Japan Touring Car Championship

NAKAJIMA RACING JTCC TOKACHI REPORT

シリーズ名:全日本ツーリングカー選手権
大会名:第13/14戦・十勝スーパーツーリングカー選手権レース
距離:3.400km×27周×2レース
予選:9月20日  晴 ・  観衆:  4100人(主催者発表)
決勝:9月21日 曇一時雨・観衆:2万1300人(  同  )

第14戦では黒澤選手がポール・トゥ・ウイン!!
PIAA NAKAJIMA ACCORDが2戦連勝の快挙を達成!
アコード1~3位フィニッシュも久々に実現!!

 シーズン中盤からの日産プリメーラ勢による激しい追い上げによりシリーズタイト
ルの行方が混迷化した全日本ツーリングカー選手権は、東海以西地方に被害をもたら
した台風19号、そしてそれに続いて新たに発生した台風20号の影響が懸念される北海
道帯広市郊外の十勝スピードウェイで第7大会が開催。第5/6大会ともが不本意な
結果となったTEAM無限HONDA・PIAA NAKAJIMA ACCORDは、第6大会終了時点でのドライ
バーズポイントランキング(黒澤選手)が3位へと後退してしまい、悲願のチーム優
勝実現のためには、何んとしてでも最終戦を控えた今大会で大量ポイント獲得したい
展開となっての十勝入りとなっていた。
 こうして始まった第7大会は、折りからの低気圧配置によって、終日雨にたたられ
た金曜の公開練習を経て、翌土曜の午前11時から、まずは第13戦のスターティンググ
リッドを決める予選1回目で、いよいよ開始される。台風こそは北海道から離れ当日
は朝から雲ひとつない晴天となったが、強い風が吹き、気温/路面温度はそれぞれ17
℃/24℃と、寒さを感じるコンディションとなる。
 今回は決勝日も好天が予想されるため、1レース目まで5本しかタイヤが使用でき
ないことを念頭に置き、タイヤの消耗を最低限に抑えるべく、なるべく周回数を少な
くするタイムアタックとなる。前大会までの4戦で3位以内入賞を逃しているPIAA 
NAKAJIMA ACCORDは、速さの証とも言うべきウエイトハンディが10kgにまで減少。対
する最大のライバルと目されるNISMO(ニッサンモータースポーツインターナショナ
ル)の本山選手(日産プリメーラ)は第10/11戦での活躍によって60kgのハンディウ
エイトの搭載が義務付けられていることから、これをポールポジション獲得の好機と
したPIAA NAKAJIMA RACING・JTCCプロジェクトは、満を持して黒澤琢弥選手が操るPIAA 
NAKAJIMA ACCORDをコースへ送り出す。そして黒澤選手は開始数分後にトップタイム
をマークして、早くもマシンコンディションが最良であることをライバルたちにア
ピールする。
 しかし、前大会終了時点でついにドライバーズランキング2位へ進出した本山選手
は今回も好調で、予選終了6分前にトップタイムを記録することに成功。これを確認
したPIAA NAKAJIMA RACING・JTCCプロジェクトは再度PIAA NAKAJIMA ACCORDをコース
インさせ迎撃体制に入ったが、黒澤選手による懸命なアタックによるラップタイムは
本山選手のそれよりわずかに100分の2秒足らず、第13戦予選を2位で終えることとな
った。
 一方、ドライバーズポイントリーダーであるとともに黒澤選手の僚友としてTEAM無
限HONDAのチームポイント獲得牽引役を担っている中子修選手が駆るカストロール無
限アコードはいつもの冴えた走りが発揮されず、予選14位にとどまる結果となった。
 第14戦のための予選2回目は、強風が多少弱まった午後2時40分から開始。ここで
も本山選手は気を吐いた走りを見せ、予選1回目と何んら遜色のないタイムを早々に
マークしてラップタイムモニターの最上段にその名前を映す。が、これを2番手位置
にまで下げることに成功したのがPIAA NAKAJIMA ACCORD。アタック開始わずか2ラッ
プ目で本山選手を0.2秒以上上回るラップタイムを記録して、第14戦のポールポジシ
ョンをゲット、トップランカーの意地を見せる。
 そして、決勝当日。当初は恵まれた天候が予想されていた決勝だったが、当日は朝
から曇天。そして次第に雲行きが怪しくなり、レーススタートを控えた昼前には一時
雨が降るという、今回もタイヤ選定などにチームが苦悩しなければならないことが心
配される展開となる。
 第13戦の決勝は雨こそやんだものの、コースの一部には若干雨水が残るハーフドラ
イで行なわれた。どのようなレースになるかの想いがスタッフ全員の心中を駆けめぐ
るPIAA NAKAJIMA ACCORDのピットに歓声が上がったのは、スタート直後だった。シグ
ナルが変わるとともに予選2位の黒澤選手は抜群のタイミングで本山選手の前に飛び
出し、そのまま第1コーナーへ進入できたのである。その後は、2番手となった本山
選手の追撃をどう振り払うかが次の注目点となったが、その本山選手に予選4位から
