2020全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の公式予選が11月15日、大分県のオートポリスで行われ、#16野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)がポールポジションを獲得したほか、トップ3をホンダエンジンユーザーが独占する結果となった。
公式予選は当初の予定より5分遅れの午前10時20分よりノックアウト方式で行われた。開始時点の気温は21℃、路面温度は25℃とこの時期としては暖かい気候だ。
予選Q1
Q1は今回もABの2グループに分かれて行われたが、いずれのグループでも終盤に赤旗中断となる荒れた展開となった。
Aグループは全車がタイムアタックを開始し、残り時間が14秒となったところで今回小林可夢偉に代わって参戦の#7中山雄一(KCMG Elyse SF19)がクラッシュ。場所は今回からネーミングライツで「さゆりんブリッジ」と名付けられた22番ポストの先だ。
これによりコース上のドライバーはアタックの中断を強いられたが、これに助けられる形になったのが#50松下信治(Buzz Racing SF19)だ。松下はピットアウト直後にストールしてしまい、一旦ガレージに戻されてしまっており、この時点でまだ1周もタイム計測がされていなかったのだ。
この時点でトップに立っていたのは#6福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)で1'25.152。2番手に#64牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が1'25.619で続き、#38石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)が1'25.725で3番手。
車両回収ののち、走行は午前10時40分に残り時間3分として再開され、熾烈なタイムアタック合戦が始まった。
ここでトップタイムを記録したのは#1ニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)で1'24.907。#6福住は走行に加わらなかったが2位でQ2進出を果たし、#64牧野も中断前のタイムで3位に踏みとどまった。出遅れていた#50松下も1'25.908の7位でQ2進出を果たすことができた。
一方ノックアウトされたのは開幕戦以来の参戦となった#12タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE SF19)と#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)だった。
午前10時53分から始まったBグループのQ1も残り40秒で赤旗中断となったが、原因を作ったのはなんとポイントリーダーの#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)だった。平川がクラッシュした場所も#7中山と同じ「さゆりんブリッジ」下の右コーナーだった。これでチームインパルは2台揃ってQ1落ちという結果に。
またこの時点で#65大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が1'25.423を記録していたが、大湯がコントロールラインを通過する直前にポストから赤旗が出ていたとしてこのタイムは無効となり、1'25.590を記録していた#5山本尚貴(DOCOMO DANDELION M5S SF19)が暫定トップとなった。
Bグループの走行再開は午前11時15分。残り時間はAグループと同じく3分だ。暫定トップだった#5山本はここで1'24.693までタイムを上げてそのままトップでQ1を突破。最初のタイムを抹消された#65大湯も1'24.836で2番手通過を果たし、#18国本雄資(KCMG Elyse SF19)が1'24.960で3番手。
ここで脱落したのは#14大嶋和也(ROOKIE Racing PONOS SF19)と、今回から参戦の#51シャルル・ミレッシ(Goldex Racing SF19)だった。
予選Q2
Q2は午前11時28分より従来より3分長い10分間で行われた。これは11月12日にJAFから出された公示によるもので、今大会以降のすべてのレースで適用される。11月、12月の低い気温や路面温度を考慮し、タイヤに充分な熱を入れることが目的だったが、今回は路面温度が25℃に達していたため、Q2ではこれを利用せずにアウトラップ直後にタイムアタックを始めるドライバーが続出することになった。
そのため残り時間6分を切るあたりからようやく各車のコースインが始まり、残り2分30秒で#18国本と#39坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)がピットアウトしてようやく全車が揃うという展開となった。
ここでトップタイムを叩き出したのは第2戦岡山に続いて中嶋一貴の代役を務める#36宮田莉朋(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)で1'24.544。宮田がアタックを終えた直後に#5山本も同じ1'24.544を記録して2番手。3番手には#6福住がつづく。6番手の#16野尻と7番手の#50松下も1'24.762と同タイムを記録してQ3に駒を進めた。
予選Q3
Q3は午前11時48分開始。Q2と同じく10分間の走行となったが、開始時点の路面温度が28℃に達したこともあり、フロントタイヤのウォームアップのために早めにコースインした#16野尻以外は残り時間が5分15秒を切って漸く走り始める展開となり、全車が計測1周目から全開アタックを敢行した。
ここでトップに立ったのが序盤にフロントタイヤの熱入れを行った野尻で1'24.140。野尻に続いてタイムを記録した#5山本は1'24.257。これを#6福住が上回って1'24.155で2番手に浮上。上位3台がいずれもホンダエンジン勢という結果となった。
トヨタエンジン勢トップは4番手の#39坪井で1'24.686。
一方、前年王者の#1キャシディは残り2分でピットアウトしようとしたところで痛恨のストール。これでコースインが遅れてしまい、最初のコントロールラインを通過する直前にチェッカーを出されてノータイムという残念な結果に終わっている。
第4戦決勝はこのあと午後2時40分より41周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIROPhoto: Motorsports Forum
Hiroyuki MINAMI