温存するためにペースを緩める余裕すら見せて13周を走りきり、富士スピードウェイでの第7戦、第8戦に続いて3連勝を達成、今季通算6勝目を挙げてポイントスタンディングでも2位以下を更に引き離すことに成功した。
一方ランキング2位の#60菅波冬悟(OTG DL F110)はこのレースを7位で終えたため、両者のポイント差は78に広がったため、今後の展開いかんによっては次の第10戦でチャンピオンが決まる可能性が出てきた。
インディペンデントカップは予選トップの#2仲尾恵史(TCS Racing Team)がスタートからトップを快走し、今季3勝目を挙げている。
第10戦決勝は明日朝9時10分より13周で行われる。

- 第9戦優勝 #7佐藤蓮(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
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ここは抜けないコースなんで、スタートで抜けちゃえばあとはミスしないで自分の仕事をこなすだけでした。いいレースでした。後半に向けてペースを抑えてタイヤを温存できました。明日はポールスタートなので、またスタートを決めて着実に勝てるように頑張ります。
- 第9戦決勝2位 #5三宅淳詞(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
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スタートでミスをしてしまいました。動き出しでパワーを食われてしまい、エンストしかかって失速しました。その後のペースは悪くなかったので、明日はスタートを決めて勝てるように頑張ります。明日は今日の逆のバージョンをしたいと思います。
- 第9戦決勝3位 #6太田格之進(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
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このコースは抜けないですね。今日は予選失敗してしまったので、それでこの結果になってしまいました。前で二人やりあってくれたらよかったんですけど、うまく抜けていってしまったので、チャンスが無かった感じです。でも後ろもついてこれてなかったので、僕たちホンダ勢の圧倒的な速さは見せつけられました。ただ個人的には表彰台独占よりも自分が勝ちたい気持ちの方が大きいです。
- 第9戦インディペンデントカップ優勝 #2仲尾恵史(TCS Racing Team)
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練習からずっとよかったので、今日は落ち着いていこうと。若手とちょっと絡んだんですけど、うまいこと前に行ってもらって、ロスなく走ることができました。オートポリスは去年のFIA-F4で初めて走って、2連勝しています。他のカテゴリーでは全く走ったことがないんですけど、なんか相性がいいんですよね。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
2019オートバックススーパーGT第6戦「オートポリスGT300kmレース」の公式練習が9月7日、大分県のオートポリスで行われ、GT500クラスは#17塚越広大/ベルトラン・バゲット組(KEIHIN NSX-GT)、GT300クラスは#2高橋一穂/加藤寛規組(シンティアム・アップル・ロータス)がトップタイムだった。
公式練習は午前8時50分より105分間で行われた。朝7時より行われた公開車検の時にはコース上空を厚い雲が覆っていたが、公式練習が開始される頃には次第に晴れ間が広がっていき、セッションを通じてドライコンディションでの走行となった。
GT500クラスは#17KEIHIN NSX-GTが序盤から好調。一時は#36中嶋一貴/関口雄飛組(au TOM'S LC500)にトップの座を明け渡したものの、終盤の専有走行でバゲットが1'34.211を記録して再びトップに浮上、午後の公式予選でも大いに期待できそうな状況だ。2番手には#8野尻智紀/伊沢拓也組(ARTA NSX-GT)が続き、ホンダNSXが1-2という結果に。ルーキーの坪井翔が専有走行を担当した#19国本雄資/坪井翔組(WedsSport ADVAN LC500)が3番手につけた。
一方、第4戦、第5戦と連勝してポイントリーダーに浮上した#6大嶋和也/山下健太組(WAKO'S 4CR LC500)は50kgのウェイトと燃料リストリクター3ランクダウンというハンデが影響してか14番手と苦しい滑り出しとなった。
GT300クラスは専有走行終了間際に加藤寛規が1'45.308を叩き出し、#2高橋一穂/加藤寛規組(シンティアム・アップル・ロータス)がトップに。第5戦でポールポジションを獲得した#52脇阪薫一/吉田広樹組(埼玉トヨペットGBマークX MC)が2番手に続き、#7藤井誠暢/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(D'station Vantage GT3が3番手。
しかし前回優勝の#87高橋翼/アンドレ・クート組(T-DASHランボルギーニ GT3)はセッション序盤に最終コーナー手前で高橋翼が痛恨のスピン。フロントからガードレールに突っ込んで赤旗の原因を作ってしまったことも影響し、最下位に終わっている。
また今回からK2 R&D LEON RACINGに菅波冬悟が加入。黒沢治樹に代わって#65LEON PYRAMID AMGをドライブしている。菅波は昨年のFIA-F4オートポリス戦で2連勝を飾っており、今シーズンもポイントランキング2位につけている。今回以降の3大会はスーパーGTとFIA-F4のダブルエントリーとなる模様。この公式練習ではクラス11番手につけた。
第6戦の公式予選はこのあと午後2時30分よりノックアウト方式で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
FIA-F4選手権第9戦、第10戦の公式予選が9月7日、大分県のオートポリスで行われ、第9戦は#5三宅淳詞(HFDP/SRS/コチラレーシング)、第10戦は#7佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)がポールポジションを獲得した。
公式予選は午前8時5分にコースイン開始。当初は台風13号の影響が心配され、上空を厚い雲が覆い尽くしていたものの、終始ドライコンディションでの走行となったが、途中2度の赤旗中断という荒れた展開となった。
最初の赤旗は開始約10分が経過したところ。セクター3のブリッジ下で#28齋藤真紀雄(CS Marketing ES)がフロントガラスポンジバリアに突っ込んでしまったことによるものだ。ポイントリーダーの#7佐藤はこの時セクター2まで区間ベストを更新しながらアタックを続けていたが、ピットに戻らざるを得なくなった。この時点でのトップタイムは#5三宅の1'52.722、#7佐藤が1'53.001で続き、#77小川颯太(WARMTECH Skill Speed)が1'53.160で3番手につける。
予選は8時22分に再開されたが、タイヤの消耗が激しいというオートポリスのコース特性を考慮して早めに走行を切り上げるドライバーが相次いだ。ここまでベストタイム2番手、セカンドベストでトップの#7佐藤はタイヤを温存するために再開後の走行を見合わせている。そうした中、中断前は4番手にいた#6太田格之進(SRS/コチラレーシング)は再開直後に1'53.149を記録して3位に浮上。セカンドタイムでの3番手に浮上した。前日の練習走行ではトップタイムを記録した太田だったが、今回はセクター1の走りでチームメイトに後れを取った格好だ。
その後、#31甲野将也(NRS F110)のコースオフにより残り3分を切ったところで2度目の赤旗が提示され、予選はそのまま終了に。両レースともに三宅、佐藤、太田のHFDP勢が上位を独占する結果となった。
インディペンデントカップは#2仲尾恵史(TCS Racing Team)がトップタイムを記録している。
第9戦決勝はこのあと午後1時15分より13周で行われる。
- 第9戦ポールポジション、第10戦予選2位 #5三宅淳詞(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
- コース入りした時からいつになく調子が良かったので、落ち着いて行ったらいけるかな?と思っていました。今日は予選序盤にたまたま前に人がいなかったのでアタックしに行ったらトップタイムが出た、という印象です。再開後もいけるかなと思ったんですけど、トラフィックの状態が良くなかったのでやめました。監督やアドバイザー、エンジニアのアドバイスもあり、タイヤを温存することにしました。第9戦はそのまま逃げ切りたいですし、第10戦はスタートをうまく決めて前に出て、そのまま抑え切りたいです。
- 第9戦予選2位、第10戦ポールポジション #7佐藤蓮(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
- 昨日から赤旗が多くて、アタックできるチャンスは少ないのかなと思っていました。セカンドラップまではうまくタイムを出せて良かったんですが、その次の周で区間ベストが出せていたのに赤旗になってしまったのが残念です。でも2レースともフロントロースタートになったので、ポジティブな結果かなと思います。ここはタイヤが減りやすくて、昨日の様子を見ても再走ではタイムが上がっていかないかなと思っていたので、タイヤ温存のために再開後は出走しないことに決めました。この2、3周が決勝で効いてくると思うので、そのアドバンテージを活かして上がっていきたいと思います。シーズンも佳境となってきて、ポイントでもいい位置にいるので、確実に勝てたらなと思います。今年は調子がいいので、できるだけ早くチャンピオンを決めたいです。
- 第9戦、第10戦予選3位 #6太田格之進(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
- 全くまとめあげられなかったなという感じがします。セクター2、セクター3ではチームメイトとタイムが全く一緒なんですけど、セクター1だけコンマ3くらい負けています。セッティングとかタイヤの内圧がちょっと違うのもありますけど、そんなことより自分のドライビングの正確さが足りないと思います。メカニックに申し訳ないです。僕らのチーム内ではタイム差がほとんどなく、抜きにくいコースでもあるので、スタートを決めてチャンスメイクしていきたいです。決勝は長いし、タイヤに厳しいコースですので、後半に向けてちゃんと組み立てていけるように。何よりぶつかってノーポイントだけは避けたいです。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
2019オートバックス スーパーGT第5戦「富士GT500マイルレース」の決勝が8月4日、静岡県の富士スピードウェイで行われた。相次ぐアクシデントにより2度のセーフティーカーが入る大荒れの展開の中、ピットクローズギリギリのタイミングで3度目のルーティンストップを行なった#6大嶋和也/山下健太組(WAKO'S 4CR LC500)が結果的に後続に大差をつけ、第4戦タイに続いて2連勝を飾った。GT300クラスも39周目、40周目に立て続けにピットインするという変則的な作戦で#87高橋翼/アンドレ・クート/藤波清斗組(T-DASHランボルギーニ GT3)が今季初勝利を手にしている。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日22,500人/決勝日38,100人/大会総入場者数60,600人)
ウォームアップ走行で赤旗中断があった影響で、第5戦決勝は当初予定から10分遅れの午後1時40分にスタートした。
GT500クラス
レース前半はポールシッターの#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)がトップを快走。62周目のダンロップコーナーで周回遅れを抜きにいった松田がコースアウトを喫し、一旦は#3平手晃平/フレデリック・マコヴィッキィ組(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)の先行を許したものの、2度目のピット作業を3号車より1周早く行うことでポジションを奪い返すことに成功した。
この23号車が2度目のピットインを行なった70周目の100Rで#38立川祐路(ZENT CERUMO LC500)がコースを飛び出してアウト側のウォールに突っ込むアクシデントが発生。これによりトップが74周目に入ったところでセーフティーカーが導入される事態となった。クラッシュ原因は右フロントホイールのナットが脱落したことによるものと思われる。
この時点での暫定トップは2度目のピット作業を済ませていなかった#37平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S LC500)。23号車は4位で周回を重ねていた。
SCは規定周回の約半分となる78周目にピットイン、79周目にリスタートとなったが、直後のダンロップコーナーで#3フレデリック・マコヴィッキィ(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)と#19国本雄資(WedsSport ADVAN LC500)が接触したのを始め、コースの至る所でスピンや接触が相次ぐことになった。
さらに105周目。ヤン・マーデンボローのドライブする#24リアライズコーポレーションADVAN GT-Rのエキゾーストパイプ辺りから白煙が発生。マーデンボローはピットレーン入り口付近でクルマを降りたが、その後出火する事態に。これによりこの日2度目のセーフティーカーが導入されることになった。
この時、メインポストに「SC」の表示が出るか出ないかというギリギリのタイミングで3度目のピットインを行なったのが#6山下健太(WAKO'S 4CR LC500)だった。
