鈴鹿. ポルシェ ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区 代表取締役社長:七五三木 敏幸)とポルシェカレラカップジャパン (PCCJ) 委員会は、ポルシェ カレラカップ ジャパン 2014 第9戦 決勝レースを鈴鹿サーキット(三重県)にて、2014年10月5日(日)に開催いたしました。
天候:雨 路面:ウェット 気温:18℃ 路面温度:22℃
ポルシェカレラカップジャパン(PCCJ)の2014年シーズン最終戦となる第9戦が10月5日(日)、鈴鹿サーキット(三重県)でF1日本グランプリのサポートレースとして行なわれた。大型の台風18号の接近により天候は安定せず、サーキットでは朝から断続的に雨が降り続いた。雨はPCCJのレース開始直前になっても降り止まず、全車がレインタイヤを装着してコースイン。前日に行われた公式予選の結果に従い、全17台のマシンがスターティンググリッドについた。
ポールポジションは#78近藤翼。その右後方には予選2番手#14元嶋佑弥がつける。そして3番手#12小河諒、4番手#11山野直也とシリーズ同点首位のふたりがセカンドローに並んだ。このトップ4のうち#14元嶋以外の3名がタイトル獲得の権利を有している。予選5位は#19永井宏明、そして予選6位にはジェントルマンクラスの#9武井真司がつけた。スタート時刻となる12時15分になっても雨足は弱まらずコース上にはいく筋もの河が流れるほどの悪条件で、レースはセーフティカースタートとなった。全10周のうち、2周目のバックストレートで、隊列を先導するセーフティカーのシグナルが消灯。残り8周の戦いとなった。
バックミラーで後続のマシンの動きを見ながら走行していた#78近藤は、セーフティカーが姿を消すと最終コーナーから抜群のスタートを決め1コーナーにトップで進入。やや離れて#14元嶋がそれに続き、#12小河、#11山野と上位陣は大きな混乱もなく最初の周回を無事クリアした。鈴鹿2連勝を狙う#14元嶋は、水しぶきでまったく前が見えない状況で果敢に#78近藤に挑みかかったが、#78近藤は冷静な走りで差をなかなか詰めさせない。やがてふたりの差は少しづつ離れていき、上位2台によるトップ争いはしばらくこう着状態が続いた。
その後方では、タイトルを競うチームメイト同士による激しいバトルが始まる。#12小河が#11山野との差を少しずつ拡大していったが、6周目の1コーナーで#12小河がオーバーラン。#11山野が3位にポジションを上げた。事実上のタイトル争いとなった3位争い。先にフィニッシュしたほうが今年のチャンピオンとなる。2台のマシンは降りしきる雨の中ぎりぎりの接近戦を続け両者一歩も引かない。とくに#12小河はマシンのテールを派手にスライドさせながらもアクセルを緩めず、闘志を露にする。
そして迎えたファイナルラップ、逆バンクの出口で#12小河が#11山野を華麗にパス。しかし、その直後のダンロップコーナーで#11山野が軽い接触を伴いながらも抜き返しに成功し3位に返り咲いた。それでも#12小河は諦めずテールトゥノーズで#11山野を追う。そして#12小河はヘアピンカーブの進入でやや強引に#11山野のインに飛び込み両者は接触。姿勢を乱すもスピンには至らず、#12小河が3位の座を奪い返すことに成功した。#11山野も諦めず最後の最後まで逆転のチャンスをうかがっていたが、抜き返すことはできず#12小河が3位でフィニッシュ、#11山野は4位に。その結果#12小河の2年連続となるタイトル獲得が決まった。
優勝争いは、終盤2位の#14元嶋がペースを上げトップ#78近藤との差を縮めたが、最後まで順位は変わらずそのままチェッカー。#78近藤が今季2勝目をあげ有終の美を飾った。レース後#78近藤は「実はツーリングカーで雨の鈴鹿を走るのは初めてだったので挙動がわからず、とにかく絶対にミスをしないように集中して走りました。元嶋選手も速かったのですが西コースは自分のほうが良かったので大丈夫だと思った。今季最後のレースで優勝できて本当に嬉しいです。これはチームと一緒に勝ちとった勝利です」と、シーズンを共に戦ったチームに感謝の言葉をおくった。
