SUPER GT

SGT:第4戦SUGO TDPコンビ 石浦宏明/井口卓人組LEXUS SC430が2位表彰台、GT300クラスではLEXUS IS350とカローラアクシオが1-2フィニッシュ! (TOYOTA)

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TDPドライバーの石浦宏明(右)と井口卓人(左)

 SUPER GT第4戦「SUGO GT 250km RACE」が7月30日(土)、31日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。

 コース幅が狭く、アップダウンの激しい林間のテクニカルコースのSUGOは、過去数々の名勝負が繰り広げられてきたコースである。

 3月の東日本大震災で大きな被害を受けた東北に位置するSUGOも、地震による被害を受けたが、無事に修復を終え、今大会を開催。今季のSUPER GTは全大会を「東日本大震災復興大会」として開催しているが、今大会でも、被災者のレースへの招待など、様々な支援活動が行われた。

 この週末は、30日(土)31日(日)の2日間あわせて36200人ものモータースポーツファンがSUGOを訪れ、国内最高峰のGTカーによる迫力あるバトルの魅力を満喫した。

◆予選◆

 30日(土)は朝から雨に見舞われ、午前中の公式練習走行はウェットコンディション。午後12時25分からの予選1回目開始時点では、雨は止んでおり、ライン上は乾きかけているという状況で、スーパーラップへの進出権をかけたアタック合戦が繰り広げられた。

 この予選1回目は、セッション後半にオイルがコース上に出たために赤旗が出されるなど波乱の展開。ここでENEOS SUSTINA SC430 6号車が12番手、WedsSport ADVAN SC430 19号車が14番手に終わり、惜しくもスーパーラップ進出を逃し、グリッドが確定した。

 午後2時半から開始されたスーパーラップは、開始前から雨が降り始め、完全なウェットコンディション。その後も降ったり止んだりの変わりやすい天候の下、難しいコンディションでのアタックとなった。

 そんな中、TDPドライバーの石浦宏明がアタックを担当したDENSO SARD SC430 39号車が、若干のミスがあったにもかかわらず好タイムをマーク。最後に上回られて惜しくもポールポジション獲得はならなかったものの、最前列2列目グリッドを獲得した。

 PETRONAS TOM'S SC430 36号車が6番手、D'STATION KeePer SC430 35号車が8番手、ZENT CERUMO SC430 38号車が9番手から決勝のスタートを切ることとなった。

 GT300クラスでは、スーパーラップに進出したSG CHANGI IS350 14号車が3番手と好位置につけ、TDPドライバーの国本雄資が初めてスーパーラップのアタックを担当したCOROLLA Axio apr GT 74号車も5番手を確保。ハセプロMA イワサキ aprカローラ 31号車は14番手となった。

◆決勝◆

 31日(日)決勝前の朝のフリー走行もスタート時は雨が降っていたが、セッション中に雨は止み、午後2時の決勝スタート時には路面はドライ。気温21度、路面温度23度と、7月とは思えない肌寒いコンディションで、重く立ちこめた雲の下、68周で争われる決勝レースのスタートが切られた。

 最前列2番手スタートの39号車は石浦がスタートを担当し、順当にポジションをキープ。その後方では、6番手スタートの36号車が、アンドレ・ロッテラー得意の抜群のスタートにより5位へとポジションを上げた。なおも前走車を攻めた36号車だったが、7周目に惜しくもコースオフ。大きく順位を下げてしまった。

 レースは中盤に入ると各チームがピット作業を行い、順位は変動。ピットアウト直後の周回では、低い路面温度にタイヤが暖まらず、苦しい走りを見せる車両も多く見られた。TDPドライバーの大嶋和也がスタートを担当し、長いスティントで最後までピットインを引っ張った6号車は、42周目にピットイン。6位でコースへと復帰した。 大嶋と交代し、6号車の後半を担当した伊藤大輔は猛追を開始。まもなく前を行くRAYBRIG HSV-010 100号車に追いつくと、10周以上に渡ってテール・トゥ・ノーズでの激しい5位争いを展開。周回毎に前を伺う6号車と、押さえる100号車との息詰まるようなバトルに観客は釘付けとなった。

