Formula Nippon

FN:第6戦もてぎ ロイック・デュバルが2位表彰台を獲得、NAKAJIMA RACINGとともにランキングトップを堅持 (HONDA)

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  • 2009年8月9日(日) 決勝
  • 会場:ツインリンクもてぎ(4.801km)
  • 天候:予選/曇り、決勝/曇り
  • 気温:28℃(14:30時点)
  • 路面温度:32℃(14:30時点)
  • 決勝レース:52周(249.652km)
  • コースコンディション:決勝/ドライ
  • 観客:2万500人(主催者発表)

 8月9日(日)、栃木県・ツインリンクもてぎにおいて2009年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第6戦の決勝レースが開催された。

 4月に開幕したフォーミュラ・ニッポンは、シリーズ全8戦のうち第6戦を迎え、早くもシーズン終盤戦へと突入した。ポイント争いにおいては、前戦の鈴鹿ラウンドで2戦連続のポール・トゥ・ウインを飾った#31 ロイック・デュバル選手(NAKAJIMA RACING)が首位を堅持している。

 8日(土)に行われたノックアウト方式による公式予選の第1セッションにおいても、L.デュバル選手は圧倒的な速さを見せて、トップタイムで通過。同じくNAKAJIMA RACINGの#32 小暮卓史選手が2番手、地元栃木県出身のルーキー#10 塚越広大選手(HFDP RACING)が6番手で第2セッションへと駒を進めた。

 11台から8台に絞られる第2セッションでは、L.デュバル選手がファステストタイムとなる1分34秒388を記録すると、すぐさま小暮選手が1分 34秒295でタイムを塗り替える激しい展開となった。NAKAJIMA RACINGのチームメート同士によるトップ争いが繰り広げられた第2セッションは、小暮選手が1番手、L.デュバル選手が2番手で通過、塚越選手は8番手で第3セッションへと進出した。

 翌日の決勝グリッドを決める第3セッションでは、小暮選手が1分33秒979を叩き出し、ファステストタイムを更新。小暮選手は第3戦もてぎ以来となる今季2度目のポールポジションを獲得した。2番手にはL.デュバル選手が入り、NAKAJIMA RACINGがフロントローを独占。塚越選手は第2セッションから順位を4つ上げて4番手で、翌日の決勝レースを迎えることとなった。

 9日(日)に行われた決勝レースは、スタートが迫るにつれて徐々に雲の厚さが増し、天候の悪化も予想される中でのスタートとなった。

 午後2時34分、1周のフォーメーションラップののち、全13台によりスタートが切られた。ホールショットは、ポールポジションスタートの小暮選手が奪取し、L.デュバル選手が3番手、塚越選手が8番手、#41伊沢拓也選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が順位を3つ上げて9番手、#40 リチャード・ライアン選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も順位を上げて10番手を走行している。小暮選手がこのまま後続を引き離して独走態勢に持ち込む展開になるかと思われたが、惜しくもジャンプスタートの裁定が下され、ドライビングスルー・ペナルティを科されて最後尾まで後退した。これによりトップ以下の各選手が順位を1つずつ上げた。

 レースは7周を終え、トップを走るマシンにラップタイムで上回る2位のL.デュバル選手は、その差を0秒631秒まで追い上げ、背後から様子をうかがう走りをみせる。

 13周終了時に小暮選手が最初にピットインを敢行。タイヤ交換と燃料を満タンにして、残り39周を走りきる作戦に切り替えてコースに復帰した。

 レースが中盤に入る20周目、伊沢選手がピットイン。各チームも続々とピットインを行うが、各チームとも残りの周回を走りきるための燃料を補給し、ワンピット作戦を選択している。

 白熱した接近戦が繰り広げられているトップ争いは、L.デュバル選手がトップに1秒以内の差で追走を続けている。30周を終えた時点で、トップ争いの2台は同時にピットインを敢行。ピット作業での争いとなったが、燃料補給の時間で差がついたため、L.デュバル選手は31周終了時にはトップと7秒以上のビハインドを負ってしまった。

 32周目、唯一ピットインを行っていなかった塚越選手がついにピットインし、出場13台のすべてがピットストップを終えた。この時点で、L.デュバル選手が2位、最後尾から激しい追い上げをみせる小暮選手が7位に浮上、伊沢選手が8位、R.ライアン選手が10位、塚越選手が13位を走行する。

 36周目、10位を走行していたR.ライアン選手が5コーナーで、マシントラブルのためにコースアウトを喫し、クラッシュパッドに衝突してリタイアとなった。

 2番手でトップを追い上げるL.デュバル選手は1分38秒台のハイペース走行により、38周の時点でトップと6秒あったタイム差から、42周目を終えた時点で4秒782差まで詰め寄った。

 49周目、9位を走行していた塚越選手が電気系のトラブルにより突然のスローダウンを喫し、惜しくもリタイアを余儀なくされた。

 相次ぐトラブルにより完走9台となったサバイバルレースを制したのは、アンドレ・ロッテラー選手(PETRONAS TEAM TOM'S)だった。L.デュバル選手は追い上げが及ばなかったものの、安定した走りにより2位表彰台を獲得し、ドライバーズ・ポイントランキングトップを守った。また、小暮選手は不運なスタートから果敢な追い上げをみせて6位入賞を果たし、同ランキング3位をキープしている。

コメント
坂井典次(Tenji Sakai)|「HR09E」開発責任者
 「今回のツインリンクもてぎでは、Enjoy Hondaを併催しており、初めてフォーミュラ・ニッポンをご覧になるHondaファンもいらっしゃるので、いいレースをお見せしたいと思っていました。前戦から投入した新バージョンのエンジンのマッピングも改善したので、予選ではNAKAJIMA RACINGの2台が1位、2位を獲得し、かなりの手ごたえがありました。 しかしながら決勝レースにおいては、不運な面も多々あり、皆様へ優勝報告ができなかったのが残念です。その中でも、2位表彰台を獲得したデュバル選手は、ドライバーズランキングのトップを維持してくれました。また、ポールポジションの小暮選手は、ジャンプスタートのペナルティを受けましたが、最後尾からの果敢な追い上げで、よくポイントを獲得してくれたと思います。次戦のオートポリスは、今回と同様に暑くなると思いますが、マッピングの方向性が正しいことは確認できたので、巻き返しを図りたいと思います。九州の皆さん、ぜひともサーキットにお越しいただき、Hondaへのご声援をお願いします」
ロイック・デュバル選手(2位 #31 NAKAJIMA RACING)
 「スタートに慎重になり過ぎたせいか、オープニングラップで順位を落としてしまったのは残念でしたが、すぐに2番手まで追い上げることができたことには満足しています。前半まではロッテラー選手よりラップタイムも速く、追い抜くチャンスを狙っていました。しかし、ピットストップ後の第2スティント以降は、チャンピオンシップのこともありますので、ミスの起こらないよう慎重にレースを運びました。結果、2位でレースを終えることができ、チャンピオンシップに一歩近づいたとも思います。しかし、レースというのは当然なにが起きるか分かりませんので、残り2戦も集中してレースに挑みたいと思います。また、今日のレースを10日前に亡くなった祖父に捧げたいと思います」
Text & Photo: HONDA


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