ピットがクローズされるかされないかという際どいタイミングでの出来事に一時は競技団が審議に入ったが、結果的にこれはSCボード提示前のピットインという裁定が下る。この影響は大きかった。
SCによりライバルたちがスローダウンを強いられる中、最小限のタイムロスでコース復帰を果たした6号車に対し、113周目のリスタートでようやくピットに飛び込んだ23号車、そして114周目にピットインした#1山本尚貴/ジェンソン・バトン組(RAYBRIG NSX-GT)らは6号車に対し1分16秒以上のビハインドを背負いこむことになり、この時点でほぼ勝負は決してしまった。
その後、レースは175周目に入ったところで最大延長時間の午後6時40分に達したため、ここでレースは終了。この週末を迎えるまで「1点でも多く獲得するしぶといレースをしなければ」と考えていた#6大嶋和也/山下健太組(WAKO'S 4CR LC500)は第4戦タイに続いて予想外の2連勝を飾ることになった。2位は#1山本尚貴/ジェンソン・バトン組(RAYBRIG NSX-GT)。今季3度目のポールを獲得した#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)は今回も勝利を手にすることなく、3位でレースを終えることになった。
GT300クラス
GT300クラスは、レース前半のリーダーが、好スタートを決めた#360青木孝行/田中篤/柴田優作組(RUNUP RIVAUX GT-R)、積極的な走りで11周目にトップを奪った#25松井孝允/佐藤公哉/土屋武士組(HOPPY 86 MC)、42周目のピットストップを機にトップに躍り出たポールシッターの#52脇阪薫一/吉田広樹組(埼玉トヨペットGBマークX MC)と、目まぐるしく変わった。序盤はこの3台に#61井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT)を加えての上位争いが繰り広げられた。
この流れを大きく変えることになったのが、GT300クラスの65周目に発生したGT500クラス#38ZENT CERUMO LC500のアクシデント。車両回収のためにセーフティカー(SC)が導入されるが、この直前に#61BRZ、#52マークX、#360GT-Rはピットに滑り込み、逆にタイミングを見誤ってしまった#25HOPPY86は首位争いから脱落してしまった。
折り返しを過ぎてレースをコントロールしたのは、SC導入までに大きなリードを築いていた#52マークX。98周目にGT500クラス#24リアライズコーポレーションADVAN GT-Rの火災で再度SCが導入されても、その座が脅かされることはなく、100周目には2位#56平峰一貴/サッシャ・フェネストラズ組(リアライズ日産自動車大学校 GT-R)に、17秒というマージンを築いていた。
その後も#34道上龍/大津弘樹組(Modulo KENWOOD NSX GT3)、24番手スタートから驚異の追い上げを見せた#2高橋一穂/加藤寛規/濱口弘組(シンティアム・アップル・ロータス)が、ピットインのタイミングで一時的にトップに立つことはあったが、#52マークXの優位は揺るぎないものと思われた。
ところが、120周を過ぎた時点でその座を脅かす存在が現れる。レース序盤でSC導入を見越して、奇襲作戦ともいえる連続ピットインを敢行していた#87高橋翼/アンドレ・クート/藤波清斗組(T-DASHランボルギーニGT3)だ。#52マークXもその存在を意識して、最後となる4回目のピットインではタイヤ交換を見送りタイム短縮を図る。しかし、両車がピットインを終えた時点で、#87ランボルギーニは#52マークXに対し25秒のリードを築いていた。
#52マークXを駆る吉田も必死に追いすがるが、その差はあまりに大きく、最後は36秒のリードを保って#87ランボルギーニがトップでチェッカーを受けた。13番グリッドから12台抜きの見事な優勝だった。3位には終盤146周目に#18小林崇志/松浦孝亮/山田真之亮組(UPGARAGE NSX GT3)をかわした#34NSXが表彰台を射止めた。
次戦の舞台は九州のオートポリス。9月8日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum
2019オートバックス スーパーGT第5戦「富士GT500マイルレース」の決勝が8月4日午後1時40分にスタートしたが、71周目の100Rで#38立川祐路(ZENT CERUMO LC500)がコースを飛び出してアウト側のウォールに突っ込むアクシデントが発生。これによりトップが74周目に入ったところでセーフティーカーが導入される事態となった。クラッシュ原因は右フロントホイールのナットが脱落したことによるものと思われる。
GT500クラス
スタートでトップに立ったのはポールポジションの#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)。クインタレッリはトップを快走して34周目に最初のピットイン、松田次生と交代した。
松田も危なげない走りで周回を重ねていたが、62周目のダンロップコーナーで周回遅れを抜きにいった際に痛恨のコースオフを喫し、2位を走行していた#3平手晃平(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)の先行を許してしまった。
その後#23MOTUL AUTECH GT-Rは70周目に2度目のピット作業を敢行。トップの#3CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは立川のクラッシュが発生した直後の71周目にピットイン。その結果先に入ってタイヤに熱の入った23号車が3号車をパスすることになった。
SC導入時点でトップに立っているのは、まだ2度目のピット作業を行なっていない#37平川亮(KeePer TOM'S LC500)。昨日の予選でのクラッシュの影響からかピットスタートを選択した#17ベルトラン・バゲット(KEIHIN NSX-GT)が2番手につけ、25周目、55周目と早め早めのピット作業を行なった#19国本雄資(WedsSport ADVAN LC500)が3番手。#23クインタレッリは4番手を走行している。
GT300クラス
序盤レースをリードしたのは#360青木孝行(RUNUP RIVAUX GT-R)。好スタートを決め、1周目のコカコーラコーナーでトップに躍り出ると、#25松井孝允(HOPPY 86 MC)を従えて3位以下を引き離していく。その後も#25松井は#360青木の背後に迫ったまま1秒と開かずに周回を重ね、11周目の1コーナーでついに#25を捕らえトップに浮上。
しかし、このトップも安泰とはならず、スタートで出遅れていたポールシッター#52吉田広樹(埼玉トヨペットGBマークX MC)が徐々に差を詰め、33周目に背後に迫る。ここで両者は相次いで1回目のルーティンのピットイン。#25は34周目に松井から佐藤公哉へ、#52は34周目に吉田から脇阪薫一へバトンタッチ。
42周目、全車がピットインを終えると、ピット作業で差を開いた#52脇坂と#25佐藤の差は10秒。すると、今度は先ほどとは逆に#25佐藤が#52脇坂との差を、50周目7.6秒、60周目4.0秒と確実に削り取っていく。
しかし、トップが70周目に入ったところで、GT500クラスの#38立川が100Rアウト側にクラッシュ。このタイミングでトップ#52脇坂、3位まで浮上してきた#61井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)が、セーフティカー(SC)が入るのを見越して早めのピットイン。すると、この作戦が当たり、その後すぐにSC導入のボードが出される。
SCラン解除直前73周目の順位は、#25佐藤-#2濱口弘(シンティアム・アップル・ロータス)-#88小暮卓史(マネパ ランボルギーニ GT3)-#18松浦孝亮(UPGARAGE NSX GT3)-#87高橋翼(T-DASHランボルギーニGT3)-#52吉田となっている。
レースは規定周回の半分をすぎた79周目にリスタート。直後からアクシデントが立て続けに発生する大荒れの展開となってきた。
Text:Kazuhisa SUEHIRO/ Shigeru KITAMICHI
激戦を制したのは#7佐藤蓮!
2019FIA-F4選手権第8戦の決勝が8月4日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、ポールポジションからスタートした#7佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)が今季5勝目を挙げた。しかしその道のりは決して順調なものではなかった。
第8戦決勝は午前8時より14周で行われた。この日の富士は朝から雲ひとつない快晴。真夏の猛暑の中での戦いは、長いストレートをもつこのコースならではの激しいドッグファイトの応酬となった。
スタートでトップに立ったのはポールの佐藤。しかし2コーナーの立ち上がりで予選2位の#60菅波冬悟(OTG DL F110)がはやくも佐藤に並びかけ、コカコーラコーナーでトップを奪い取った。予選3位の#98石坂瑞基(TOEI BJRacing F110)もダンロップコーナーで佐藤に挑み掛かるが、抜くには至らず、逆に4位を走行していた#24平木玲次(Media DoADVICS影山F110)に隙を突かれて後退することになってしまう。
更に平木は2周めのホームストレートで佐藤をも捉えて2位に浮上、4周目のホームストレートでは菅波をも抜き去ってトップに浮上した。平木は前日の第7戦で開始早々にリタイヤを喫したこともあり、タイヤのライフに余裕があった上、ウィングも思い切って寝かせる作戦に出ていたため、序盤のストレートスピードでは大きなアドバンテージを手にしていたのだ。
平木に続いて佐藤もダンロップコーナーで菅波を捉えて順位をひとつ挽回、そのまま平木を追い上げ、9周目の1コーナーで一旦はトップに立つが、平木はすかさずホームストレートで抜き返した。
それでも佐藤は13周目の最終コーナーで平木のスリップストリームに潜り込み、続く1コーナーでアウトから被せてトップを奪い返すと、そのまま追撃を振り切ってチェッカーを受け、昨日に続いて2連勝、今季通算5勝目を挙げてチャンピオン争いでも大きなリードを築き上げることに成功した。2位は平木。5月の第4戦富士以来自身2度目の表彰台獲得だ。3位には菅波が入った。
インディペンデントカップも今回は波乱が相次いだ。
予選トップの#30DRAGON(TEAM DRAGON F4)はエンジンカバーが脱落しかかるというまさかのトラブルに見舞われてオレンジディスクを提示され、大きく後退することに。続いてトップに立ったのは#86大阪八郎(COLLET F110)だったが、ファイナルラップのダンロップコーナーで2位の齋藤真紀雄(CS Marketing ES)と絡んでしまい、こちらも順位を落としてしまった。その結果、#3佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ)が第5戦鈴鹿に続いて今季2勝目を達成することになった。
次戦の舞台は九州のオートポリス。9月7-8日開催だ。
- 第8戦優勝 #7佐藤蓮(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
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楽な展開ではなかったです。タイヤ的にも前半は厳しいレースになると思いましたが、チャンスがあればどんどん行こうと思っていたのになかなか仕掛けることができませんでした。でも最後にチャンスがあって、抜ききれたことはすごく評価できるなと思います。展開にも恵まれましたが、勝てるクルマを用意してくれたチームにも感謝しています。後半戦になってシリーズ争いも佳境に入ってきましたが、最終戦の手前でチャンピオンを決めたいです。
- 第8戦決勝2位 平木玲次(Media Do Kageyama Racing)
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ちょっとスタートで出遅れてしまって下がってしまいましたが1周めでポジションを戻すことができました。そこからは序盤のペースが良くてトップに立つことができたんですけど、後半トップに出てからは1コーナーやBコーナーのブレーキングで苦しんでて、その隙に最後に抜かされてしまった感じです。ウィングが多分一番少ないんで、その分ストレートスピードが有利だったかなと思いますが、その代わりブレーキは厳しかったです。
- 第8戦決勝3位 #60菅波冬悟(OTG MOTOR SPORTS)
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昨日はスタートを失敗して、それが命取りだったんですが、今日はスタート成功してトップに立つことができました。1周目、2周目とちょっと差が開いたんで、自分のペースが良くて後ろガンバトルしてくれればそのまま逃げきれたと思うんですが、今日は自分のペースが上位の何人かと比べても負けていたので、そこが全てでした。
- 第8戦インディペンデントカップ優勝 #3佐藤セルゲイビッチ(FIELD MOTORSPORTS)
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練習と予選はなかなかタイムが上がらなかったので、決勝だけは安定して走ろうと思っていました。昨日も今日もスタートは調子よくて前に行ったんですが、今日は2号車を抜こうとブレーキングで仕掛けていったら外に出てしまって順位を落としてしまいましたが、結果的にはそれがクラッシュを避ける結果になってラッキーでした。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2019オートバックス スーパーGT第7戦「富士GT500マイルレース」の公式予選が8月3日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)が今季3度目のポールポジションを獲得。GT300クラスは#52脇阪薫一/吉田広樹組(埼玉トヨペットGBマークX MC)がチーム結成以来初めてのポールポジションを獲得した。
