SUPER FORMULA

SF:第6戦SUGO 中嶋一貴が2位、ロイック・デュバルが3位表彰台、中嶋一貴はランキング首位に浮上し最終戦へ (TOYOTA)

  • コース:スポーツランドSUGO (3.704km)
  • 予選:9月27日(土)晴:ドライ
  • 決勝:9月28日(日)晴:ドライ

 9月27日(土)28日(日)にスポーツランドSUGOでスーパーフォーミュラ第6戦が行われ、中嶋 一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が2位、ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)が3位表彰台を獲得。ランキング上位を争うアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)は1周目に接触、クラッシュでレースを終え、ドライバーズランキングでは中嶋一貴が首位に立った。

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2位、3位で表彰台に上った中嶋一貴(左)とロイック・デュバル(右)

 スーパーフォーミュラの第6戦が9月27日(土)、28日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われた。

 前戦オートポリスからわずか2週間のインターバルでの開催となる今大会は、全7戦で戦われるシリーズの第6戦。タイトルを狙うドライバーにとって重要な一戦となった。

 同じく最終戦を控えての第6戦として行われた昨年のSUGO大会は、セーフティカー導入4回、リタイア8台というサバイバル戦となったが、終盤にはロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)とアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)による激しいバトルが繰り広げられ、観客を魅了。今季の"ライト&クイック"な新生スーパーフォーミュラによる、SUGOでのバトルに期待がかかった。

 今大会も前大会オートポリス同様、SF14にとって初走行。26日(金)には1時間のテスト走行の機会が設けられた。27日(土)予選前の午前中に行われた1時間のフリー走行とあわせ、貴重なデータ収集及びセッティングの機会となったが、合計4回もの赤旗中断という、荒れたレースウィークの幕開けとなった。金曜日のテスト走行ではSUGOを得意とするデュバルがトップタイム。土曜日のフリー走行はロッテラーがトップ、デュバルが2番手、そして最後にコースアウトを喫したが、ジェームス・ロシター(KONDO RACING)が4番手のタイムをマークした。

◆予選◆

 27日(土)フリー走行の後、全日本F3の予選などを経て、午後1時10分より、気温20度、路面温度28度と過ごしやすい秋空の下、ノックアウト方式の予選が実施された。

 午後1時10分より20分間の予選Q1が開始。前半の10分ほどで全車一旦タイムを出した後、ピットへ戻り、残り6分弱で再コースイン。しかし、アタックラップに入ろうかという残り4分半ほどでエンジンブローした車両があり、セッションは赤旗中断。4分11秒という微妙な残り時間で再開された。

 平川 亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)が先陣を切ってコースイン。平川、ロッテラー、中嶋 一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)らはアウトラップの翌周からアタックを開始した。しかし、平川はアウトラップ中の車両に追いついてしまい、これに妨げられる形でタイムを伸ばせず。16番手でまさかのQ1敗退となってしまった。嵯峨 宏紀(TOCHIGI Le Beausset Motorsports)も20番手でQ2進出ならず。

 7分間のQ2では、セッションが進みタイムが更新されていく中、各車のタイム差は非常に僅かな厳しい戦いとなった。そんな中、セッションが残り50秒、各車最後のアタックに入っていた時、それまでQ3進出圏内であるトップ8に入っていた中山 雄一(KCMG)がスピンし、赤旗中断。セッションはタイムを延長し、残り2分20秒で再開されることとなった。この時点でトップ3につけていたロッテラーらはコースインしなかったが、他の車両は1発アタックへ。

 この一発アタックでタイムを刻んだロシターが2番手へ浮上。上位12台が0.5秒以内に入るという僅差のセッション、ぎりぎり8番手でQ3進出を果たした中嶋一貴に対し、このときアタックしなかった国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)は僅か0.006秒及ばず9番手でQ2敗退。

 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)は、赤旗中断直前に好タイムをマークしていたが、赤旗によりこのタイムが抹消され、セッション再開後のアタックではタイムが伸ばせず11番手でQ2敗退となってしまった。中山雄一もライバルにタイムを塗り替えられ、13番手グリッドとなった。

 Q3(7分間)は、各車じっくりとタイヤを暖め、残り4分を切ったあたりからアタックラップ開始。中嶋一貴、ロッテラー、デュバル、ロシターとタイムをマークしていったが、ロッテラーは0.164秒及ばず3番手。これに僅か0.038秒差でロシターが4番手。最後にタイムを上げた石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)がロッテラーと0.1秒以内というタイムを叩き出し5番手。中嶋一貴は最後僅かにタイムを縮めたが6番手。デュバルも中嶋一貴に0.26秒差の7番手となった。このセッションも、ポールポジションから7番手のデュバルまで0.5秒差という激しい争いとなった。

