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SF:第1戦もてぎ公式予選 コースレコード続出の熱い戦いを制したのは#20平川

2020全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦の公式予選が8月29日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)が1'31.083のコースレコードを記録して開幕戦のポールポジションを獲得した。

今大会はワンデー開催となったため、公式予選は日曜の朝、10時5分にスタート。予選Q1はスーパーGTと同様にA、B二つの組に分かれて行われた。開始時の天候は晴れで、気温は34℃、路面温度は42℃だったが、セッションが進むにつれて上空を雲が覆い始め、路面温度は2℃以上低下することになった。

予選Q1
A組は9台が出走し、上位7台がQ2進出の権利を得る。まずは#5山本尚貴(DOCOMO DANDELION M5S SF19)が真っ先にユーズドタイヤでコースイン、1周目ですぐにピットへ戻ってきた。他のドライバーも同様にタイム計測を行わずに相次いでピットインしてくる。この行動にはコースやクルマのチェックはもちろんあっただろうが、1周を走って一度ブレーキに熱を入れることでガレージ待機中もタイヤを加熱し続けることができるようだ。

本格的なアタックが始まったのは残り時間が5分を切ったところから。最初にピットアウトしたのは今季チームを移籍した#18国本雄資(KCMG Elyse SF19)。他のドライバーも相次いでピットを離れ、最後に#5山本が残り時間4分30秒でピットを離れた。

気温、路面温度ともに高いこともあり、全てのドライバーがアウトラップ、ウォームアップ1周に続いてすぐにタイムアタックに入った。

この組でトップに立ったのは#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)で1'31.877。最後にアタックした#5山本が1'31.895で続き、#3山下健太(ORIENTALBIO KONDO SF19)が1'32.011で3位。ルーキーの#65大湯 都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)は1'32.025で見事Q2進出を果たしたが、#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)と#50名取鉄平(Buzz Racing SF19)が惜しくもQ1敗退となった。

名取は当初参戦を予定していたセルジオ・セッテ・カマラとシャルル・ミレッシが新型コロナウィルスの影響で欠場となったために急遽参戦が決まり、今週末はスーパーフォーミュラ・ライツとのダブルエントリーとなったホンダ勢期待の若手の一人だが、その強行軍の影響もあってかこのセッション最下位に終わっている。

B組は10台が参加し、3台が脱落する。A組の走行開始時よりも幾分路面温度が下がった影響からか、1分31秒台の好タイムが相次ぐ接戦となった。B組もA組同様にピットアウトしてすぐにピットイン、という作戦を皆がとり、本格的なタイムアタックは残り時間が5分を切ったところから始まった。

ここでトップタイムを記録したのは#6福住 仁嶺(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)で1'31.440。これは昨年の第5戦でアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が1記録した1'31.442のコースレコードを上回るものだ。

2位には#20平川が1'31.461で続き、昨年度全日本F3王者の#4サッシャ・フェネストラズ(ORIENTALBIO KONDO SF19)が1'31.577で3位につける。昨年に続いて参戦を予定していたユーリ・ヴィップスに代わって参戦することになった#15笹原 右京(TEAM MUGEN SF19)も1'32.043で7位につけ、Q2進出を果たしている。

ここでQ1敗退となったのは#64牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)、#14大嶋和也(ROOKIE Racing PONOS SF19)、そして1997年のサーラ・カヴァナ以来の女性ドライバーとして今季フル参戦する#12タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE SF19)の3人となった。

予選Q2
Q2は午前10時45分より7分間の走行。ここで上位8台がQ3へ進出する。

ここでもアウトラップ、ウォームアップ1周ののち3周めに1発だけのタイムアタックという流れになり、まずは#4フェネストラズが1'31.281とコースレコードを更新してみせるが、その直後に#20平川が1'31.093という圧倒的な速さをみせてトップに。3位にはフェネストラズのチームメイト、#3山下が1'31.534で続いた。

一方、Q1のB組トップだった#6福住は1'31.706とQ1でのタイムを上回れずに9位、A組トップの#39坪井は1'31.870とベストタイムを更新したが12位に終わり、Q2敗退。他に#18国本、#1ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)、そして#15笹原、#5山本もここで予選を終えた。

その結果、ホンダ勢ではQ3に参加するのは#65大湯ただ一人だけということになった。

予選Q3
Q3は午前11時2分より7分間の走行。ここでも#20平川の速さは一歩抜きん出ており、1'31.083とさらにタイムを縮めてトップに。#4フェネストラズは少しタイムを落として1'31.396で2位。3位には#3山下が1731.535で続いた。

唯一のホンダ勢となった#65大湯は1'31.537で4位につけ、デビュー戦を2列目からスタートすることになった。

第1戦決勝は同日午後2時15分スタート。35周または70分のスプリントでタイヤ交換義務なしと、通常とは異なるレースフォーマットで行われる。

ポールシッターのコメント
#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)
クルマの方は自信ありましたし、昨年の予選でパロウに負けた悔しさを一年間ずっと持っていたので、それをどうやったら良くなるか、シーズンオフのテストでずっと色々やってきました。それがこうして実ったのですごくチームに感謝しています。
(骨折した)シーズンオフは痛くてシートベルトも閉められないほどでしたが、開幕が遅れたことで怪我も治ってよかった。もしかしたら今肩に入っているプレートがスタビリティになったかもしれませんね?
予選が僕の目標だったので、まずは安心しました。午後も集中してやっていく。暑くてタイヤがたれると思うので。しっかりマネジメントしてやっていきます。」
Text:Kazuhisa Suehiro


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