(天候:晴れ コース:ドライ)
公式予選は午後2時50分よりノックアウト方式で行われた。この日の富士は晴れ。終始ドライコンディションでの走行となった。
予選Q1
GT500クラスはフリー走行から好調なニッサンGT-R勢がここでも好調。4台中3台がQ2に進出を果たす。中でも先週ベルギーのスパ・フランコルシャンで行われた24時間耐久レースに参戦した#23松田次生(MOTUL AUTECH GT-R)は朝のフリー走行ではGT-3車両とGT500車両のブレーキフィールの違いに苦しんでいたが、この予選では見事に修正し、1'28.904を記録してトップでQ2に駒を進めた。フリー走行トップの#3CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rもフレデリック・マコヴィッキィが1'28.942とトップにコンマ04秒差で2位につけた。レクサス勢もルーキー#19坪井翔(WedsSport ADVAN LC500)の3位を筆頭に3台がQ2へ。ホンダNSX勢は#64牧野任祐(Modulo Epson NSX-GT)、#17ベルトラン・バゲット(KEIHIN NSX-GT)の2台がQ2に進んだ。
GT300クラスは、今シーズン予選で安定した速さを見せ、3連続PPのかかる#25佐藤公哉(HOPPY 86 MC)が1分39秒175をマークしたのを皮切りに攻防が始まった。その後、#4谷口信輝(グッドスマイル初音ミクAMG)と#360青木孝行(RUNUP RIVAUX GT-R)が相次いで1分37秒台をマークし、トップの座を交互に奪い合った。しかし、終了間際に#56平峰一貴(リアライズ日産自動車大学校 GT-R)が#360を僅かに上回る1分37秒521を叩き出して逆転。Q1を締めくくった。
この大会で2015年から4連勝を続けているARTAチーム、ポイントリーダーの#55高木真一(ARTA NSX GT3)は、15位でかろうじてQ2に駒を進めた。
予選Q2
GT500クラスはQ1で好調だった23号車と3号車が相変わらずの速さを見せ、#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)が1'28.519で第1戦岡山、第2戦富士に続く今季3度目のポールポジションを獲得。クインタレッリ自身にとっても1シーズンで3回は彼の長いスーパーGTキャリアの中で初の記録だ。#3平手晃平(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)も1'28.649と僅差の2位につけた。レクサス勢最上位は#19国本雄資(WedsSport ADVAN LC500)の3位。終わってみればトップ3の顔ぶれはQ1同じという結果になった。なお、このセッションはチェッカー直前に#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)が1コーナーを飛び出し、アウト側のガードレールに激しくぶつかるアクシデントが発生したことにより赤旗終了となっている。塚越は無事だったが、17号車のダメージは大きく、決勝への影響が心配される。
GT300クラスは、終了3分前、まず#61山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)が1分37秒652をマークして本格的なアタックが開始。すぐさま#25松井孝允(HOPPY 86 MC)が1分37秒394で逆転するが、ここで伏兵が登場。Q1ではトラブルを抱えギリギリ16位で通過した#52吉田広樹(埼玉トヨペットGBマークX MC)が、1分37秒320でトップに躍り出ると、次の周には1分37秒316とダメ押し。そのまま追いすがるライバルを振り切った。#52吉田はチームとともに初のポールポジション。#25は100分の8秒差で惜しくも3連続ポールポジションを逃すことになった。
この大会5連勝のかかる#55福住仁嶺(ARTA NSX GT3)は11位まで順位を上げたものの、決勝は苦しい戦いを強いられそうだ。
第5戦決勝は明日午後1時30分より177周(500マイル)で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO/ Shigeru KITAMICHI
Photo: Keiichiro TAKESHITA
FIA-F4選手権第7戦の決勝が8月3日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、#7佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)が今季4度目のポール・トゥ・ウィンを達成した。
第7戦決勝は午後1時45分より14周で行われた。天候は晴れ。猛暑の中での戦いとなった。
ポールポジションの佐藤は無難にスタートを決め、トップで1コーナーに飛び込む。その後方では予選2位の#60菅波冬悟(OTG DL F110)に予選3位の#37平良響(FTRSスカラシップF4)がアウトから襲いかかり、2位を奪い取った。
しかしその直後、予選5位からスタートした#24平木玲次(Media DoADVICS影山F110)が1コーナーのイン側にスピンして止まったため、ただちにセーフティーカーが導入されることになった。
車両回収ののちレースは4周目からリスタート。
トップの佐藤がうまく後続を引き離してトップで1コーナーに飛び込むと、その後方では1周目に菅波を抜いて3位に浮上していた#98石坂瑞基(TOEI BJRacing F110)が平良にアウトから並びかけ、コカコーラコーナー立ち上がりで2位に浮上する。
すかさず平良も5周目のコカコーラコーナーでインをつき、2位を奪い返す。この時にアウト側に押し出された格好になった石坂は菅波の先行をも許してしまい、4位に後退してしまった。
ここから先は平良、菅波、石坂による接近戦が展開され、10周目に入ると予選9位から着実に順位を上げてきていた#6太田格之進(SRS/コチラレーシング)もこの集団に追いついてきた。
4台の2位集団は接戦を繰り広げながらトップの佐藤との差を徐々に縮めていったが、13周目の1コーナーで8位を走行していた#63川合孝汰(DENSOルボ一セIPG F4)と9位の#36野中誠太(FTRSスカラシップF4)が接触するアクシデントが発生、野中のクルマがイン側のガードレールに激突してストップしたため、ここで赤旗が提示され、そのままレースは終了。佐藤が第4戦富士に続いて今季4勝目をものにした。
しかしレース終了後、5周目のコカコーラコーナーで石坂にコースアウトを強いたとして平良に40秒加算のペナルティが課せられることになり、菅波が2位、石坂が3位に繰り上がるという、なんとの後味の悪い結果となった。
インディペンデントカップは予選トップから着実に後続を引き離した#30DRAGON(TEAM DRAGON F4)が優勝。総合でも15位と健闘した。
第8戦決勝は明日朝8時より14周で行われる。
- 第7戦優勝 #7佐藤蓮佐藤蓮(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
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スタートが全てでした。セーフティーカー明けに2秒弱のマージンが築けて、それを最後まで守ってレースをしました。中盤以降もミスをしない範囲でフルプッシュしたんですけど、セクター3で後ろとの差がすごく詰まってる感じだったので、そこを改善できればと思います。
- 第7戦決勝2位 #60菅波冬悟(OTG MOTOR SPORTS)
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2番からのスタートなので最低でも2番、できれば優勝を狙ってスタートしましたが、失敗しました。平良選手、石坂選手とバトルになったのも想定外でした。あのバトルの間に佐藤選手にはスリップ圏外まで逃げられてしまいましたし。(平良選手のペナルティは)僕は特に「出るだろうな」とは思っていなかったので。シリーズポイントという点では良い話ですが、自力の2位じゃなくて繰り上がりなのはあんまり嬉しくありません。今考えてることは明日どうやって勝つかだけです。この結果はおまけみたいなもの。
- 第7戦決勝3位 #98石坂瑞基(TOEI BJRacing F110)
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スタートはそれなりによく、前と争えましたが、すぐにSCが入ってしまいました。リスタートで37号車をアウトから並んで抜くことができたのはよかったんですが、次の周のストレートでスリップに入られてしまって、1コーナーに並んで入る格好になり、コカコーラで抜かれてしまいました。その時にコースアウトしてしまって、ポジションを二つ落としたのが大きかったです。今回は繰り上がっての3位で、チェッカーは4位で受けているので納得はしていません。明日は3番手スタートなので、最初からトップに逃げられないようにして捕まえたいです。
- 第7戦インディペンデントカップ優勝 #30DRAGON(B-MAX ENGINEERING)
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スタートは普通にうまくいって、場所どりもよかったので、何台か抜くことができました。でも意識の中ではオーバーオールクラスの車両と絡まないことを最重要に考えていたので、無理をせず、若い子は前に出して同じクラスの2位との間隔を考えながら走りました。第8戦も今日と同じように最初から先行逃げ切りでバシッと決めて2連勝したいです。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
FIA-4選手権第7戦、第8戦の公式予選が8月3日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、#7佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)が2戦連続でポールポジションを獲得した。
公式予選は午前8時5分より30分間で行われた。この日の富士は曇りだったが、予選開始時点の気温は27.7度、路面温度34.1度と決して涼しいとは言えないコンディションでの走行となった。
コースオープンの時点では路面に石灰が撒かれた箇所があったため、Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクトの4台は最初の数分間はピットガレージで待機する作戦を採った。開始と同時に走り始めたドライバーたちも最初の3〜4周はペースを抑えて路面状況の回復を待ち、それからアタックを開始した。
序盤トップに立ったのは#24平木玲次(Media DoADVICS影山F110)で1'46.982。残り時間17分を切ったところで#37平良響(FTRSスカラシップF4)が1'46.804でこれを上回り、その4分後に佐藤が1'46.182でトップに立った。
佐藤はその後も1'46.116、1'46.038と順調にタイムを上げ、ベストタイム、セカンドベストタイム共に他を上回ってポールポジションを獲得。今季のPP獲得数を5とした。
予選2番手は#60菅波冬悟(OTG DL F110)。前日の専有走行でクラッシュを喫し、モノコックを交換することになったが、徹夜で修復したメカニックの苦労に報いるべく、懸命のアタックを繰り返してセカンドベストでも2番手につけた。
第7戦の予選3番手は#37平。最後のアタックではスープラコーナーで後輪をダートに落として失速という痛恨のミスを犯しながらも1'46.094と、トップとは0.06秒差の好タイムを記録。しかし結果的にこれがランオフエリア走行ということでタイム不採用となってしまった。それでも決勝でのペースには手応えを感じており、午後の決勝では接戦が期待できそうだ。
インディペンデントカップは#30DRAGON(TEAM DRAGON F4)がトップ。総合でも20番手に食い込む好タイムを記録している。
第7戦決勝はこのあと午後1時45分より14周で行われる。
- 第7戦、第8戦ポールポジション #7佐藤蓮(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
- 前日からあまり調子が良くなくて、予選も上位に入れればいいなくらいな感じでいました。思ったより気温が下がったのが幸いし、スリップの兼ね合いもあってうまくタイムを出せました。このあとどんどん気温が上がって、ウチとしては厳しい方向に行くと思うので、そこに向けてどうセットアップを煮詰めていけばいいかを考えて、勝てるように頑張ります。
- 第7戦、第8戦予選2位 #60菅波冬悟(OTG MOTOR SPORTS)
- セカンドタイムが出た周でスリップをうまく使えてなくて、その時にタイヤのピークが来てたんですけど、タイムを残さないのはもっとダメだと思ってそのままアタックしました。決勝はどうせスリップの使い合いになるので、3番からスタートできるのはいいのかなと思います。昨日モノコックを壊してしまって、メカさんが徹夜で交換してくれたので、いいレースをしないとなと思います。
- 第7戦予選3位 #37平良響(TOM'S SPILIT)
- 最後のアタックでものすごいミスをしちゃってのこのタイム、ということだったので、ポジティブに考えて決勝は(佐藤)蓮についていけるし、抜ければ蓮にガンガン来られるような遅さではないと思うので、ペースに自信を持って前に出るレースをしたいなと思います。
- 第8戦予選3位 #98石坂瑞基(Bionic Jack Racing)
