Japanese F3

F3_Rd6:SPEEDMASTER SKILLSPEEDリリース

(このリリースは未掲載だったものを載せています)

          全日本F3選手権第6戦 鈴鹿サーキット
            7月3日/土曜日 【公式予選】

           タイミングを逸し、ポール取りに失敗

 全国的に不安定な天候模様になっているが、鈴鹿サーキット周辺も例に漏れ
ず雨が降った り止んだりの状況。路面状況もネコの目のように変わる。そん
な状況下で、全日本F3選手権第5戦のレースウイークが始まった。今回も走
りはじめは金曜日からで、午前午後1時間半ずつのセッションが設けられた。
 結果は午前3番手、午後4番手であるが、手応えとしては充分以上のものを
得ることができたと感じていた。午後のセッションは、終盤に雨がぱらつきそ
れまではユーズドタイヤで、2分00秒892をマークしてトップタイム。残
り5分くらいで路面が乾き、ニュータイヤで仕上げのアタックをするチームが
出てきた。我々としてもニュータイヤを投入すべきか否か悩ましい状況で、そ
の判断をドライバーにゆだねた。最後のマシンチェックという他に、ひとつの
パフォーマンス、景気付けとしてここでトップタイムをマークしておくのも手
でもあったが、伊藤はまた雨が降り出しそうであったこともありユーズドタイ
ヤで残りの5分を走り切ることにした。その間にニュータイヤを履いたドライ
バーが伊藤のタイムを上まった。
「最後は乾いてニューヤイヤでアタックできましたね。そういった意味では
ニュータイヤに履き替えたかったけど、結果論ですから。マシンは快調、僕も
ノレている。明日の予選は雨でも晴れでもポールを狙っていきます」と伊藤大
輔は自信を伺わせた。
 そうして迎えた公式予選日。いつもどおり、午前中に30分間のフリー走行
が行なわれた。雨は止んでいるものの、路面は朝まで降り続いた雨で濡れてい
る。予選、決勝に向けてレインタイヤを作り(路面に合わせたタイヤの残溝に
するため)ながらアタック。ギヤレシオが雨仕様のままながら、伊藤は3番手
につけ、より自信を深めていった。
 そして公式予選。この予選が始まるわずか5分前まで太陽がコースを照りつ
け、伊藤大輔とスキルスピードにとっては、まさにお膳立てが揃ったという
ムードだった。スタッフは入念にマシンをチェックし、伊藤はコンセントレー
ションを高め、絶対ポールポジションを取る決意で準備を進めていた。その自
信もあった。しかし、セッションの開始が近付くにつれ黒い雨雲が西の方から
流れてきた。セッション中に雨が降り始める可能性が非常に高いことから、い
つものようにウエイティングはできない。考えていることはみんな同じ、シグ
ナルがグリーンに変わるといっせいにコースに出ていった。チームではコース
上の渋滞をさけるため1テンポ遅れてコースに出した。
 雲の流れがはやく、最初の5分くらいが勝負といえた。伊藤は計測1周目か
らアタックを開始したが、シケイン手前で内山選手にひっかかってしまった。
それでも、2分02秒427でいきなりトップに立つ。そのままアタックを続
け、まだ余裕でマージンがあったはずでそのままいけばタイムアップするのは
間違いなかった。しかし、伊藤がスプーンカーブにさしかかった時、いきなり
土砂降りの雨が降り始め伊藤は減速を余儀無くされてしまう。その時、ピット
前のストレートを通過した金石選手とマニング選手がタイムアップを果たし伊
藤は3番手に落ちてしまった。金石選手とマニング選手は、ぎりぎりでこの雨
に遭遇せずにすみタイムアップしたというわけだ。
 ピットに戻ってきた伊藤とスタッフは諦めきれず、タイヤを交換し雨が上
がった時のことを考えて戦闘体制を崩さないで待機した。しかし、西コースで
降り始めた雨は、そのまま広がりやがてピットで待機する我々を濡らしはじめ
た。一縷の望みを断たれた我々は仕方がなくマシンをピットに入れ、伊藤を
コックピットからおろした。
 たらねばは禁物だが、あと30秒早くコースインさせていたらもう1周だけ
アタックできていたはず。そう考えると、伊藤には申し訳ないことをした。明
日の天候はまったく予想がつかないが、雨でも晴れでもマシンの仕上がりは文
句なし。今日のウップンは明日の決勝で晴らすことにしよう。

伊藤大輔;「悔しい。もう1周くらいいけると思った。いけていたら絶対に
ポールを取る自信があった。マシンの調子もいいし、僕もノレている。1周目
のアタックで勝負をつけるつもりだった。そんな時に内山選手に遭遇してし
まった。どうしてこんなにゆっくり走れるの? というくらいスローダウンし
ていた。あとでロガーを見たらその地点だけでコンマ5秒もロスしていたから
よけいに悔しい。明日の決勝は、思いきり頑張る」

百田義弘チーム監督;「あと30秒でも早くピットアウトの指示を出していた
ら、雨にあわなかったはず。そういった意味で伊藤には申し訳なく思う。明日
は雨でも晴れでもマシンのデータは問題ないので、いいレースになるのではな
いでしょうか」

深尾栄一チームマネージャー;「悔しいですね。昨日からすごく流れが良かった。ウチ
本来のリズムが戻ってきているとさえ感じており、今回は絶対にポールを取れ
ると確信していたのですが、少しだけピットを出ていくのが遅かった。百田に
してみれば、渋滞を避けてクリアラップを取らせるための決断だったわけです
から、これもしかたがないと思います。でも、全体的に調子がいいので、明日
の決勝で今日のウップンを晴らせると思う。明日は大輔の後援会の方々をはじ
めたくさんの応援団がいらっしゃるようなので、すかっとしたレースをお見せ
します」

公式予選結果(トップ10)
 1位:D・マニング  2分01秒784 F399/トヨタ TOMS
 2位:金石 年弘    2分02秒784 F399/無限   ARTA
 3位:伊藤 大輔    2分02秒427 F399/無限   SPEEDMASTER SKILLSPEED
 4位:松田 次生    2分02秒629 F399/無限   NAKAJIMA HONDA
 5位:谷川 達也    2分03秒020 F399/トヨタ PAL SPORT
 6位:W・エブラヒム2分03秒221 F399/無限   TODA RACING
 7位:M・メディアーニ   2分03秒289 F399/三菱   HKS
 8位:荒 聖治      2分03秒959 F399/トヨタTOMS
 9位:黒澤 治樹    2分03秒959 F399/無限   LIAN RACING
10位:五味 康隆    2分04秒696 F399/トヨタTMS

----------------------------------------------------------------------
         全日本F3選手権第6戦 鈴鹿サーキット
           7月4日/日曜日 【決勝レース】

          トップからわずか6秒遅れの4位入賞
    77伊藤大輔(SPEEDMASTER F399 HONDA) スタート3番手、決勝4位

 快晴とまではいかないが、この季節としてはこれ以上は求められない。少な
くともドライ で決勝レースを臨めたのだから贅沢は言えない。ここは伊藤大
輔にとってもチームにとっても、ホームグラウンド。スピードマスターと伊藤
の津を中心とした後援会の方々をはじめとしたたくさんの応援団の熱烈な声援
のなかスタート前進行が行なわれた。3番グリッドにマシンを並べ、徐々にコ
ンセントレーションを高めていった伊藤は、しかしフォーメーションラップの
スタートでいやな予感がしていたという。いつものようにうまく回転を合わせ
てクラッチミートできなかったのだ。ほんのわずかだが、その影響が正式ス
タートで出てしまったか?
 シグナルがグリーンに変わると同時に各車いっせいにスタートを切ったが、
伊藤は一瞬出遅れてしまう。クラッチミートのタイミングは問題なかったしか
し、そこからの加速の伸びが足りなかったのだ。このわずかな瞬間に、予選4
番手の松田選手の先行を許してしまう結果に。そして、それがすべてだった。
 マニング選手をトップに、金石選手、松田選手と続き、その集団にピタリと
伊藤がつけた。つまりこの週末ずっとトップグループを形成してきたメンバー
たちだ。力がほぼ互角のメンバーがトップグループを形成すると、そう簡単に
オーバーテイクすることができない。レースはしだいに、マニング選手対金石
選手、そして松田選手対伊藤の争いとなった。伊藤にとっては、1、2周目に
松田選手をしとめておきたいところだったが、1周目のシケインでテールを滑
らせてしまったこが災いし実現しなかった。
 その後は0・4秒から0・5秒の間隔を行き来しながらの戦いとなった。
ずっとそのままの状態。傍目では退屈なレースにみえただろうが、力が接近し
ているとこういう展開になる。しかし一瞬のミスがすべてを入れ替えてしまう
という、目にみえない精神戦がそこでは展開されていた。 必死に追う伊藤、
逃げる松田も必死。伊藤は西コースで松田選手に詰め寄り、東コースで松田選
手が引き離す、そんな攻防を展開しながら終盤に突入した。その終盤、2分3
秒台に落ちたトップグループの中で唯一人2分2秒台を叩きだしながらスパー
トした伊藤であったが、背後に迫りながらも攻め落とすまでにはいたらずその
ままチェッカー、伊藤は4位入賞でフィニッシュした。
 シリーズを考えると最低でも表彰台の一角には立ちたかったが、惜しくもそ
れを実現させることはできなかった。しかし、低迷が続いていたシーズン序盤
戦の状態から脱したことは間違いないということだけは確信もってお知らせし
ておきたい。シリーズ2位以下はまさに混戦状態であり、いっきにジャンプ
アップできる可能性を秘めている。次の第7戦こそは、シリーズでいっきに抜
け出る結果を残したい。

伊藤大輔;「4番手に落ちて必死に追い上げたけど抜けなかった。西コースで
僕の方が速く、追い詰めれるんですが、東コースで離されてしまう。悔しい。
マシンも僕ももっと速く走れたはずだけど、どうしても自分のペースで走れな
かった。結局、スタートがすべてだった。そういった意味では、やはり予選の
失敗がすべてともいえる。でもマシンは明らかに進歩しているので、次のレー
スではもっといいレースができると思います」

百田義弘チーム監督;「スタートしてから松田選手の後ろについた時点で勝負
は決まってしまった。力が均衡しているからそう簡単には抜けない。特にあの
ような接近戦では自分のペースで走れないから、どんどん辛くなる。スタート
でポジションを落とさなければ、トップと同じペースで走れていたはずなだけ
に残念ですね。松田選手のペースにはまってしまった。でも終盤に伊藤が見せ
た速さとガッツは今後に向けていい材料だと思う。シリーズも残りが少なく
なってきた。今後はこれまで以上に勝ちにこだわりたい」

深尾栄一チームマネージャー;「優勝を狙っていただけに残念な結果ですが、
チーム力としては確実に上昇気流に乗っていると思います。ただ運を含めたす
べての条件を満たさないと勝てないと痛感もさせられた。それがどの部分にあ
るのかを考え、次のレースにフィードバックさせます。今回は地元だけにたく
さん応援団がスタンドに集まってくれて本当に嬉しかった。応援ありがとうご
ざいました」

決勝レース結果(トップ10)
順位 ドライバー      タイム差      マシン/エンジン  チーム名
1位:D・マニング                 F399/トヨタ TOMS
2位:金石 年弘    ?0・862秒 F399/無限   ARTA
3位:松田 次生    ?5・573秒 F399/無限   NAKAJIMA HONDA
4位:伊藤 大輔    ?6・207秒 F399/無限   SPEEDMASTER SKILLSPEED
5位:黒澤 治樹  ?25・115秒 F399/無限   LIAN RACING
6位:M・メディアーニ ?28・014秒 F399/三菱   HKS
7位:S・フィリップ  ?28・211秒 F399/無限   INGING
8位:荒 聖治    ?30・145秒 F399/トヨタ TOMS
9位:谷川 達也  ?31・076秒 F399/トヨタ PAL SPORT 
10位:W・エブラヒム  ?44・384秒 F399/無限   TODA RACING

NEXT ROUND →全日本F3選手権第7戦 8月1日

情報提供:SPEEDMASTER SKILLSPEED
     スピードマスターレーシング事務局
     http://www.speedmaster.co.jp


        *** FMOTOR4F SysOp 北島滋穂(SDI00685@nifty.ne.jp) ***



トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース