全日本F3選手権第20戦は24日、スポーツランドSUGOで25周の決勝を行い、総合で大津弘樹(TODA FIGHTEX)が、Nクラスでアレックス・ヤン(HuaJiangHU F3)が優勝した。大津はF3初優勝でシーズンを締めくくった。
3月末の岡山で開幕した全日本F3シリーズも各地を転戦、初秋のSUGOで大団円を迎える。SUGOは早朝から秋晴れの快晴に恵まれ、汗ばむほどの陽気の中、最終第20戦は正午ちょうどにフォーメーションラップが始まった。両クラスともチャンピオンは決定したが、各ドライバー、来季に向けて良い成績で終わりシーズンオフを過ごしたところだ。
好スタートを切ったのはポールシッターの大津弘樹(TODA FIGHTEX)でトップで1コーナーに向かう。予選2位の宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F314)は動き出しが鈍く、予選3位の坪井翔(カローラ中京Kuo TOM'S F317)、予選4位の高星明誠(B-MAX NDDP F3)にかわされ4位に落ちた。
昨日の再現ビデオを見るようにトップ大津に坪井が0秒3~0秒5差でピタリと付ける。タービュランスの影響でコーナーで接近できない坪井は、最高速では利があり、ストレートで大津に迫るが、1コーナーで攻めきれず、決め手が無くレースは進行。
19周目には、ハイポイントを立ち上がったレインボーコーナー手前で山口大陸(タイロクレーシング28号)がスピンし、コース中央にマシンを止めたため、セーフティーカー(SC)が導入されることとなった。
SCは22周終わりで退き、23周目から残り3周でレースは再開。坪井は大津の背後にピタリと付け1コーナーで狙うが大津も譲らない。この後も坪井は各コーナーで大津に迫りミスを誘うが、大津はこれを退け25周を走りきり自身初のF3優勝もぎ取った。戸田レーシングにとっても2009年以来8年ぶりの優勝となった。
3位を走っていた高星は最終ラップ最終コーナーで失速。直後を走っていた宮田にストレートでパスされ4位。宮田は3位に上がった。4位は高星、5位にはアレックス・パロウ(THREEBOND)が、6位には最終ラップのSPコーナーでミスをして順位を落とした阪口晴南(HFDP RACING F316)が入った。
Nクラスは予選2位の久保田克昭(Planexスマカメ・F308)がスタートでポールシッターの長谷川綾哉(Alb新潟第1ホテルSuger)をかわしトップでレースを始める。中盤まで接近戦を演じるが、久保田は譲らずトップを守ると、長谷川は13周目のSPコーナーでコースアウトしてストップ。久保田が逃げ切りトップでゴールしたが、レース後SC中スピンのペナルティーが科され2位に降格、2位を走っていたアレックス・ヤン(HuaJiangHU F3)が優勝を飾った。
序盤4位を走っていた植田正幸(Rn山下製作所F308)は11周目の1コーナーでヤンと絡みフロントウイングを破損、ピットインして交換するもピットアウト後、順位が認定される規定周回数の22周ぎりぎりを走って3位に入った。
全日本F3選手権は全20戦が終了。来シーズンはも激しい争いが予想され、またNクラスはシャシー、エンジンが一新される。来シーズンもF3から目が離せない。
Text: Yoshinori OHNISHIPhoto: Motorsports Forum