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鈴鹿・岡山S-FJ選手権

第5戦鈴鹿決勝 箕浦稜己が鈴鹿初優勝 酒井翔太と吉田馨のチャンピオン争いは最終戦へ

SCが退きリスタート後の1コーナー

 スーパーFJ鈴鹿・岡山シリーズ第5戦は10月5日、鈴鹿サーキットで決勝を行い、予選3位からスタートした箕浦稜己がウエット路面で躍動、鈴鹿初優勝を飾った。

 決勝は、午後4時25分にフォーメーションラップが始まった。午後には一時激しい雨に見舞われたが、その雨もほぼ上がった。しかし路面はフルウエットで、26台(うちジェントルマンクラス4台)が1周を回ってグリッドに着いた。

決勝がスタートした

 ポールポジションの武者利仁(KF MOTORSPORT KKS-2)はスタートをミス。1コーナーではインから酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)の先行を許す。2位には武者、3位には箕浦が続く。ここでアウトから猛然とまくってきたのが予選4位の杉田悠真(LAPS with REV RACING GARAGE)。2コーナー出口では箕浦をパスし、2位の武者に襲いかかる。しかしS字コーナーで武者と杉田は接触。武者はスピンして復帰するも後続に飲まれてしまう。箕浦はこの接触を避けるためコースを外れたものの2位に浮上した。

 オープニングラップの順位は、トップ酒井、0秒3差で2位箕浦、3位さらに3秒1差で予選6位から吉田馨(TAKE FIRST KKS-2)が、4位杉田、予選順位のまま5位宮本颯斗(JAYLOCK)、予選7位から6位西田光来(FTK・REV RACING GARAGE)が続く。

 2周目、トップ酒井に2位箕浦が急接近。シケイン立ち上がりで酒井の背後につけると、3周目の1コーナーでアウトから酒井をパス。トップに立った。

 ここで2周目の130Rでタイロッドを折ってコース脇にストップしていた藤井翔太(Drago CORSE)のマシンを排除するためセーフティーカー(SC)が導入される。

 SC中の順位は、トップ箕浦、2位酒井、3位吉田、4位杉田、5位宮本、6位には予選9位から伊藤駿(Hobbybase&zapED)が上がってきた。

 SCは5周を回って退き、レースは6周目から残り5周で再開された。ここではトップの箕浦がリスタートを決め、後続を0秒4離してコントロールラインを通過。2位酒井の背後には3位の吉田が張り付く。しかし酒井は1コーナーで水はけのいいアウト側を死守。吉田はグリップの劣るイン側にマシンを振るしかなく、ここでの逆転はならなかった。また、4位を走る杉田は武者との接触でアライメントが狂ったため、ペースが上がらず苦しい。130Rでは、宮本に順位を明け渡し5位に落ちた。

 7周目、トップ箕浦と2位酒井との差は1秒3と開いた。2位争いは一進一退。東コースの第1セクターで速い酒井が吉田との差を広げるが、2~4セクターで速い吉田が酒井に迫るという展開がこの後も繰り返される。ペースの上がらない杉田は130Rで西田にかわされ5位に落ちた。

 トップ箕浦は、この後も2位以下との差を広げ、最終ラップにはペースを落としたものの2位以下との差を1秒5と開いて鈴鹿初優勝を飾った。

 2位酒井と3位吉田の接近戦は、決め手がなくこのままの順位、0秒389差でゴールを迎えた。大きく遅れて4位には宮本が入り、自己最高位でフィニッシュ。5位には西田が入り、6位には8周目に杉田をかわした土橋皇太(Rn-sports制動屋KK-S2)が入った。

 ジェントルマンクラスは総合で16位に入った山根一人(光精工TK-Sport MYST)が、ポールトゥウインで優勝した。

 箕浦はここまで2度のポールポジションを獲得するも決勝ではアクシデントや失格で涙を飲み、最高位が5位と振るわなかった。ここにして、ようやく本来のスピードを証明することとなった。

 チャンピオンシップ争いでは、2位に入った酒井が82とポイントを伸ばしトップのまま、3位に入った吉田は67ポイントで2位につけ、チャンピオン争いはこの2人に絞られた。一見、大きな差のように見えるがJAF地方選手権は開催数80%(小数点以下四捨五入)の有効ポイント制のため6戦中、上位5戦のポイント合計で争われる。このためすべて表彰台に登っている酒井は2位以上に入らないと加点できない一方、吉田は1戦リタイアしているためすべてのポイントが合計される。このため酒井も吉田も優勝すれば自力チャンピオン。吉田が3位以下の場合は、酒井は順位に関係なくチャンピオン。酒井が4位以下の場合、吉田は2位以上がチャンピオン獲得の条件となる。

 最終第6戦は、12月7日にここ鈴鹿サーキットで決勝が行われる。酒井と吉田のチャンピオン争いに注目が集まるが、今日優勝した箕浦、接触で後退したもののポールポジションからスタートした武者、杉田など優勝候補は多い。彼らの動向も含めチャンピオン争いは予断を許さない展開になりそうだ。

酒井翔太と吉田馨の2位争い

優勝は箕浦稜己(MYST SEIDOYA KK-SII)

決勝2位は酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)

決勝3位は吉田馨(TAKE FIRST KKS-2)

決勝4位は宮本颯斗(JAYLOCK)

決勝5位は西田光来(FTK・REV RACING GARAGE)

決勝6位は土橋皇太(Rn-sports制動屋KK-S2)

優勝した箕浦稜己(MYST SEIDOYA KK-SII)

表彰式

Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Atsushi BESSHO
Yoshinori OHNSIHI

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