今シーズンより始まったFIA-F4選手権の第1戦決勝が4月4日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われた。
初戦から大量のエントリーを集めたこのレースはスタート直後からコースのいたるところで激しいバトルが展開され、予選6番手からスタートで一気に順位を上げた#11牧野任祐(DODIE・インプローブス・RN-S)が最初の勝者となった。
第1戦決勝は午後1時50分にフォーメーションラップを開始。
ところが5番グリッドからスタートするはずだった石坂瑞基がトラブルのためコース上にストップしてしまい、スターティンググリッドにたどり着けないというアクシデントが発生。
残る27台で15周の戦いが始まった。
ホールショットを奪ったのはポールシッターの#36坪井翔。
一方、予選2番手の#16銘苅翼は序盤からペースが上がらず、1周目で6位まで後退することに。
変わって2位に浮上してきたのが金曜の走行ではトップタイムを連発していながら予選6位に終わった#11牧野だった。
牧野はスタ−トから勢いよく飛び出してみるみる順位を上げていくと、バックストレートでは早くも坪井の背後に迫り、インを伺うそぶりを見せる。
しかし坪井も付け入る隙を与えず、トップをキープしたままコントロールラインへ。
3位には#50山田真之亮、4位には#88川端慎太朗がつける。
ところがその後方で#7大津弘樹と8上村優太が接触、そこに巻き込まれる形で#14根本悠生もウォールに突っ込んでしまった。場所はリボルバーとバイパーの間だ。
この3台がコースを塞ぐ形でストップしたため、彼らを回収するために3周目からセーフティーカーが導入されることになった。
SCは8周終わりでピットへ。9周目からレースは再開された。
リスタートのタイミングをうまく合わせて一時は牧野を引き離したかに見えた坪井だったが、牧野はスリップストリームをうまく使って坪井との差を詰め、1コーナーやヘアピンで果敢に仕掛けていく。
懸命に抑え込む坪井。
しかし11周目のヘアピンでついに牧野が坪井のインをこじ開け、トップに立つ。
その後方では#50山田と#88川端が接近戦を展開、10周目の1コーナーで川端がインをついて3位に浮上すると、山田も12周目のダブルヘアピンでアウトから川端に並びかける。しかしこの試みは実を結ばず、アウトに膨らんできた川端のあおりを食ってスピンアウト、グラベルの餌食となってしまった。
これにより川端にはレース後「危険なドライブ行為」との裁定が下り、45秒加算のペナルティが課せられた。
こうした中、トップに立った牧野は着実に坪井との差を広げ、最後は2.1秒のリードを築いて15周のレースを制した。
2位は坪井、3位には#5平木湧也が入った。
3番手でフィニッシュした川端は、前述のペナルティにより15位に終わった。
FIA-F4選手権第2戦決勝はは明日午前11時10分より15周で行われる。
- 優勝 牧野任祐(DODIE・インプローブス・RN-S)
- 「最高です。スタートがうまく決まりました。過去最高じゃないかな?それで2位に上がることができました。セーフティーカー明けのリスタートで離されましたがギリギリスリップの効く範囲にとどまれたので、それが良かったのかなと思います。このレースはいいメンバーが揃っているので勝とうと思ってもなかなか難しいので、なんとか勝ててよかったです。明日は雨なので、前が開けることを祈っています」
- 2位 坪井翔(FTRSスカラシップF4)
- 「セーフティーカーが入らなくても厳しかったと思います。スピード的に完全に牧野くんに負けていたので、セーフティーカーが入ることで少し先延ばしにできてラッキーでした。気持ち的にはもう少しセーフティーカーが長くても良かったのにと思ったんですが、全然スピードが違ったので抑えきれないとこまで来てしまって、最後は無理しないように2位でフィニッシュしましたが、まあまあ良い出だしかなと思います」
Yoshinori OHNISHI
Photo: Motorsports Forum