SUPER GT

SUPER GT第8戦オートポリス決勝 XANAVI NISMO Zが今季初勝利

 AUTOBACS SUPER GT第8戦(SUPER GT in KYUSHU 300km)は、大分県のオートポリスで決勝を行い、65周を走ってXANAVI NISMO Z(本山哲/松田次生組)が今季初の総合優勝を果たした。GT300クラスもプリヴェチューリッヒ紫電(加藤寛規/高橋一穂組)が初優勝した。

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 サポートレースも順調に消化され午後になると、オートポリス上空は雲一つない快晴となってきた。日差しも強いが、阿蘇の草原を渡り外輪山を降りてきた涼しい風が1コーナーから最終コーナーに向かって吹き、体感温度は高くない。絶好の環境の中で決勝レースを迎えた。

 午後1時55分、ペースカー先導でローリングンラップが始まった。1周を回ってスタート。先ずはTAKATA童夢NSXの道上龍が先頭で1コーナーへ。少し遅れてARTA NSXのラルフ・ファーマンの背後にXANAVI NISMO Zの松田次生が迫るが、抜けず。しかし、トップのTAKATA童夢NSXが突然ジェットコースターストレートで失速。ARTA NSXがトップに立った。TAKATA童夢NSXは3位のXANAVI NISMO Zにも抜かれ3位に、さらにRAYBRIG NSXのセバスチャン・フィリップにも抜かれ4位に落ちた。ドライバーズランキング上位のARTA NSXとRAYBRIG NSXを先行させるための、ホンダのメーカーオーダーか?

 GT300クラスでは、プリヴェチューリッヒ紫電の加藤寛規が好スタート。2位のEBBRO BTEC MAZIORA 350Rの黒澤琢也を離しつつある。そして7周目、GT300クラスの3位を走っていた雨宮アスパラドリンクRX7の山野哲也がEBBRO BTEC MAZIORAをパスし2位に上がった。EBRO BETC MAZIORAはその後、ジャンプスタートによるドライビングスルーペナルティを受け、さらに後退。

 9周目、なんとトップを走行し、2位以下を離しつつあったARTA NSXにオレンジボールが提示された。右側リアカウルが接触のためか剥がれかかっており、この修復を要求されたようだ。

 10周を回ってARTA NSXがピットイン。これで、XANAVI NISMO Zがトップに立った。2位にRAYBRIG NSX、3位にTAKATA童夢NSX、4位カルソニックインパルZのブノワ・トレルイエ、5位ZENTセルモSCの高木虎之介、6位Mobil 1 SCの飯田章。ARTA NSXは修復に50秒以上を要し、GT500クラスの最下位15位まで落ちてしまった。

 15周を終わってトップXANAVI NISMO Zが2位のRAYBRIG NSXを5秒7離し独走状態に。3位のTAKATA童夢NSXがランデブー状態でこれに続き、4位のカルソニックインパルZとは4秒近い差。5位のZENTセルモSCはさらに後方14秒差だ。6位のMolib 1 SCは16周目にコースアウトしたため、代わってMOTUL AUTECH Zのミハエル・クルムが6位に上がってきた。

 22周を回って4位を走るカルソニックインパルZがピットイン。タイヤを交換し、ドライバーを星野一樹に交代しピットアウト。ルーティーンとしては早いので、2ストップかタイヤが厳しかったのかも知れない。

 26周目、トップXANAVI NISMO Zは2位以下をさらに12秒離して一人旅。2位のTAKATA童夢NSXと3位のRAYBRIG NSXの順位がひとまず入れ替わった。この周を終わってXANAVI NISMO Zがピットインしてドライバーを本山哲に交代する。

 さらに、27周を終わってRAYBRIG NSXとMOTUL AUTECH Zがピットインしドライバーをそれぞれ細川慎弥、リチャード・ライアンに交代してピットアウトした。29周を終えるとTAKATA童夢NSXもピットイン。ドライバーを小暮卓史に交代してピットアウトしていった。

 31周を終わってトップはイエローハットYMSトミカZのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ、2位はEPSON NSXのロイック・デュバルだがこの2台はまだピットインしていない。3位にドライバー交代したXANAVI NISMO Z、4位がTAKATA童夢NSX、5位がRAYBRIG NSX。

 35周目、2位の(実質的にはトップの)XANAVI NISMO Zの背後にTAKATA童夢NSXが迫ってきた。ピットアウト後、XANAVIのペースが上がらないようだ。これは、タイヤの消耗セーブと平均ラップタイムを上げない戦略かも知れない。37周を回ってトップのイエローハットYMSトミカZがピットインしたため、この2台は名実ともにトップ争いとなった。

 40周を終わってトップXANAVI NISMO Zの本山と2位のTAKATA童夢NSXの小暮の差は僅か0.3秒、3位RAYBRIG NSXの細川との差は1秒余り。3台での接近戦だが、終盤に向けてタイヤセーブモードの走行のためかお互い仕掛けるような無駄な動きはない。

 44周目、4位を走っていたカルソニックインパルZが2度目のピットイン。このためZENTセルモSCが4位に。5位はMOTUL AUTECH Z、6位にOPEN INTERFACE TOM'S SC。しかし、トップとZENTセルモSCとの差は45秒余り。トップ争いは完全にXANAVI NISMO Z、TAKATA童夢NSX、RAYBRIG NSXの3台に絞られた。

 55周を回り、残り10周となった。トップXANAVI NISMO Zと2位TAKATA童夢NSXとの差は2秒余り。3位のRAYBRIG NSXはさらに4秒後方だ。

 62周目、2位を走るTAKATA童夢NSXが3位のRAYGRIG NSXに道を譲り順位が入れ替わった。

 レースはこのまま終了。優勝はXANAVI NISMO Zで今季初。2位にRAYBRIG NSXが入り、ドライバーズ選手権ポイントでトップに立った。3位にはTAKATA童夢NSX。4位には2度のピットインながらカルソニックインパルZ、5位にはZENTセルモSC。6位にMOTUL AUTEC Zが。ポイントリーダーだったOPEN INTERFACE TOM'S SCは7位だがこれは予定の順位だろう。

 GT300クラスは、トップを走るプリヴェチューリッヒ紫電が41周まで引っ張って、ドライバーを加藤寛規から高橋一穂に交代。この時点で2位以下との差が20秒足らず。しかし、2位に入った雨宮アスパラドリンクRX7との差を13秒まで詰められたが、高橋が残り周回を堅実に走りきってチェッカー。初優勝を果たした。3位には予選クラス11位からDHG ADVAN FORD GTが入った。

 GT300のドライバーズ選手権でポイントリーダーだったアネブルADVAN VEMAC320Rは、トップが51周目に入ったあたりに他車と接触。クラッシュしてレースを終えてしまった。

 次回、最終戦は11月5日に富士に舞台を移し開催される。RAYBRIG NSXとトヨタ勢の争いに注目だ。

Text: Yoshinori OHNSIHI / Photo: Keiichiro TAKESHITA

【後記】

 決勝終了後、ピット作業違反のためRAYGRIG NSX(セバスチャン・フィリップ/細川慎弥組)の決勝タイムに30秒が加算された。そのため、TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)が2位に繰り上がり、RAYGRIG NSXは3位に降格となっている。



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