FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

第4戦もてぎレース9決勝 奥住慈英がデビュー4レース目で初優勝

優勝したした奥住慈英(Bionic Jack Racing)

 フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)第4戦RACE9決勝は7月22日(土)にモビリティリゾートもてぎで行われ、奥住慈英(Bionic Jack Racing F111/3)が16周のレースを制し初優勝を飾った。

 今シーズン6大会、全16レースで行われるシリーズの第4戦。エントリーは7台とやや寂しいがトップを行く小川颯太(Bionic Jack Racing F111/3)とランキング2位のリアム・シーツ(Sutekina Racing)を始め、スポット参戦のエンツォ・トゥルーリ(TOM'S FORMULA)やミハエル・サウター(Sutekina Racing)など注目の選手が揃っている。

 RACE9決勝は午後1時5分にフォーメーションラップ開始。ポールシッターの小川を先頭に全車グリッドにつくと、レッドライトが消灯してレースが開始された。

レースがスタートした

 ポールポジション小川の蹴り出しがよかったのに対して2番グリッドから発進のトゥルーリはスタートを失敗、セカンドロウの奥住、シーツ、さらに5番手スタートのサウターが順位を上げて第1コーナーに飛び込む。トゥルーリは5位までポジションを落としてしまう。

 先頭に立つ小川は快走、じわじわと奥住以下を引き離して行く。スタートに失敗したトゥルーリは前を行くサウターを捕らえにかかり、V字コーナーで間合いを詰めるとダウンヒルストレートでサウターのスリップストリームを利用して接近、90度コーナー立ち上がりでサウターの右サイドに出るとビクトリーコーナー出口でオーバーテイク、最終コーナーでインを奪うとサウターをアウトに追いやり前に出る。これでトゥルーリは4位に浮上。

 オープニングラップを終えてトップは小川、0.957秒差の2位奥住、1.795秒差で3位シーツ、やや離れて3.253秒差の4位トゥルーリと続く。2台がエントリーのマスタークラスは7番グリッドからスタートのYUKI(NILZZ Racing)がスタートで6番手スタートの近藤善嗣(KUJIRA Rn-sports-)をかわしてクラストップに立つが、続く2周目の第3コーナーで近藤がインからYUKIをオーバーテイク、順位を戻す。

 2周目、小川は僅かずつだが奥住を突き放し1.498秒差。この2台のペースについて行けないかシーツは2.611秒と遅れを取っている。さらに3周目、小川は1分51秒044とここまでのファステストラップを出し奥住との差を2.005秒までひろげる。一方シーツの後方にはトゥルーリが接近、3周目を終えて0.455秒と射程圏内に入ってくる。

 4周目、トゥルーリはS字でシーツの背後につけるとテール・ツー・ノーズ状態でダウンヒルストレートを駆け降りる。2台並んで90度コーナーへアプローチ。インにシーツ、アウトにトゥルーリでターンイン。ここはシーツが抑えるが、トゥルーリは続くビクトリーコーナーで今度は左サイドに出て並びかけると最終コーナーではシーツのイン側にラインをスイッチ、右サイドから並走してストレートを立ち上がると、0.018秒と僅かだが前に出てコントロールラインを通過、3位に浮上しその勢いのままで第1コーナーへ飛び込みシーツを完全に追い落とす。

 5周目、小川はセクター1、2と全体ベストを連発し、1分50秒943とファステストラップを更新。奥住との差を2.469秒までひろげる。さらには6周目、7周目と奥住を突き放しその差を3.122秒とする。一方シーツを仕留めたトゥルーリは奥住より速いペースで差を詰めており、6周目に2.232秒あった差は7周目1.992秒差とする。

 トップを独走する小川に異変が起きたのは8周目で、第5コーナーで大きくラインが膨らみコースアウト、グラベルの手前で踏みとどまったものの大きくタイムをロスする。コースには復帰したものの勢いを失って奥住以下が一気に接近する。そこから小川はペースを取り戻したかギャップを維持してメインストレートに戻ってくるが、2位奥住との間隔は僅か0.660秒の差だ。2位奥住と3位トゥルーリは1.491秒差。シーツはこのペースについていけず2.685秒後方に置いて行かれる。

 小川は再びペースを取り戻したか9周目0.771秒、10周目1.440秒と再び奥住を突き放そうとする。奥住を追うトゥルーリだが9周目に0.884秒差まで詰めたものの、続く10周目、最終コーナー手前のブレーキングで姿勢を乱してイン側のグラベルに飛び出し失速、コースアウトこそ免れたものの大きく後れをとってしまい、シーツに0.529秒差まで追い詰められてしまう。

 小川は11周目も奥住とのギャップを1.306秒と維持して調子が戻ったかと思われた12周目、V字コーナーで再びコースアウト。今度はグラベルまで進んでしまってストップしてしまう。V字コーナーへのアプローチからコントロールを失ったようにまっすぐアウト側のグラベルへ進んだ。レース後小川に聞いたところ、レース前ににも電子系のトラブルがあって、パドルシフトのシフトダウンができなくなるトラブルがあったとのこと。8周目にトラブルが出てからはブレーキングにも気を付けて走っていたのだが、11周目のV字で全く操作できなくなったそうだ。

 これでトップは奥住。2位トゥルーリは10周目のミスで3.516秒までギャップがひらき、3位シーツは0.832秒差でトゥルーリを追う。4位サウターで5位マスタークラストップの近藤、クラス2位のYUKIは近藤から5秒以上の遅れを取っている。  13周目、14周目、15周目と奥住は落ち着いたペースでトゥルーリとの差を3秒前後に保っている。トゥルーリもシーツとの間隔を0.909秒→1.320秒と維持して走行している。そしてファイナルラップ、奥住は僅かにペースを緩めたがトゥルーリに2.42秒の差をつけてチェッカードフラッグの下を通過、フォーミュラ・リージョナルでの初優勝を遂げた。2位トゥルーリ。急に決定したスポット参戦との事だったがスタートでの失敗から挽回して表彰台を獲得した。3位シーツに続いて4位にはサウター、3日前に来日して初めての日本、初めてのFR、初めのもてぎと初めて尽くしのレースを無事に終えた。5位はマスタークラス優勝の近藤、6位クラス2位のYUKIという結果になった。

 FRJ第4戦RACE10決勝は翌7月23日(日)の午前9時35分スタート予定だ。

優勝は奥住慈英(Bionic Jack Racing F111/3)

決勝2位はエンツォ・トゥルーリ(TOM\'S FORMULA)

決勝3位はリアム・シーツ(Sutekina Racing)

マスタークラス優勝は近藤善嗣(KUJIRA Rn-sports)

トップでゴールする奥住慈英(Bionic Jack Racing F111/3)

表彰式

マスタークラスの表彰式

息子のエンツォ・トゥルーリを見守るヤルノ

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース