全日本選手権フォーミュラニッポン第8戦の公式予選1回目が、10月22日ツインリンクもてぎで行われ、#19ブノワ・トレルイエ(インパル)が暫定ポールを獲得した。
F3の予選から降り始めた雨はますます強まり、コースは完全なウェットコンディションとなった。コースインした車両がいずれも水煙を高々と跳ね上げながら精一杯の走行を重ねるなか、ヘアピンで#28野田英樹と#12高木虎之介が相次いでスピンしたことにより、開始5分足らずで早くも赤旗が提示され、セッションは10分あまり中断することとなった。
この際、あとからヘアピンにやってきた#20井出有治もスピンアウト。エンジンを止めてしまった。
高木と野田は自力でピットに戻れたものの、井出はギヤがスタックしたためエンジンを再始動できず、ここで走行を終えることとなってしまった。
車両の排除が済み、予選が再開されても、コースのあちこちでスピンやコースアウトは相次いだ。特に最初の赤旗の原因となったヘアピンでは何人ものドライバーが餌食になった。
それでも天候が回復に向かうにつれ、徐々にタイムは上がっていく。
まずはポイントリーダーの#23本山哲が1分55秒178でトップに立つと、それを#19ブノワ・トレルイエ、#31アンドレ・ロッテラー、#4ロニ・クインタレッリらが上回り、トップ3を外国人勢が占める格好となった。
更には#3山本左近も何度もコースアウトを喫しながらもアグレッシブに攻め続け、トップ3に迫る好タイムを連発してきた。更には#5松田次生も山本のタイムを上回ってくる。 残り時間5分をきった時点でトップにいるのはトレルイエ。タイムは遂に53秒台に入ってきた。しかしトレルイエはV字コーナーの侵入でスピンし、グラベルに捕まってしまう。
これを回収するために再び赤旗が提示された。残り時間は僅か3分40秒。
5分ほどの中断をはさんでセッションは再開された。
この僅かな残り時間を使って少しでもタイムを削ろうと、各ドライバー最後のタイムアタックに飛び出していく。ここでもトレルイエは圧倒的な速さを見せ、ただ一人1分52秒台に入って暫定ポールを獲得した。
2番手タイムを記録したのはクインタレッリであったが、セッション終了後にH項違反を問われてベストタイムを削除されてしまい、3番手タイムの山本が繰り上がって暫定2位となった。 他にも#1ライアン、#12高木らもベストタイムを不採用とされ、順位を落とす結果となってしまった。
公式予選2回目は午後3時20分より45分間で行われる。
(TEXT:末廣和久 Photo:Keiichiro TAKESHITA)