5月23日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の決勝が、鈴鹿サーキットで行われ、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)が、雨に翻弄されたレースを大逆転で制した。
午後2時45分、今にも泣き出しそうな空のもと、スタートを迎えた。
フロントローに並んだ、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)と野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)のチーム無限コンビは順当にスタートを切ったものの、3番グリッドの野村勇斗(San-Ei Gen with B-Max SF23)はホイールスピンで出遅れ、8番グリッドの小出峻(ThreeBond SF23)はスタートできずにピットへ。
タイヤ交換の許される8周までは、岩佐、野尻、福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE SF23)、阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)のオーダーでレースは進むが、ここからレースが動く。
上位陣では、3位の福住、7位の太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)が早くもタイヤ交換を行う。5位の佐藤もピットに入ってくるが、トラブルのようでそのままクルマをガレージへ入れてしまった。
10周過ぎから、怒涛の追い上げを見せたのは、早めのタイヤ交換を見送った野村勇斗(San-Ei Gen with B-Max SF23)。トップを上回るペースで追い上げ、先行する阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23)を捕らえて2位の野尻に迫った。野村は16周目にタイヤ交換を行うがここでタイムロスし、後退してしまった。
もう一人、ファステストタイムを更新しながら追い上げたのが、9周目にタイヤ交換を行った太田。ピットインしているため位置としては中団だったが、タイヤ交換組では福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE SF23)とともにハイペースで走り、上位陣のピット作業を待った。
ここまでは、ステイアウトを選択した岩佐、野尻の無限の二人と、早めにピットに入った太田の戦いとなっていた。しかし、両チームの作戦に狂いが生じ始めたのが、19周目に130Rで起きた野中誠太(KCMG Elyse SF23)のクラッシュと、セーフティカー(SC)ラン中に降り出した雨だった。
ピット作業を済ませていなかったクルマは、SCの出たタイミングで一斉にピットに滑り込んだが、この頃から僅かながら雨が降り出した。雨雲レーダーには映らないほどの雨雲だったが、確実に路面を濡らしていった。
特に西コースはスリックタイヤで走るのは困難な状態になり、22周目にリスタートを迎えると、フラガが2コーナーで、名手・野尻がダンロップコーナーでコースアウト。再びSCが導入されると、上位陣はこぞってピットに入ってレインタイヤに交換した。
一方、中団以降の選手は、半ばギャンブルとも言える判断をしてコースに留まり、SCの後に続く車列は、スリック組とレインタイヤ組にくっきり分かれた。
しかし、天のいたずらか、5周のSCの間に雨は止み、路面は乾いていった。
これで、リスタート後は、スリック組のトップを走っていたフェネストラズを先頭に、ルーク・ブラウニング(REALIZE Corporation KONDO SF23)、大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23)、松下信治(DELiGHTWORKS SF23)、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、チャーリー・ブルツ(TEAM GOH SF23)が、残り4周で表彰台を争うことになった。
残り2周になると、逃げるフェネストラズを、松下、坪井が猛追するという展開になり、結局、この順位のままチェッカーを迎えた。
昨年からスーパーフォーミュラに復帰したフェネストラズは、昨年秋の富士大会以来の勝利で、自身シリーズ3勝目となった。
天候に翻弄されたレースは、終わってみれば予選でQ2進出を逃したトムスが優勝と3位、フロントローに並んだチーム無限はノーポイントと、誰も予想できなかった結果となった。
明日は、第5戦の予選が午前10時25分から、決勝が午後2時45分から31周で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHIPhoto: Atsushi BESSHO