惜しくも2位に終わった#14元嶋は「近藤選手と自分では速い場所が違い抜くことは難しかった。2位は悔しいですが今回は完璧な走りをした近藤選手の勝ちです。1年間PCCJを戦って大きく成長することができました。素晴らしいチャンスを与えて頂いて感謝しています」と、スカラシップドライバーとして戦った1年間を総括した。
惜しくもタイトルを逃した#11山野は「もちろん悔しいですが、それと同時にやり切ったという満足感もあります。最終周のヘアピンでの接触はしょうがない。これもレースだと思っています」と、爽やかにチームメイトのタイトル獲得を祝福した。
#11山野との激しいバトルを制してタイトル防衛を果たした#12小河は「絶対にチャンピオンになる! という強い気持ちで無我夢中で走り続けました。それがあのような最終周のオーバーテイクになってしまったわけですが、後悔はしていません。どうしても負けたくなかったんです。とはいえ山野さんにはすまなかったと思いますし、自分は山野さんのおかげでチャンピオンになることができたのだと思います。チームメイトとして、今年山野さんは1から100まですべてのことを僕に教えてくれました。山野さんのおかげで僕は大きく成長することができたのです」と、神妙な表情。激しいレースではあったが、最後はお互いをリスペクトする言葉で長かったシーズンを締めくくった。
ジェントルマンクラスでは、予選クラス最上位の#9武井真司が落ち着いたスタートと安定した周回で総合6位クラストップの座を堅持。「前と後ろの差を見ながらミスをしないように走りました」という言葉どおり、堅実な走りで4戦連続優勝を飾った。そして、シリーズタイトル争いはクラス3位、総合9位でフィニッシュした#7星野敏が初のチャンピオンに。#7星野はフォーメーションラップでスピンするなど苦しいスタートとなったが、最終的には順位を盛り返しシリーズチャンピオンを手にした。「決勝前日は寝ることができないほど緊張していたのですが、何とかチャンピオンになることができたのはチームや素晴らしいPCCJの仲間たち、そして家族のおかげです」と、#7星野は深々と頭を下げた。
全9戦で行われた2014年PCCJは今回でシーズン全戦を終了。今年はニューマシン、タイプ991の911 GT3 Cupが導入された初年度だったが、多くの選手がタイプ991の高いパフォーマンスを引き出し、素晴らしいレースを展開した。マシンに対する理解とセッティングに対するノウハウが深まり、来季2015年はさらに素晴らしいレースが繰り広げられることが期待される。
■第9戦 決勝結果
Pos. Car# Class Driver Car Name Laps Gap
1 78 近藤 翼 SKY RACING 10 23'30.253
2 14 元嶋 佑弥 GARMIN PORSCHE 10 +1.349
3 12 小河 諒 TEAM KTOUCH PORSCHE 10 +12.921
4 11 山野 直也 TEAM KTOUCH PORSCHE 10 +13.068
5 19 永井 宏明 NINNE Racing 10 +31.848
6 9 G-1 武井 真司 BINGO SPORTS 10 +33.055
7 32 飯田 太陽 TEAM KRM 10 +58.963
8 33 G-2 TAKASHI TEAM KRM 10 +1'09.382
9 7 G-3 星野 敏 D'station HAI racing 10 +1'11.458
10 25 G-4 神取 彦一郎 NILZZ RACING 10 +1'17.190
11 24 G-5 剛 覇矢人 GAINER with Team Tetsuya 10 +1'19.046
12 2 田島 剛 NINNE Racing 10 +1'19.819
13 3 G-6 江本 玄 Team Samurai 10 +1'21.015
14 51 G-7 Paul IP KCMG 10 +1'31.927
15 52 G-8 Tsugio HARUYAMA SHARAKU RACING 10 +2'16.914
以上完走
21 G 高田 匠 NINNE Racing 10 6Laps
73 G 鈴木 篤 SR ASSET HAI RACING 10 DNS
ベストラップ
78 近藤 翼 SKY RACING 2'20.537 5/10
G=ジェントルマン クラス
ポルシェジャパンKK.・プレスリリース