SUPER GT

SGT:第7戦オートポリス ZENT Audi R8 LMS、現状ベストの6位入賞 (Hitotsuyama)

 Hitotsuyama Racingは9月29~30日にオートポリスで開催されたSuper GT第7戦「Super GT in KYUSHU 300km」に参戦致しました。#21 ZENT Audi R8 LMSが今シーズンベストとなる6位でフィニッシュし、チームに開幕戦以来の入賞をもたらしました。一方、#99 investors Audi R8 LMSはGT500マシンとの接触によりリタイヤとなり、第4戦菅生から結果を残せない厳しいレースが続いています。

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9月29日 公式練習 / 公式予選
#21 ZENT Audi R8 LMS 都筑晶裕 / リチャード・ライアン

 第4戦菅生からトラブルが続発し思うような結果を残せていない#21 ZENT Audi R8 LMS。いずれのレースも完走さえ果たせば入賞が確実なレースを落としてきただけに、名誉挽回を懸けた重要な1戦となった。オートポリスには週末にかけて大型の台風が接近し、公式練習から終始天候に左右されるレースとなった。公式練習では前戦同様、まずはリチャード・ライアンがセットアップを担当。刻々と変化する天候ゆえ、ライバルのタイムを直接比較することは難しいものの、リチャードはマシンとタイヤの相性がサーキットと合うことを確認すると、すぐに都筑に交代。都筑は走行前、不慣れなオートポリスに多少の不安を覗かせていたものの、いざコースインすると持ち前のドライビングセンスを発揮。ライバルたちと遜色ないタイムを記録しパートナーのリチャードを安心させた。公式練習はセッション中盤にリチャードが記録した1分57秒451がベストタイムとなり、GT300クラス17位に沈んだが、午後の公式予選に期待を持てるセットアップを見つけ出しセッションを終えることができた。今回もノックダウン方式で行われた公式予選。Q1は雨を得意とする都筑が担当。Q1をトップ10で通過することが確実と思われたが、都筑はタイムアップできないどころか、マシンを真っすぐ走らせることすら困難な状況に陥る。クラス上位が2分00秒前後のタイムを記録する中、都筑は2分10秒を記録するのが精一杯。まさかのクラス21位、Q1敗退という不本意な結果に終わった。公式予選後の検証により、同じメーカーのタイヤを履く#30 IWASAKI MODAクロコ apr R8も 同様の症状に悩まされたことから、公式予選前の雨量・路温の若干の変化がタイヤのマッチングを狂わせ、タイヤが全く発熱しなくなってしまったことが判明した。

#99 investors Audi R8 LMS フランク・ユー / 安岡秀徒

 第5戦鈴鹿でのクラッシュが完治せず、第6戦富士を急遽欠場した#99 investors Audi R8 LMS。第3戦セパンを最後に完走から見放された厳しい状況が続いており、#21 ZENT Audi R8 LMS同様、完走が必須となる1戦だ。第1ドライバーは第3戦以来の登場となるフランク・ユーが務める。フランクは併催のGT Asiaに自身のFord GT GT3で参戦しており、今回もダブルエントリーとなった。公式練習前半は安岡がセットアップを担当。同時に雨量によるマシンバランスの変化も確認し、セッション中盤でフランクに交代する。久々にAudi R8 LMSのステアリングを握ったフランクだが、数々のGT3マシンを乗りこなしているからか、すぐにAudi R8 LMSのフィーリングを取り戻し順調に周回を重ねていく。GT Asiaの第1レースがこの公式練習の直後に控えていたこともあり、フランクは公式練習での走行を10周のみに抑え、残り時間を安岡に託した。この後、安岡はタイムアップを果たせず、セッション中盤に記録した1分59秒284、クラス21位で公式練習を終えた。公式予選では安岡がQ1を担当。#21がタイヤとのマッチングの問題で下位に沈んだ一方、#99安岡はこのQ1で激走。タイムモニター上位から何度も消えかかってはまた這い上がってくる姿に、チーム内は歓喜が。結果2分3秒419、クラス6位のタイムを記録し、今シーズン初となるQ2進出を決めた。16台中上位10台までが生き残ることが出来るQ2。Q2を担当するフランクにはセッション開始前に緊張の様子も見えたが、いざコースインしてからは慎重なドライビングを披露。刻々と変化する雨量、赤旗中断と波乱含みの展開となったが、Q2再開後のラスト1周のチャンスではしっかりとベストラップを記録し15位で公式予選を終えた。シーズン初のQ2進出と上々のマシンフィーリングにドライバー、そしてスタッフたちは決勝への期待を膨らませた。

