SUPER GT

SGT:第4戦セパン 大波乱となった熱暑のセパンラウンドでENEOS SC430が4位フィニッシュ (TOYOTA)

GT300クラスではTDPコンビのカローラアクシオが3位表彰台
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4位フィニッシュを果たしたENEOS SC430 6号車

 SUPER GT第4戦「SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA」が6月19日(土)、20日(日)の両日、マレーシア・クアラルンプール近郊のセパン・サーキットで開催された。

 シリーズ唯一の海外遠征戦として10度目の開催となるセパンラウンドはF1マレーシアGPも開催されるセパン・サーキットが舞台。熱帯のマレーシアならではの猛暑の中での戦いとなり、ドライバーはもちろん、タイヤや車両にも厳しいレースとなる。

 レクサス勢は前戦富士をトップ4独占という圧倒的な速さで席巻。第3戦終了時点でドライバーズランキングでもトップ4を占めている。一方で、獲得ドライバーズポイントによって搭載されるウェイトハンデでは、この上位4台は50kg以上を課せられることとなり、テクニカルサーキットのセパンでは、厳しい戦いが予想された。

 今大会にはレクサスチームからGT500クラスに5台のLEXUS SC430が出場。また、GT300クラスに1台のLEXUS IS350と2台のカローラアクシオが出場した。

◆予選◆

 19日(土)午前中の公式練習に続き、午後2時15分から予選1回目が行われ、上位8台がスーパーラップへ進出した。レクサス勢は、重いウェイトハンデに苦しみ、PETRONAS TOM'S SC430 1号車が10番手、前戦完全優勝を飾ったMJ KRAFT SC430 35号車が12番手、DENSO DUNLOP SARD SC430 39号車が13番手に留まりスーパーラップ進出はならず。

 しかし、ENEOS SC430 6号車は64kgものウェイトハンデをものともせず予選1回目でトップタイムをマーク。ZENT CERUMO SC430 38号車も7番手につけ、2台がスーパーラップに進出。午後4時20分から行われたスーパーラップでは、6号車が4番手、38号車が7番手となった。

 GT300クラスでは、ウェッズスポーツIS350 19号車が3番手、エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラ 31号車が4番手でスーパーラップに進出。スーパーラップでは、19号車が6番手、31号車が8番手につけた。前戦初優勝を挙げたCOROLLA Axio apr GT 74号車は惜しくもスーパーラップ進出を逃し、10番手グリッドとなった。

◆決勝◆

 20日(日)昼間の猛暑を避け、日がやや傾きかけた現地時間午後4時から決勝レース(54周:約300km)がスタート。とはいえ、好天に恵まれたサーキットは、スタート時でも気温35度、路面温度48度という猛暑の中で、文字通りの熱戦の火蓋が切られた。

 上位勢は順当なスタートを切る中で、7番手スタートの38号車と10番手スタートの1号車はそれぞれ6位、8位へとポジションアップ。しかし、38号車はスタート直後の接触でペナルティを科され、後退を余儀なくされてしまった。

 6号車は序盤3位争いを展開するも、タイヤの摩耗のために22周目と他車より早めのピットイン。その後、次々に各車ピットへ向かい、レクサス勢は全車がピットを終えた時点で6号車が6位、1号車が8位、38号車が9位。スタートでトラブルを起こした他車の影響で出遅れた35号車と39号車が11位、12 位で後半戦への折り返しとなった。

 レースは心配されていたスコールもなく、暑さが続く中で、各所で接触やコースオフが多発する、波乱の展開となった。そんな中で、後半を担当した伊藤大輔が粘り強く走行を続けた6号車は、終盤、ライバル勢が接触やドライバーの熱中症などで脱落していったこともあり、4位までポジションを上げてフィニッシュ。序盤のペナルティから追い上げた38号車が6位、35号車が7位、1号車が8位、39号車が10 位に入り、LEXUS SC430は5台全車がポイント獲得を果たした。

 今大会の結果、6号車の伊藤大輔/ビヨン・ビルドハイム組はドライバーズポイントを計40ポイントとし、ランキング首位に浮上。1号車の脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー組も3ポイント差の2位につけている。

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TDPの若手コンビが好走を見せ3位に入った
COROLLA Axio apr GT 74号車

 GT300クラスでは、6番手スタートの19号車が、スタートしてまもなく後続から接触されスピン。ポジションを落とすと共に、中盤のピットでも修復のためにタイムをロスすることとなった。一方、10番手スタートの74号車は前半戦を担当したTDPドライバー 井口卓人が見事な走りを見せ、3位でTDPドライバーの国本雄資にバトンタッチ。国本は一時2位に立つも、激しい2位争いの中で接触を喫し、ドライブスルーペナルティを科され4位に後退。しかし、そこから再び追い上げを開始した国本は、残り4周で3位に浮上し、そのままチェッカー。前戦に引き続き、見事2戦連続の表彰台を獲得した。

 常にトップ10圏内での走行を続けた31号車が8位。接触での後退から追い上げた19号車も9位でポイントを獲得した。

ENEOS SC430 6号車 ドライバー 伊藤大輔:
 予選の読み通りに決勝レースもうまくいくとは思っていなかった。今回積んでいるウェイトの影響は大きいので、どこまで粘れるかが勝負だった。早めのピット作戦を採り、自分のスティントではミディアム・ハードのタイヤを選択して、レースをコントロールした。その結果、予想以上に良い結果を導くことができた。今日のレースは多くの幸運にも恵まれたが、このところそういう傾向が続いているので、今後も頑張っていきたい。
ENEOS SC430 6号車 ドライバー ビヨン・ビルドハイム:
 今日のレースはとても難しかった。自分のスティントでは、ソフトタイヤを装着していたが、思いのほか摩耗が早かったので、早めに(伊藤)大輔にスイッチし、彼が、うまくレースをコントロールしてくれた。今日はチームもミス無く仕事をしてくれ、またシーズン途中でポイントリーダーになることができ、本当に良かった。
COROLLA Axio apr GT 74号車 ドライバー 井口卓人:
 10番手スタートだったが、ペースも悪くなく、他車のクラッシュなどもあり、早い段階で上位にポジションアップし、国本選手には、3位で戻れる位置でバトンを渡すことができた。今日のレースは、チームが思い描くような理想のレース結果となり、富士に続き表彰台に上がることができ、満足している。
COROLLA Axio apr GT 74号車 ドライバー 国本雄資:
 3位と大変良いポジションで交代した後、履いていたソフトタイヤのマッチングが良く、ペースも上がり一時2位までポジションをあげることができた。その後、他車に最終コーナーでパスされ、挽回しようとしたところ接触してしまいペナルティーを受け4位に後退を余儀なくされてしまった。最後猛プッシュして1台をパスし、表彰台は獲得できたが、元のポジションに戻れなかったのは残念だ。また表彰台を獲得できるよう頑張りたい。
Text & Photo: トヨタ自動車株式会社


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