2024オートバックススーパーGT第2戦「FUJI GT 3Hours RACE」の決勝が、5月4日、静岡県・富士スピードウェイで行われ、GT300クラスは、ポールスタートの88号車JLOC Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が、独走で優勝を飾った。
好天に恵まれたゴールデンウィークの富士大会には、2日間延べ88,400人(予選日34,500人、決勝日53,900人)という多くの観客が訪れた。
スタンドに詰めかけたファンが見守るなか、午後1時30分にレースがスタート。上位陣に大きな順位変動はないまま、ポールスタートの88号車JLOC Lamborghini(元嶋)が、2位の4号車グッドスマイル 初音ミクAMG(片岡龍也)以下を引き離しにかかる。
3位は開幕戦優勝の2号車muta Racing GR86 GT(平良響)、以下、65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥)、56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(佐々木大樹)、96号車K-tunes RC F GT3(高木真一)と続く。
ハイペースで周回する88号車は、2位の4号車に毎周1秒近いマージンを築きながら、徐々に独走態勢に持ち込んでいく。その差は18周経過時点で16秒まで広がる。
しかし、この頃から、好天のせいもあって多くの車両がタイヤのグリップ低下に苦しみ始める。トップを走る88号車も例外ではなく、何とか我慢の走行を続け、1時間が経過した34周目にピットに滑り込みタイヤ交換を敢行。ドライバーは元嶋のままだ。
その後も各チームが続々とタイヤ交換を行うなか、最後まで引っ張る作戦を取った2号車muta Racing GR86 GTが45周目にピットイン。
すべての車両が1回目のピットインを済ませた46周目の順位は、88号車JLOC Lamborghini、31号車apr LC500h GT、4号車初音ミクAMG、65号車LEON PYRAMID AMG、87号車METALIVE S Lamborghini GT3、52号車Green Brave GR Supra GT。
トップを独走する88号車が2回目のピットに滑り込んだのは69周目。規定ギリギリの1時間5分を残してドライバーを元嶋から小暮にチェンジ。すでに貯金は20秒と十分あるので、あとはペースを保ったままチェッカーまで走り切るだけだ。
そして、全車2回目のピットインを済ませた84周目、残り時間36分となった段階での順位は、88号車Lamborghini、52号車Supra、4号車AMG、56号車GT-R、31号車RC F、2号車GR86。
終盤、熾烈だったのは52号車(吉田)、4号車(谷口)、56号車(オリベイラ)の3台による2位争い。特にタイヤの状態が良い56号車のペースが良く、93周目に4号車を、97周目にはやや強引に52号車をパスして、2位に浮上。
最後はややペースを落としてチェッカーを受けた88号車は、昨年の最終戦に続く2勝目。ロングランをこなした元嶋は「楽しい2時間でした」と笑顔で、小暮は「チームに感謝したい」と喜びを噛みしめるように語った。
大きなアクシデントもなく盛況のうちに終了した富士大会。次戦の舞台は6月1〜2日の鈴鹿。今回と同じ3時間レースとして行われる。特性の違うコースで繰り広げられる戦いに注目だ。
Text: Shigeru KITAMICHIPhoto: Motorspots Forum