◆決勝◆

 28日(日)のSUGOは快晴に恵まれ、午後3時からのフォーメーションラップの後、68周で争われる決勝レースのスタートが切られた。

 2列目4番手グリッドのロシターが好スタートで2位に浮上。3番手グリッドのロッテラーはエンジンストールしかかり大きく後退。6番手グリッドの中嶋一貴が4位へとジャンプアップを果たした。

 後方集団に飲みこまれたロッテラーは、追い上げを狙ったが、スタート直後の混乱の中、2コーナーでオリベイラと接触。スピンを喫したオリベイラの車両にロッテラーともう一台の後続が乗り上げ、跳ね上がった2台はクラッシュ。ドライバーは全員無事だったが、オリベイラ、ロッテラー共にここでレースを終え、ランキングの1位、2位が1周目にして消えることとなってしまった。

 このアクシデントにより1周目からセーフティカーが導入。5周目に再スタートが切られた。

 10周目に平川がピットイン。翌周にはクマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン(Lenovo TEAM IMPUL)もピットへ向かった。

 17周目、クラッシュが発生しこの日2度目のセーフティカーが導入されると、多くの車両がこのタイミングで一斉にピットへ。ここで、ピットに向かわなかった国本が首位に浮上。同じくピットに入らなかった中山雄一がこれに続く形となった。先にピットに向かっていた平川らは、不運にもその直前にセーフティカーが入ってしまったため、抑えられる形となりポジションアップならず。

 ピット組では、中嶋一貴、デュバルらがタイヤ無交換の給油のみ、対してロシターは4本交換と、タイヤ交換によるピット作業時間の違いで順位が入れ替わり、中嶋一貴が5位、デュバルが6位、ロシターが7位で22周目に再スタート。再スタート直後には3ワイドのバトルが展開され、中嶋一貴、デュバル、ロシターはそれぞれ一つずつポジションを上げた。

 タイヤ交換やセーフティカーラン中にタイヤが冷えたことも影響したか、再スタート直後にはコースアウトやスピンが多発。そんな中、首位の国本と2位の中山は好ペースで後続を引き離していった。

 その後、中盤戦は大きな順位変動の無いまま周回が重ねられていった。首位の国本は、ファステストラップを更新しながらのハイペースで後続を引き離し、その差は8秒まで広がったが、残り10周を切った59周目、ついに給油のためにピットへ。短い給油のみの“スプラッシュ・アンド・ゴー”を行ったが、ピットレーン走行によるタイムロスもあり、10位まで順位を落としてしまった。

 国本のピットにより首位に立ったルーキーの中山雄一は、自己ベストタイムをマークしながら首位を逃げたが、65周目、残り3周というところで燃料切れにより痛恨のスローダウン。何とか残っていた燃料でピットまで戻り、給油を行ってレースに復帰したが、13位へと後退。

 これで2位に浮上した中嶋一貴が、ファイナルラップに猛追を見せたが届かず、2位でフィニッシュ。デュバルが3位、ロシターが4位となった。石浦が6位、平川は8位でポイント獲得を果たした。

 この結果、中嶋一貴がポイントランキングで首位に浮上し、トヨタドライバーのタイトル獲得は確定。また、チームランキングでは、最終戦を待たずしてPETRONAS TEAM TOM'Sのタイトルが決定した。

 ドライバーズタイトル争いでは、最終戦鈴鹿は2レース制で最大18ポイントの獲得が可能なため、数値上では7位の国本まで逆転タイトルの可能性を残して最終戦に臨むこととなる。中嶋一貴が首位に立ったとはいえ、2位のオリベイラとは4ポイント差、3,4位のロッテラーとデュバルが6.5ポイント差、石浦が10ポイント差とその差は僅かであり、最終戦も激戦となることが予想される。

PETRONAS TEAM TOM'S 37号車 ドライバー 中嶋 一貴:
 「あまり調子の良くなかった予選で、6番手につけられたのは我ながら上出来だった。そこからのスタートで、決勝に向けてやって来たことが実を結んだ結果だと思う。レース中も良いペースで周回を重ねられた。タイヤを換えないという判断も大きかった。2回目のセーフティカー導入後、少し離されることもあったが、また追いつくことも出来た。ここまで何戦か出口の見えない状況が続いたが、最終戦に向けて良い光が見えてきた。周りも調子を上げて来ているので、ポイントリーダーではあるが、追いかけるつもりで最終戦に臨みたい」
KYGNUS SUNOCO Team LeMans 8号車 ドライバー ロイック・デュバル:
「今日は昨日と大きくセッティングを変えなくてはならなかった。今朝の走行では当初は調子が良かったが、クルマにトラブルが出て走行が限られ、スタート練習も出来ないなど、いつもの決勝に向けてのルーティンの作業が出来ないまま決勝を迎えた。レースが始まってからのペースは良かったが、タイヤのマネージメントも必要だし、前の一貴選手に近づいてもパスは出来ず、ミスするドライバーでもないので、その繰り返しとなり最終的に3位となった。最終戦の鈴鹿は2レースあるし、何が起こるか分からないので最後まで諦めず頑張りたい」
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