2014全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ第7戦「JAF鈴鹿グランプリ」の決勝レース1が11月9日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。
公式予選とはうって変わり、レインコンディションでの戦いとなったこのレースを制したのは予選4番手の#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)。見事なスタートで一気にトップに立ち、そのまま後続を突き放して今季3勝目を挙げた。
2位にはポイントリーダーの#37中嶋一貴(PETORONAS TEAM TOM'S)がつけ、ポールシッターの#36アンドレ・ロッテラー(PETORONAS TEAM TOM'S)は3位に終わった。(天候:雨 コース:ウェット)
2レース制で行われる最終戦のレース1は午前10時10分にフォーメーションラップを開始したが、14番手スタートの#34伊沢拓也がグリッド上でエンジンストール。
これによりスタートがディレイとなり、10時21分に二度目のフォーメーションラップが開始。レースは1周減算されて19周で行われた。
ここで見事なダッシュを決めたのが4番手スタートの#19オリベイラ。 一気にアウト側にラインを変えてフロントローのトムス勢を押さえ、トップで1コーナーへ飛び込んだ。
ポールシッターの#36ロッテラーは僅かにホイールスピンをさせてしまって車速が伸びず、#37中嶋も動き出しからオーバーテイクボタンを押してオリベイラを追ったが、あと一伸びが足りなかった。
1周目を終えての順位は#19オリベイラ、#37中嶋、#36ロッテラー、#8デュバルの順。 しかしデュバルにはジャンプスタートの裁定が下り、ドライブスルーペナルティが課せられることに。
これによりデュバルは6周終わりでピットに向かい、一気に17位まで後退した。
一方、トップのオリベイラはそのまま快調にペースを上げ、2位#37中嶋との差を徐々に広げていくが、10周目の130Rで#32小暮卓史がコースアウト、車体が裏返るほどの勢いでバリアに突っ込んだため、これを排除するためにセーフティーカーが導入された。 幸い小暮は自力で脱出したものの、これでオリベイラが築いたリードは一気に失われてしまった。
レースは14周終わりでリスタートとなったが、ここでもオリベイラは落ち着いて後続を抑え、トップを守る。
この頃から次第に雨脚は強まり、特に西コースでは前がまったく見えなくなるほどの水しぶきが上がる状態となったが、それでもオリベイラはハイペースで逃げ続け、最後は中嶋に3.8秒の差をつけてチェッカーを受け、今季3勝目を挙げた。
2位は中嶋一貴、3位にはロッテラーがつけ、デュバルは懸命に追い上げたが11位に終わった。
これによりシリーズポイントは中嶋38、オリベイラ37、ロッテラー31.5、デュバル26.5となり、デュバルのチャンピオン獲得の可能性はなくなった。
またロッテラーもレース2での優勝が必須となり、中嶋とオリベイラは前でフィニッシュしたほうがそのままタイトルを獲得することになった。
決勝レース2は午後3時より28周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIROPhoto: Motorsports Forum