- 昨日調子が良かったのでそんなに不安はなかったんですけど、できればスリップをうまく使えてればなと。ポールをとれなかったのは残念ですけど、単独走行でのタイムと考えれば悪くないなと。今年ずっと98号車でIKARI選手が参戦していましたが、PCCJとのダブルエントリーは大変だということで、僕が参戦することになりました。長く参戦しているカテゴリーだし、98号車は去年乗っていたので、ブランクを感じることなくスムーズに走り出せました。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
今シーズンからモトパークやカーリン・モータースポーツなどの海外チームが参戦して、より一層ハイレベルな戦いが繰り広げられている全日本F3選手権。
しかし先日行われた第10戦SUGOにおいて、その海外チームが投げかけた疑問が、関係者を困惑させる事態となっている。

トムスのリアウイング・キャンバープレート

モトパークのリアウイングキャンバープレート
ことの経緯はこうだ。
第10戦決勝が終わった時点でB-Maxレーシングwithモトパーク(以下、モトパーク)より、宮田莉朋のドライブする36号車が車両規則に違反しているのではないかという抗議が出された。その根拠として彼らが示したものがFIAの発行する「ホモロゲーションフォーム」なる書類だった。
しかしその時点では審査委員会やF3協会を含め、日本の関係者の誰一人としてその書類の存在を知らなかった。日本でのダラーラシャシーの輸入代理店であるルマン商会の担当者ですら把握していなかったという。
そこでF3協会からFIAの技術代表であるロバート・マース氏に「これは何だ」と問い合わせたところ、「ダラーラシャシーの大幅なアップデートがあった2017年に、ヨーロッパ選手権向けに発給したものだ」との回答があった。ヨーロピアンF3に参戦するすべてのチームに対して配布されているとのことだ。
そこには使用が義務付けられる公認パーツの一覧が記載されており、第10戦で問題となったリヤウィングのキャンバープレート(翼端板内側に取り付けられている、ウィング角度を調整するための部品)も含まれていた。
しかし、それまで全日本F3選手権の運用に用いられてきたFIA国際モータースポーツ競技規則附則J項275条(フォーミュラ3技術規定)やFIAテクニカルリストNo.11(F3で公認された構成部品)にはその記載はなかったため、トムスではこのパーツを自作して使用していた。ただしこの自作パーツはダラーラの純正品を忠実にコピーしたものであり、ウィング角度を調整するための穴の位置や数などは全く同じに作られている。調整幅を広げてより多くのダウンフォースを得るなどの機能は全くない。チーム側に違法パーツであるとの認識はこれまでなかったし、昨年このクルマで参戦したマカオGPにおいても、この件が問題になることはなかったという。
SUGOの大会審査委員会はこの件についてJAFに裁定を仰ぐこととした。F3協会からも、ヨーロッパ向けに発給された書類である旨をJAFには伝えたという。
同時に、F3協会としては今後も同様の事態が起きないよう、ホモロゲーションフォームを印刷して各チームに配布し、自己防衛を呼びかけた。
つまり、今まではFIA国際モータースポーツ競技規則附則J項275条とFIAテクニカルリストNo.11に基づいて運営を行ってきたが、今後はこのホモロゲーションフォームにも法っていないと失格になる可能性があるということ。
そして7月11日。JAFの回答を得てSUGOの審査委員会が裁定を下した。モトパークの抗議が受け入れられ、宮田莉朋は車両規則違反により失格に。F3協会の懸念は現実となった。
JAFとしては、このホモロゲーションフォームはFIA発行の公式なものであり、全日本選手権においても有効であると判断したようだ。
技術代表は「ヨーロッパ向け」と発言しているものの、書類自体に"Only for European Championship"などの記述がなく、しかもFIAの捺印と技術代表の署名がされている以上、これは附則J項同様に尊重されるべき規則であると解釈したと推測される。
今後、同選手権に参戦するチームはホモロゲーションフォームに記載されている公認パーツを使用して競技に臨まなければならないことが決定的となった。
「今後」についてはそれでやむを得ないのかもしれない。すでに次のモデルが発表されてしまった現在、ダラーラが現行車両のパーツをどれだけストックしているのか、そのうちのどれだけが日本へ供給可能なのか、残りわずか3大会となった今、チームにさらなる負担を強いることにどれほどの正義があるのかといった疑問はあるものの、裁定が出た以上は従わざるを得ない。
しかし宮田を失格とすることが適当であったのかは大いに疑問だ。すでにヨーロッパ選手権では2017年から運用されていたとはいえ、これまで全日本選手権では全く知られていなかった規則書である。レース終了時点で大会審査委員会ですら把握していなかったものを根拠に裁定を下すことはいわば法の遡及ではないのか。
ここは「今回は良しとするが、次回からは許されない」とすべきだったのではないだろうか。「ヨーロッパ選手権向けの規則書であり、本選手権においては無効である」という判断もできたのではないか。
この裁定を受け、富士大会では第12戦決勝が行われた14日午前9時30分より大会の技術委員がJAFの技術部会立ち会いのもとで参加車両すべてのチェックを行い、「問題なし」との結論を出したという。宮田もそのクルマで第12戦を戦い、3位という正式結果を得ている。モトパークからの抗議は出なかった。
なお、宮田は第11戦決勝においてもモトパークからの抗議により、車両規則違反で失格となっているが、これはフロントウィングの公認部品の一部に面取り加工をしていたことが違法と判定されたもので、今回の件とは全く別のものだ。本人がそう思ったかどうかは定かでないが。
ともあれ、残り3大会はコース上のみで決着がつくことを切に願う。将来を担う若者たちの研鑽の場に、政治的な争いごとは相応しくない。
次戦の舞台はスポーツランドSUGO。7月27-28日開催だ。
Text & Photo: Kazuhisa SUEHIRO
2019年全日本F3選手権第12戦の決勝が7月14日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、予選2番手からスタートした#11サッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3)が後続を大きく引き離して21周を走りきり、今季6勝目をものにした。
先に行われたスーパーフォーミュラ決勝が規定の95分いっぱいまで行われた影響で、F3第12戦決勝は当初予定より大きく遅れ、午後4時29分にスタートした。天候は雨。全車ウェットタイヤを装着しての走行となった。
昨日の第11戦決勝でリスタート違反という痛恨のミスを犯し、レースを台無しにしてしまったフェネストラズだったが、今回はきっちりスタートを決め、ポールの#36宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F317)を押さえ込んでトップで1コーナーを駆け抜けていった。
懸命に追う宮田だったが、周回を重ねるにつれて激しさを増す雨のため、思うようにペースを上げることができず、トップとの差は5周を終えた時点で4.352秒。15周を消化した時点では14.799秒にまで広がってしまった。
そればかりか、宮田は予選5位から追い上げてきた#65エナム・アーメド(B-Max Racing with motopark F3)に追い上げられ、16周目の最終コーナーでインに飛び込まれてしまう。立ち上がりで並び返し、続く1コーナーでの順位挽回を目論む宮田だったが、アーメドは17周目のコカコーラコーナーで宮田を押さえ込んで2位に浮上した。
トップのフェネストラズはその後も後続を上回るハイペースで着実にリードを広げ、最後は19.706秒もの大差をつけてフィニッシュ。第6戦岡山以来の今季6勝目を達成。2位はチームメイトのアーメド。昨日トップでフィニッシュしながら失格となった宮田が3位でチェッカーを受けた。
次戦の舞台は今季2度目のスポーツランドSUGO。2週間後の7月27-28日開催だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2019年全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の決勝が7月14日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、ポールポジションからスタートした#64アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING SF19)がそのまま逃げ切り、デビュー4レース目で見事初優勝を達成した。
(天候:雨 コース:ウェット 観客動員数:予選日10,200人/決勝日15,300人/観客総動員数25,500人)

第4戦決勝は雨のため午後1時45分にセーフティーカーの先導でスタート、4周目から追い越し可能となった。
ポールシッターのパロウは序盤から着実にリードを広げていき、20周を終えた時点で2位の#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)に対して11.415秒の大差をつける。
その後は坪井もペースを上げ、26周終了時点で7.591秒差にまで接近するが、パロウは30周目から再びペースを上げ、38周目にはその差を11.074秒とした。
更に坪井の後方には予選3位の#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)、予選5位の#37ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)が接近してきたが、関口は43周目に給油を行なったために後退を余儀なくされ、キャシディも坪井の懸命の抵抗にあって最後まで攻め落とすことができなかった。
レースはその後、パロウが53周目に入ったところで最大時間の95分に達したため、規定周回の55周を待たずしてチェッカーフラッグが振られ、パロウのスーパーフォーミュラ初優勝が確定した。
ナカジマレーシングのトップフォーミュラ優勝は2010年のフォーミュラニッポン第1戦鈴鹿以来。名称がスーパーフォーミュラとなってからは初めての優勝だ。またスペイン人の優勝は1997年のペドロ・デ・ラ・ロサ以来となる。
スーパーフォーミュラ第5戦の舞台は栃木県のツインリンクもてぎ。8月18日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本スーパーフォーミュラ選手権を運営する日本レースプロモーション(JRP)は7月14日、第4戦が開催されている富士スピードウェイにおいて、トヨタのルマン24時間レース2連覇と、先日のF1オーストリアGPにおけるホンダF1優勝を記念したトークショーを開催した。
このトークショーに参加したのはトヨタTS-050をドライブし、2018年、2019年のルマン優勝に貢献するとともに、世界耐久選手権(WEC)の2018-2019シーズンにおいて年間チャンピオンを獲得した中嶋一貴選手と、日本人初のフルタイムF1ドライバーとしてホンダとともに戦った中嶋悟氏。ともに現在の心境と今後の展望を語った。
- 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)のコメント
- ルマンの連覇に関しては、今まで色々ありましたが、自分たちがやるべきことをやりきった結果だと思います。ツキがない時もありましたし、2年続けて勝てることもあるのかなという感じです。ルマンのレース自体も長いのでレース中にもいろんなことがありますし、長くレースをやってると、年ごとにいろんなことがあるなと感じますね。
チャンピオン獲得の実感はあまりないんですけど、2015年からフル参戦した時からタイトルは意識していたので、ちょっと時間かかったなとは思います。結果を出せたことで来年からはリラックスして戦っていけると思います。今回はスーパーシーズンということで、特に長いシーズンでもあったので、終わってホッとしています。シリーズの表彰には紋付では行きませんし、タキシードも着ません。黒スーツに黒ネクタイくらいで。略式で行こうと思います。
- 中嶋悟(TCS NAKAJIMA RACINGチーム監督)のコメント
- チャンピオンというのは僕の夢でもあったので、彼(中嶋一貴)のことはすごく嬉しいし、おめでとうと言いたいです。トヨタの最初のルマン挑戦の時に僕がトヨタのCカーで出た頃はとても優勝するどころじゃなかったので。
ホンダのF1優勝は本当にお待たせしましたって感じです。今年からレッドブルと組むことになって、クルマとエンジンのマッチングもよくなって、開幕から表彰台にも上がっていたので、本当にお待たせしましたという感じですね。もちろん日本グランプリでも勝ってほしいし、今後はF1の表彰台に日本人の誰かが上がってほしいと思います。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦、2回目のフリー走行が静岡県の富士スピードウェイで行われ、#37ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)がトップタイム。ポールポジションの#64アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING SF19)は2番手につけた。
フリー走行2回目は午前8時40分より30分間で行われた。
決勝日の富士は朝から小雨が降り続いており、路面はウェットだが、水量はそれほど多くないようで、各ドライバー1分41秒〜44秒と昨日の予選とそれほど差のないペースで周回を重ねていた。
序盤にトップに立ったのは#36中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)で1'41.931。昨日トラブルでQ3を走れなかった#65牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が1'42.293で2位につける。
しかし終盤に入って#37キャシディがペースを上げ、1'41.394でトップに浮上。さらに#64パロウも1'41.805で2位に上がってきた。3位はルーキーの#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)で1'41.815。坪井はこのタイムを出した2周後にセクター3でスピンを喫したが、すぐにコースに復帰しており、決勝への影響はない模様。昨日トラブルに見舞われてタイムアタックができず、最後尾スタートとなった#15パトリシオ・オワード(TEAM MUGEN SF19)は1'43.497がベストで17位に終わっている。
第4戦決勝は今日の午後1時45分より55周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
TCRジャパンサンデーシリーズ第3戦の公式予選が7月14日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、#5金丸悠(Honda CIVIC TCR)が初のポールポジションを獲得した。
サンデーシリーズの公式予選は小雨の降りしきる中、午前8時10分より20分間で行われた。
各ドライバーが2分5秒台のタイムでアタックを続ける中、残り時間7分で#25松本武士(Volkswagen Golf GTI TCR)が2'04.695を叩き出してトップに浮上。松本は残り時間3分余りで早々とピットに引き上げた。
ところがセッション終盤。前日のサタデーシリーズの決勝で最後尾グリッドから見事な逆転優勝をやってのけた金丸がジワジワとタイムを上げ、残り時間3分で2'04.788で2位に浮上すると、チェッカーフラッグが出された直後のアタックで2'04.650を叩き出し、見事ポールポジションを奪い取ってみせた。2位は松本。3位には#18マシュー・ホーソン(Honda CIVIC TCR)が入った。
また、ジェントルマンクラスは#33前嶋秀司(ALFA ROMEO GIULIETTA TCR)が2'05.446と総合でも5位に相当するタイムでトップだった。
第3戦決勝はこのあと午前11時55分より23分+1周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2019年全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の公式予選が7月13日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、#64アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING SF19)がデビュー4戦目で初のポールポジションを獲得した。
公式予選は午後2時45分よりノックアウト方式で行われた。開始前から雨が降り始めたため、路面はウェット。Q1、Q2、Q3いずれのセッションも各車ウェットタイヤ での走行となった。
予選Q1
予定通りコースオープンとなったQ1だったが、開始早々に#15パトリシオ・オワード(TEAM MUGEN SF19)がセクター3でスピンアウト。そのままエンジンをストールさせてしまったため、計測が始まる前に赤旗中断となってしまった。このほかダンロップコーナー手前では#4国本雄資(ORIENTALBIO KONDO SF19)がカラスと接触するハプニングもあり、マーシャルがコース清掃をする事態にもなった。このため、予選Q1は改めて午後3時より20分間で行われることになった。
再開後すぐにトップに立ったのは参戦2年目の#5福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M5Y SF19)でタイムは1'36.868。その後天候が悪化してタイム更新が難しくなったため、福住はそのままトップでQ2進出を果たした。2番手には#64パロウが続き、#38石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)が3番手。その一方で#3山下健太(ORIENTALBIO KONDO SF19)、#4国本のコンドーレーシング勢、#50ルーカス・アウアー(Red Bull SF19)、#51ハリソン・ニューウェイ(GOLDEX TAIROKU RACING SF19)のB-MAX with motopark勢は揃ってQ1敗退という結果になった。
予選Q2
Q1の時間延長を受け、Q2は午後3時30分より7分間で行われることに。ここでは#38石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)、#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)らのベテラン勢が速さをみせ、関口が1'37.791でトップタイム。石浦が1'37.924で2位に続いたほか、最後の最後に#8大嶋和也(UOMO SUNOCO SF19)が1'38.882を叩き出して8位に食い込み、見事Q3進出を果たしてみせた。しかしその結果、第3戦優勝の#1山本尚貴(DOCOMO DANDELION M1S SF19)が9位に押し出され、ここで予選を終えることになった。
予選Q3
Q3は午後3時47分から7分間の走行に。路面コンディションは更に悪化し、1分40秒を切るのがやっとという状況に。最初に39秒台のタイムを記録したのは関口で1'39.311。しかしその直後にパロウが1'39.167叩き出してトップに浮上。デビュー4戦目で待望のポールポジションを獲得した。更に#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)も1'39.252で2位に食い込み、フロントローを二人のルーキーが占めるという結果となった。
一方、もう一人のルーキー#65牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)はQ3開始早々にメカニカルトラブルのためホームストレート上にストップするという不運に見舞われ、満足なアタックもできないまま8位で明日の決勝をスタートすることになった。
第4戦決勝は明日午後1時45分より55周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2019年全日本F3選手権第11戦の決勝が7月13日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、ポールポジションからスタートした#36宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F317)が今季4勝目を挙げた。
第11戦決勝は午後1時45分より15周で行われた。スタート進行が始まる直前からコース上には小雨が降り始めたが、全車スリックタイヤを選択してスタートに臨むことになった。
スタートではフロントローの2台がコカコーラコーナーまで並走する激しいバトルを展開、宮田がかろうじて#11サッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3)を抑えてトップで100Rを立ち上がったが、その後方で#13三浦愛(ThreeBond F314)と#30DRAGON(TEAM DRAGON F3)が2コーナー立ち上がりで接触、三浦がアウト側のウォールに突っ込んで止まったため、2周目から早くもセーフティーカーが導入されることになった。
13号車を回収したのち、5周目からレースは再開された。
するとすかさずフェネストラズと#12大津弘樹(ThreeBond F318)がトップの宮田に挑み掛かり、フェネストラズがトップに浮上。大津は1コーナーをオーバーランしてしまい、#65エナム・アーメド(B-Max Racing with motopark F3)の後ろ、4位で2コーナーを立ち上がった。
その後はフェネストラズが快調に宮田との差を広げていったが、リスタートの際にスタートラインの手前で宮田の前に出ていた、ということでドライブスルーペナルティの裁定が下り、フェネストラズは13周目にピットインを余儀なくされた。
これで再びトップに立った宮田はそのまま15周を走りきったが、レース後の車検で36号車に車両規定違反が発覚、宮田は第10戦SUGOに続いて失格となってしまう。
その結果、優勝は2番手でフィニッシュしたアーメドのものとなり、大津が2位、#2大湯都史樹(TODA FIGHTEX)が3位に繰り上がった。アーメドは14周目に1'39.137のファステストラップも記録している。
第12戦決勝は明日の午後4時5分より21周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
TCRジャパンサタデーシリーズ第3戦の公式予選が7月13日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、#21篠原拓朗(Audi RS 3 LMS)が今季2度目のポールポジションを獲得した。
公式予選は午前10時20分より20分間で行われた。途中コース上に障害物が落ちていたということで赤旗中断が一度あったものの、大きなクラッシュなどもなく順調にセッションは進行した。
前回のSUGOでポールポジションを獲得している篠原はここでも好調ぶりを見せ、最初のアタックでいきなり1'48.377を記録。午後の決勝をポールからスタートすることになった。
ジェントルマンクラストップは#33前嶋秀司(ALFA ROMEO GIULIETTA TCR)。終了間際まで懸命のアタックを続けて1'48.434を記録。オーバーオールのポールまでわずか0.057秒差にまで迫り、見事フロントロースタートをものにした。
オーバーオールの3位は#52密山祥吾(Volkswagen Golf GTI TCR)。ジェントルマンクラス2位には#23YOSHIKI(Audi RS 3 LMS)がつけた。
サタデーシリーズ第3戦決勝はこのあと午後4時10分より23分+1周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦のフリー走行が7月13日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、#37ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)が従来のコースレコードを上回る1'22.569を記録してトップタイム。ダニエル・ティクトゥムに代わって今回から参戦の#15パトリシオ・オワード(TEAM MUGEN SF19)は1'23.057を記録し、ホンダ勢最速の8位につけた。
フリー走行は午前9時5分より60分間で行われた。当初雨が心配されたものの、終始ドライコンディションでの走行となった。途中スープラコーナー立ち上がりで#4国本雄資(ORIENTALBIO KONDO SF19)がスピンしたことにより赤旗中断があったものの、それ以外は大きなアクシデントもなく順調に進行した。
開幕戦を制したキャシディは今回も好調で、序盤から1'22.868を記録してトップに立つ。終盤に入って#3山下健太(ORIENTALBIO KONDO SF19)が1'22.730を記録してトップに立ったが、キャシディはその直後に1'22.569を叩き出し、再びトップの座を奪い返した。
このタイムはアンドレ・ロッテラーが2014年の第2戦で記録した1'22.572のコースレコードを上回るもの。公式予選での大幅なタイム更新が大いに期待できそうだ。2位には#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)が割って入り、山下は3位でフリー走行を終えた。
また、開幕から15号車をドライブしていたダニエル・ティクトゥムが突如レッドブルのスカラシップから外されたことに伴い、今回から参戦することが決まったオワードは昨年のインディライツチャンピオン。今シーズンはインディカーシリーズに参戦しながら、先日のFIA-F2オーストリア大会にも参戦したレッドブル期待の若手。前日の専有走行では最下位に終わったものの、このセッションでは一時3位に食い込む速さを見せ、ホンダ勢最速の8位につけた。
第4戦の公式予選はこのあと午後2時45分よりノックアウト方式で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本F3選手権第11戦、第12戦の公式予選が7月13日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、#36宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F317)が前回SUGO大会に続いて4戦連続のポールポジションを獲得した。

公式予選は午前8時25分より30分間で行われた。上空を厚い雲が覆い尽くしていたものの、雨が降ることはなく、終始ドライコンディションでの走行となった。
前日の専有走行では#11サッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3)が午前中トップ。午後は#12大津弘樹(ThreeBond F318)がトップタイムを記録していたが、この予選では最初のアタックから宮田が1'34.409、1'34.181、1'34.024と順調にタイムを縮めて序盤からトップに立った。
フェネストラズは2セット目のタイヤを投入した直後に1'33.850を記録して一時トップに立ったものの、宮田はすぐに1'33.540を叩き出してトップを奪い返し、チェッカー提示直後には1'33.504までタイムを縮めてベスト、セカンドベスト共にトップとなり、第11戦、第12戦ともにポールポジションからスタートすることになった。2位はフェネストラズ、3位には#37小高一斗(カローラ中京Kuo TOM'S F317)がつけた。
なお、今回は久保田克昭、山口大陸の両名が欠場しているため、マスタークラスは#30DRAGON(TEAM DRAGON F3)のみが出走している。
第11戦決勝はこのあと午後1時45分より15周で、第12戦決勝は明日午後4時5分より21周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2019全日本F3選手権第7戦の決勝が6月9日、岡山国際サーキットで行われ、予選2位からスタートした#36宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F317)が今季2勝目を挙げた。
第6戦決勝は午前10時より18周で行われた。この日の天候も昨日に続いて晴れ。絶好のレース日和のもとでの戦いとなった。
スタートではポールシッターの#11サッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3)がやや出遅れた格好になり、イン側から好発進を決めた宮田がトップで1コーナーに飛び込む。その後方では今回スポット参戦の#37阪口晴南(カローラ中京Kuo TOM'S F317)がヘアピン進入で#8片山義章(YTB by Carlin)を抜いて3位でコントロールラインに戻ってきた。
トップ2台は序盤から1分22秒台のハイペースで飛ばし、互いにファステストラップを更新し合う展開になる。3周目に宮田が1'22.798を記録すると、5周目にはフェネストラズが1'22.586を記録。その後も1分22秒台で周回を重ねる宮田だったが、5周目に1'22.742を記録するにとどまり、ファステストラップの1ポイントはフェネストラズのものに。
レースはその後、13周目の1コーナーで#12大津弘樹(ThreeBond F318)がクラッシュしたためにセーフティーカーが導入されることになり、18周目のファイナルラップでようやく追い越しが可能となったが、宮田は最後までトップを守りきり、第2戦鈴鹿以来の今季2勝目を挙げた。2位はフェネストラズ、今回限りのスポット参戦となった阪口が3位で表彰台を獲得した。
マスタークラスは#5久保田克昭(Planex・スマカメF3)が昨日に続いてジャンプスタートでドライビングスルーペナルティを課せられる一方で、予選トップの#28山口大陸(タイロクレーシング28号)が最後までトップを守りきって優勝している。
全日本F3選手権の第8戦決勝はこのあと午後2時15分より18周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Hiroyuki MINAMI
2019全日本F3選手権第6戦の決勝が6月8日、岡山国際サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#11サッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3)が後続を大きく引き離し、第3戦オートポリス以来の4連勝を達成した。
決勝レースは午後2時25分より25周で行われた。スタートでトップに立ったのは予選5位の#65エナム・アーメド(B-Max Racing with motopark F3)。しかしこれは誰の目にも明らかなジャンプスタートによるもので、競技団は直ちにアーメドに対しドライブスルーペナルティーを科すことに。これにより3周目にトップに立った#11フェネストラズは、そこから一気に後続を突き放しにかかった。
2位は予選2位の#8片山義章(YTB by Carlin)。予選3位の#36宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F317)が僅差で続くが、ここは抜きどころの少ない岡山。この決勝にニュータイヤを投入した宮田をもってしてもオーバーテイクのチャンスはなかなか訪れなかったため、レースが10周を過ぎたあたりから宮田は着実にファステストラップを獲得してフェネストラズのフルポイントを阻止する作戦に頭を切り替えた。
そして18周め。宮田は1'23.449を叩き出し、フェネストラズの1'23.468を上回ることに成功する。すかさずフェネストラズも20周目に1'23.406を記録するが、宮田は24周目に1'23.295を記録、見事ファステストラップの1ポイントを獲得してみせた。
しかし2位争いは最後まで片山が宮田の追撃を退け、自身初の総合2位を獲得している。
一方、ファステストラップ獲得はならなかったものの、レースはフェネストラズが13.858の大差をつけて優勝。第8戦のポールポジションを手にした。
マスタークラスは#30DRAGON(TEAM DRAGON F3)が#28山口大陸(タイロクレーシング28号)の追撃を僅差でしのいで優勝をものにしている。
全日本F3は明日午前10時より第7戦決勝、午後2時15分より第8戦決勝をいずれも18州で行う。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本F3選手権第6戦、第7戦の公式予選が6月8日、岡山国際サーキットで行われ、#11サッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3)がベスト、セカンドベストともにトップで2戦連続でポールポジションを獲得した。
公式予選は午前9時25分より30分間で行われた。前回のオートポリス大会に続いてここ岡山でも3レース制が採用されているため、この予選セッションで第6戦、第7戦のスターティンググリッドが決まり、第8戦については第6戦決勝の順位がそのままグリッド順となる。これに従い、使用できるドライタイヤも3セットまで許されることになっている。
この日の岡山は晴れ。終始ドライコンディションでの走行となった。上位陣の何名かが3セットのスリックタイヤをこの予選に投入、最初のアタックでは#36宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F317)が1'22.680でトップに立ったが、2セット目のアタックで#11フェネストラズが1'22.270を叩き出すと、3セット目では1'22.431を記録して、ベスト、セカンドベスト共にトップタイムとなった。
2番手にはここをホームコースとする#8片山義章(YTB by Carlin)が1'22.564で続き全日本F3で初のフロントローを獲得した。しかしセカンドベストでは#36宮田が1'22.657と片山の1'22.660をわずかに上回って2位につけた。宮田はこの予選をタイヤ2セットで戦っており、最後の1セットを第6戦決勝に投入する作戦を採った。
また、今回小高一斗に代わって急遽37号車をドライブすることとなった#37阪口晴南(カローラ中京Kuo TOM'S F317)はベスト1'22.852で6位、セカンドベストは1'22.862で4位となっている。
第6戦決勝はこのあと午後2時40分より25周で。第7戦決勝は明日の朝10時より18州で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2019オートバックススーパーGT第3戦「鈴鹿GT300kmレース」の決勝が5月26日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#36中嶋一貴/関口雄飛組(au TOM'S LC500)が今季初優勝。予選2位の#37平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S LC500)が2位に入り、予選に続いてトムス勢が1-2という結果になった。GT500クラスは#96新田守男/阪口晴南組(K-tunes RC F GT3)が開幕戦岡山に続いて今季2勝目を挙げている。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選21,000人/決勝36,000人/大会総入場者数57,000人)
第3戦決勝は午後2時30分より52周で行われた。開幕戦岡山、第2戦富士と雨に祟られた今年のスーパーGTだが、今回は予選決勝を通じて晴天に恵まれ、スタート時の気温は29℃、路面温度42℃という暑さの中での戦いとなった。
スタートでトップに立ったのはポールの36号車。スタートドライバーの中嶋は序盤から後続を引き離そうと試みたが、2位の37号車はそれを許さず、両者は2周目以降は2秒前後の間隔を保って周回を重ねていく。
すると17周目。10位前後を走行していた#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)の右フロントタイヤが130Rでバースト。23号車はコースを外れフロントからタイヤバリアに突っ込んでしまう。これにより18周目からセーフティーカーが導入され、23周目に入ったところでようやくリスタートとなった。
トップの36号車はこれに合わせて23周終わりでピットイン。3位の#6山下健太(WAKO'S 4CR LC500)もこの周でピットに飛び込み、2位の37号車は次の24周目にピット作業を行なった。その結果25周目の1コーナーで#37ニック・キャシディ(KeePer TOM'S LC500)は#36関口雄飛(au TOM'S LC500)、#6大嶋和也(WAKO'S 4CR LC500)に相次いで抜かれ、一時は3位に後退するが、30周目のシケインで大嶋のインを差して2位を奪いかえす。
キャシディは32周目の130Rでオーバーランを喫し、再び大嶋の先行を許したものの、49周目の2コーナーで6号車が周回遅れに詰まったところを見逃さず2位に再浮上して見せた。
こうした後続の争いをよそに関口は終盤一気にリードを広げ、最後は2位に8.071秒もの大差をつけてフィニッシュ。今季初優勝を手にした。2位は#37平川/キャシディ組、3位に#6大嶋/山下組が入り、トムスが予選に続いて1-2フィニッシュを達成するとともに、レクサスLC500が表彰台を独占するという結果になった。
GT300クラスはポールポジションの#25松井孝允/佐藤公哉組(HOPPY 86 MC)がタイヤ無交換作戦を選択し、一時は12秒以上のリードを築き上げたが、タイヤの消耗が進んだ終盤に一気に失速、42周目のデグナーで#96阪口晴南(K-tunes RC F GT3)が大外から#25松井孝允(HOPPY 86 MC)をかわしてトップに立ち、開幕戦岡山に続いて今季2勝目を挙げた。
松井はその後もファイナルラップのシケインで#5坂口夏月(ADVICSマッハ車検MC86マッハ号)と#61井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)らに相次いでかわされ、最終的に5位でレースを終えた。
次戦の舞台はタイのチャン・インターナショナルサーキット。6月30日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
スーパーGTを運営するGTアソシエイション(GTA)は5月26日、第3戦の行われている三重県の鈴鹿サーキットで定例会見を開催、坂東正明代表が鈴鹿10Hへの協力体制や11月に予定されているDTMとの特別交流戦の進捗状況について語った。
- ホンダNSXの参加条件について
- 以前の会見で、第1戦、第2戦の結果を踏まえてバラストの搭載位置を見直す可能性があると言ったが、今のところ重量は29kgで変更はなく、搭載位置もフロントハブセンターより前ということで条件は変えていない。
- 鈴鹿10Hへの協力体制について
- 昨年から車検機材やテクニカルな部分における人員の派遣、GT300クラスのエントラントの参加などで協力しているが、今年はタイトルスポンサーであるBHオークションとの連携も進めている。将来的にはこのレースをスーパーGTのシリーズ戦に組み込み、GT300クラスのエントラントに選手権ポイントを与えたいと考えている。これについてはSROとも話し合い、ブランパンアジアシリーズやインターコンチと我々のGT300で統一戦のような形を取れればとも思っている。チームの負担軽減やブランパンシリーズを主催するSROとの話し合いなど、条件が整えば実現していきたい。GT300クラスとGT500クラスを分けた大会があってもいいのではないかと考えている 。見ていただいているお客さんにとってプラスになるのであれば、そうした取り組みもありなのではないだろうか。
- DTMとの特別交流戦について
- 現在タイムスケジュールやサポートイベントをどうするか調整中だ。まだリリースを出せる状況にはない。メインレースについては基本的には向こう(DTM))の通常のレースフォーマットに準じたものになるが、それ以外のイベントやサポートレースについては国内で決めたいと考えている。もしサポートレースでGT300のレースをやるとなれば、早めにチームに連絡を取らないといけないので、今月とか来月には詳しいことを決めないといけない。
- 来シーズンのGT500クラスについて
- レクサスくま吉くんの今後については上野動物園で引き取ってくれるのかどうか。本人があまり喋ってくれないのでインタビューも難しいと思うが、スープラに変わることでレクサスからガズーに変わるとか、そういった面についてはメーカーの広報に確認していただきたい。我々としては新しいスープラのホイールベースや車高などがレギュレーションに合致したものになるか、空力の部分をどこまで許容するか、などをDTMの車両とも合わせて調整しないとと考えている。しかしスープラに変わることがマニファクチャラーのマーケティングにとってプラスになるのであれば、歓迎したいと思う。2020年からの新規定については、共通パーツを国産化することでコストや納期をどうやって向こうの水準に合わせるかが課題。8月末には3メーカー全部揃ってのお披露目をしたいと考えている。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