9月30日 決勝
#21 ZENT Audi R8 LMS 都筑晶裕 / リチャード・ライアン

 決勝当日も台風による不安定な天候が続き、さらに濃霧が発生。フリー走行が開始早々8分のところで視界不良で中止になったほか、併催のGT Asiaもレースがキャンセルされるなど、午後の決勝レース中止すら危ぶまれる状況となった。しかし、正午過ぎから天候・視界ともに徐々に回復。スケジュール通りスタート進行が行われることに決定した。小雨が降り続いていたことも有り、スタート後2周はペースカー先導のもと隊列を整えて走行するペースカースタートが導入された。#21のスタート担当は都筑。予選での不本意な結果を払拭したい都筑はスタート早々に#14 Team SGC IS350と#22 R'Qs Vemac 350Rをパスし19位に。さらに5周目には#85 JLOC Verity ランボ RG3をパス。本来のペースを取り戻した都筑は自らが在るべきポジションを目指し、先を急ぐ。その後10位を走る#5 マッハGoGoGo車検Ferrari458を先頭に都筑まで6台のマシンが縦一列に並び心理戦を展開。都筑は前を行く#4 GSR ProjectMirai BMWの番場琢選手とテール・トゥ・ノーズの争いを繰り広げるが、マシンパワーでAudiを上回るBMWを相手に苦戦。コーナーでは背後まで詰め寄ることができても、ストレートでその差は次第に開いてしまう。現状のペースは決して悪くないことをエンジニアが無線で伝え、ストレスが溜まる状況でも現状維持の冷静なドライブを続けるよう、都筑に促す。都筑は自身のスティントで#4を捕えるには至らなかったものの、一切ミスのないドライブを続け、33周目にピットイン。リチャードに後半スティントを託した。前戦富士ではピットイン時にエンジンが再始動せずにリタイヤした苦い経験もあり、エンジン再始動の瞬間にはチームスタッフから安堵の表情も見受けられた#21 ZENT Audi R8 LMS。ここからリチャードは鈴鹿で見せた激走を再現。ライバルが全車ピットインを済ませた時点で既に入賞圏内の10位までポジションアップ。51周目に#31 apr HASEPRO PRIUS GTを交わし9位に上がると続く52周目には#88 マネパ ランボルギーニ GT3をあっさりとパス。55周目に#3 S Road NDDP GT-Rがトラブルによりストップすると7位に。翌56周目には#27 PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリも交わし遂に6位まで浮上。ここから先、前を行く#0 GSR 初音ミクBMWとのタイム差は20秒ほどあり、残り6~7周ではさすがに自力で追いつくことは不可能であることをエンジニアが説明。6位死守をリチャードに告げるが、リチャードの勢いは留まることを知らず。残りの3ラップで自己ベストを連続更新する走りを見せ、自身のパフォーマンスを強烈にアピール。レースはそのままフィニッシュし、#21 ZENT Audi R8 LMSは今シーズンベストとなる6位入賞を果たした。

#99 investors Audi R8 LMS フランク・ユー / 安岡秀徒

 #99 investors Audi R8 LMSのスタート担当は安岡秀徒。公式予選で光る走りを見せ、チームはこれまでにない明るい雰囲気に包まれた中でのスタートとなった。スタートを慎重にこなした安岡は5周目にペースの上がらない#43 ARTA Garaiyaをパス。その後#5 マッハGoGoGo車検Ferrari458を先頭にした隊列が出来上がりテール・トゥ・ノーズの争いを展開。安岡はハイペースを維持し、#5の背後に迫る。28周目に#5の一瞬の隙をつき攻略。この時点でライバルの脱落も有り、9位までポジションアップ。安岡が想定以上にハイペースでドライブを続けていることから、エンジニアはピットインのタイミングをギリギリまで遅らせて上位進出を狙う作戦に変更。レースが中盤に差し掛かった辺りでも安岡のペースは衰えず、上位勢を凌ぐ1分55秒台半ばでの走行を続ける。ピットでモニターを見つめるパートナーのフランクにも笑みが溢れSuper GT初ポイント獲得に期待がかかる。41周目に暫定トップに躍り出た時点で翌周ピットインの指示が出され、ピット内には緊張が走る。しかしその矢先、コース上でスピンしマシン右リヤ部分をもぎ取られた格好の#99がサーキットモニターに映し出された。単独スピンを喫しコース上にストップしたところに、それを避けきれなかったGT500マシンが接触したとのことだ。安岡はピットまでマシンを戻したものの、右リヤの足回りを始めバンパーやウイングに大きなダメージを負っており、とてもレースを続けられる状況にはかった。残念ながら#99 investors Audi R8 LMSはフランクをコース上に送り出すことが出来ないまま、またしてもレースを終えることになった。

チーム代表 一ツ山幹雄
#21 ZENT Audi R8 LMSについて
「やっと満足のいく結果が出せました。もちろん本当はもっと上を目指したいのですが、今回のレース距離と現状のBOPではこれがベストに近いと思います。予選でタイヤの問題を抱えて下位に沈んでしまったので、それがなければもしかしたら表彰台も有りえたのかもしれません。でも予選21位から6位入賞ですから、予想を上回る結果です。都筑選手、リチャードともに一切ミスをせずに走りきってくれたおかげです。今後は来シーズンも含め、毎戦トップ6に入れるようなチームにしていきたいです。ここまで支えてきてくださった皆様には本当に感謝しています。」
#99 investors Audi R8 LMSについて
「予選までは非常に満足していました。安岡選手のQ1での走りは見ていて楽しめましたし、Q2で一発のアタックでしっかりとしたタイムを記録して帰ってきたフランクも評価に値します。決勝も最初は良かったのですが・・・。レースは一時的に速くてもゴールしないと意味がないですからね。鈴鹿ではマイク(マイケル・キム選手)と都筑選手(都筑善雄選手)が走れずにリタイヤ。今回はフランクが走れずにリタイヤ。本人はGT500に当てられたと言っていますが。そもそもスピンしなければ当てられないわけですよね。いったいどうなっているのでしょうか?走ることが出来なかったフランクにも、ご支援くださっているスポンサー様やファンの方々にも、弁明の余地すらありません。」

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Hitotsuyama Racing Press release


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