-全日本F3000選手権シリーズ第10戦- タイトル奪取に望みをつなぐ1ポイントを獲得 終盤戦を迎えてタイトル争いも熱を帯びてきた。この第10戦を迎える時点でマウロ ・マルティニ選手が31ポイントでトップ。プロミス&レーナード・レーシングチー ムのロス・チーバーは25ポイントで3位につけている。2位のフォルカー・ヴァイ ドラー選手(26ポイント)が第7戦から欠場しいるため、事実上チーバーがマルティ ニ選手を追っている。念願のチャンピオン獲得に向けてチームは終盤の山場、富士に 乗り込んだ。 〔10月17日:予選〕心配された台風の影響もなく、予想以上の好天に恵まれた。 午前中のセッションでは路面温度が高めで、また、F3000の予選前に行われた2 輪の予選でコース状況も悪化していた。このため、チームではアタックの準備を行っ ていたもののコースインすることはなく、午後のセッションでタイムアタックをする ことにした。金曜日の練習走行でも、まだベストセッティングを見つけられなかった プロミス&レイナード・レーシングチームは、この予選中にもダンパーの交換を行う など最後までポールポジション奪取に努力を惜しまない。チーバーによると、マシン がとてもセンシティブで、特にアクセル全開でクリアーすべき100Rでは、一度完 全にアクセルオフしてマシンの挙動を整えてから再びアクセルを踏まねばならない状 態だった。「100Rで少なくとも0.4秒はタイムロスしている。それが無ければ ……」。富士で重要なストレートスピードではトップクラスの300km/h以上をマー クしているのに、唯一100Rでのタイムロスが響いて、予選は1分15秒886の 6番手。それでもこのタイムはポールポジションタイムから僅か約0.13秒遅れで、 これまでチーバー自身が持っていたコースレコードタイムを更新するものだ。今年の F3000の実力伯仲、激戦がうかがえる。 〔10月18日:決勝〕朝から雲が低く垂れ込めた決勝日。フリー走行時には20℃ だった気温も決勝直前には16℃まで下がっていた。路面温度の低い状況でソフトコ ンパウンドタイヤのチョイスも考えられたが、チームは45ラップを最後まで安定し たペースで走りきるため、タイヤメーカーと相談してミディアムコンパウンドを選ぶ。 フリー走行の後マシンセッティングは、前回の富士で最後尾スタートから劇的な2位 フィニッシュを成し遂げたレースの時とほぼ同様にした。ロケットスタートを決めた チーバーは、6番手のポジションから一気にジャンプアップ。1コーナーを2位でク リアーし、ポールポジションからスタートしたアーヴァイン選手を追った。しかし、 依然として100Rで挙動が安定しないマシンとの格闘が続き、徐々に順位を下げる。 フォーメーションラップ直前にエンジンを止めてしまったマルティニ選手が、最後尾 のスタートから最終的に3位でフィニッシュ。対するチーバーは7位でチェッカーフ ラッグを受けた。ところが、5位フィニッシュのアピチェラ選手がスタート前のフォー メーションラップの時、前車を追い抜くというレギュレーション違反を起こしていた 為、1分加算のペナルティを課せられ、チーバーは6位に浮上。1ポイントを獲得し たことで、一度は消えたかに見えたシリーズチャンピオンの可能性を最終戦の鈴鹿に つなぐことができた。 ド ラ イ バ ー & チ ー ム 監 督 コ メ ン ト ●ドライバー/ロス・チーバー(Ross Cheever)ライバルたちのタイヤが温まるま での間がんばったが、それ以後は耐えるだけのレースとなってしまった。チームのス タッフも最大限の努力をして、そして僕も持てる力を出しきっての結果だからしょう がない。でも、一度はあきらめたチャンピオンの可能性が再び訪れた。神はまだわれ われを見捨ててはいない。シーズンの最初から目標にしていたチャンピオンを獲得す るために鈴鹿に乗り込むよ。今から鈴鹿のレースが待ち遠しい。今回獲得できた1ポ イントは必ずやわれわれに好運を与えてくれると信じている。 ●チーム監督/本間勝久(Katsuhisa Honma)金曜日からファインセッティングを 見つけるべく努力をしてきたのですが、最終的に前回の富士のセッティングに戻すこ とになりました。中盤から終盤にかけてロスはかなり苦しいレースを強いられていま したが、最後までよく耐えてマシンをゴールまで運んできてくれました。しかし、こ こでチャンピオンの可能性が消えたと思っていたら、最終結果で1ポイントを得るこ とができたのです。もちろん、鈴鹿は優勝とチャンピオンを目標に臨みますので、今 一度、応援をよろしくお願い致します。 レースデータ ●開催日/10月17日(予選)~18日(決勝) ●開催地/富士スピードウェイ(静岡県):1周=4.470km ●主催者/富士スピードウェイ株式会社、FISCOクラブ、ビクトリーサークルク ラブ(VICIC) ●観客数/予選日:未発表/決勝日:71,300人 ●天 候/予選日:晴れ後曇り、16.8℃/決勝日:曇り、16℃ 【ポイントランキング】 1.M.マルティニ 35 2.鈴木利男 30 3.R.チーバー/V.ヴァイドラー 26 5.R.ラッツェンバーガー 19 6.E.アーバイン 17 7.A-G.スコット 16 8.黒沢琢弥 15 9.M.アピチェラ 13 10.服部尚貴 12 11.P.カーカッシ 11 12.星野一義/T.ダニエルソン 10 14.M.サロ 3 15.和田 久/小河 等 2 17.R.リデル/和田孝夫 1 ---------------------------------------------------------------------------- 提供:プロミス株式会社 営業企画部 ----------------------------------------------------------------------------