SUPER GT

吉本大樹レースレポート(SGT_R4_セパン)

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【2010年スーパーGTシリーズ第4戦(セパン)】
19-20 June, 2010
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20100620.jpg【Result】

【土曜日】
公式練習1回目 : 1 st / 2'10"714
公式予選1回目 : 12 th / 2'11"493

グリッド: 12 th

【日曜日】
フリー走行:5 th / 2'11"229
決勝: 12 th (Driver's Point : 0 pt / Team's Point : 3 pt)

シリーズランキング : 10 th (11 pt) / Team's Ranking : 11 th (18 pt)

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【公式練習、予選】
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公式練習 天候:晴 | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始時30度/35度 終了時33度/40度

予選1回目 天候:晴 | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始時34℃/41℃ 終了時34℃/42℃

triple a Vantage GT2、公式練習トップタイムも予選は12位

今年で通算10回目の開催となったスーパーGTシリーズ海外ラウンドのセパン戦。今年のシリーズは例年よりも1戦少ない全8戦という事もあり、今回が早くもシリーズの折返しとなる。triple a Vantage GT2は前戦富士でチーム初表彰台を獲得し、勢いに乗ってこのセパンラウンドを迎える事となった。

練習走行は10時ちょうどから11時45分まで、全時間帯GT500、GT300両クラスの合同で行なわれた。毎年暑さとの戦いとなるマレーシア・ラウンド。今回も、朝方こそ比較的涼しく感じられたものの、走行が始まる頃には気温は30度にまで上昇。路面温度も終了時には40度まで上がる厳しいコンディションでの走行となった。しかしtriple a Vantage GT2はこの厳しいコンディションをものともせず素晴らしい走りを披露する。各チームがタイヤのウォームアップと初期セッティングの確認に時間を費やす中、まずは計測3周目に2分11秒台のタイムをマークすると、その後もマシンのフィーリングを確かめながら順調に周回。セッション序盤~中盤にかけてはNo.19(ウェッズスポーツIS350)、No.7(M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7)、No.86(JLOCランボルギーニRG-3)等に先行されていたものの、セッションも後半に入ったところで吉本大樹がタイムアタック。「2か所でタイムロスした」とはいうものの、コントロールラインを通過し表示されたタイムは2'10"714。マシンの特性的には若干の苦戦を強いられるかと思われた戦前の予想を覆し、見事このセッションをトップタイムで終える事となった。

前戦表彰台獲得の勢いを保ち挑んだ最初のセッションでトップタイムをマーク、大きな期待を抱かせ迎える事となった公式予選。予選方式は前戦同様スーパーラップ(SL)方式で、予選1回目の上位8台がSLに進み、ここでポールポジション以下上位8番手までのグリッドが決定。9番手以降は予選1回目のタイムで決まることになる。ところがその公式予選1回目、triple a Vantage GT2は好調だった練習走行から一転、予想外の苦戦を強いられる事になる。まずは14時15分から最初の30分間で行われたGT500・GT300両クラス混走でのセッション。練習走行からセッティングはいじらずにコースイン、計測2周目に2分12秒台のタイムをマークするも、ここから何故かタイムが伸び悩む。原因は「路面状況が上がった事で通常ならリアのグリップが上がってアンダー気味になるのに、逆にフロントがくってしまってオーバーステアになってしまった(吉本大樹)」事に加え、ギアにもトラブルを抱えていた為。練習走行のフィーリングから予選では2分10秒フラット近辺のタイムを狙っていたものの、結局占有走行の時間帯も含めたこのセッションでマークしたベストタイムは吉本のアタックによる2'11"493。結果はまさかの12番手、2戦連続でのスーパーラップ進出はならず、この日の予選を終了する事となった。

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【決勝】
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天候:晴れ時々曇り| コース:ドライ | 気温:34℃ |路面温度:41℃(決勝開始時)

triple a Vantage GT2、レースで復調の兆しを見せるも
まさかのドライブスルーペナルティーで降順、最後は12位チェッカー

前日土曜日は練習走行でトップタイムをマークするも、予選ではマシントラブルもあり12番手に甘んじたtriple a Vantage GT2。それでもメカニックの夜を徹した懸命の修復もあり、この日朝に行われたウォームアップ走行セッションでは5番手タイムをマーク、決勝に向け復調の兆しを見せスターティンググリッドに着く事となった。

前日同様、セパンラウンド特有の気温と湿気に包まれたセパンインターナショナルサーキット。それでも通算10回目の開催という事もあってか、現地マレーシアでもスーパーGT人気が定着している事を象徴するように、この日はスタンドに3万人近いファンが詰めかけた。迎えた注目の決勝スタート。予定通り午後4時にフォーメーションラップが始まると、1周のローリングラップから各マシンが隊列を整え最終コーナーを立ち上がる。そしてグリーンシグナルの点灯と共にレースがスタート、一斉に1コーナーへとなだれ込んでいく。ここで素晴らしい動き出しを見せたのが吉本大樹。「チームからは接触やミスなく絶対に完走しようと言われていたけど、混戦の序盤に出来るだけポジションを上げておきたかった」と、スタート直後から果敢な攻めの走りを披露。タイヤのライフは気にしながらも、わずか10周足らずで一気に4番手を争う位置にまでポジションを上げていく。しかしその直後、triple a Vantage GT2の好調な出だしを振り出しに戻す悪夢が待ち構えていた。

スタート直後、積極果敢に1コーナーのポジション争いに出た吉本大樹。ところがそのスタートが「ジャンプスタート」と判断され、triple a Vantage GT2にまさかのドライブスルーペナルティーの裁定が。このペナルティーにより大きくポジションを落とすことになったtriple a Vantage GT2は、ここからの仕切り直しを余儀なくされてしまう。それでも吉本は集中力を途切れさせる事無くここから再度追い上げを開始。ラップタイムもトップ集団と変わらぬ2分12秒台に入れすぐさま前を行く集団に追いつくと、次々とオーバーテイクを仕掛けていく。結局吉本はそのままレースの3分の2以上に相当する35周を走破、タイヤは労わりながらも「最後は脱水症状で指が硬直してステアリングから手が離れなかった・・・」というまでにプッシュを重ねピットイン。そしてここでタイヤ無交換作戦という更なる勝負を賭けて松田選手にドライバーチェンジ。最後の追い上げを託していく。

吉本が極力労わったとはいえ、タイヤ無交換という過酷な状態でステアリングを受けた松田選手。しかし、やはりこの厳しいコンディションのセパンでの追い上げの代償は大きく、松田選手はコースに戻って7周目、ラップタイムが大幅に落ちたところでタイヤ交換の為ピットイン。これによりポジションはポイント圏外の12番手に。この時点でレースは残り6周。さすがにここからの追い上げは叶わず、triple a Vantage GT2は最終的に12番手でチェッカーフラッグを受ける事となった。

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【吉本大樹コメント】
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フリー走行は自分達はフルアタックしたのに対し、他のチームがまだプッシュしきっていないことは分かっていました。が、予選でスーパーラップへ進む事は堅いと思っていたので予選は残念でした。コンディション変化で想像とは逆の方向へ行ってしまった事と、ギアにトラブルを抱えていたことで最後はシフトロックによるスピンも起こしました。

メカニックがほぼ徹夜でギアボックスを修復してくれ、それを無駄にしない為にもとにかく序盤に前へ出ようと決めていたんですが、その気持ちが空回りしてしまった様です...。決勝はセットアップもキマっていて、スタート直後もペナルティー消化後もかなり良いペースで追い上げられていたので、タラレバですが表彰台にも届いたかもしれないレースでした。自分のミスでそのチャンスを逃してしまい申し訳ないです。

35周と300クラスの中では多分一番ロングスティントを走りましたが、最後まで良いペースを保てました。これは次に似た条件下で走る鈴鹿ラウンドに向けても大きなデータ収集になったかと思います。何より苦労を覚悟して行ったセパンであそこまでのパフォーマンスを見せられた事に少し驚いていますが、これで次の菅生も自信を持って迎えられます。
次戦も応援宜しくお願いします!



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