3番手に上がった金石選手(トヨタ・エクシヴ)が本山選手に執拗に絡み付くことと
なる。これによって黒澤選手はわずかながらも余裕を持ってペースをキープできるチ
ャンスに恵まれ、7周目にして本山選手とのタイム差を3秒以上に広げて好走。ここ
で雨が降りはじめ、多くのマシンがワイパーを作動させての走行となる。が、レース
はわずか27周のスプリントであるため、トップコンテンダーはスリックタイヤのまま
レースを続行。
 この時点からトップを走る黒澤選手に新しい局面が現れる。2番手の本山選手を駆
逐した金石選手がその勢いに乗って、10周目には黒澤選手をも射程距離内に入れたの
である。これを確認した黒澤選手は冷静に対処して、タイヤを消耗する過度なバトル
をせずに一旦は金石選手の首位の座を明け渡す。トップに立った金石選手だったが、
前半での極度な追い上げが影響してタイヤが消耗したのかペースが上がらず、黒澤選
手は自身の思惑通り14周目には金石選手を再度後方へ追いやり、首位の座を労するこ
となく奪還。さらに、一旦完全に雨がやんだコース上では、金石選手がさらに本山選
手にも攻略されてしまう。2番手に復帰した本山選手だったが、トップの黒澤選手と
の差はすでに約3秒。2番手とのタイム差を完全にコントロール下に置いた黒澤選手
は、以降もまったく安定した速いペースで周回を消化してチェッカーフラッグを受け
てゴールした。
 やや空が明るくなって第14戦がスタート。ポールシッターである黒澤選手は40kgの
ウエイトハンディが課されながらも、ここでもパーフェクトに仕事をこなしまったく
危なげなく首位をキープしてオープニングラップを終了。2番手争いはまたしても金
石選手が制した形となり、再び黒澤選手の直後へと進出してくる。ウエイトハンディ
が70kg(義務上限)となったことが起因してか1周目で大きく順位後退した本山選手
に代わってこの金石選手とやり合う3番手となったのは、アコードドライバー最年少
の道上選手。3周目には金石選手をパスして2番手に立つ。これで久々のアコード・
ワンツーオーダーとなる。
 道上選手は7周目に黒澤選手との差を0.3秒にまで縮めるが、巧みにペースをコント
ロールする術に長けた黒澤選手はマシンに負担をかけないよう配慮しながらその差を
広げ20周目には5秒以上のマージンすら確保するほど安定したペースで首位をキープ。
 そんな道上選手へ攻略開始したのは、今回なかなか思ったように予選でタイムが出
せなかったカストロール無限ホンダの中子選手だった。18周目には道上選手の直後に
ピタリと自車を置き、まずはアコード1~3位オーダーの一角へと駒を進める。そし
て22周目には、完成したアコード1~3位オーダーの形を変えないよう道上選手との
間合いをはかった絶妙なパッシングで2番手へと進出。序盤から苦戦気味だった日産
プリメーラの本山選手もしぶとく追い上げて、終盤には4番手までにはい上がってく
るが、スタート以降誰にもその座を脅かされることなく首位を走り切った黒澤選手を
ペースリーダーとしたアコード1~3位オーダーを崩す余力はなく、黒澤/中子/道
上各選手が順にフィニッシュラインを通過して、黒澤選手のポール・トゥ・ウインと
ともにアコードドライバーが表彰台を独占するシーンを久しぶりに披露することとな
った。
 さて、第5大会で中子選手がシリーズ初で達成した2レースともを優勝で飾るとい
う偉業を、引き続いて成し遂げた黒澤選手は、今回の計30ポイントという大量得点に
よってドライバーズランキングトップ(有効得点100pnt.)となり、本山選手(同
95pnt.)が2位、そして中子選手(同93pnt.)が3位と続くことになった。黒澤選手
と中子選手が属するTEAM無限HONDAとしても、2位のNISMOを突き放すチームポイント
獲得することに成功。しかし、いずれにしても今季シリーズタイトルは最終戦の結果
によって決定されることとなった。

■PIAA NAKAJIMA ACCORD 担当ディレクター:藤井一三のコメント
『今回は練習走行からマシンの煮詰め作業が極めて順調に推移でき、第13戦予選こそ
ポールポジションを逃しましたがレースを連勝で終えられ、応援してくれているファ
ンやご支援くださっている皆様に戦績でお応えできて非常にうれしく思います。第13
戦では序盤に予想外の降雨という展開こそありましたが、黒澤選手が巧妙に走ってく
れました。そして第14戦は、文字通りのポール・トゥ・ウインを達成することができ
ました。前々大会、そして前大会がアクシデントなどによってうまくポイントを取れ
なかっただけに、タイトル獲得のための資格を充分備えて最終戦に臨めることに安堵
しています。とは言いつつも、一切気を緩めることなく残り2レースを戦います』

※PIAA NAKAJIMA ACCORDタイトル決定戦となる最終戦は、11月1日~2日静岡県富
士スピードウェイでが開催されます。ご声援をお願い致します!


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