2019オートバックス スーパーGT第3戦「鈴鹿GT300kmレース」の公式予選が5月25日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、#36中嶋一貴/関口雄飛組(au TOM'S LC500)がGT500クラスのポールポジションを獲得。GT300クラスは#25松井孝允/佐藤公哉組(HOPPY 86 MC)がポールだった。
公式予選は午後2時40分よりノックアウト方式で行われた。気温28.2℃、路面温度48.2℃と今シーズン一番の暑さの中での走行となった。
予選Q1
GT500クラスは残り時間が8分余りになってようやく各車のコースインが始まるというお馴染みの展開。公式練習では下位に沈んだホンダNSX勢が相次いで上位タイムを叩き出し、終わってみれば5台中4台がQ2進出を果たすという結果に。トップタイムは#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)の1'45.916。#6山下健太(WAKO'S 4CR LC500)が2位で続いた。一方で第2戦優勝の#38石浦宏明(ZENT CERUMO LC500)は14位に終わっている。
GT300クラスは残り時間3分42秒で#9峰尾恭輔(PACIFIC MIRAI AKARI NAC PORSCHE)がヘアピンでスピンアウトしたために赤旗中断に。再開後はQ2進出を巡って激しいアタック合戦が展開され、#88小暮卓史(マネパ ランボルギーニ GT3)が16位とギリギリで生き残ることに。トップタイムは#5坂口夏月(ADVICSマッハ車検MC86マッハ号)で1'57.827。#25佐藤公哉(HOPPY 86 MC)が2位、#2加藤寛規(シンティアム・アップル・ロータス)が3位ととマザーシャシー勢がトップ3を占めた。
予選Q2
GT500クラスはチェッカー寸前に激しいアタック合戦が展開され、最後の最後に#36関口雄飛(au TOM'S LC500)が1'45.775を叩き出してトップに。2位には#37平川亮(KeePer TOM'S LC500)が続き、トムスがフロントローを独占する結果となった。3位には#8伊沢拓也(ARTA NSX-GT)がつけている。
GT300クラスは1'57.008を記録した#25松井孝允(HOPPY 86 MC)が今季初ポール。つちやエンジニアリングは今回、決勝重視のセッティングを持ち込んだというが、予選での感触も上々だったようだ。2位には#96阪口晴南(K-tunes RC F GT3)が続き、Q1トップの#5平木湧也(ADVICSマッハ車検MC86マッハ号)が3位とここでも速さを見せつけている。
第3戦決勝は明日午後2時30分より52周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
FIA-F4選手権第5戦の決勝レースが5月25日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#6太田格之進(SRS/コチラレーシング)が危なげない走りで11周を走りきり、今季初優勝を挙げた。
第5戦決勝は午後1時45分より11周で行われた。気温は30℃を超え、路面温度は53℃に達する中での戦いとなった。
開幕戦岡山大会から予選での速さをなかなか結果に結びつけられなかった太田だが、この日はスタートから安定したペースで後続を引き離し、最後は2位に1.87秒差をつけてFIA-F4初優勝をものにした。
その後方では予選3位の#37平良響(FTRSスカラシップF4)がスタートで2位に浮上したが、6周目の1コーナーでアウトから並びかけてきた#7佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)と接触、その後は5位に後退してレースを終えた。この2台のバトルの間隙を縫って予選4位の#5三宅淳詞(HFDP/SRS/コチラレーシング)が2位に浮上したものの、8周目のシケイン進入で佐藤が三宅のインに飛び込み、2位を奪い返してそのままフィニッシュ。終わってみればHondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクトのドライバー3人が表彰台を独占する結果となった。
インディペンデントクラスはスタートから着実に順位を上げてきた#3佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ)が嬉しい初優勝を手にしている。
第6戦決勝は明日朝8時15分より、同じく11周で行われる。

- 第5戦優勝 #6太田格之進(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
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これまでチャンスは何回もあったんですけど。今日はグリッドにちゃんと止まれたんでよかったです(笑)昨日から一回も一番を譲ってないんで、明日もこのまま行って優勝で終わりたいです。GTが走った後で、予選とは路面コンディションが結構違ってて、それに合わすのが難しかったです。チームの地元の鈴鹿で優勝できたのは本当に嬉しかったですし、チームで表彰台独占できたのは最高ですから、明日も継続していけるように頑張ります。
- 第5戦決勝2位 #7佐藤蓮(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
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(平良選手と)ぶつかった衝撃でまだ手が震えているんですけど。今回の敗因はスタートを失敗しちゃったことです。あそこで行かれちゃったことでこういうレースになっちゃったんで、明日はスタートをきっちり決めていきたいです。最低限2位を取り返したことは良かったんですけど、やっぱり悔しいですね。明日は再び優勝できるように頑張ります。
- 第5戦決勝3位 #5三宅淳詞(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
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岡山に続いて運が良くて表彰台取れたって感じなんですけど。一回2位に上がりましたが、僕のペースが良くなくて厳しかったです。予選から西コースが速くないのはわかっているので、ロガーを見直してチームのアドバイザーにも聞いて対策したいです。明日は3番スタートなので。今日もスタートが決まって抜けそうだったんで、明日もスタートを決めて一番上に上がりたいです。
- 第5戦インディペンデントカップ優勝 #3佐藤セルゲイビッチ(FIELD MOTORSPORTS)
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結構スタートで決まったかなという感じです。スタートで2台抜いて前に行って、次のシケインで植田選手をブレーキングでギリギリで抜いて、そのあとは渡辺選手とのバトルがずっと続きました。信頼関係のある中でかなりギリギリのバトルができたんで、かなり楽しかったですね。最初はFIA-F4に慣れていないところがあったんですけど、かなり理解が進んできました。まだまだ熟成を進めていきたいです。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
スーパーGTを運営するGTアソシエイション(GTA)と、レーシングカーやクラシックカーのオークションを主催する株式会社BHJ/BHオークションは5月25日、スーパーGT第3戦が開催されている三重県の鈴鹿サーキットで共同会見を行い、今後レーシングカーやパーツのオークションを軸とした新たな事業展開に向けたオフィシャルパートナーシップを締結したことを発表した。
今シーズンは最終戦のツインリンクもてぎ大会と、11月開催予定のDTMとの特別交流戦(富士スピードウェイ)において過去のJGTCやスーパーGTマシンを対象としたオークションを開催する。
BHJではこのほかオートバイの鈴鹿8時間耐久レースや鈴鹿サウンド・オブ・エンジンでも同様のオークションの開催が予定されており、将来的にはこうしたオークションでレーシングカーを購入したオーナーを対象に「スーパーGTクラシックレース」と銘打ったヒストリックカーレースの開催を目指す。
今年11月の「鈴鹿サウンド・オブ・エンジン2019」ではそのプレイベントとして過去のスーパーGTマシンによるデモンストレーションランを実現するべく、現在モビリティランドと協議を進めているという。
欧米ではクラシック・ルマンやグッドウッド・リバイバルのようなヒストリックカーレースが盛り上がりをみせており、日本に眠る多くのレーシングカーにもこうした活躍の場が与えられれば、その売却益やメンテナンス料がスーパーGTに参戦するエントラントやチーム、自動車メーカーにもたらされることになり、今後のレース運営資金を安全かつ効率的に獲得する新たな収益構造が構築されることにもつながる。
会見にはGTAの坂東正明代表とBHJの武井真司CEO、そしてモビリティランドの山下晋社長が出席。それぞれの立場で国内モータースポーツ界の振興と発展に寄与する新たなビジネスへの期待と意気込みを語った。
Text & Photo: Kazuhisa SUEHIRO
2019スーパーGT第3戦「鈴鹿GT300kmレース」の公式練習が5月25日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、GT500クラスは#36中嶋一貴/関口雄飛組(au TOM'S LC500)、GT300クラスは#61井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT)がそれぞれトップタイムを記録した。
第1戦、第2戦と悪天候に祟られた今シーズンのスーパーGTだが、第3戦の公式予選日は朝から快晴。最高気温30度以上が予想される気候のもとで公式練習と予選が行われることになった。
午前8時50分からの公式練習は途中、#60吉本大樹(SYNTIUM LMcorsa RC F GT3)が最終コーナーでスピンアウトしたことによる赤旗中断があったものの、それ以外には大きなアクシデントもなく順調に進行した。
GT500クラスは序盤#12佐々木大樹/ジェームス・ロシター組(カルソニックIMPUL GT-R)が1'47.901でトップに立ったが、終盤の専有走行で関口雄飛が1'47.245を叩き出し、36号車がトップで午後の公式予選に臨むことになった。2位には#24高星明誠/ヤン・マーデンボロー組(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)が続き、3位には49kgと今回もっとも重いウェイトハンデを背負った#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)がつけた。第2戦富士を制した#38立川祐路/石浦宏明組(ZENT CERUMO LC500)も43kgのハンデを負いながら5番手につけている。
一方、ホンダ勢はそろって下位に沈み、#1山本尚貴/ジェンソン・バトン組(RAYBRIG NSX-GT)の10位が最上位という苦しい滑り出しとなった。第1戦優勝の#8野尻智紀/伊沢拓也組(ARTA NSX-GT)は13位だった。
GT300クラスは#61井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORTが1'58.245でトップタイム。2位には#88小暮卓史/元嶋佑弥組(マネパ ランボルギーニ GT3)が続き#4谷口信輝/片岡龍也組(グッドスマイル 初音ミクAMG)が3位だった。
第3戦の公式予選はこのあと午後2時40分よりノックアウト方式で行われる。
Text: Kazuisa SUEHIRO
Photo: keiichiro TAKESHITA
FIA-F4選手権第5戦、第6戦の公式予選が5月25日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、#6太田格之進(SRS/コチラレーシング)が2戦連続でポールポジションを獲得した。
公式予選は午前8時05分より30分間で行われた。この日の鈴鹿は朝から好天に恵まれ、気温、路面温度ともにどんどん上昇しており、タイヤやエンジンへの影響も心配される状況となった。このため残り時間10分余りで早々に走行を切り上げてしまうドライバーが相次ぐ結果に。
また前日の専有走行から上位陣のタイムは拮抗しており、僅かなミスの有無、スリップストリームをうまく使えたかどうかなどが順位に大きく影響した模様。
そうした中、昨日の走行でも午前午後ともにトップタイムを記録した太田がここでも好調ぶりを見せ、ベストタイム2'07.575、セカンドベスト2'07.657でいずれもトップとなり、2戦連続でのポールポジションを獲得した。太田のポール獲得は第2戦岡山以来だ。
今季4戦中3勝を挙げてポイントリーダーに立っている#7佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)はベスト、セカンドともに2位に終わったが、そのタイム差はごく僅かで、決勝での巻き返しが大いに期待できそうだ。
3番手には第5戦で#37平良響(FTRSスカラシップF4)、第6戦では#5三宅淳詞(HFDP/SRS/コチラレーシング)が続いた。
第5戦決勝は今日の午後1時45分より、第6戦決勝は明日の朝8時15分より、いずれも11周で行われる。
- 第5戦、第6戦ポールポジション #6太田格之進(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
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昨日から調子は良くて、練習からずっとトップだったので、うまいことやればポール取れるのはわかっていたんですけど。やっぱりチームメイトとのタイム差が全然ないので、うまくスリップを使えたなっていうのが正直な感想です。単独で走っても7秒6は出てるので、クルマを仕上げてくれたメカニックには感謝しています。昨日から6周目とか7周目でタイムが出きってしまって、それ以上は上がらない状態だったので、走り続けても無駄かな?と思って早めに走行を切り上げました。今まで勝てるチャンスが何度かあったんですけど、取りこぼしてる部分が多かったんですが、今週末は勝てるペースもあるし、自分自身も落ち着いているので、今日と明日はしっかりポールからスタートを決めて勝ちたいと思います。
