2020全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦の公式予選が10月18日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、今大会から参戦した#50セルジオ・セッテ・カマラ(Buzz Racing SF19)がいきなりポールポジションを獲得。ファンや関係者を大いに驚かせた。
公式予選は午前10時20分よりノックアウト方式で行われた。天候は晴れ、路面はドライだ。予選開始時の気温は16℃、路面温度は22℃で、路面温度はハーフウェットで走行した昨日のフリー走行より10℃近く上昇している。
予選Q1
Q1は今回もA組、B組に分かれて走行を行った。
A組は#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)、#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)、#4サッシャ・フェネストラズ(ORIENTALBIO KONDO SF19)、#1ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)、#5山本尚貴(DOCOMO DANDELION M5S SF19)、#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)、#7小林可夢偉(KCMG Elyse SF19)、#64牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)、#12塚越広大(ThreeBond Drago CORSE SF19)の9名が出走。
まずは#12塚越が3周目に1'07.898を記録。4周目には1'05.504とタイムを更新してきた。
この間他のドライバーは慎重にタイヤに熱を入れながら走っていたが、残り時間が3分を切ったところから一斉にアタックを開始した。
まず#19関口が1'05.540で2位に浮上すると、その直後に#16野尻が1'05.039と塚越を上回ってきた。
さらにその直後、#1キャシディが1'04.613でトップに浮上し、#39坪井が1'04.859で2位に続く。#16野尻も1'04.956とタイムを更新して3位。#5山本は1'05.063で4位につけた。
以下#4フェネストラズ、#19関口、#64牧野の7名がQ2進出を果たし、#12塚越と#7小林がここでノックアウトされた。
B組は#36中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)、#3山下健太(ORIENTALBIO KONDO SF19)、#6福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)、#18国本雄資(KCMG Elyse SF19)、#14大嶋和也(ROOKIE Racing PONOS SF19)、#15笹原右京(TEAM MUGEN SF19)、#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)、#38石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)、#65大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)、そして新型コロナウィルスの影響で参戦の遅れていた#50セルジオ・セッテ・カマラの10名が出走。午前10時40分より10分間の走行を行なった。
最初にコースインしたのは#50セッテ・カマラ。まずはユーズドタイヤでピットアウトしてそのままピットへ。改めてニュータイヤに履き替えて再び走り出す。
他のドライバーは残り時間が7分を切ったあたりで続々とコースイン、アウトラップ、ウォームアップラップに続いてタイムアタックに突入する。
まずは#65大湯が1'04.908を記録すると、#20平川が1'04.364とそれを上回る。さらに#36中嶋も1'04.591で2位に。#15笹原も1'04.868で3位に上がってきた。
ところが残り時間20秒で#65大湯がSPアウトコーナーを飛び出し、前からバリアに突っ込んでしまったために赤旗中断となってしまった。
この時点で大湯は4番手につけていたが、赤旗の原因を作ったことでタイム抹消となってしまい、Q2出走の権利を失ってしまう。クルマのダメージを考えると決勝への出走も危ぶまれる状況だ。
65号車の回収とコースの修復ののち、B組の予選Q1は午前11時04分より再開された。規定により残り時間3分だ。
コースオープンと同時に#35中嶋と#3山下、そしてクラッシュした#65大湯を除く7台が一斉にコースイン、最後のアタックに取り掛かる。中断の間に気温は20℃、路面温度は25℃まで上昇。更なるタイムアップが望めそうなコンディションとなってはいたものの、ここでタイムを更新するドライバーはおらず、中断前の順位のままQ1は終了した。
ここでノックアウトされたのは#6福住、#14大嶋、そして#65大湯の3名だ。#50セッテ・カマラはタイム上は8位だったが、大湯のタイム抹消を受けて繰り上げでQ2進出を果たした。
予選Q2
B組の走行で赤旗中断があった影響で、Q2は当初予定より17分遅れて午前11時17分に走行開始。7分間の走行で上位8台がQ3出走の権利を得る。
ここでも入念なウォームアップ走行ののち、残り時間が3分を切ったところでタイムアタック合戦が始まった。
ところがハイポイントコーナーの立ち上がりで19関口がオーバーラン。ここが黄旗区間となってしまった。残り時間は1分を切っている。
まずは#5山本が1'04.988を記録。続いて#64牧野が1'05.209、#20平川は1'06.843、そして#15笹原が1'04.678、#4フェネストラズ1'04.621、#50セッテ・カマラも1'04.631を叩き出した。
この大接戦を制したのは#16野尻。1'04.565でトップタイムを記録した。2位は1'04.611を記録した#20平川。3位#4フェネストラズ、4位に#50カマラが続き、以下#15笹原、#1キャシディ、#36中嶋、そして#3山下がQ3進出を果たした。
オーバーランを喫した#19関口は9位。タイムは1'04.975で8位の山下にわずか0.091秒及ばなかった。昨年1'03.953のコースレコードを記録した山本も10位でまさかのQ2落ち。前回優勝の#39坪井も13位で予選を終えている。
予選Q3
上位8台でポールポジションを争うQ3は午前11時34分より7分間で行われた。
まずは#16野尻が1'04.424、続いて#4フェネストラズが1'04.235を記録。
3連続ポールの期待がかかる#20平川は他のドライバーたちより少し遅れて残り時間5分でコースイン。1'04.288でトップに躍り出た。残り時間はあとわずかだ。
しかしその直後、なんと#50セッテ・カマラが1'04.235を叩き出し、来日初戦でいきなりポールポジションをもぎ取ってみせた。FIA-F2で何度も好成績を残しているとはいえ、スーパーフォーミュラでは充分なテストもできていない、まさにぶっつけ本番での快挙だ。
この結果#20平川は0.053秒遅れの2位となってしまい、連続ポールポジション記録は2で途絶えた。3位には#4フェネストラズ、#1キャシディが4位につけた。
第3戦決勝は今日の午後1時55分より53周で行われる。果たして#50カマラのデビューウィンはあるのか、要注目だ。
Text: Kazuhisa SUEHIROPhoto: Motorsports Forum
Hiroyuki MINAMI