 残り4周、ストレートでぴったりとスリップストリームに入った6号車は、1コーナーへの進入で並びかけると、クロスラインで見事100号車をパス。その後のヘアピンでは100号車がインを差し替えし、2台は接触。6号車はスピンを喫してしまったが、その後順位を戻し、5位へと浮上した。

 一方、石浦からバトンを受け取り2位を走行する39号車のTDPドライバー 井口卓人は、終盤後続からの猛追を受けるが、これを見事に凌ぎきり、2位でチェッカー。39号車は今季初、井口にとってはGT500クラス初めてとなる表彰台を獲得した。

 終盤観客を沸かせた6号車も5位でフィニッシュ。後方から見事な追い上げを見せた19号車が8位、36号車が9位に入った。

 GT300クラスでは、3番手スタートの14号車が序盤から好走を見せ、9周目に首位を奪うと、その後もポジションを守りきってトップでチェッカー。今季からSUPER GTに参戦しているチームと、アレキサンドレ・インペラトーリにとっての初勝利をもたらした。

 5番手スタートの74号車は、序盤は選択したタイヤが路面とあわず、若干順位を落としたが、早めのピットインで新田守男から国本へとドライバー交代を行った後は、国本が着実にポジションを上げ、14号車に続く2位でフィニッシュ。GT300クラスは、LEXUS IS350とカローラアクシオの1-2フィニッシュとなった。

DENSO SARD SC430 39号車 ドライバー 石浦宏明:
 「今回はタイヤのおかげで、雨の予選結果もよく、決勝でも表彰台に乗ることができた。スタートではタイヤカスを拾ってしまいペースが上がらず、46号車に逃げられてしまった。その後は抜かれないよう前後とのペースコントロールをしながら、2位で井口に繋ぐ事ができた。後半は、ペース的には後続のクルマが速く心配していたが、井口が最後までしのぎ切り、無事に2位のままチェッカーを受けてくれて良かった」
DENSO SARD SC430 39号車 ドライバー 井口卓人:
 「石浦選手からスイッチした時に、前後に大きなマージンがあったので、タイヤマネージメントを考えながら走った。後半、差を縮められてドキドキしてしまったが、なんとかGT300クラスの車両を上手く使いつつ、2位でチェッカーを受けることができて、ほっとしている」
SG CHANGI IS350 14号車 ドライバー  折目 遼:
 「ここまでの3戦、なかなか結果が出ず、内容的にトラブルがあったりクラッシュがあったりと、散々なレースが続いてきたが、それを払拭するようなパーフェクトウィンだった。後半戦にもこの勢いを維持できるよう頑張りたい」
SG CHANGI IS350 14号車 ドライバー  アレキサンドレ・インペラトーリ:
 「今日の優勝は、SUPER GTに参戦して初めての勝利なので、本当に嬉しい。前半、折目のスティントでトップに立つことができたのが勝因。自分に交代してからは、ニュータイヤを履いていたので、プッシュでき、2位と大きなギャップを築いたままチェッカーを受けることができた。良いクルマを仕上げてくれたチームに感謝している」
COROLLA Axio apr GT 74号車 ドライバー  新田守男:
 「これまで苦しい戦いをしてきたので、今回の菅生には、勝負しに来たつもりだ。しかし、今年からタイヤを変更したためにデータが全くない状態だったにも関わらず、これだけのパフォーマンスで2位でチェッカーを受けることができたのは、良かった。ピット勝負だと思っていたので、ライバルチームの様子を見つつ、ピットアウトしていった国本選手の熱い走りを見て、ドライバーとして、相棒としてとても感動した」
COROLLA Axio apr GT 74号車 ドライバー  国本雄資:
 「自分は、後半のスティントを担当したが、前半頑張ってくれた新田さんが良い順位で自分に繋いでくれたし、チームのピットワークも完璧だった。また、アウトラップでのタイヤの温まりがとても良かったことも有利に働き、自分としてはとても良いレースができたと思っている。できれば優勝したかったが、予選5番手からのスタートで、2位表彰台という結果には、とても満足している」
Text & Photo: TOYOTA


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