- 第5戦、第6戦予選2位 #7佐藤蓮(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
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やられました。前日からタイム差はほとんどないことがわかっていたんで、あとはスリップをうまく使った方が前に行くと思っていました。それでうまく前のクルマのスリップを使われてしまって、「これはタイムが出ちゃうな」と思っていました。自分は一人で走っていたので、できる限りの事をやって最低限の結果、両方セカンドポジションで終わったのは良かったかなと思います。決勝はとりあえずスタートで前に出れたらいいなと思っていて。出たら出たで逃げ切れると思いますし、抜けなかったら抜けなかったで状況を見てオーバーテイクを狙っていこうと思います。
- 第5戦予選3位 平良響(TOM'S SPILIT)
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8秒1が出た周でベストベストベストで来ていたんですけど、最後のシケインでミスをしてしまいました。あそこだけでコンマ7は遅いんです。あのままミスなく行っていたら1、2番は行けたのにと思います。ただいずれにせよセカンドタイムが出せていなかったので、今回の反省点はシケインで行きすぎたことと、セカンドが出せなかったことで、それは次のレースに生かしていきたいです。最後の最後にもワンチャンスあると思ってアタックに行ったんですが、前の誰かに引っかかってしまいました。それは勿体無かったと思いますが、それまでにピシッとタイムを出しておく戦略だったので、それがうまくいかなかったのが敗因です。
- 第6戦予選3位 #5三宅淳詞(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
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昨日からチームメイトの二人になかなかタイムが届いていなくて、正直いきなり速くなったりすることはないので、予選では二人の次に続こうかなと思っていたんですけど、ファーストタイムが4番で、セカンドタイムが3番になりました。セカンドタイムは良かったんですけど、ファーストタイムは僕もミスをしていたので、あれがなければ3位か1位も行けたと思います。レースでミスをしたら抜かれるので、決勝ではミスをしないようにしたいです。1コーナーからデグナーまでリズムよくいかないとタイムは出ないんですが、SRSで走りこんでるコースですし、言い訳は聞かないので、しっかり合わせ込んでいきたいです。決勝ではスタートで順位を上げて、そのまま前にくっついてチャンスを伺っていきたいと思います。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI
2019年全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦の決勝が5月19日、大分県のオートポリスで行われた。優勝は#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)。なんと予選16位からの大逆転勝利だった。
(天候:曇り コース:ドライ 観客動員数:土曜日2,450人/日曜日3,700人/大会総入場者数6,150人)
第2戦決勝はスタート前から荒れていた。統一規則書第27条7項を巡り、赤旗原因となった4人のドライバーがノータイムという裁定が競技団から出されたためだ。そのため、本来なら決勝スタートの1時間30分前までに発表されなければならない(統一規則第29条3項)はずのスターティンググリッドが午後1時24分に漸く出されるというあり得ない状況になった。。
レースは午後2時にスタート。心配された雨は上がり、ドライコンディションでの戦いとなった。
ここでソフトタイヤを選択したのがポールの#4国本雄資(ORIENTALBIO KONDO SF19)と2番手スタートの#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)、#17塚越広大(REAL SF19)、#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)、#65牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)、そして関口の6名。レースがスタートすると1周目に#38石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)、#3山下健太(ORIENTALBIO KONDO SF19)、#1山本尚貴(DOCOMO DANDELION M1S SF19)、#8大嶋和也(UOMO SUNOCO SF19)がピットインしてミディアムタイヤからソフトに変更。この一連の動きがレース展開を大きく左右することになった。
スタートでトップに立ったのは国本。2位に坪井、3位に#5福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M5Y SF19)が続くが、2周目の第3コーナーで#15ダニエル・ティクトゥム(TEAM MUGEN SF19)がスピンしたために早くもセーフティーカーが導入されることになり、タイヤ交換組のビハインドが一気に帳消しとなってしまったうえ、2位の坪井、3位の福住をはじめとする9台が2周目にピットに入ったため1周目にピットインしたドライバーたちは上位に浮上することに成功する。
また坪井、塚越以外のソフトタイヤ勢はステイアウト。コースにとどまりリスタート後にリードを広げる作戦をとった。
これにより3周終了時点でソフトタイヤスタートの関口は2位に浮上、3位に牧野がつけ、1周目でピットインした石浦も4位に浮上、以下5位に坪井、6位に山下、7位大嶋、8位に山本という状況になった。
レースは8周目にリスタート。13周目に関口が1コーナーで国本をアウトから抜いてトップに立ち、そこから一気にペースを上げて後続を突き放しにかかる。牧野も25周目に国本を捉え、2位に浮上した。
その後方では山本が次第に順位を上げ、23周目に石浦を抜き去ってタイヤ交換組の最上位に浮上したが、関口は山本を1周あたり2秒近く上回るハイペースでギャップを広げ、40周目にピットイン、見事山本の前でコースに復帰すると、50周目に牧野がタイヤ交換を行なったことで再びトップに浮上した。
その後も関口は山本を全く寄せ付けない走りで54周を走りきり、今季初勝利をものにする。2位は山本。3位には大嶋が入った。
ポールの国本は牧野と同じ50周目までピットインを引き延ばしたが、中盤に順位を落としたことが響き、結局16位でレースを終えている。
次戦の舞台はスポーツランドSUGO。6月23日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
TCRジャパンサンデーシリーズ第1戦の決勝が5月19日、大分県のオートポリスで行われ、予選3位からスタートした#5金丸ユウ(Honda CIVIC TCR)が2周目にトップに立ち、国内レース初優勝をものにした。

第1戦決勝は12時25分より23分+1周で行われた。朝から降り続いていた雨も収まり、コース上はほぼハーフウェットの状態。通常のスタンディングスタートでの戦いとなった。
1コーナーにトップで飛び込んだのはポールシッターの#21篠原拓朗(Audi RS3 LMS)。予選3位の金丸が#18マシュー・ホーソン(Honda CIVIC TCR)をかわして2位に浮上し、篠原を追う。
ところが2周目に入ったところで篠原は2速から3速にシフトアップできないトラブルに見舞われてピットイン、そのままリタイヤとなった。
これでトップに繰り上がった金丸は後続を徐々に引き離し、最後は2位に2.852秒のリードを保ってフィニッシュ。サンデーシリーズ開幕戦を勝利で飾った。これまで海外のカートやフォーミュラカーで戦ってきた金丸。昨年の全日本F3選手権では未勝利に終わっており、これが国内レース初優勝となる。
2位ホーソンの背後には#25松本武士(Volkswagen Golf GTI TCR)や#52密山祥吾(Volkswagen Golf GTI TCR)が迫ってきたが、ホーソンは最後まで2位の座を守りきり、松本が3位表彰台を獲得した。
ジェントルマンクラスは#62塩谷烈州(Honda CIVIC TCR)が#19ヒロボン(Volkswagen Golf GTI TCR)や#72ユーク・タニグチ(Honda CIVIC TCR)らとの接戦を制して優勝、総合順位でも5位に食い込んでみせた。
TCRジャパンシリーズはこのあと、6月22-23日にサタデーシリーズ、サンデーシリーズの第2戦を行う。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI
2019年全日本F3選手権第4戦の決勝が5月19日、大分県のオートポリスで行われた。第3戦に続いて今回も雨のレースとなり、スタートを含めて3回のセーフティーカーが導入される荒れた展開となったが、ポールポジションからスタートした#11サッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3)が最後まで#2大湯都史樹(TODA FIGHTEX)の追撃を退け、今季3勝目を挙げた。
第4戦決勝は午前10時5分にセーフティーカー(SC)の先導で始まり、4周目から追い越しが可能となった。フェネストラズは背後に迫る大湯を巧みに牽制して1コーナーへ。3位には#65エナム・アーメド(B-Max Racing with motopark F3)が続く。しかし5周目に入ったところでマスタークラスの#5久保田克昭(Planex・スマカメF3)が1コーナーでアウト側の縁石に乗り上げて立ち往生、再びSCが導入されることに。
レースは8周目にリスタートとなったが、その直後の最終コーナーで#28山口大陸(タイロクレーシング28号)と#30DRAGON(TEAM DRAGON F3)が接触するアクシデントが発生、3度目のSCランとなってしまう。またこれによりマスタークラスは参加した3台全てがリタイヤとなった。
SCは12周目にピットイン。13周目にリスタートとなったが、ここで規定時間の35分に達したため、レースはこの周をもって終了。最後まで大湯を押さえ込んだフェネストラズが第3戦に続いて連勝、今季通算3勝目を獲得。2位に大湯、3位にはアーメドがつけ、第2戦優勝の#36宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F317)が8位と第3戦に続いてノーポイントに終わったため、アーメドがランキング2位に浮上した。
第5戦決勝はこのあと午後4時15分より21周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2019年全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦の公式予選が5月19日、大分県のオートポリスで行われた。3度の赤旗中断が入る荒れた展開の中、早めにタイムを出しに行った#4国本雄資(ORIENTALBIO KONDO SF19)の読みが当たり、2017年以来のポールポジションを獲得した。
18日に予定されていた公式予選は雨のためキャンセルとなり、当初フリー走行を実施する予定だった19日朝に順延となった。しかしこの日のオートポリスも強い雨と風に晒され、20人のドライバーは厳しいコンディションの中での走行を強いられた。
開始時刻は8時45分。しかし始まって10分もしないうちに#1山本尚貴(DOCOMO DANDELION M1S SF19)が第2ヘアピン手前でコースを飛び出し、タイヤバリアに前から突っ込んでしまう。続いて#7アーテム・マルケロフ(UOMO SUNOCO SF19)も同じ場所でコースオフし、こちらはリヤ周りに大きなダメージを負ってしまった。これによりポストからは最初の赤旗が提示された。
予選は終了時刻を9時30分に延長して9時12分に一旦再開したが、すぐに#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)が第3コーナーで飛び出してしまい、2度目の赤旗中断に。20号車の回収を待って9時21分に再びコースオープンとなったものの、直後に#51ハリソン・ニューウェイ(GOLDEX TAIROKU RACING SF19)が最終コーナーで飛び出したため、3度目の赤旗が出され、結局この時点の順位を以って予選終了が
競技団から宣言された。結局このわずかな時間の合間に押さえのタイムを出した選手が上位に連なる結果となった。
トップタイムを記録したのは#4国本。コンドーレーシングのピットは出口から数えて2番目に位置していたため、いち早くコースインすることでクリアラップを得ることに成功。最初の1、2周で記録したタイムがそのまま予選順位に採用されることになった。2位にはルーキーの#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)が続いた。坪井も予選が荒れることを予想して早めのアタックを心がけたというが、最初の赤旗中断の際に記録されたタイムが不採用となったことを悔やむ。3位には#5福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がつけた。
第2戦決勝は午後2時より54周の予定だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum