SUPER GT

SGT:第5戦SUGO ROCKSTAR 童夢 NSX(道上龍/小暮卓史組)が今シーズン2度目の表彰台 (HONDA)

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道上龍選手と小暮卓史選手の表彰台
  • 2009年7月26日(日)決勝
  • 会場:スポーツランドSUGO(3.704km)
  • 天候:予選/曇り、決勝/晴れのち雨
  • 気温:29℃(14:00現在)
  • 路面温度:35℃(14:00現在)
  • 決勝レース:81周(300.044km)
  • 観客:2万6000人(主催者発表)

 7月26日(日)、宮城県にあるスポーツランドSUGOにおいて2009 オートバックス SUPER GT第5戦「SUGO GT 300km RACE」の決勝レースが開催された。

 スポーツランドSUGOは、Honda NSX-GT勢にとって一昨年、昨年と2年連続優勝を飾っている相性のいいサーキットである。現在、ドライバーズランキング3位につける#8 ラルフ・ファーマン/伊沢拓也組(ARTA NSX)、同5位の#17 金石年弘/塚越広大組(KEIHIN NSX)を中心として、NSX-GT勢が後半戦に向けて反撃のターニングポイントとなるのか注目された。

 7月25日(土)に開催された公式予選では、#18 道上龍/小暮卓史組(ROCKSTAR 童夢 NSX)が4番手、#8 ラルフ・ファーマン/伊沢拓也組(ARTA NSX)が11番手、#32 ロイック・デュバル/中山友貴組(EPSON NSX)が12番手、#100 井出有治/細川慎弥組(RAYBRIG NSX)が13番手、#17 金石年弘/塚越広大組(KEIHIN NSX)が14番手から決勝スタートを迎えることとなった。

 26日(日)の決勝レースは、朝から晴天に恵まれて強い日差しが照らしたために気温が急上昇し、スタート時点で気温29℃、路面温度35℃とマシン、タイヤ、ドライバーにとって非常に厳しいコンディションとなった。ただ、夕方には雨が降るとの予報もあり、レースの展開が読めない状況で14時2分に 35台(GT500クラス14台)のマシンがローリングスタートを切った。

 オープニングラップは、道上龍選手(#18 ROCKSTAR 童夢 NSX)が6位と出遅れたものの、11番手スタートのR.ファーマン選手(#8 ARTA NSX)が8位、13番手スタートの井出有治選手(#100 RAYBRIG NSX)が9位まで順位を上げる。

 4周目に入るころから、急激に厚い雲が空を覆い始める。まだ雨が降る気配は無いものの、各チームはレインタイヤを準備して万全を期する。6周目あたりからGT300クラスのバックマーカーが発生し、各マシンはコース幅の狭いSUGOでパスをするのに苦労しながら走行を続ける。

 6位を走行する道上選手は、後続のプレッシャーに耐えながらの走行となるが、粘り強い走りでポジションをキープしている。17周目に、#100 RAYBRIG NSXの井出選手が激しいアタックで7位に浮上。18周時点で、NSX-GTは#18 ROCKSTAR 童夢 NSXが6位、#100 RAYBRIG NSXが7位、#8 ARTA NSXが9位、#17 KEIHIN NSXが12位、#32 EPSON NSXが14位を走行する。

 21周目には、#8 ARTA NSXが8位に浮上するが、22周目にタイヤのスローパンクチャーが発生したために、23周終了時に早めのピットインを敢行。前後輪のタイヤ4本を交換し、21秒のピット作業でR.ファーマン選手がコースに復帰した。26周目あたりから細かい雨が降り始め、各チームはレインタイヤを準備してピット作業に備える。

 雨はまだ小降りながらも、各マシンはドライバー交代のタイミングでレインタイヤもしくは浅溝のレインタイヤに交換してコースに復帰する。

 路面は次第にウエットコンディションに変化し、ラップタイムもドライ時の1分19秒台から1分28秒台まで遅くなっている。33周終了時に雨が強くなってきたために、各マシンが一斉にピットインを敢行。ほぼ全車がタイヤ交換を済ませた36周時点で、#100 RAYBRIG NSXが8位、#18 ROCKSTAR 童夢 NSXが9位、#32 EPSON NSXが11位、#17 KEIHIN NSXが12位、2回目のピットインを終えた#8 ARTA NSXが14位を走行する。

 レース中盤から路面はフルウエット状態となり、水しぶきで前が見えなくなるほどの悪条件の中、#100 RAYBRIG NSXの細川慎弥選手は47周目に6位まで浮上する。#18 ROCKSTAR 童夢 NSXの小暮卓史選手も7位、#17 KEIHIN NSXの塚越広大選手も10位に浮上し、NSX勢が徐々に順位を上げていく。

 50周目を過ぎるころになると雨は止み始めて小降りになるが、気温が下がったためチェッカーフラッグまでに路面が乾くのか各チームの予測が分かれる展開となった。そのため、トップグループは最後までラップタイムをキープしながらレインタイヤを保たせる走りが求められ、追い上げを図るチームはドライタイヤに賭けて逆転をねらうのか、難しい判断を迫られた。

 56周時点で、#100 RAYBRIG NSXが5位、#18 ROCKSTAR 童夢 NSXが6位、#17 KEIHIN NSXが10位、#32 EPSON NSXが12位、#8 ARTA NSXが13位を走行する。

 65周目時点で乾いた路面も現れていたが、小雨が再び降り始める。4位まで順位を上げた#100 RAYBRIG NSXは、#18 ROCKSTAR 童夢 NSXとテール・トゥ・ノーズのバトルを繰り広げながら、3位を走行するマシンを追い上げていく。77周目の馬の背コーナーで#100 RAYBRIG NSXの細川選手と#18 ROCKSTAR 童夢 NSXの小暮選手は、同時に前車を抜き去り3-4位に浮上。同じ周回で#17 KEIHIN NSXの塚越選手も6位にポジションを上げた。

 ラストラップとなる81周目の1コーナーで、#18 ROCKSTAR 童夢 NSXが#100 RAYBRIG NSXをパスして3位に浮上し、そのままチェッカーフラッグを受けた。#18 ROCKSTAR 童夢 NSXは開幕戦の2位以来となる今シーズン2度目の表彰台獲得となった。#100 RAYBRIG NSXが4位、#17 KEIHIN NSXが6位、#32 EPSON NSXが11位、#8 ARTA NSXが14位となり、NSX-GTは全車完走を果たした。

 この結果、ドライバー部門のシリーズチャンピオン争いにおいて計33ポイントの#8 ラルフ・ファーマン/伊沢拓也組(ARTA NSX)がランキング4位。計32ポイントの#18 道上龍/小暮卓史組(ROCKSTAR 童夢 NSX)が5位、計31ポイントの#17 金石年弘/塚越広大組(KEIHIN NSX)が6位となった。チーム部門は、TEAM YOSHIKI&童夢PROJECTが計45ポイントでランキング4位、AUTOBACS RACING TAEM AGURIとKEIHIN REAL RACINGが計44ポイントで5-6位につけている。

コメント
白井 裕(Hiroshi Shirai)|NSX-GTプロジェクト・プロジェクトリーダー
 「予選での結果を考えると今回3位表彰台を獲得できたことは上出来でしょうね。土曜日の練習走行と予選では路面温度が高くなったため、スーパーラップに進出できた18号車以外は軒並み厳しいグリッドで決勝を迎えることになりました。決勝においても、レース前半に雨が降り始めたために、難しいタイヤマネージメントが求められる状況でした。浅溝のレインタイヤを選択したチームの判断と、3位に入った18号車は、終盤での小暮選手の果敢な走りと、序盤でタイヤトラブルを抱えながらも我慢の走りをした道上選手の好走が光りました。また100号車、17号車も後半、よく順位を上げてくれました。次戦は鈴鹿での Pokka GTになります。今回の結果でも明らかですが、まだまだメカニカルグリップを向上させ、ホームコースである鈴鹿でいい結果を残したいと思います」
道上 龍選手(3位 #18 ROCKSTAR 童夢 NSX)
 「今シーズン初めてスタートドライバーを務めたので、スタート前は久々に緊張しました。スタートではウエイトの軽いマシンが速くて、少し出遅れてしまいましたが、トップグループについて走ることができると考えていました。ところが、10周目あたりになってマシンが左コーナーで全く曲がらなくなったので、調べてみると右リアタイヤの内圧が低下していました。この時点で最少ラップ数をクリアして小暮選手にバトンタッチするまで順位をキープする作戦に切り替えました。後続を抑えながら走行を続けて小暮選手に交代した後、彼のがんばりとすばらしい追い上げに感動しながら、自分が本当にいいチームメートとスタッフに恵まれているのだと実感しました。これからも、このチームに最大の貢献ができるように全力を尽くしてがんばりたいと思います」
小暮卓史選手(3位 #18 ROCKSTAR 童夢 NSX)
 「予選から前後バランスのセッティングに苦労しましたが、チームスタッフのお陰でNSX-GT勢では一番の仕上がりになって決勝を迎えました。早めにドライバー交代をして、浅溝のレインタイヤに履き替えてから完全にウエットコンディションになるまで時間が掛かったので、タイヤの傷みが大きくてグリップ不足に悩みました。ペースがなかなか上がらずに我慢の走りを続けていたら、終盤になって深溝のレインタイヤを履いたマシンのタイムが落ちてきたので、順位を上げて表彰台を獲得することができました。とにかく、最後まであきらめなかったことがいい結果を残せた理由だと思います。後半戦も粘り強く戦っていきますので応援をよろしくお願いいたします」
Text & Photo: HONDA


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