2023年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権第2戦決勝が5月5日(金)に筑波サーキットで行われ、ポールポジションからスタートの小村明生(ファーストガレージTKR S2)がホールショットを奪うとそのままトップを守り18周を走り切ってフィニッシュ。開幕戦に続いて優勝を飾った。
朝から好天が続くこどもの日の筑波サーキット、午後に入り風がやや出てきてパドック内の鯉のぼりも気持ち良さげに泳いでいる。「筑波サーキット・カーフェスティバル」と銘打った毎年恒例のイベントは、新旧のフェラーリやロータス、懐かしのトヨタ2000GTの展示やデモランも行われ、また子供向けのアトラクションも設置されて終日家族連れでにぎわった。
午後1時20分、予定より5分ほど遅れてスーパーFJがコースイン。今回はまずドライバーの集合写真の撮影があるとの事で、13人がフィニッシュライン上に整列してポーズを取った。
13時40分フォーメーションラップ開始。気温は25度を超えてコースにいるとじりじりと暑い。路面温度もかなり高くなっているようだ。
レッドライトが消えてレーススタート、ポールポジションの小村はスムーズに発進したが2番手スタートの武者利仁(ZAPコングレーシングED)の反応が悪く、3番手スタートの内藤大輝(RaiseUP RCIT ED)が襲いかかる。武者はスタートの瞬間エンジンストールしかけたそうで、痛恨のミス。
小村はアウト側から第1コーナーに入りホールショットを奪う。内藤はストレートエンドで武者の前に出ると2位にポジションアップしてターンイン。4番手スタートの安田航(ファーストガレージ&Sウィンズ)も武者のインを窺うが、ここは武者が踏みとどまる。後方では6番手スタートの角間光起(ELIVレーシング10VED)が第1ヘアピンで5位の中澤凌(ZAP FOCS 10VED)のインを突くが、中澤が抑えこんでコーナーを抜ける。後方では7番手スタートの小田部憲幸(いえらいふZAP 10VED)の蹴り出しが弱く、第1コーナーまでに8番手の村田将輝(湘工冷熱ZAPSPEED ED)、逆にスタートがよかった10番手の貫戸幸星(ELIVレーシングKKSII制動)に次々とかわされ、さらに第1ヘアピンで秋山健也(スーパーウィンズKKS・ED)にインを差されてしまい10位までポジションダウン。
トップ小村は0.908秒の差をつけて1周目を終了、2位内藤と3位武者は0.34秒のギャップで続く。2周目、武者は第1コーナーからS字、ヘアピンと内藤の背後でプレッシャーをかけるが内藤は動じない。それでもディフェンシブにならざるを得ず、2周目1.052秒、3周目1.319秒と小村にじわじわと引き離されてしまう。武者は0.3秒から0.5秒の間合いで内藤を追い、4位安田はそこから0.6秒差で、角間を振り切った5位中澤が0.39秒差につけている。マスターズクラスはスタートで秋山を仕留めた貫戸がクラストップに立っている、秋山も逃がさず0.259秒と背後につけている。
小村は5周目59秒231、6周目59秒136、7周目58秒990とファステストラップを連発して内藤との差を2.438秒までひろげ、独走態勢を作り上げる。内藤も自己ベストは更新し続けているが小村とは毎ラップ0.4秒程度の差がある。3位武者も0.585秒差で内藤を追うものの、攻めあぐねている状態だ。
マスターズクラスの順位が動いたのは6周目、そこまで1分0秒台とタイムが伸びない貫戸を追い立てていた秋山が第1コーナーの進入でオーバーテイク、クラストップを奪い返す。貫戸は小田部にもかわされて全体10位に落ちる。
トップを行く小村はその後も内藤を突き放し続けて9周目には3.104秒差。内藤~武者も接近戦が続いているが決定的な場面は訪れない。そんな中緊張感が増してきたのが4番手安田と5番手中澤のギャップで、8周目0.394秒、10周目0.283秒と中澤が安田を追い詰める。しかしここから安田も踏ん張りつけ入るスキは与えない。
11周目、小村は58秒928というこの日のファステストラップを叩き出し、内藤を3.535秒差まで突き放す。その後も毎ラップその差を拡大。17周目には5.453秒までマージンを開くとファイナルラップはややペースを落とす余裕も見せて18周のレースを完勝、ポール・ツー・ウインを飾った。2位内藤はファイナルラップにやや差を詰めたものの3.721秒の大差で2位、武者もスタートで失った順位を奪回するに至らず0.38秒差の3位でフィニッシュした。安田対中澤の4位争いも最後まで続き、最後はテール・ツー・ノーズ状態でフィニッシュラインを通過したが0.182秒差で安田が4位、中澤5位となった。6位はデビューレースをしっかりポジションを守り切った角間。こちらも7位村田とは0.333秒と僅差だった。
マスターズクラスは6周目にトップを奪い返した秋山が全体8位のクラス優勝、クラス2位の貫戸は全体10位、クラス3位には本間隆史(MATレーシングPJ10V)だった。
2023年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権第3戦は5月28日に筑波サーキットで開催される。連勝でシリーズの主役に躍り出た感のある小村に対しストップをかけるのは誰か? 僅か3週間のインターバルの間に挽回のカギを見つけ出さなければならない。
Text: Junichi SEKINEPhoto: Kazuhiro NOINE
Asako SHIMA