9月21日にスポーツランドSUGOで行われたGTアソシエイション(GTA)の定例会見では、FIA-F4選手権の今後についても坂東正明代表が言及。来季からの正式導入を視野に、次戦オートポリス大会ではチャンピオンクラスとインディペンデントクラスに分かれて決勝レースを実施する方向で検討に入っていることを明らかにした。
日本では2015年に発足したFIA-F4選手権は、現在もF1で活躍する角田祐毅や、国内トップカテゴリーで活躍する坪井翔や牧野任祐、大湯都史樹など、多くのトップドライバーを輩出してきた。また昨年からジェントルマンクラスが正式なJAFの選手権となるなど、近年は若手の育成だけでなく、ジェントルマンドライバーの活躍の場としても注目されており、そのエントリー台数は増加傾向にある。
前回の鈴鹿大会ではチャンピオンクラス30台、インディペンデントクラス20台とフルグリッドの49台を上回るエントリーがあり、今大会においても、チャンピオンクラスは29台、インディペンデントクラスは16台が参加と活況を呈しているが、こうした台数の多さ故のコース上のトラフィックや、セーフティーカー頻度の増加が問題となっている。
こうしたことへの対策として、GTAとしては来季から各クラスごとに予選と決勝を分離して開催することを検討しており、実際に昨年のSUGO大会では決勝レースを別々に開催した実績もある。次回のオートポリス大会においても試験的に導入する予定だ。
ただ現状では1大会2レースを各クラスごとに計4レース行うとなると、タイムスケジュールやパドックの運用などが厳しくなるため、従来は同カテゴリーの専有走行に充てられていた金曜日に公式予選を行うことも検討しているという。
また、FIAのスーパーライセンスポイントの条件として年間14レース以上の開催が必要となっており、昨年までは岡山を除く国内7大会で2レースずつを行なってきたが、今年は第3戦にセパン大会が組み込まれたことにより、第2戦富士と第6戦SUGOにおいて3レースを開催することでこの条件をクリアしている。
しかし今後2クラスを分離するのであれば、1大会で6レースの開催が必要となり、タイムスケジュールの面で無理が生じることから、GTAとしてはスーパーGTとは別の日程、例えばスーパーフォーミュラ・ライツとの併催などの方向でFIA-F4を開催することを検討しているとのことだ。
Text: Kazuhisa SUEHIROPhoto: Kazuhiro NOINE

