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SUPER GT

第8戦もてぎ決勝GT500クラス 1号車au TOM'S GR Supraが今季3勝目を挙げ、史上初の3連覇を達成!!

GT500クラス優勝はau TOM\'S GR Supra(坪井翔/山下健太)

 2025オートバックス スーパーGT第8戦「もてぎGT300kmグランドファイナル」の決勝レースが11月2日、栃木県茂木町のモビリティリゾートもてぎで行われ、GT500クラスは予選2位からスタートした1号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)が今季3勝目を挙げ、チームと坪井翔は見事3連覇、山下健太は2連覇を達成した。

(天候:曇り コース:ドライ 観客動員数:予選日18,000人/決勝日32,000人/大会総入場者数50,000人)

決勝に先立ち栃木県警によるパレードラップが行われた

 第8戦決勝は午後1時に栃木県警の白バイ5台、パトカー5台の先導でパレードラン開始。スタート時の気温は20℃、路面温度は22℃だ。

GT500クラスのスタートシーン

 ホールショットを奪ったのは石浦宏明(KeePer CERUMO GR Supra)。坪井翔(au TOM'S GR Supra)がアウトから隙を窺うが、石浦はこれを押さえて2コーナーを立ち上がる。しかし坪井はすかさず3-4コーナーで38号車を捉えてトップに立った。

 後方では予選7位の山本尚貴(STANLEY CIVIC TYPE R-GT)が1周目に順位を2つ上げて5番手に浮上。2周目には福住仁嶺(ENEOS X PRIME GR Supra)が伊沢拓也(Modulo CIVIC TYPE R-GT)を捉えて10番手と、チャンピオンの権利を残すチームが順位を上げてきている。

 トップの坪井は序盤なかなかリードを広げられず、6周目でようやく1秒343差を2番手につけられたが、7周目の90度コーナーでチャーリー・ファグ(D'station Vantage GT3)と片山義章(UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI)が絡むアクシデントが発生。両者グラベルに飛び出し、777号車はコースに復帰したが、6号車がグラベルに捕まったため8周目からフルコースイエロー(FCY)が宣言されたことで、1号車のリードが4.591秒に広がった。

 8周終わりでFCYは解除。9周目から追い越しが可能となると、1号車のリードは一旦2秒232まで縮まるが、坪井はそこから徐々にリードを広げ、15周目にはその差を5秒047とする。

 後方では14号車が14周目に大津弘樹(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16)を捉えて8番手に浮上してきた。

 レースは規定周回の3分の1となる21周を終えたところから俄に慌ただしくなった。

 まずは22周目に12号車、38号車、3号車Niterra MOTUL Z、8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8そして19号車WedsSport ADVAN GR Supraがピットイン。ここで38号車が12号車の前でピットアウトすることに成功するが、大湯都史樹(KeePer CERUMO GR Supra)と平峰一貴(TRS IMPUL with SDG Z)は揃って最初の1コーナーを飛び出してしまう。

 なんとか順位をキープしてコースに復帰した2台であったが、大湯はその周の90度コーナーでも飛び出してしまい、大きくタイムロスをしてしまった。

 続いて23周目に1号車、23号車MOTUL AUTECH Z、14号車、16号車がピットイン。1号車は右フロントの交換に少し手間取った様子だったが、大きなタイムロスはなく山下健太がコースへ。

 続いて24周目に100号車、64号車がピットイン。ここで100号車はタイヤ無交換作戦を敢行、見事1号車に先行してコースに復帰してみせた。

 しかし山下はすぐに牧野任祐(STANLEY CIVIC TYPE R-GT)に追いつき、29周目の3コーナー進入で大外からこれを抜き去って実質トップを奪い返す。続いて平峰も同じ周のヘアピンでアウトから100号車を抜いて実質2番手に浮上した。

 100号車はその後も33周目に千代勝正(MOTUL AUTECH Z)にも抜かれて4番手に後退する。

 GT500クラスは最後までコースに留まっていた笹原右京(Deloitte TOM'S GR Supra)が37周目にピットインしたことで全車がドライバー交代を完了。この時点で1号車が再びトップへ返り咲いた。

 しかしそこからの道のりも非常に険しいものとなる。

 山下は平峰と千代の猛追を受け、彼らを押さえこみながらの走行をしいられたのだ。

 44周目の90度コーナーで1号車のインをつく平峰。しかしすかさず山下は立ち上がりで抜き返してトップを奪い返す。平峰は49周目に今度はアウトから1号車を抜きにかかるが、山下はこれも退けた。

 すると今度は千代がホームストレートで12号車に並びかける。懸命に押さえ込む平峰。

 その後も3台はテール・トゥ・ノーズの状態で周回を重ねながら互いにオーバーテイクのチャンスを窺っていたが、56周目の3コーナーで大嶋和也(ENEOS X PRIME GR Supra)が佐藤蓮(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16)に追突するアクシデントが発生。この影響でコース上にパーツが散乱したためこの日2回目のFCYが宣言される。

 FCYはすぐに解除になったが、この影響は1号車は2秒333のリードを得ることとなり、同時に12号車と23号車の間隔も1秒157まで広がってしまった。

 平峰はその後も1号車との間隔を詰めてきたが、山下は最後までリードを譲らず、最後は0秒254の僅差でチェッカーを受け、第4戦富士大会のレース1に続いて1号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)が今季3勝目を挙げた。

 そして2番手でチェッカーを受けた12号車はレース後の車検でスキッドブロックの厚みが不足しているとのことで失格の裁定が下されることに。

GT500クラス決勝2位はMOTUL AUTECH Z(千代勝正/高星明誠)

GT500クラス決勝3位はSTANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)

 この結果、2位は23号車MOTUL AUTECH Z(千代勝正/高星明誠)のものとなり、100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)が3位でCIVIC TYPE R-GT最後のレースを締め括った。

 これにより2025シーズンのドライバーズタイトルはトータル80.5ポイントを獲得した坪井翔/山下健太組のものとなった。坪井とTGR TEAM au TOM'Sはこれで史上初の3連覇を達成。坪井にとっては通算4回目のチャンピオンで、これはロニー・クインタレッリに並ぶ最多記録だ。山下も今回で2連覇。通算では3回目のタイトルとなった。

 スーパーGTの2025シーズンは今大会をもって全日程が終了。2026シーズンの開幕戦は4月10~12日に岡山国際サーキットで開催される予定だ。

GT500クラスの表彰式

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

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