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TCRジャパンシリーズ

第3戦もてぎレース6決勝 ポールスタートの加藤正将をじっくりと攻めたチェ・ジョンウォンが優勝

優勝したチェジョンウォンと2位の加藤正将

 TCRジャパン第3戦レース6決勝は10月19日(土)、モビリティリゾートもてぎで行われ、フロントロウからスタートのチェ・ジョンウォン(KMSA MOTORSPORT N)が、オープニングラップからポールシッターの加藤正将(KMSA MOTORSPORT N)の背後につけてプレッシャーをかけ続け、9周目の第1コーナーで満を持してオーバーテイク、追いすがる加藤を振り切り優勝を飾った。

 23分プラス1周で行われるレース6決勝は午後1時50分フォーメーションラップ開始、気温は26度まで上昇し蒸し暑いほどだ。路面はドライコンディション。予選4番手だったキム・ソンヒョン(KMSA MOTORSPORT N)は予選中に発生したミッショントラブルの対処が終わらずグリッドにつくことができず3台でレースが開始。

 3台はスムーズに発進し、ポールシッターの加藤を先頭にチェ、志賀卓弥(Audi Team Mars)の順に第1コーナーをクリアする。

 スタート直後からチェは加藤の背後につけて3コーナー~4コーナーとテール・ツー・ノーズ状態で通過。そこからも1車長の間合いで加藤を追走。オープニングラップは0.219秒差でコントロールラインを通過する。少しでも長く前の2台についていきたいと話していた志賀だが早くも5.287秒の差がつき、早くも一騎打ちの様相に。

 2周目に加藤は2分1秒497とこのレースのファステストラップとなるタイムを出してチェとの差を0.479秒とすると、そのままチェを上回るペースで周回を続け、4周目には0.649秒までギャップを拡大する。志賀はこの2台から20秒以上遅れて単独走行。

 しかしここからチェの反撃が始まり、5周目には0.455秒差、7周目には0.250秒差までギャップを削り取る。2台は再びテール・ツー・ノーズ状態となり、ライトを点灯したチェが加藤にゆさぶりをかける。後はチェがどこで仕掛けるかに注目が集まる中、0.187秒差で8周目を終了、テール・ツー・ノーズ状態で第1コーナーへアプローチすると、インから加藤に襲い掛かり一気に前に出る。加藤も踏ん張りクロスラインで第2コーナーのインを取るが、チェはそこからの加速でバトルを制し、オーバーテイクを完了。トップの座を奪い取った。加藤はコーナーごとに再逆転のチャンスを狙うがチェは隙を見せない。

 この直後、 単独走行を続けていた志賀が第1コーナーをまっすぐ飛び出してスポンジバリアにクラッシュ。サンドトラップでかなり減速されてダメージは僅かなようだが志賀はここでリタイヤ。レース後に状況を聞いたところ、第1コーナーへのブレーキングで足がブレーキペダルから一瞬外れてしまい、すぐに踏みなおしたもののロックしたまま飛び出してしまったとのこと。

 志賀の車両撤去のためにセーフティカー(SC)投入が宣言される。コース上にはチェと加藤の2台だけとなり、そのまま9周、10周、11周とSCランが続き、その最中に23分が経過。SCアウト後のリスタートとなる12周目がファイナルラップと宣言された。

 1周勝負となった12周目。その手前の最終コーナーから加速を開始したチェに対して、加藤はリスタート後の1コーナーから2コーナーにかけて間合いを詰めて、テール・ツー・ノーズで3コーナーへ進入するが、4コーナーからの立ち上がりでチェが引き離す。ダウンヒルストレートでも加藤にチェを追い詰めるまでの速さはなく、ここで勝負あり。0.767秒の差でチェがトップでフィニッシュラインを通過、優勝を決めた。加藤は2位でチェッカードフラッグを受けた。

 ポディウムに戻ってきた2台の「Hyundai Elantra N TCR」のドライバーは互いに健闘を称えあい、笑顔で肩を組みカメラの前に並んだ。

 TCRジャパン第3戦レース7決勝は明日10月20日(日)午前9時10分から開始される。加藤の逆襲なるかに注目だ。

加藤正将とチェジョンウォンのトップ争い

優勝はチェジョンウォン(KMSA MOTORSPORT N)

決勝2位は加藤正将(KMSA MOTORSPORT N)

志賀卓弥(Audi Team Mars)

表彰式

Text: Junichi SEKINE
Photo: Asako SHIMA
Junichi SEKINE


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