2022年FIA-F4選手権シリーズ第10戦の決勝が9月18日、宮城県村田町のスポーツランドSUGOで行われ、ポールポジションからスタートした中村仁(TGR-DC RSフィールドF4)が待望のフォーミュラ初優勝をものにした。
第10戦決勝は午前9時より17周で行われた。天候は晴れ。路面はドライだ。
スタートでトップに立ったのは1コーナーでインを取った予選2番手の小林利徠斗(TGR-DC RSトムススピリットF4)。ポールの中村は1コーナーでアンダーを出してしまって2位に後退、3位に予選4番手の三井優介(HFDP RACING TEAM)が続き、前戦優勝の小出は4位で1-2コーナーを立ち上がったが、馬の背の飛び込みで三井を抜いて3位でコントロールラインに戻ってきた。
しかしその後方、ハイポイントコーナーの先でインディペンデントカップの4台が絡む多重クラッシュが発生した。SYUJI(RSS F110)のスピンに齋藤真紀雄(CSマーケティングアキランドF110)、YUGO(S2R Racing)、大阪八郎(Dr.Dry F110)が巻き込まれた格好だ。
これにより2周目から早くもセーフティーカー(SC)が導入された。
事故車両撤去ののち、SCは6周終わりでピットイン7周目からレースは再開となった。
すかさず3位の小出がリスタートで中村に襲い掛かり、3コーナーまでにこれを下して2位に。続いてトップの小林が馬の背で痛恨のオーバーランを喫したことで小出は悠々とトップに浮上した。このコースオフにより小林は7位まで後退してしまう。
トップに立った小出は10周目までに1秒666のリードを築くが、ここで小出に対しSCリスタート違反との判定が下り、まさかのドライブスルーペナルティが課せられることになった。
これを受けて小出は13周目にピットイン、これにより中村がトップに浮上した。
中村は2位の三井を上回るペースで周回を重ね、最後は2秒373の大差をつけてフィニッシュ。参戦10戦目にしてFIA-F4初優勝をものにした。カートから今年ステップアップした中村にとって、この勝利は四輪レースでの初優勝でもある。
2位は三井優介。これによりドライバーズポイントを192とし、小出峻が26位ノーポイントに終わったことで、再びランキングトップに浮上した。
3位には荒川鱗(TGR-DC RSトムススピリットF4)が入った。荒川はレース後半に堀尾風允(HELM MOTORSPORTS F110)の激しいアタックを受け続けたが、これを最後まで押さえ込んで表彰台を獲得した。
いよいよ終盤戦に入ってきた今年のFIA-F4選手権シリーズ。次回オートポリス大会は10月1-2日に第11戦、第12戦が行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIROPhoto: Katsuhiko KOBAYASHI