SUPER GT

第2戦富士決勝 GT500クラスはニッサン勢が1-2フィニッシュを達成! 優勝は3号車Niterra MOTUL Z

GT500クラス優勝はNiterra MOTUL Z(高星明誠/三宅淳詞)

 2024オートバックス スーパーGT第2戦「富士GT3時間レース」の決勝が5月4日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは予選2位からスタートした3号車Niterra MOTUL Z(高星明誠/三宅淳詞)が今季初優勝を達成。今年GT500にステップアップしたばかりの三宅はデビューわずか2戦目で勝利を手にした。

(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日34,500人/決勝日53,900人/大会総入場者数88,400人)

 第2戦決勝は午後1時30分より、静岡県警の先導による1周のパレードラプに続いてフォーメーションラップを1周してスタートした。スタート時の気温は23℃、路面温度は41℃だ。

 すると予選2位の高星明誠(Niterra MOTUL Z)が最初の1コーナーでいきなりポールシッターの塚越広大(Astemo CIVIC TYPE R-GT)にアウトから並びかけてトップに躍り出ると、1周目だけで1秒494の差をつけてコントロールラインに戻ってきた。

 17号車の塚越も離されまいと懸命に食い下がり、10周を終えてもその差は1秒189に留まるが、その後方からは予選3位の千代勝正(MOTUL AUTECH Z)が追い上げてきてテール・トゥ・ノーズの状態に持ち込む。

 レースが16周目に入ったところで、後方を走っていたGT300クラスの11号車GAINER TANAX Z(富田竜一郎/石川京侍)がトラブルにより2コーナーの内側でストップしたため、競技団はフルコースイエローを宣言する。

 レースは18周目にリスタート。すると予選11位から9位まで順位を上げていた坪井翔(au TOM'S GR Supra)がホームストレート上で関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)を捉えて8位に浮上する。

 そして23周目。ついに23号車の千代が1コーナーで17号車の塚越に大外から並びかけ、コカコーラコーナーの手前で2位に浮上した。

 その後方では、31周目に36号車の坪井が1コーナーで山本尚貴(STANLEY CIVIC TYPE R-GT)に並びかけ、コカコーラコーナーで抜き去って7位に浮上している。

 そしてこの辺りからGT500クラスは最初のピット作業を行うチームが相次ぐ。

 まずは30周目に16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)がピットイン。佐藤から大津にした。続いて31周目に12号車MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)がピットイン。こちらはスタートドライバーのバゲットがそのまま第2スティントを走る。

 33周目には4位を走行していた8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下信治)がピットイン。松下から野尻へ交代した。

 そして34周目に3位の17号車がピットイン。塚越がそのまま2スティント目を走る。

 2位の23号車は38周目にピットインするが、彼らはここから2スティント目を長めに引っ張る作戦をとり、多めの給油とライフの長いタイヤを装着してクインタレッリを送り出した。

 このため、最初のピット作業を終えた時点で17号車が再び23号車に先行する形となる。

 39周目に38号車KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)、36号車、19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GT(伊沢拓也/大草りき)、14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)が相次いでピットイン。ここで36号車は38号社に先行することとなり、6位に浮上した。

 トップの3号車は40周目にピットイン。こちらは高星がダブルスティントを担当、23号車とは作戦を変えてきた。

 その後は3号車が着実に後続との差を広げて行く展開となり、55周目には15秒132、61周終わりでは20秒260の大量リードを築き上げる。

 2位の17号車と23号車の差はこの時点で7秒704。23号車の背後には8号車の野尻が0秒398差に迫ってきた。

 トップの3号車が70周目にリードを23秒453まで広げる一方で、71周目の1コーナーでは野尻がクインタレッリをアウトから抜き去り、3位に浮上する。そしてこの辺りから各チームは2回目のピット作業に取り掛かることとなる。

 まずは72周目に19号車がピットイン。続いて73周目に12号車がピットイン。バゲットから平峰に交代する。64号車もこの周でピットインするが、大草はそのまま2スティント目を担当することに。

 そして74周目に17号車がピットイン。塚越から太田に交代したが、ここでAstemo REAL RACINGは給油とタイヤ交換に手間取って10秒近いタイムロスをしてしまう。この結果、77周目に給油とタイヤ交換、ドライバー交代を迅速に行なった23号車、そして78周目にピット作業を行なった8号車の先行を許すこととなり、17号車は4位に後退してしまった。この時点での2位は23号車、3位は8号車だ。

 しかし最終スティントを担当した太田はここから猛然と8号車を追い上げ、93周目の最終コーナーで8号車のインに飛び込む。これに対し8号車の松下も一歩も引かぬ構えで、2台は並走状態のまま1、2コーナーを駆け抜けるが、ここは松下が粘り勝ちでコカコーラコーナーで前に出た。

 しかし太田は95周目のGRスープラコーナーで再び松下のインに飛び込む。すかさず最終コーナーで並び替えす松下。ここでも松下が太田をねじ伏せた。

 こうしてコースの至る所で激しいバトルを繰り広げた2台だったが、残り時間が10分を切った110周目の最終コーナーを立ち上がったところで8号車はミッショントラブルに見舞われてスローダウン、そのままピットに戻って松下はクルマを降りた。

 一方、トップの3号車は三宅が80周目までに36秒082の大量リードを築き上げると、その後は堅実な走りに切り替えて周回を重ねて3時間で117周を走り切り、3号車Niterra MOTUL Z(高星明誠/三宅淳詞)が今季初勝利をものにした。高星とNISMO NDDPにとっては昨年8月の第4戦富士以来の勝利。今季からGT500クラスに抜擢された三宅にとってはわずか2レース目での優勝となった。

 また23号車MOTUL AUTECH Z(千代勝正/ロニー・クインタレッリ)も最終スティントを担当した千代が3号車を上回るペースでじわじわとその差を詰めていき、最後は13秒738差でフィニッシュ。ニッサン勢が昨年4月の第1戦岡山以来の1-2フィニッシュを達成した。

 ポールシッターの17号車Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/太田格之進)は8号車のトラブルにも助けられて最後は3位でフィニッシュ。しかし後半を担当した太田は「8号車を捉えきれなかったのは悔しかった」とレースを振り返る。

 そして前回岡山大会優勝の36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)は予選11位と苦しい位置からのスタートとなったが、坪井と山下の積極果敢な走りで着実に順位を稼ぎ、最後はスープラ勢最上位の4位でフィニッシュ。8ポイントをもぎ取ってドライバーズランキングトップの座を守った。

 次戦の舞台は三重県の鈴鹿サーキット。6月2日に今回同様の3時間レースを行う。

GT500のスタートシーン

GT500クラス決勝2位はMOTUL AUTECH Z(千代勝正/ロニー・クインタレッリ)

GT500クラス決勝3位はAstemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/太田格之進)

GT500クラスの表彰式

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum


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